Oracle DatabaseとIPv6 Statement of Direction

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以下の事項は 弊社の一般的な製品の方向性に関する概要を説明するものです また 情報提供を唯一の目的とするものであり いかなる契約にも組み込むことはできません 以下の事項は マテリアルやコード 機能を提供することをコミットメント ( 確約 ) するものではないため 購買決定を行う際の判断材料になさらな

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Transcription:

Oracle ホワイト ペーパー 2017 年 10 月 Oracle Database と IPv6 Statement of Direction

免責事項 下記事項は 弊社の一般的な製品の方向性に関する概要を説明するものです また 情報提供を唯一の目的とするものであり いかなる契約にも組み込むことはできません マテリアルやコード 機能の提供をコミットメント ( 確約 ) するものではなく 購買を決定する際の判断材料になさらないで下さい オラクルの製品に関して記載されている機能の開発 リリース および時期については 弊社の裁量により決定されます

概要... 1 はじめに... 1 Oracle Database 11g Release 2とIPv6... 2 サポートされるホストとネットワーク構成... 2 Oracle Net Listener... 2 TNS 接続アドレス... 2 簡易接続ネーミング... 3 TCP 接続タイムアウト... 3 Oracle Database 11g Release 2でのIPv6の制限事項... 4 Oracle Database 12c Release 1とIPv6... 4 Oracle Database 12c Release 1でのIPv6の制限事項... 4 Oracle Database 12c Release 2とIPv6... 4 結論... 4

概要 Oracle Database 11g Release 2では シングル インスタンス モードでのすべての機能とコンポーネントでIPv6がサポートされています Oracle Database 12c Release 1では サポートが拡張され パブリック ネットワーク経由でのOracle Real Application Clusters(Oracle RAC) へのクライアント接続を可能にしています Oracle Database 12c Release 2では Oracle RACプライベート ネットワークとWindowsサーバーに対するIPv6のサポートを完全なものにしています はじめに Internet Protocol Version 6(IPv6) はパケット交換ネットワーク用のネットワーク レイヤー (OSI モデル ) プロトコルであり 現在使用されているInternet Protocol Version 4の欠点に対処するように設計されています IPv6の大きな利点は 128ビットのアドレスを使用した無限に近いアドレス空間です Oracle Database 11g Release 2は RFC2732で規定された標準のIPv6アドレス表記をサポートしています 128ビットのIPアドレスは通常 4 桁の16 進数を ":" で区切り 8つ並べて表記します 4 桁の16 進数の先頭のゼロは削除されます たとえば 1080:0:0:0:8:800:200C:417Aは有効なIPv6アドレスです ゼロが連続するフィールドは 任意で :: を使用して短縮できます たとえば 1080::8:800:200C:417Aのようにできます もう1つのIPv6アドレス形式は 下位の4つの8ビットを標準のIPv4 表記で表し 上位の6つの16ビットを標準のIPv6 表記で表します たとえば ::FFFF:129.144.52.38のようにします URL 内では IPv6アドレスは "[" と "]" で囲んで表記します たとえば 標準 URL 文字列には [1080:0:0:0:8:800:200C:417A] を使用できます 1

Oracle Database 11g Release 2 と IPv6 このセクションでは Oracle Database 11g Release 2 での IPv6 の使用方法について説明します サポートされるホストとネットワーク構成次の表は クライアント / サーバー接続に使用されるプロトコルと 各種ホストおよびネットワーク構成をまとめたものです 以下の場合に ホスト ( クライアントまたはサーバー ) はIPv6 対応として記載されています 1. IPv6インタフェースが構成されている場合 2. IPv6( ネットワークおよびルーティング サポート ) を使用して別のホストに接続できる場合 IPv4とIPv6の両方で接続をサポートしている場合は ホストはデュアル スタックとして記載されています IPv4のみ対応のサーバー デュアル スタックのサーバー IPv6のみ対応のサーバー IPv4のみ対応のクライアント サポートあり (v4) サポートあり (v4) サポートなし デュアル スタックのクライアント サポートあり (v4) サポートあり (v4 v6) サポートあり (v6) IPv6のみ対応のクライアント サポートなし サポートあり (v6) サポートあり (v6) Oracle Net Listener Oracle Net Listenerは listener.oraのtcpプロトコルにデフォルトのホスト名が使用されている場合 すべてのネットワーク インタフェースで受信された接続リクエストをリスニングします IPv4と IPv6で別々のリスニング エンドポイントをリスナーに設定する必要はありませんが 必要に応じて設定することが可能です listener.oraのaddress 部分では 任意でIPパラメータを指定できます このパラメータによって ホスト名が使用された場合にリスナーがリスニングするIPアドレスが決まります 指定できる値は FIRST V4_ONLY およびV6_ONLYです IPパラメータが指定されておらず デフォルト ホスト名が使用されている場合は ホスト名に相当するIPアドレスがすべてリスニングされます TNS 接続アドレス 11g Release 2バージョンのOracleクライアント スタックを使用したクライアントまたは中間層アプリケーションでは IPv6アドレスとIPv6アドレスに解決されるホスト名を TNS 接続アドレスの HOSTパラメータで使用できます TNS 接続アドレスは サポートされている任意のOracle Netネーミング メソッドで取得できます 2

クライアントは 接続に成功するか すべてのアドレスへ接続の試行が終わるまで ドメイン ネーム システム (DNS) の名前解決によって返されるすべてのIPアドレスへ接続するように試みます たとえば デュアル スタック ホスト上で実行されているクライアントが簡易接続記述子 salesserver/sales.us.example.comを使用する場合に sales-serverがipv4のみとして構成されているとします そしてDNSは sales-serverを以下のipアドレスにマッピングしているとします 1. IPv6アドレス2001:0DB8:0:0::200C:417A 2. IPv4アドレス192.168.2.213 この場合 Oracleクライアントはまず DNSリストの先頭にあるIPv6アドレスへの接続を試みます この例では sales-serverはipv6 接続をサポートしていないため この試行は失敗します 次に Oracle クライアントはIPv4アドレスへの接続を試み これは成功します 簡易接続ネーミング簡易接続ネーミングは IPv6のホスト名およびアドレスをサポートするように拡張されています 構文は 上述のIPv6のURL 構文に準じます 簡易接続文字列の形式は ホスト名およびIPv4アドレスの形式と同じです 構文は次のとおりです hostにはホスト名またはipv4アドレスを指定し その他のパラメータは任意で指定できます [//]host[:port][/[service_name[:<server>]][/instance]] この構文はIPv6アドレスにも使用できます この構文を使用するには hostを "[" と "]" で囲まれたIPアドレスで置換します この新しい構文はホスト名およびIPv4アドレスでも使用できます たとえば 次の簡易接続文字列があるとします [2001:fe8::12]:1522/sales.us.example.com この簡易接続文字列は 以下のtnsnames.oraのTNS 接続文字列に相当します salesdb = (DESCRIPTION= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=2001:fe8::12)(PORT=1522)) (CONNECT_DATA=(SERVICES_NAME=sales.us.example.com))) TCP 接続タイムアウト接続記述子に含まれるすべてのIPアドレスには デフォルトで60 秒のTCP 接続タイムアウトが適用されます これには ホスト名から解決されるIPアドレスも含まれます このタイムアウトに別の値を指定するには tnsnames.oraの接続文字列レベルで個々に指定するか (TRANSPORT_CONNECT_TIMEOUT) またはsqlnet.oraレベルですべての接続文字列に適用できます (TCP.CONNECT_TIMEOUT) 3

Oracle Database 11g Release 2でのIPv6の制限事項 Oracle RACとOracle Clusterwareを除き Oracle Database 11g Release 2のすべての機能およびコンポーネントでIPv6がサポートされています また Oracle Database 11g Release 2でOracle Restartを実行しているシングル インスタンス データベースでは ASMおよびONSベースのFAN 通知はサポートされていません Oracle Database 12c Release 1 と IPv6 シングル インスタンス データベースでのIPv6のサポートに加えて Oracle Database 12cでは パブリック ネットワーク経由でのOracle RACへのIPv6クライアント接続もサポートされています Oracle Database 12c Release 1でのIPv6の制限事項 Oracle Database 12c Release 1(12.1.0.2) では Windows 上で実行されているOracle RACデータベースおよびOracle ClusterwareへのIPv6クライアント接続はサポートされていません また Windows 上でOracle Database 12c Release 1で実行されているシングル インスタンス データベースでは ASMおよびONSベースのFAN 通知はサポートされていません Oracle RACおよびOracle Clusterwareで必要となるプライベート ネットワークでは IPv6はサポートされていません Oracle Database 12c Release 2 と IPv6 Oracle Database 12c Release 2では すべてのコンポーネントと機能に対してIPv6を完全にサポートします 具体的には以下のサポートを提供します Windowsで実行されているOracle RACおよびClusterwareへのパブリック ネットワーク経由での IPv6クライアント接続がサポートされるようになりました Windowsで実行されているシングル インスタンスおよびOracle RACデータベースのASMおよび ONSベースのFAN 通知がサポートされるようになりました Oracle Clusterware 構成のプライベート ネットワーク上のIPv6がすべてのプラットフォームでサポートされるようになりました 結論 Oracle Database 11g Release 2では シングル インスタンス モードでのすべての機能とコンポーネントでIPv6がサポートされています Oracle Database 12c Release 1では いくつか制限事項がありますが IPv6のサポートが拡張され パブリック ネットワーク経由でのOracle RACへのクライアント接続を可能にしています これらの制限事項はOracle Database 12c Release 2では排除され IPv6 が完全にサポートされます 4

Oracle DatabaseとIPv6 Statement of Direction 2017 年 10 月 Authors: Kant Patel, Bob Thome Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問い合わせ窓口 : 電話 : +1.650.506.7000 Fax: +1.650.506.7200 oracle.com Copyright 2013, Oracle and/or its affiliates.all rights reserved. 本文書は情報提供のみを目的として提供されており ここに記載される内容は予告なく変更されることがあります 本文書は その内容に誤りがないことを保証するものではなく また 口頭による明示的保証や法律による黙示的保証を含め 商品性ないし特定目的適合性に関する黙示的保証および条件などのいかなる保証および条件も提供するものではありません オラクルは本文書に関するいかなる法的責任も明確に否認し 本文書によって直接的または間接的に確立される契約義務はないものとします 本文書はオラクルの書面による許可を前もって得ることなく いかなる目的のためにも 電子または印刷を含むいかなる形式や手段によっても再作成または送信することはできません Oracleは米国 Oracle Corporationおよびその子会社 関連会社の登録商標です その他の名称はそれぞれの会社の商標です 0109