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目次 1 研究の動機 1 2 研究を始める前に 1 インターネットで調べる 3 研究の目的 1 4 研究の内容 1 追究 1 日なたと日陰の気温の違いを調べる 1 追究 2 よしずできる日陰と日なたの気温を調べる 3 追究 3 よしずに水をかけたら気温がどのように違うか調べる 6 追究 4 ミストや


Transcription:

平成 25 年度三団体情報交換会 : 技術報告 無断配布禁止 日射による内部温度上昇の基礎研究 ( 鋼板製キャヒ ネット 樹脂製ホ ックス ) 2013 年 5 月 10 日 一般社団法人キャビネット工業会 技術部会技術委員後藤茂之

テーマ 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 ( 鋼板製キャヒ ネット 樹脂製ホ ックス ) p2 研究背景 キャビネット及びボックス内に設置される機器の多種多様化 直射日光下のキャビネット内において 機器の不具合 目的 直射日光下に設置したキャビネット及びボックスの内部温度変化の傾向を把握し より安全に使用していただく啓蒙に繋げる

1500mm 評価内容 ( 設置条件 ) 測定場所静岡県工業技術研究所屋上 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p3 測定期間 第 1 回 2009 年 7 月 30 日 ~8 月 5 日第 2 回 2010 年 8 月 4 日 ~8 月 9 日第 3 回 2011 年 7 月 26 日 ~8 月 3 日第 4 回 2012 年 7 月 31 日 ~8 月 6 日 設置条件 設置向き : 扉面を南向き 設置高さ :1500mm ( キャビネット上面 ) 試験品間隔 :800mm 800mm 設置例 : 第 1 回 (2009 年 ) 左側より樹脂製 ( タ ークク レー ) 樹脂製 ( ) 鋼鈑製 ( フ ラウン ) 鋼鈑製 ( ヘ ーシ ュ ) 鋼鈑製 ( ) 南向き設置

500 500 評価内容 ( 試料詳細 ) 試験品寸法樹脂製鋼板製 SUS 製深さ :180 深さ :200 300 400 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p4 測定位置( 熱電対 ) 樹脂製鋼板製 SUS 製 天井裏面 70 70 上部 240 240 400 中部 460 下部 測定条件 1 上部 中部 下部 天井の表面温度 ( 裏面 ) を 5 分毎に測定 2 環境データとして 測定場所周囲の 外気温 ( 日陰温度 ) 日射量 風速 を測定 ( 第 3 回以降 ) 3 試験期間のうち 晴天日の測定データを補正し分析 測定深さ : 基板面から高さ 50 mm 日射計 風速計

第 1 回試験内容 2009 年実施 第 1 回試験 主な確認事項 1. 色彩の違いによる影響 2. 金属と樹脂の材質の違いによる影響 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p5 COOL COLOR metal WARM COLOR Plastic 鋼板製キャビネット 樹脂製ボックス 1 2 3 11 12 ベージュブラウンダークグレー

第 2 回試験内容 2010 年実施 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p6 第 2 回試験 主な確認事項 1. 窓 透明蓋による影響 2. 塗装の有無による影響 COLOR SUS Clear painting 鋼板製キャビネット 樹脂製ボックス 1 4 9 11 13 14 ベージュ ベージュ窓付き ステンレス塗装なし I 社 ホワイト N 社 透明 N 社

第 3 回試験内容 2011 年実施 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p7 第 3 回試験 主な確認事項 1. 鋼板とステンレスの違いによる影響 2. 自立キャビネットの温度上昇 3. 樹脂製ボックスの屋根の影響 鋼板製キャビネット steel stand 樹脂製ボックス sus VISOR 1 10 5 70 11 13 15 450 850 1250 ベージュ ステンレスベージュ 700x1600x350 自立ベージュ I 社 ホワイト N 社 屋根付 I 社

第 4 回試験内容 2012 年実施 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p8 第 4 回試験 主な確認事項 1. 内部熱源による影響 2. ルーバーの効果 ( 鋼板製 ) 3. 遮光板の効果 ( 鋼板製 ) I 社 内部熱源 :20W ヒーター 遮光板 ルーバー 鋼板製キャビネット 樹脂製ボックス 1 8 6 7 11 16 ベージュ ベージュ + ヒーター ルーバー付ベージュ 遮光板付ベージュ + ヒーター

ご報告内容 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p9 下記の項目がキャビネットの内部温度に与える影響は? 今回の発表内容 1. 色彩の違いによる影響 ( 濃色 -- 淡色 ) 2. 材質の違いによる影響 ( 鋼板 -- 樹脂 ) 3. 透明蓋の影響 ( 樹脂ボックス ) 4. 内部熱源の影響 5 熱対策の効果 ( 鋼板製キャビネット ) キャビネット内 上部の温度を中心に報告いたします

7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 試験結果色彩による違い ( 鋼板製 ) 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p10 温度 ( ) 60 55 50 45 40 35 30 25 20 色彩の違い : 鋼板製 ( 上部 ) フ ラウン 51 温度差 12.2 ヘ ーシ ュ 45 38.8 測定時刻 外気 ( 気象庁 ) 外気 ( 周囲 ) 1 鋼板製ヘ ーシ ュ 2 鋼板製 3 鋼板製フ ラウン 温度差 6.4 ( フ ラウン ) 上部 中部 下部 1. 内部温度は 色の濃いものほど高い 上部温度 ブラウン色と色の温度差は 12.2 2. ブラウン色の上部と下部の温度差は 6.4 3. 濃色ほど短時間で温度が上昇する 4. 色は 周辺温度とほぼ同じ内部温度

7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 試験結果色彩による違い ( 樹脂製 ) 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p11 温度 ( ) 60 55 50 45 40 35 30 25 20 色彩の違い : 樹脂製 ( 上部 ) タ ークク レー 53.8 温度差 15.2 38.6 外気 ( 気象庁 ) 外気 ( 周囲 ) 1. 内部温度は 色の濃いものほど高い 上部温度 ダークグレー色と色の温度差は 15.2 2. ダークグレー色の上部と下部の温度差は 7.3 3. 濃色ほど短時間で温度が上昇する 4. 色は 周辺温度とほぼ同じ内部温度 測定時刻 11 樹脂製 (I 社 ) 12 樹脂製 (I 社 ) タ ークク レー 温度差 7.3 ( タ ークク レー ) 上部 中部 下部

7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 試験結果材質による違い 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p12 温度 ( ) 60 55 50 45 40 35 30 25 20 材質の違い ( 上部 ) ベージュ ( 鋼板製及び SUS 製 ) ( 鋼板製及び樹脂製 ) 外気 ( 気象庁 ) 外気 ( 周囲 ) 1 鋼板製ヘ ーシ ュ 10 ステンレス製ヘ ーシ ュ 2 鋼板製 11 樹脂製 (I 社 ) 鋼板製 ベージュ色 SUS 製 色 測定時刻 1. ベージュ色の鋼板製とステンレス製に差は少ない 2. 色の鋼板製と樹脂製も差は少ない 材質による温度上昇の差は少なく 色による影響が大きい 鋼板製 樹脂製

7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 試験結果透明蓋の影響樹脂製 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p13 温度 ( ) 60 55 50 45 40 35 30 25 20 透明蓋の影響 : 樹脂製 ( 上部 ) 透明 ( 樹脂 ) 53.6 ホワイト ( 樹脂 ) 41.3 温度差 12.3 外気 ( 気象庁 ) 外気 ( 周囲 ) 13 樹脂製 (N 社 ) ホワイト 14 樹脂製 (N 社 ) 透明 測定時刻 上部 53.6 1. 樹脂製の透明蓋は 上部温度 53.6 と濃色並の高温になる ( 同色の樹脂製に比べ +12.3 ) 2. 透明蓋は 直射日光のあたる下部の方が温度が高くなる 3. 長時間 高温が続く傾向がある 下部 54.4

7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 試験結果内部熱源の影響 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p14 温度 ( ) 60 55 50 45 40 35 30 25 20 熱源有 : ( 樹脂 ) 47.8 温度上昇 9.2 ( 樹脂 ) 38.6 内部熱源の影響 ( 上部 ) 熱源有 : ヘ ーシ ュ ( 鋼板 ) 50.9 温度上昇 5.9 ヘ ーシ ュ ( 鋼板 ) 45 測定時刻 外気 ( 気象庁 ) 外気 ( 周囲 ) 1 鋼板製ヘ ーシ ュ 8 鋼板製ヘ ーシ ュ ( 熱源有 ) 11 樹脂製 ( I 社 ) 16 樹脂製 ( I 社 ) ( 熱源有 ) 1. 樹脂製の方が温度上昇が大きい 同色での温度上昇値 樹脂製色 :+9.2 鋼板製ベージュ色 :+5.9 2. 樹脂製は 夜間でも温度が下がりにくい 内部熱源 :20W ヒーター

7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 試験結果熱対策の効果 ( 鋼板製 ) 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p15 温度 ( ) 60 55 50 45 40 35 30 25 20 熱対策の効果 : 鋼板製 ( 上部 ) 効果時間が長い 遮光板付 41.1 冷却効果 :3.9 ヘ ーシ ュ ( 鋼板 ) 45 ルーハ ー付 40.9 冷却効果 :4.1 測定時刻 外気 ( 気象庁 ) 外気 ( 周囲 ) 1 鋼板製ヘ ーシ ュ 6 鋼板製ヘ ーシ ュ ( ルーハ ー付 ) 7 鋼板製ヘ ーシ ュ ( 遮光板付 ) 1. ルーバーでの冷却効果 上部 :-4.1 中部 :-3.7 下部 :-2.9 2. 遮光板での冷却効果 上部 :-3.9 中部 :-3.9 下部 :-3.9 3. どちらの対策も 午前から夕刻まで効果時間が長い ルーバー 遮光板

考察 まとめ 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p16 < 考察.1> 材質による差と 色彩による差 材質の違いによる内部温度変化の差は少ない 濃色のキャビネットほど 内部温度が高くなり 上部と下部の温度差が大きくなる ( 温度上昇も急激になる ) = < ----------------------------------------------------------------------------------- お客様が熱対策を必要とする場合は キャビネットの外装色が選択可能なら明度の高い白系統の製品をお勧めする

参考データ 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p17 70 450 850 1250 45.8 44.4 43.4 42.8 45 43.6 42.3 70 240 460 自立ベージュ 700 1600 350 壁掛けベージュ 400 500 200 ( 天面高さ 1500 に設置 ) < 参考 : 自立キャビネットの傾向 > 自立キャビネットも壁掛け設置同様 上部ほど高温になる 容積は異なるが 壁掛け設置と大きな差は無い

参考データ 金属製 : 天井裏面 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p18 樹脂製 : 天井裏面 ブラウン 63.6 ベージュ 53.5 41.6 温度差 22 タ ークク レー 66.1 39.3 温度差 26.8 < 参考 : 天井裏面温度 > 天井裏面温度も内部と同様 濃色ほど高くなる キャビネット内 上部よりさらに 10 以上高温になるので注意

考察 まとめ 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p19 < 考察.2> 透明蓋の影響 : 樹脂製 透明扉は 内部温度が上昇しやすい 窓が大きいと上部より下部の方が温度が高い傾向にある 樹脂製透明蓋上部温度 :53.6 < 下部温度 :54.4 上部温度は ダークグレー色と同等 < ----------------------------------------------------------------------------------- 透明扉は 濃色以上に 直射日光下では配慮が必要

考察 まとめ 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p20 < 考察.3> 内部熱源の影響 内部に熱源がある場合 放熱しにくい樹脂製ボックスの方が温度上昇しやすい傾向 上部温度 樹脂製 :+9.2. 鋼板製ベージュ :+5.9 樹脂製は 夜間でも内部温度が下がりにくい 内部熱源 : 20W ヒーター ----------------------------------------------------------------------------------- 内部熱源による影響は 材質だけでなく 気密性や日射 外気等の影響を総合的に判断する必要がある

考察 まとめ 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p21 < 考察.4> 熱対策の効果 ( 金属製キャビネット ) ルーバーでの冷却効果 上部 :-4.1 中部 :-3.7 下部 :-2.9 遮光板での冷却効果 上部 :-3.9 中部 :-3.9 下部 :-3.9 どちらの対策も 午前から夕刻まで効果時間が長い ----------------------------------------------------------------------------------- ルーバー遮光板は日射の影響を防ぐ効果 ルーバーは内部の熱を放出する効果 用途 条件による使い分けが効果的 遮光板

参考データ 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p22 屋根の効果 ( 樹脂製ボックス ) 天井裏面温度を約 2 下げる効果があるが 内部温度を大きく下げれるかは不明確 温度上昇を遅延させる効果がある (35 に達するまでの時間を約 2 時間遅らせた ) ----------------------------------------------------------------------------------- < 参考 : 屋根の効果 > 樹脂製ボックスの屋根は 防雨性の向上以外にも温度上昇を抑制する効果が期待できるが ルーバーや遮光板ほどではない?

考察 まとめ 日射によるキャビネット内部温度上昇の基礎研究 p23 < まとめ > 考慮事項 設置場所 設置高さ等の環境条件色 材質 気密性 放熱性等のキャビネット性能内部機器 熱対策等の個別条件 各種条件を総合的に判断する必要がある

平成 25 年度三団体情報交換会 : 技術報告 日射による内部温度上昇の基礎研究 ( 鋼板製キャヒ ネット 樹脂製ホ ックス ) ご静聴ありがとうございました 一般社団法人キャビネット工業会 報告者技術委員後藤茂之