Challenge! シーキューブグループにおける 安全への挑戦 ~ 安心 安全 信頼をベースとした すごい会社 創りへのチャレンジ ~ シーキューブ株式会社安全品質推進部瀧口幸男 1. はじめに 事故 ( 人身 設備 ) の絶滅は通信建設会社にとって永遠の課題ですが 全国的には依然として多くの事故

Similar documents
<4D F736F F D C0837D836C8EE888F882AB95CA FAC8B4B96CD8E968BC68ED2816A>

写真 1 経営幹部による安全パトロール状況 写真 2 実践設計検討会模様 < スクリーンで説明している設計図の拡大 > 3. 安全 品質向上に向けた具体的取組み 安全 品質向上に向けた具体的取組みとして 実践設計検討会 班長研修 事故情報を受けての取組み ヒヤリハット情報の収集と活用 について紹介し

<4D F736F F D208DBB939C97DE8FEE95F18CB48D EA98EE58D7393AE8C7689E6816A2E646F63>

SJAC規格の作成及び発行手順

平成 29 年度定期監査 ( 第 1 回 ) の結果報告に基づき講じた措置内容等 墨田区長 監査委員意見について 監 査 結 果 の 内 容 措 置 内 容 (1) 事務処理の適正化について今回の監査では指摘事項に該当する事例はなかったものの 指導 注意事項の事例については これまでの重ねての指摘に

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

02 IT 導入のメリットと手順 第 1 章で見てきたように IT 技術は進展していますが ノウハウのある人材の不足やコスト負担など IT 導入に向けたハードルは依然として高く IT 導入はなかなか進んでいないようです 2016 年版中小企業白書では IT 投資の効果を分析していますので 第 2 章

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況について

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

< F2D81798E9197BF817C A95BD90AC E >

安全管理規程

輸送安全方針 当社では 輸送の安全を確保する為に 以下の通り基本方針を定める 1 安全最優先 2 法令 社内規定 業務ルールの遵守 3 事故原因の徹底究明による再発事故防止活動 4 運輸安全マネジメント体制の継続的改善 PDCA の確実な実施 5 協力会社への有効性ある教育指導 本方針は 社内外に開

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

2019 年度 安全報告書 九州急行バス株式会社

図 1 安全サイクル ⑸ 指差し呼称 目で確認 声で確認 体 ( 動き ) で確認 することで 確かな 確認した という記憶が残る 指差し確認の動作が慣れてくると 確認するという意識や行為が当たり前になってくる 予測し 考え 使うことがいかに大切であるか これらの行動を継続していけば未然に事故を防ぐ

<355F838A E837D836C B E696E6464>

2011年度 九州航空株式会社 「安全報告書」

安全方針 令和元年 6 月 1 日 株式会社ザイマックストラベルデザイン 当社は 輸送の安全確保が旅客自動車運送事業の社会的使命と深く認識し 全社員一丸となって輸送の安全を確保し 意識の徹底を図り 安全をすべてに優先 し お客様に 安全 安心 快適で楽しい旅 を提供します 1 法令 規定を遵守し 安

内部統制ガイドラインについて 資料

問 1-7 問 1-8 問 1-9 安全衛生計画 目標に盛り込み PDCAサイクルで管理している主な事項について 該当する番号すべてにチェックをつけてください ( 複数回答可 ) n= 287 n= 178 n= 46 n= 67 n= 安全衛生委員会 ( 安全委員会及び衛生委員会を含む


評価項目 A Bともすべての項目に を入れてください 評価項目 A 宣言内容 ( 共通項目 ) チェック項目 取り組み結果 出来た概ね出来た出来なかった 1 経営者が率先し 健康づくりに取り組みます 健康宣言証の社内掲示など 健康づくりに関する企業方針について 従業員へ周知していますか? 経営者自身

5. 内部統制推進部内部統制推進部は NEC グループ企業行動憲章 および NEC グループ行動規範 の周知をはじめとしたコンプライアンス徹底のための各種施策を企画立案し 実施しています また 事業部門およびスタッフ部門が実施するリスクマネジメントが体系的かつ効果的に行われるように 必要な支援 調整

2010年2月3日

平成 31 年度 運輸安全マネジメントの取組み WILLER EXPRESS 株式会社 1

平成18年度標準調査票

安全報告書(運輸安全マネジメント2017年度方針/バス)

ANNUAL REPORT

平成18年度標準調査票

PPTVIEW

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A B90D88E9688C482CC8DC494AD96688E7E82C98CFC82AF82C482CC8E7793B1814

4 輸送の安全のために講じた措置及び講じようとする措置 2017 年度に講じた措置当社は バス事業における経営の根幹は 安全 である との認識に立ち 安全性向上のための取り組みを継続して推進しています また 2017 年度は 向こう 3 年間の安全に関する具体的な実行計画をまとめた 第三次中期安全計

Microsoft Word - 内部統制システム構築の基本方針.doc

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

実現力を高める方法

生徒指導の役割連携_四.indd

「標準的な研修プログラム《

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

社会福祉法人福知山学園リスクマネジメント指針 社会福祉法人福知山学園 1. 主旨社会福祉法人福知山学園法人理念に基づき ご利用者の生命と尊厳を守り 安全 安心で心と心が通い合う支援 介護サービスの提供を目指し 支援 介護サービス場面における事故防止対策に関する指針として 福知山学園リスクマネジメント

<4D F736F F D C0837D836C8EE888F882AB95CA B6096B AF8E968BC68ED2816A>

<4D F736F F D E817A8AEE916295D22D979A97F082C882B >

Microsoft Word - JSQC-Std 目次.doc

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

ISO19011の概要について

3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

平成18年度標準調査票

別添 1 安全衛生教育に関する自主点検 集計結果 ( グラフ ) ( 自主点検実施期間 : 平成 28 年 11 月 18 日 ~ 平成 28 年 12 月 16 日 ) 1. 自主点検の回答状況 ( 調査対象 150 事業場, うち 回答あり 73 事業場 ) 自主点検の回答状況 回答あり の事業

内部統制システム YOKOGAWAでは 企業価値を高めるために人財 資産 予算といった経営資源を適切に配置し それらを機能的に動かす経営管理のことを 内部統制 と位置づけています 内部統制を実現する手段として内部統制システムを構築し 経営効率の向上 不祥事の防止 の両面をコントロールしています これ


どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律

乗務員に対する指導監督 1. 国土交通大臣が告示で定めるとことにより ( 貨物自動車運送事業者が事 業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の方針 ( 平成 付け 国土交通省告示第 1366 号 ) 運転者に対し事業用自動車の運行の安全を確 保するために必要な運転の技術及び法令に基

企業倫理・企業行動に関するアンケート集計結果(概要)

本日のポイント 事業のグローバル化の進展に伴い 長期ビジョンVG2020 * と共に現在のリスクマネジメントがスタート 経営陣とオムロンらしいリスクマネジメントは何かについて議論しながら 社会的責任の遂行 等を目標とする グローバル に 統合 された仕組み作りを目指して活動をしてきた 現在 取締役会

14個人情報の取扱いに関する規程

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

Bカリキュラムモデル簡易版Ver.5.0

< D92E8955C81698D488E968AC4979D816A2E786C73>

安全報告書 ( 平成 28 年度 ) Bell407 Shin-Nihon Helicopter Co.,Ltd. Photo Koji Nakano Tokyo,Japan 新日本ヘリコプター株式会社 本報告書は 航空法第 111 条の 6 並びに航空法施行規則 第 221 条の 5 及び第 22

2 改善命令 1への対応 TIB 審査会は ファーマコビジランス部門が委員長および事務局を務め 営業部門から独立した組織として運営しており 更に 2014 年 4 月より 審査体制の強化を目指し 法的観点から法務部員を メディカルサイエンスの立場からメディカルアフェアーズ部員 ( 医師 ) を委員に

Microsoft Word - 【施行②】第50条解釈適用指針Rev4.doc

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

化粧品製造販売業 GQP GVP とは? 今まで 化粧品輸入販売業などの許可をお持ちの方は 製造販売業に許可が変わったことにより やらなくてはならない業務 が増えました それが GQP や GVP です ところが GQP や GVP を定めた省令などを読んでも 意味が分かりにくい という声を聞きまし

文書管理規程 1.0 版 1

安全衛生規程

< CA F92B28DB8955B5F895E89638FEE95F12E786C7378>

目次 1. 会社紹介 2. 小規模ソフトウェア開発のプロセス改善 3. 改善後の開発現場に現れてきた気になる傾向 4. 小集団改善活動 5. 当社が考える小規模開発 1/20

医療安全管理指針

防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン

働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

JISQ 原案(本体)

ブック 1.indb


自治体CIO育成教育

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

初任運転者に対する指導内容 ( 座学 ) 菰野東部交通株式会社 指導教育の内容 事業用自動車の安全な運転に関する基本的事項 道路運送法その他の法令に基づき運転者が遵守すべき事項及び交通ルール等を理解させるとともに 事業用自動車を安全に運転するための基本的な心構えをしゅうとくさせる ( 事業用自動車に

sangi_p2

( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

特定個人情報の取扱いの対応について

PowerPoint プレゼンテーション

4.7.4 プロセスのインプットおよびアウトプット (1) プロセスへのインプット情報 インプット情報 作成者 承認者 備 考 1 開発に関するお客様から お客様 - の提示資料 2 開発に関する当社収集資 リーダ - 料 3 プロジェクト計画 完了報 リーダ マネージャ 告書 ( 暫定計画 ) 4

6 当社は 反社会的勢力に対しては一切の関係をもたず 不当要求を受けた場合等の 事案発生時には 総務部を対応統括部署として警察および顧問弁護士等と連携し毅然とした態度で対応する (2) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 1 当社は 取締役の職務の執行に関する情報 ( 株主総会議

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

PowerPoint プレゼンテーション

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

営業活動 人それぞれ 暗黙知 Aさんの商談手順 Cさんの商談手順 Bさんの商談手順 できる営業 が受注するために 必ずやっている基本動作 体系的に整理 営業活動プロセス できる営業 のノウハウを見える化 形式知 2

資料 -3 事業継続ガイドラインの改定について 平成 25 年 7 月 24 日内閣府 ( 防災担当 ) 普及啓発 連携担当

もっと女性が活躍できる建設業 推進パッケージ 建設業における女性活躍は 官民挙げた もっと女性が活躍できる建設業行動計画 ( 昨年 8 月策定 ) を受け 5 年以内に女性倍増 を目指して官民で様々な取組がスタート 昂じている機運を業界全体で持続 浸透させ取組を加速化するためには 地域ぐるみの活動の


<4D F736F F F696E74202D20496F54835A834C A B CC8A F8CF6955C94C A2E >

2 安全衛生教育の実施等 () 6 派遣労働者を雇い入れたときに雇入れ時の安全衛生教育を行 はい いいえ っています () 7 派遣労働者の派遣先事業場を変更するなど 作業内容を変更 はい いいえ したときは 当該派遣労働者に対し 作業内容変更時の安全 衛生教育を行っています ()() 8 6 及び

どんな危険がひそんでいるか シート 4-(1) ダンボール箱開梱 状況 あなたは カッターナイフを使ってダンボール箱を開梱しています 160

(個別のテーマ)医療機関と薬局の連携に関連した医療事故

< 実働組織 > コンプライアンス企画部会 任命 報告等 設置 取締役会 コンプライアンス委員会 コンプライアンス委員長 コンプライアンス委員 審議 決定事項の報告 コンプライアンス特別委員 ( 社外弁護士 ) コンプライアンス規程 当社はコンプライアンスに関する体制 組織および運営方法を定めた基本

<90528DB88EBF96E2955B2E786C73>

KEN026建コン成績評定要領様式.xls

Transcription:

シーキューブグループにおける 安全への挑戦 ~ 安心 安全 信頼をベースとした すごい会社 創りへのチャレンジ ~ シーキューブ株式会社安全品質推進部瀧口幸男 1. はじめに 事故 ( 人身 設備 ) の絶滅は通信建設会社にとって永遠の課題ですが 全国的には依然として多くの事故が発生しております これらの事故における困った事象としては 過去に発生した事例と同様のものが多い 発生原因のほとんどが 基本動作の徹底 ができていなかった ことがあげられます シーキューブグループでは 平成 24 年度から社長以下全社員が すごい会社 創りを本格的に推進しています ( 図 1) その中でも 安全 は すごい会社 に導く前提や基本となり 列車に例えるなら レールであり車輪 といえます 同じ失敗を繰り返さない 当たり前のこと( 基本動作 ) を当たり前にできる ことこそが すごい会社 への第一歩と 全社員が認識して安全の取組みを再スタートしたところです まだ道半ばですが 参考までに取組み状況について紹介します 図 1 シーキューブグループの すごい会社 創りイメージ 2. シーキューブグループ基本方針とは シーキューブグループの 労働安全衛生 品質方針 では お客様からの信頼と満足を得るため すべての仕事で災害防止に努め 最高の品質を提供する と掲げており この達成手段の1つとして 行動指針の基本動作では 法令及び社内規程で 決めた事 決められた事 は必ず守る をあげています ( 図 2) 3. 基本動作とは 施工上での 基本動作 には 安全施工 ( 人身 設備等 ) を確実に実施するために やらなければならないこと と やってはいけないこと の2つがあります この 基本動作 を欠くと 人身事故の危険性が大きく 図 2 シーキューブグループ 労働安全衛生 品質方針 16 Raisers 2013. 3

増大したり 品質の劣化を招くことになります シーキューブグループにおいては 日々の作業で使用する 安全作業心得 の中で事故絶滅三原則 ( 図 3) を定めており 1 決めたこと 決められた事は必ず守る 2 節目 節目で5 秒の確認をする 3 絶対に無理をしないを遵守するよう宣言しています この三原則を安全ミーティングや安全朝礼等で唱和確認しています 施工のプロとして 1 人ひとりが基本動作である 決めた事 決められた事 を当たり前に実践することが求められています また 具体的な基本動作については 毎日繰り返される動作が 仕事の基本動作 であり 次のような行動を指します 一言で表すと シーキューブグループの 事故絶滅三原則 を遵守することです = 工事命令書( 指示書等 ) 工法書 規格書 に基づいた仕事の実施 = 安全施工サイクルの 安全朝礼 作業開始前ミーティング 点検 作業中の指揮監督 等の実施 = 指差し呼称 復唱 (2Way) 確認 事前確認 途中確認 最終確認 の実施 = 社会人 企業人としての コンプライアンス の遵守 4. 基本動作が守られない原因とその対策 基本動作が守られない原因として5つのルール違反があります ( 図 4) それぞれの原因とそれに対するシーキューブグループの取組みについて下記に示します (1) ルールを知らない 知らない のはルールを守る以前の問題であり 計画的な教育の充実が必要です 人の記憶力の衰えもあることから 常に基本事項を確認できるような取組みが必要です シーキューブグループの取組み 1 業務ごとに基本事項 重要ポイントについてまとめた 安全作業心得 を作成し 作業時は必ず携帯し確認させる ( 図 5) 2 全国で発生した事故事例を周知する際は その都度当該作業にかかわる 安全作業心得 の該当ページとそ 図 3 シーキューブグループの 事故絶滅三原則 (H8.5.21 制定 ) 図 4 基本動作が守られない 5 つのルール違反 の安全基本動作を具体的に周知することで 理解させ 確認させる ( 図 6) 3 交通誘導員を含めた安全ミーティングの参加や事故事 例等に基づく安全研修資料の提供など チーム一体と して安全基本事項の教育を実施する (2) ルールを理解していない ルールを納得していない ルールは 知っている だけでは行動には移れませ ん ルールを決めた背景と必要性を理解し ルールどお り行動しないと事故につながることを納得させるため その理由を含めた教育が必要です シーキューブグループの取組み 1 バケット車等の特殊機器については構造上 できるこ 17

図 5 シーキューブグループ 安全作業心得 図 6 事故事例周知例 と と できないこと があるので 安全ミーティン グなどにおける専門家 ( メーカー等 ) の機能 操作説 明によって物理的に安全操作手順を理解させる 2 事故事例の周知時においては過去の同一事故事例も合 わせて理解させ 同じ基本動作をしなかったことによ り 同じ事故が必然的に発生したことを分からせる (3) みんなも守っていない 守らなくても注意を受けたり 罰せられたりしない ルールを 知って 理解 納得 していても守れな いことに対しては 動機付けが必要です シーキューブグループの取組み 1 作業者 1 人ひとりが自ら宣言した 私の安全宣言 ( 図 7) を携行する 2 毎日の朝礼における事業所長からのポイントを踏まえた注意喚起 安全専任者による日々の安全パトロール 年間を通じた会社幹部等の安全ミーティング参加 安全パトロール ( 毎月実施 ) による全社一体となった安全意識の共有 動機付けを実施する ( 写真 1 2) 18 Raisers 2013. 3

図 7 私の安全宣言 写真 2 幹部による安全パトロール 写真 1 安全朝礼 ( 幹部参加 ) 5. さらなる深掘りに向けた取組み 最近の全国の事故事例において 発生後まだ記憶に新しい事故であるにもかかわらず同一の事故がくり返し発生することから 安全意識 ( 安全行動について自らのこととして認識し行動できる意識 ) が低いのではないか 基本動作の定着 がなされていないのではないか との指摘もあり 今までの取組みにおける課題を認識し さらなる深掘りに向けた見直し 強化を図ることにしました (1) 安全意識の自律化への深掘り 作業者 1 人ひとりの安全意識 自ら考え自ら実践 ( 自律化 ) できるような意識付け 課題 1 朝礼 安全ミーティング等でKYT 等を小集団活動で行っているが 形骸化 受身的な傾向となっていないか 2 作業者からのヒューマンエラー情報である ヒヤリ ハット 情報については収集 傾向分析等を定期的 (2 回 / 年 ) に実施している しかし その内容や 事故防止対策等が現場作業者にフィードバックさ れ 各自の事故防止に効果的に活用されているか 取組み強化 1 小集団活動において ディスカッションシート の 活用や小集団グループのメンバークロスでの実施等 により 新たな視点での 気づき を促し 自ら考 える習慣付けと自律意識を醸成する 2 ヒヤリハット から日々提供される情報を確認 分析し ヒヤリポイント等を付加した ヒヤリハッ トかわら版 ( 毎月発行 ) をフィードバックするこ とによりヒヤリハット情報の共有 共感を図る ( 図 8) (2) 環境等に応じた応用動作 何を実施する から なぜ実施する への深掘り 基本動作の定着 基本動作の必要性について理解 納得させる取組み 19

写真 3 バケット車逸走防止ビデオ 図 8 ヒヤリハットかわら版 課題 1 安全教育資料等で やってはいけない 等の項目はあるが なぜ の部分を盛り込んで理解させるものとなっているか 2 教育資料については 文字が多くなりがちであるが 記憶に定着させるようなものとなっているか 取組み強化 1 安全教育中に基本動作の理由を含め理解 納得させる ( 例 : バケット車のブレーキ構造と逸走防止のための操作方法 ) 2 映像等ビデオ教材および自社作成ビデオ教材を活用した 視覚体感 による理解 記憶の定着 ( 写真 3) (3) 確実な実践 基本動作の定着 確実な実践の基本となる現場 KYの質を高める取組み 課題 1 現場作業において危険を認識し 決めた事 決められた事は必ず守る を実践するためには 作業前の現場 KYが重要である 現場 KYの実施状況はボイス レコーダーの記録により確認しているが その内容 のチェックによって作業者それぞれの 安全意識 度 に応じたフィードバックがされているか 取組み強化 1 ボイス KY の内容を順次確認し 安全意識の低い作 業者に対しては個別指導を行う また安全意識の高 い作業者の KY については優良 KY 事例として公表す るなどフィードバックを実施する 6. すごい会社 創りに向けた新たなチャレンジ ~ 確実に事故を減らすマネジメントへのチャレンジ ~ 安全マネジメントにおいては 新たな事故が発生する たび その対策としての行動ルール ~ しないこと が 増えていきます その時点においては事故を再発させな いための当然のマネジメントですが 現場の作業者に とっては やってはいけないこと しなければならな いこと が 1 つ増えることとなります そのため 作業 効率的な やりにくさ が以前よりどんどん増えていな いか注意しなければなりません 事故の事例から学び 安全のための新たな現場ルール を整備し実施指導する一方で 現場作業そのものを改善 し安全を確保しながら やってはいけないこと を 1 つ ずつ減らす努力が我々には課せられています 我々 安全管理担当は事故絶滅に向けて安全管理 指 20 Raisers 2013. 3

図 9 年間を通じた安全の取組み 導を充実していく一方で 安全技術者として現状の機器等の改良や新たな仕組みの開発により 人がミスをしても事故につながらないフェイルセーフ機能等の安全ツール ( ハード ソフト ) を活用し 現場の やってはいけないこと そのものを減らし作業を やりやすく します また ICT 技術を用いた遠隔監視の仕組みへのトライアルなどにも積極的にチャレンジしていきます このような取組みは一朝一夕に実現できるものではありませんが 常に強い意志をもって くり返し確実に事故が無くなる仕組みの実現にチャレンジしていくことにより 現場から 危険 を1つずつ減らしていきたいと思います 我々の役割は事故を回避するだけでなく危険を減らすことでもあるのです ( 図 9) 7. おわりに おかげさまで 我が社は過去平成 20 年から重大な人身事故が発生していません 今日においても 事故絶滅に向けトップ以下グループが一体となり 常に現場の目線に立ち安全推進に努めているところです しかし 新たなチャレンジを含め確実な仕組みに基づき 自ら考え 自ら実践 し確実に事故を出さない会社 ( 出ない会社 ) になってはじめて すごい会社 と言えます 今後も常に安全の取組みへのチャレンジを継続していく考えであります 21