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Aleurocanthus woglumi ( ミカンクロトゲコナジラミ ) に関する病害虫リスクアナリシス報告書 平成 28 年 3 月 25 日 農林水産省横浜植物防疫所調査研究部

目次 はじめに... 1 リスクアナリシス対象の病害虫の生物学的情報 ( 有害動物 )... 1 1 学名及び分類... 1 2 地理的分布... 1 3 寄主植物及び国内分布... 2 4 寄生部位及びその症状... 2 5 移動分散方法... 2 6 有害動物の大きさ及び生態... 3 7 媒介性又は被媒介性に関する情報... 3 8 被害の程度... 3 9 防除に関する情報... 3 10 同定 診断及び検出... 3 11 検疫処理及び措置... 3 12 我が国における現行の植物検疫措置... 4 13 諸外国での検疫措置状況... 4 リスクアナリシスの結果... 5 第 1 開始 ( ステージ 1)... 5 1. 開始... 5 2. 対象となる有害動植物... 5 3. 対象となる経路... 5 4. 対象となる地域... 5 5. 開始の結論... 5 第 2 病害虫リスク評価 ( ステージ 2)... 5 1. 農業生産等への影響の評価... 5 2. 入り込みの可能性の評価... 6 3.Aleurocanthus woglumi の病害虫リスク評価の結論... 7 第 3 病害虫リスク管理 ( ステージ 3)... 9 1.Aleurocanthus woglumi に対するリスク管理措置の選択肢の有効性及び実行可能性の検討... 9 2. 経路ごとの Aleurocanthus woglumi に対するリスク管理措置の選択肢の有効性及び実行可能性一覧... 10 3. 経路ごとの Aleurocanthus woglumi に対するリスク管理措置の選択肢の特定... 11 4.Aleurocanthus woglumi のリスク管理措置の結論... 12 別紙 1 Aleurocanthus woglumi の発生地の根拠... 13 別紙 2 Aleurocanthus woglumi の寄主植物の根拠... 16 別紙 3 関連する経路の年間輸入量... 18 引用文献... 25

はじめに Aleurocanthus woglumi は 植物防疫法施行規則別表 1 に記載する検疫有害動植物で 特定重要病害虫検疫要綱 ( 昭和 53 年 12 月 4 日 53 農蚕第 8308 号農蚕園芸局長通知 : 最終改正平成 19 年 4 月 12 日 19 消安第 423 号 ) の別表 1 で特に侵入を警戒する必要があるものとして指定し 検査で本虫が発見された荷口については廃棄としている 今般 本検疫有害動植物に対するリスク評価を実施し 現行のリスク管理措置の有効性について評価するために リスクアナリシスを実施した リスクアナリシス対象の病害虫の生物学的情報 ( 有害動物 ) 1 学名及び分類 (CABI, 2014) (1) 学名 Aleurocanthus woglumi Ashby, 1915 (2) 英名 和名等 citrus blackfly ミカンクロトゲコナジラミ (3) 分類種類 : 節足動物目 :Hemiptera( カメムシ目 ) 科 :Aleyrodidae 属 :Aleurocanthus (4) シノニム Aleurocanthus punjabensis Corbett, 1935 Aleurocanthus woglumi var. formosana Takahashi, 1935 Aleurodes woglumi (5) 同属 近縁種の我が国での発生状況 Aleurocanthus spiniferus( ミカントゲコナジラミ ): カンキツ ブドウ カキ ナシ ビワ バラ 多くの庭木の害虫 中国原産で 苗木に付着して明治末期に長崎に侵入 現在 本州以南の日本各地に分布 ( 是永, 2003) 防除に関しては登録薬剤あり Aleurocanthus camelliae( チャトゲコナジラミ ): チャ サザンカ ヤブツバキ サカキ等ツバキ科植物の葉を吸汁加害する 平成 16 年 京都府で初めて発生が確認されたチャの新たな害虫 ( 佐藤, 2011) 当初ミカントゲコナジラミの一系統とされていたが 平成 23 年に独立種として公表された (Kanmiya et al., 2011) 防除に関しては登録薬剤あり ( 佐藤, 2011) ケニアのカンキツ園では本種と同属のミカントゲコナジラミ ( 前出 : 日本既発生 ) の両種が発生している ミカンクロトゲコナジラミとミカントゲコナジラミは生態的選好性が異なり ミカントゲコナジラミは高緯度で優先しているが ミカンクロトゲコナジラミは低緯度に多い 日本及び大韓民国ではミカンクロトゲコナジラミ発生していないが ミカントゲコナジラミは発生している これは ミカントゲコナジラミよりもミカンクロトゲコナジラミの方が低温への耐性が低いことを示していると考えられる 温帯地域では施設内で発生する (CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997) 2 地理的分布 (1) 国又は地域 (CABI, 2014; 詳細は別紙 1 を参照 ) アジア : 中華人民共和国 香港 インド インドネシア カンボジア シンガポール スリランカ タイ ネパール パキスタン バングラデシュ フィリピン ブータン ベトナム マレーシア ミャンマー モルディブ ラオス クリスマス島 ( 豪 ) 中東 : アラブ首長国連邦 イエメン イラン オマーンアフリカ : ウガンダ ケニア ジンバブエ スワジランド セーシェル タンザニア 南アフリカ共和国北米 : アメリカ合衆国 バミューダ諸島 ( 英 ) 中南米 : エクアドル エルサルバドル ガイアナ グアテマラ コスタリカ コロンビア スリナム ニカラグア パナマ ブラジル ベネズエラ ベリーズ メキシコ フランス領ギアナ アンティグア バーブーダ キューバ ジャマイカ セントクリストファー ネーヴィス セントルシア ドミニカ ドミニカ共和国 トリニダード トバゴ ハイチ バハマ バルバドス イギリス領バージン諸島 オランダ領アンティル グアドループ ( 仏 ) ケイマン諸島 ( 英 ) プエルトリコ ( 米 ) 大洋州 : パプアニューギニア ハワイ諸島 (2) 生物地理区 1

東洋区 エチオピア区 旧北区 新北区 新熱帯区及びオセアニア区の 6 区 3 寄主植物及び国内分布 (1) 寄主植物 (CABI, 2014; 詳細は別紙 2 を参照 ) ミカン属の主要な害虫で ホスト範囲が幅広く アボカド バナナ カシューナッツ コーヒー ショウガ ブドウ バンジロウ ライチ マンゴウ パパイヤ ナシ ザクロ バラ属等で発生している 広食性で ミカン科を含め 69 科の 169 種の植物から記録されている (CABI, 2014) アオイ科 : フヨウ (Hibiscus) 属アカテツ科 : サポジラ (Manilkara zapota) アカネ科 : コーヒーノキ属 (Coffea) アラビカコーヒーノキ (Coffea arabica) ウルシ科 : カシューナッツ (Anacardium occidentale) マンゴウ (Mangifera indica) カタバミ科 : ゴレンシ (Averrhoa carambola) キョウチクトウ科 : プルメリア (Plumeria) 属クスノキ科 : ゲッケイジュ (Laurus nobilis) アボカド (Persea americana) クワ科 : クワ (Morus) 属ザクロ科 : ザクロ (Punica granatum) ショウガ科 : ショウガ (Zingiber officinale) センダン科 : カヤ イボレンシス (Khaya ivorensis) ツゲ科 : ブクスス センペルウィレンス (Buxus sempervirens) トケイソウ科 : クダモノトケイ (Passiflora edulis) ナス科 : ケストルム (Cestrum) 属バショウ科 : バショウ (Musa) 属パパイア科 : パパイヤ (Carica papaya) バラ科 : マルメロ (Cydonia oblonga) ナシ (Pyrus) 属 バラ (Rosa) 属バンレイシ科 : バンレイシ (Annona) 属ブドウ科 : ブドウ (Vitis) 属フトモモ科 : ユーゲニア (Eugenia) 属 バンジロウ (Psidium guajava) ミカン科 : ミカン (Citrus) 属 ゲッキツ (Murraya) 属ムクロジ科 : レイシ (Litchi chinensis) ヤシ科 : ココヤシ (Cocos nucifera) ヤナギ科 : ハコヤナギ (Populus ) 属 (2) 我が国における寄主 宿主植物の分布 栽培状況ミカン : 北海道 東北の一部を除く 42 都府県ブドウ : 全国ナシ : 沖縄を除く 46 都道府県マンゴウ : 沖縄 宮崎 鹿児島等 10 県 並木や街路樹 防風林に利用されているハコヤナギ属のヤマナラシ (Populus tremula var. sieboldii) は 日本全国に分布 ドロノキ (Populus suaveolens) は北海道から本州の北部中部に分布 チョウセンヤマナラシ (P. tremula var. davidiana) は北海道に分布 4 寄生部位及びその症状 (CABI, 2014) 卵 : 若い葉の裏面上にらせん状に産見つけられる ( 外部寄生 ) 幼虫 : 葉の師管部を吸汁加害する ( 外部寄生 ) 成虫 : 葉の師管部を吸汁加害する ( 外部寄生 ) 卵は 若い葉の裏面上にらせん状に産見つけられる 1 齢幼虫は活発で 日光を避けて 最小限移動する 葉の師部を吸汁加害するため密なコロニーで存在する 2~4 齢幼虫は口器で葉に付着する 幼虫態及び成虫態が葉の師管部を吸汁加害する 下位葉の表面や茎に大量に分泌される甘露により すす病の原因となる Black sooty mold fungus の発生を助長し やがて葉が枯死する 新芽が吸汁加害されると 葉内の窒素分が減ったり 葉上の排泄物により光合成量が減り 果実の減産等の影響を受ける かんきつ類以外の植物では 3 世代以上寄生することはなく かんきつ類の果樹園に隣接している場合のみ大きな被害が起こることが報告されている 5 移動分散方法 (1) 自然分散 2

成虫は雄雌とも翅を持ち 追い風に乗り飛翔するが移動距離は短く ローカルな分散のみ (CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997) (2) 人為分散長距離の分散は主に カンキツ類や他の栽植用苗 苗木の国際貿易による (CABI, 2014) 6 有害動物の大きさ及び生態 (1) 有害動物の大きさ卵は 0.2mm 初め黄色で その後濃灰色から黒色 1 齢幼虫は 0.3 0.15 mm 2 齢幼虫は 0.4 0.2 mm でこげ茶色で周辺は濃灰色 3 齢幼虫は 0.87 0.74 mm で黒色 4 齢幼虫又は蛹態は雌が 1.25 mm 雄が 1 mm で黒色 成虫は雄 雌とも翅を持ち 雄は 1.33 mm 雌は 1.7 mm(cabi, 2014; EPPO/CABI, 1997) (2) 繁殖様式有性生殖 (3) 年間世代数ライフサイクルは気候にもよるが 2~4 ヶ月で 年 3~6 世代発生する 熱帯地域では一年中すべての態が発生するが 低温期間は生殖活動は見られない (CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997) アメリカ合衆国フロリダ州南部では年 6 世代発生 (Nguyen et al., 2007) 成長に最適な気候は 気温が 28-32 湿度 70-80% である 本種は 氷点下では生存できず また 気温 43 を超える地域では発生していない (CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997) (4) 植物残渣中での生存植物残渣中で生活できる情報はない (5) 休眠性情報なし 7 媒介性又は被媒介性に関する情報病菌等を媒介する情報はない 8 被害の程度 1973 年のオマーンで樹間にルーサン ( アルファルファ ) が生育するカンキツ果樹園のライムが加害され 25% の損失の報告がある (Watts and Alam, 1973) メキシコでは本種はカンキツ類や 被害のあるカンキツ果樹園の近くのマンゴウ ナシ コーヒー等の他の作物への脅威と考えられている (CABI, 2014) 9 防除に関する情報農薬散布により防除は可能である (CABI, 2014) 発生国において通常防除で農薬散布を実施している (Stansly and Rogers, 2014) 10 同定 診断及び検出 (1) 同定幼虫 : 体色 刺毛等の外見的形態 特徴 (2) 検出卵は葉裏に渦巻状に産み付けられる すす病で汚染されている葉裏の幼虫 蛹 ( 蛹殻 ) 成虫の有無をルーペや拡大鏡を使って検査する 11 検疫処理及び措置 臭化メチルくん蒸の薬量及び時間 (EPPO, 1993FAO, 1983) Temperature Initial dosage Exposure time CTP (g h m-3)" 18-21 C 28 g/m3 2h 43 21-26.5 C 24 g/m3 2h 36 27-29 C 20 g/m3 2h 30 > 29 C 16 g/m3 2h 24 EPPO は 栽培用植物 切り枝として輸入される寄主植物は 前年の栽培期間中に A. woglumi が寄生していないこ 3

とが確認された苗に由来するものであることを推奨している (EPPO/CABI, 1997) 12 我が国における現行の植物検疫措置輸出国政府機関が発給する植物検疫証明書の添付要求及び日本での輸入検査である ミカンクロトゲコナジラミの発見事例 発見年 大分類 品目 輸出国 発見回数 2006 野菜 コフ ミカン ( スワンキ ) 茎葉 タイ 2 ラオス 1 2008 野菜コフ ミカン ( スワンキ ) 茎葉タイ 1 ラオス 1 2009 切花 コカ ネタケヤシ 中国 1 輸入検査にて発見されたミカンクロトゲコナジラミ及び Aleurocanthus 属 (2009 年 ~2013 年 ) 病害虫名 大分類 植物名 生産国 2009 2010 2011 2012 2013 消毒方法 Aleurocanthus 切り枝 コカ ネタケヤシ 中華人 1 廃棄 woglumi ミカンクロトゲコナジラミ (Chrysalidocarpus lutescens) 民共和国 ( 中国 ) Aleurocanthus 切り枝 オトキ リソウ属 (Hypericum) ケニア 1 青酸くん蒸 sp. サカキ (Cleyera japonica) 中国 4 4 2 青酸くん蒸 ヒサカキ (Eurya japonica) 中国 2 1 青酸くん蒸 結束植物 ( ブーケ リー 中国 3 青酸くん蒸 ス等 ) 野菜 コショウ属 (Piper) タイ 5 4 1 青酸くん蒸 キンマ (Piper betle) タイ 1 1 青酸くん蒸 Aleurocanthusca 切り枝 サカキ (Cleyera japonica) 中国 3 7 青酸くん蒸 melliae ヒサカキ (Eurya japonica) 中国 1 3 青酸くん蒸 結束植物 ( ブーケ リー 中国 2 青酸くん蒸 ス等 ) Aleurocanthus 野菜 アッサメンシス (Citrus ラオス 1 青酸くん蒸 citriperdus assamensis) Aleurocanthus 切り枝 サカキ (Cleyera japonica) 中国 8 5 1 1 青酸くん蒸 spiniferus ヒサカキ (Eurya japonica) 中国 5 5 1 青酸くん蒸 結束植物 ( ブーケ リー 中国 2 青酸くん蒸 ス等 ) 野菜 コショウ属 (Piper) タイ 1 青酸くん蒸 キンマ (Piper betle) タイ 1 青酸くん蒸 雑品 ハ ショウ属 (Musa) タイ 1 青酸くん蒸 13 諸外国での検疫措置状況情報なし 4

リスクアナリシスの結果第 1 開始 ( ステージ 1) 1. 開始 Aleurocanthus woglumi に対する検疫措置を見直すためにリスクアナリシスを実施した 2. 対象となる有害動植物 Aleurocanthus woglumi 3. 対象となる経路リスクアナリシス対象の病害虫の生物学的情報の 2 地理的分布 に示す 国又は地域 からの 3 寄主植物及び国内分布 に示す 寄主植物 であって 4 寄生部位及びその症状 に示す 寄生感染部位 である 葉 を含む植物 4. 対象となる地域日本全域 5. 開始の結論 Aleurocanthus woglumi を開始点とし 本種の発生地域から輸入される植物を経路とした日本全域を対象とする病害虫リスクアナリシスを開始する 第 2 病害虫リスク評価 ( ステージ 2) 1. 農業生産等への影響の評価 (1) 定着の可能性の評価 評価項目評価における判断の根拠等得点 アリスクアナリシスを実施する地域における潜在的検疫有害動植物の生存の可能性 ( ア ) 潜在的検疫有害動植物の生存の可能性 カンキツ類は周年で存在する ( イ ) リスクアナリシスを実施する地域における中間宿主の利用可能性 ( ウ ) 潜在的検疫有害動植物の繁殖戦略 有害動物では評価しない 有性生殖 - 2 点 イリスクアナリシスを実施する地域における寄主又は宿主植物の利用可能性及び環境の好適性 ( ア ) 寄主又は宿主植物の利用可能性及び環境の好適性 ブドウ等が 47 都道府県で生産されている 5 点 ( イ ) 潜在的検疫有害動植物の寄主又は宿主範囲の広さ ( ウ ) 潜在的検疫有害動植物のリスクアナリシスを実施する地域における環境の好適さ ( エ ) 有害動植物の侵入歴 ウ定着の可能性の評価結果 ミカン科を含め 25 科 東洋区 エチオピア区 旧北区 新北区 新熱帯区及びオセアニア区の 6 区 5 点 4 点 (2) まん延の可能性の評価 ア自然分散 ( 自然条件における潜在的検疫有害動植物の分散 ) ( ア ) 有害動物 ( 線虫を除く ) の自然分散 a 移動距離 成虫は翅を持ち 追い風に乗り飛翔するがとても短距離移動で ローカルな分散のみ 3 点 b 年間世代数年 3~6 世代発生する 5 点 イ人為分散 5

( ア ) 農作物を介した分散ブドウ等が 47 都道府県で生産されている 5 点 ( イ ) 非農作物を介した分散特になし - 点 ウまん延の可能性の評価結果 4.33 点 (3) 経済的重要性の評価 ア直接的影響 ( ア ) 影響を受ける農作物又は森林資源 ( イ ) 生産への影響 ミカン属 ブドウ ナシ ショウガ マンゴウ等の農産物産出額 :4,398.8 億円 発生国においてはその作物において高い頻度での枯死にいたる例はないが 品質低下 減収を含む明確な経済的被害が報告されている ( 間接的被害 ) 4 点 3 点 ( ウ ) 防除の困難さ農薬散布により防除は可能である ( エ ) 直接的影響の評価結果 3 点 イ間接的影響 ( ア ) 農作物の政策上の重要性 農業災害補償法 及び 同法による果樹 畑作物共済の共済目的たる果樹 農作物を指定する政令 果樹農業振興特別措置法施行令 に規定する主要農作物 1 点 ( イ ) 輸出への影響特になし - 点 ウ経済的重要性の評価結果 4 点 評価における不確実性 農業生産等への影響評価の結論 ( 病害虫固有のリスク ) 高い 69.3 点 2. 入り込みの可能性の評価 (1) 寄生部位卵 : 若い葉の裏面上にらせん状に産見つけられる ( 外部寄生 ) 幼虫 : 葉の師管部を吸汁加害する ( 外部寄生 ) 成虫 : 葉の師管部を吸汁加害する ( 外部寄生 ) (2) 我が国に侵入する可能性のある経路 卵が若い葉の裏面上にらせん状に産見つけられ 幼虫態及び成虫態が葉の師管部を吸汁加害することから 侵入の可能性のある経路は 栽植用植物 及び 消費用生植物 である 経路 用途部位経路となる可能性 ア栽植用植物葉 ( 卵 幼虫 成虫 ) 枝 ( 幼虫 成虫 ) イ消費用生植物葉 ( 卵 幼虫 成虫 ) 枝 ( 幼虫 成虫 ) (3) 寄主植物の輸入データ別紙 3を参照 (4) 侵入する可能性のある経路ごとの評価ア栽植用植物 評価項目評価における判断の根拠等得点 6

( ア ) 輸送中の生き残りの可能性 ( 加工処理に耐えて生き残る可能性 ) ( イ ) 潜在的検疫有害動植物の個体の見えにくさ ( ウ ) 輸入品目からの人為的な移動による分散の可能性 原産地で潜在的検疫有害動植物の生存率に影響を与える加工処理等は実施していない 卵は 0.2mm 若い葉の裏面にらせん状に産見つけられる 幼虫は 1 齢幼虫は 0.3 x 0.15 mm 2 齢幼虫は 0.4 x 0.2 mm 3 齢幼虫は 0.87 x 0.74 mm 4 齢幼虫又は蛹態は雌は 1.25 mm 雄は 1 mm で 葉の師管部を吸汁加害する 成虫は雄 雌とも翅を持ち 雄は 1.33 mm 雌は 1.7 mm 葉の師管部を吸汁加害する 栽培用植物 5 点 2 点 5 点 ( エ ) 輸入品目からの自然分散の可能性栽培用植物 5 点 評価における不確実性 入り込みの可能性の評価の結論高い 4.3 点 イ消費用生植物 評価項目評価における判断の根拠等得点 ( ア ) 輸送中の生き残りの可能性 ( 加工処理に耐えて生き残る可能性 ) ( イ ) 潜在的検疫有害動植物の個体の見えにくさ ( ウ ) 輸入品目からの人為的な移動による分散の可能性 ( エ ) 輸入品目からの自然分散の可能性 評価における不確実性 原産地で潜在的検疫有害動植物の生存率に影響を与える加工処理等は実施していない 卵は 0.2mm 若い葉の裏面にらせん状に産見つけられる 幼虫は 1 齢幼虫は 0.3 x 0.15 mm 2 齢幼虫は 0.4 x 0.2 mm 3 齢幼虫は 0.87 x 0.74 mm 4 齢幼虫又は蛹態は雌は 1.25 mm 雄は 1 mm で 葉の師管部を吸汁加害する 成虫は雄 雌とも翅を持ち 雄は 1.33 mm 雌は 1.7 mm 葉の師管部を吸汁加害する 全国で生産 1 齢幼虫は最小限移動する 高齢幼虫は寄主植物の葉に付着し吸汁加害するため移動しない 成虫は翅を持ち 追い風に乗り飛翔するが移動距離は短く ローカルな分散のみ 5 点 2 点 4 点 2 点 入り込みの可能性の評価の結論中程度 3.3 点 3.Aleurocanthus woglumi の病害虫リスク評価の結論 農業生産等への影響評価の結論 ( 病害虫固有のリスク ) 入り込みのリスク用途 入り込みの可能性の 評価の結論 病害虫リスク評価の結論 高い ア栽植用植物 ( 苗 苗木 穂木 ) 高い 高い 7

イ消費用生植物 ( 切り枝 ) 中程度 中程度 ( 農業生産等への影響が高い ) 8

第 3 病害虫リスク管理 ( ステージ 3) リスク評価の結果 Aleurocanthus woglumi はリスク管理措置が必要な検疫有害動物であると判断されたことから ステージ 3 において 発生国からの寄主植物の輸入に伴う本虫の侵入リスクを低減するための適切な管理措置について検討する 1.Aleurocanthus woglumi に対するリスク管理措置の選択肢の有効性及び実行可能性の検討 有効性及び実行可能性の難易 選択肢 方法 有効性及び実行可能性の検討 実施時期 有効性 実行上の難易 病害虫無発生地域又は病害虫無発生生産地の設定 国際基準 No.4 又は No.10 の規定に従って設定 有効性 国際基準に基づき輸出国の国家植物防疫機関が設定 管理 維持する病害虫無発生地域又は病害虫無発生生産地であれば リスクを十分に低減することができる 輸出国輸出前 実行可能性 輸出国において適切に管理されることが条件であるが 実行可能と考えられる 栽培地検査 栽培地で適切な時期に公的検査を行う 有効性 卵は若い葉の裏面にらせん状に産み付けられ 幼虫もコロニーで裏面上に付着するため 目視による発見は可能である 本虫のライフサイクルは 2~4 ヶ月であり 通常全ての態が混在しており 栽培期間中の適切な時期に検査を行えば発見は容易である また 当該虫は飛翔性があるが 輸出前 3 ヶ月程度において 3 回程度の継続した検査を行うことによりほ場に発生していないことを担保できる 輸出国栽培中 荷口への当該虫の付着が無いことを検査証明書に追記 当該虫を対象とした綿密な検査 実行可能性 輸出国において適切に実施されることが条件であるが 実行可能と考えられる 有効性 卵は 0.2mm 若い葉の裏面上にらせん状に産み付けられる 幼虫は 1 齢幼虫は 0.3 0.15 mm 2 齢幼虫は 0.4 0.2 mm 3 齢幼虫は 0.87 0.74 mm 4 齢幼虫又は蛹態は雌は 1.25mm 雄は 1 mm で 葉の師管部を吸汁加害する 成虫は雄 雌とも翅を持ち 雄は 1.33mm 雌は 1.7mm 葉の師管部を吸汁加害する そのため 本虫の寄生する可能性の高い部位 特に若い葉の裏面に対し 綿密な検査を行えば発見することは可能であり 消費用植物であれば 適切な保護水準までリスクを低減することが 輸出国輸出中 栽植用植物 : 消費用植物 : 9

できる 実行可能性 輸出国において適切に実施されることが条件であるが 実行可能と考えられる 輸出入検査 目視検査 有効性 卵は 0.2mm 若い葉の裏面上にらせん状に産み付けられる 幼虫は 1 齢幼虫は 0.3 0.15 mm 2 齢幼虫は 0.4 0.2 mm 3 齢幼虫は 0.87 0.74 mm 4 齢幼虫又は蛹態は雌は 1.25mm 雄は 1 mm で 葉の師管部を吸汁加害する 成虫は雄 雌とも翅を持ち 雄は 1.33mm 雌は 1.7mm 葉の師管部を吸汁加害する また 通常全ての態が混在しており 消費用植物であれば 通常の輸出入検査 ( 目視検査 ) で適切な保護水準までリスクを低減することができる 輸出国輸出時 輸入国輸入時 栽植用植物 : 消費用植物 : 有効性 実行可能性 実行可能性 通常行っている検査であり実行可能である : 効果が高い : 限定条件下で効果がある : 効果なし : 実行可能 : 実行性が低い : 実行困難 2. 経路ごとの Aleurocanthus woglumi に対するリスク管理措置の選択肢の有効性 ( 上段 ) 及び実行可能性 ( 下段 ) 一覧経路ごとのリスク管理措置について検討した結果を下記のようにとりまとめた 経路 選択肢 1 2 3 4 病病害害虫虫無無発発生生生地産域地又のは設定 栽培地検査 検査証明書への追記 輸出入検査 栽植用植物 消費用生植物 10

有効性 実行可能性 : 効果が高い : 限定条件下で効果がある : 効果なし : 実行可能 : 実行性が低い : 実行困難 3. 経路ごとの Aleurocanthus woglumi に対するリスク管理措置の選択肢の特定 (1) 栽植用植物アリスク管理措置 ( ア ) 国際基準に従った病害虫無発生地域又は無発生生産地の設定 ( 選択肢 1) ( イ ) 栽培地検査 ( 栽培地で適切な時期に公的検査を行う )( 選択肢 2) イ検討結果病害虫リスク評価の結論は 高い 卵は 0.2mm 若い葉の裏面にらせん状に産み付けられる 幼虫は 1 齢幼虫は 0.3 0.15 mm 2 齢幼虫は 0.4 0.2 mm 3 齢幼虫は 0.87 0.74 mm 4 齢幼虫又は蛹態は雌は 1.25mm 雄は 1mm で 葉の師管部を吸汁加害する 成虫は雄 雌とも翅を持ち 雄は 1.33mm 雌は 1.7mm 葉の師管部を吸汁加害する 当該虫は微小であり 病害虫全般を検査する通常の輸出入検査 ( 目視検査 ) のみでは見逃すおそれが高い たとえ当該虫を対象とした綿密な検査をしても 卵及び若齢幼虫は特に微小であり 卵又は若齢幼虫のみが寄生した場合 栽植用植物では リスクを十分低減できない しかし 栽培中のほ場においては 各態が混在して見られるため 栽培ほ場において 適切な時期に検査すれば 発見は容易であり 侵入のリスクを適切な保護水準まで低減することが可能である また 当該虫は飛翔性があるが 輸出前の 3 ヶ月程度の期間に 3 回程度の継続した検査を行えば ほ場に発生していないことを十分保証できる また 国際基準に従った病害虫無発生地域又は無発生生産地で栽培されたものであれば リスクを十分に低減することができる (2) 消費用生植物アリスク管理措置 ( ア ) 国際基準に従った病害虫無発生地域又は無発生生産地の設定 ( 選択肢 1) ( イ ) 栽培地検査 ( 栽培地で適切な時期に公的検査を行う )( 選択肢 2) ( ウ ) 荷口への当該虫の付着が無いことを確認し 検査証明書へその旨を追記 ( 対象とする病害虫に応じた綿密な検査 )( 選択肢 3) ( エ ) 輸出入検査 ( 目視検査 )( 選択肢 4) イ検討結果病害虫リスク評価の結論は 中程度 ( 農業生産等への影響が高い ) 卵は 0.2mm 若い葉の裏面にらせん状に産み付けられる 幼虫は 1 齢幼虫は 0.3 0.15 mm 2 齢幼虫は 0.4 0.2 mm 3 齢幼虫は 0.87 0.74 mm 4 齢幼虫又は蛹態は雌は 1.25mm 雄は 1mm で 葉の師管部を吸汁加害する 成虫は雄 雌とも翅を持ち 雄は 1.33mm 雌は 1.7mm 葉の師管部を吸汁加害する 当該虫は非常に微小であり 卵又は若齢幼虫のみが付着している場合は 通常の輸出入検査 ( 目視検査 ) のみでは見逃す可能性が高い しかし 通常各態が混在して見られるため 消費用植物であれば 通常の輸出入検査のみであっても 適切な保護水準までリスクを低減することができる また 国際基準に従った病害虫無発生地域又は無発生生産地で栽培されたもの又は栽培地検査を行ったほ場で栽培されたものであれば リスクを十分に低減することができる 11

4.Aleurocanthus woglumi のリスク管理措置の結論上記 3 により特定されたリスク管理措置の選択肢において より貿易制限的でない措置として次の措置を推奨する 用途 部位対象植物植物検疫措置 栽植用植物 消費用生植物 ミカン科 : ミカン (Citrus) 属 ゲッキツ (Murraya) 属アカネ科 : コーヒーノキ属 (Coffea) バラ科 : マルメロ (Cydonia oblonga) ナシ (Pyrus) 属 バラ (Rosa) 属ウルシ科 : カシューナッツ (Anacardium occidentale) マンゴウ (Mangifera indica) ブドウ科 : ブドウ (Vitis) 属ショウガ科 : ショウガ (Zingiber officinale) フトモモ科 : ユーゲニア (Eugenia) 属 バンジロウ (Psidium guajava) ムクロジ科 : レイシ (Litchi chinensis) バンレイシ科 : バンレイシ (Annona) 属パパイア科 : パパイヤ (Carica papaya) カタバミ科 : ゴレンシ (Averrhoa carambola) ツゲ科 : ブクスス センペルウィレンス (Buxus sempervirens) ナス科 : ケストルム (Cestrum) 属ヤシ科 : ココヤシ (Cocos nucifera) アオイ科 : フヨウ (Hibiscus) 属センダン科 : カヤ ( アフリカンマホガニー Khaya ivorensis) クスノキ科 : ゲッケイジュ (Laurus nobilis) アボカド (Persea americana) アカテツ科 : サポジラ (Manilkara zapota) クワ科 : クワ (Morus) 属バショウ科 : バショウ (Musa) 属トケイソウ科 : クダモノトケイ (Passiflora edulis) キョウチクトウ科 : プルメリア (Plumeria) 属ヤナギ科 : ハコヤナギ (Populus) 属ザクロ科 : ザクロ (Punica granatum) 栽培地検査 ( 輸出前の 3 ヶ月間に 月 1 回の公的検査を行う ) 輸出入検査 12

Aleurocanthus woglumi の発生地の根拠国ステータス根拠論文及び備考 別紙 1 アジア大韓民国 未発生 CABI, 2014 (invalid record); EPPO/CABI, 1997 朝鮮民主主義人民共和国 未発生 CABI, 2014 (invalid record); EPPO/CABI, 1997 台湾 未発生 CABI, 2014 (formerly present); EPPO/CABI, 1997 中華人民共和国 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 - 広東省 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 - 海南省 発生 CABI, 2014 香港 発生 CABI, 2014 (few occurrences); EPPO/CABI, 1997 インド 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 -Andhra Pradesh 発生 CABI, 2014 -Assam 発生 CABI, 2014 -Bihar 発生 CABI, 2014 -Delhi 発生 CABI, 2014 -Goa 発生 CABI, 2014 -Gujarat 発生 CABI, 2014 -Indian Punjab 発生 CABI, 2014 -Karnataka 発生 CABI, 2014 -Lakshadweep 発生 CABI, 2014 -Madhya Pradesh 発生 CABI, 2014 -Maharashtra 発生 CABI, 2014 -Sikkim 発生 CABI, 2014 -Tamil Nadu 発生 CABI, 2014 -Uttar Pradesh 発生 CABI, 2014 -West Bengal 発生 CABI, 2014 インドネシア 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 -Irian Jaya 発生 CABI, 2014 -Java 発生 CABI, 2014 -Kalimantan 発生 CABI, 2014 -Sulawesi 発生 CABI, 2014 -Sumatra 発生 CABI, 2014 カンボジア 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 シンガポール 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 スリランカ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 タイ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ネパール 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 パキスタン 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 バングラデシュ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 フィリピン 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 13

ブータン 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ベトナム 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 マレーシア 発生 CABI, 2014 (few occurrences); EPPO/CABI, 1997 -Peninsular Malaysia 発生 CABI, 2014 -Sabah 発生 CABI, 2014 -Sarawak 発生 CABI, 2014 ミャンマー 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 モルディブ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ラオス 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 クリスマス島 ( 豪 ) 発生 CABI, 2014 中東アラブ首長国連邦 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 イエメン 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 イラン 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 オマーン 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 欧州英国 未発生 CABI, 2014 (intercepted only) オランダ 未発生 CABI, 2014 (confirmed by survey) クロアチア 未発生 CABI, 2014 (confirmed by survey) ポルトガル 未発生 CABI, 2014 (unreliable record) -アゾレス諸島 未発生 CABI, 2014 (unreliable record) アフリカウガンダ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ケニア 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ジンバブエ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 スワジランド 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 セーシェル 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 タンザニア 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 チュニジア 未発生 CABI, 2014 (invalid record); EPPO/CABI, 1997 南アフリカ共和国 発生 CABI, 2014 (Restricted distribution); EPPO/CABI, 1997 北米アメリカ合衆国 発生 CABI, 2014 (Restricted distribution) -Florida 発生 CABI, 2014 -Texas 発生 CABI, 2014 バミューダ諸島 ( 英 ) 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 中南米エクアドル 発生 CABI, 2014(Restricted distribution); EPPO/CABI, 1997 エルサルバドル 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ガイアナ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 グアテマラ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 コスタリカ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 14

コロンビア 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 スリナム 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ニカラグア 発生 CABI, 2014 パナマ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ブラジル 発生 CABI, 2014 (Restricted distribution) -Amapa 発生 CABI, 2014 -Amazonas 発生 CABI, 2014 -Goias 発生 CABI, 2014 -Maranhao 発生 CABI, 2014 -Para 発生 CABI, 2014 -Pernambuco 発生 CABI, 2014 -Roraima 発生 CABI, 2014 -Sao Paulo 発生 CABI, 2014 -Tocantins 発生 CABI, 2014 ベネズエラ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ベリーズ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ペルー 未発生 CABI, 2014 (invalid record) メキシコ 発生 CABI, 2014 フランス領ギアナ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 アンティグア バーブーダ 発生 CABI, 2014 (Restricted distribution) イギリス領バージン諸島 発生 CABI, 2014 オランダ領アンティル 発生 CABI, 2014 (Restricted distribution); EPPO/CABI, 1997 キューバ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ジャマイカ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 セントクリストファー ネーヴィス 発生 CABI, 2014 セントルシア 発生 CABI, 2014 ドミニカ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ドミニカ共和国 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 トリニダード トバゴ 発生 CABI, 2014 ハイチ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 バハマ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 バルバドス 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 グアドループ ( 仏 ) 発生 CABI, 2014 ケイマン諸島 ( 英 ) 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 プエルトリコ 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 大洋州ソロモン 未発生 CABI, 2014 (unreliable record); EPPO/CABI, 1997 パプアニューギニア 発生 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 ハワイ諸島 発生 CABI, 2014 15

Aleurocanthus woglumi の寄主植物の根拠学名科属名和名英名根拠備考 Hibiscus アオイ科フヨウ属フヨウ属 CABI, 2014 Other Manilkara zapota アカテツ科 サポジラ属 サポジラ sapodilla CABI, 2014 Other (=Achras zapota) Coffea アカネ科 コーヒーノキ属 コーヒーノキ属 CABI, 2014 Other Anacardium occidentale ウルシ科 カシューナットノキ属 カシューナッツ cashew CABI, 2014; occurs commonly EPPO/CABI, 1997 Mangifera indica ウルシ科 マンゴウ属 マンゴウ mango CABI, 2014; occurs commonly EPPO/CABI, 1997 Averrhoa carambola カタバミ科 ゴレンシ属 ゴレンシ carambola CABI, 2014 Other Plumeria キョウチクトウ プルメリア属 プルメリア属 CABI, 2014 Other 科 Laurus nobilis クスノキ科 ゲッケイジュ属 ゲッケイジュ bay laurel CABI, 2014 Other Persea americana クスノキ科 ワニナシ属 アボカド avocado CABI, 2014; occurs commonly EPPO/CABI, 1997 Morus クワ科 クワ属 クワ属 CABI, 2014 Other Punica granatum ザクロ科 ザクロ属 ザクロ pomegranate CABI, 2014; occurs commonly EPPO/CABI, 1997 Zingiber officinale ショウガ科 ショウガ属 ショウガ ginger CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 occurs commonly Khaya ivorensis センダン科 アフリカマホガニー属カヤ イボレンシス African mahogany CABI, 2014 Other Buxus sempervirens ツゲ科 ツゲ属 ブクスス センペル common box CABI, 2014 Other ウィレンス Passiflora edulis トケイソウ科 トケイソウ属 クダモノトケイ passion fruit CABI, 2014 Other Cestrum ナス科ケストルム属ケストルム属 CABI, 2014 Other Musa バショウ科 バショウ属 バショウ属 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 Carica papaya パパイヤ科 パパイヤ属 パパイヤ papaya CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 Cydonia oblonga バラ科 マルメロ属 マルメロ quince CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 Pyrus バラ科 ナシ属 ナシ属 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 Rosa バラ科 バラ属 バラ属 CABI, 2014; EPPO/CABI, 1997 occurs commonly occurs commonly occurs commonly occurs commonly occurs commonly 別紙 2 16

Annona バンレイシ科 バンレイシ属 バンレイシ属 CABI, 2014 Other Vitis ブドウ科 ブドウ属 ブドウ属 CABI, 2014 Other Vitis vinifera ブドウ科 ブドウ属 ブドウ属 grape CABI, 2014; occurs commonly EPPO/CABI, 1997 Psidium guajava フトモモ科 バンジロウ属 バンジロウ guava CABI, 2014; occurs commonly EPPO/CABI, 1997 Eugenia フトモモ科 ユーゲニア属 ユーゲニア属 CABI, 2014 Other Citrus ミカン科 ミカン属 ミカン属 CABI, 2014; Main EPPO/CABI, 1997 Murraya ミカン科 ゲッキツ属 ゲッキツ属 CABI, 2014 Other Litchi chinensis ムクロジ科 レイシ属 レイシ lichi CABI, 2014; occurs commonly EPPO/CABI, 1997 Cocos nucifera ヤシ科 ココヤシ属 ココヤシ coconut CABI, 2014 Other Populus ヤナギ科 ハコヤナギ属 ハコヤナギ属 CABI, 2014 Other Ardisia swartzi ヤブコウジ科 ヤブコウジ属 CABI, 2014 Other 継続調査 17

関連する経路の年間輸入量 別紙 3 検疫有害動植物名 :Aleurocanthus woglumi 大分類名 植物名 生産国 2012 2013 2014 発生検査検査検査検査検査検査国件数数量件数数量件数数量 栽植用 ハコヤナキ 属 中国 1 220 植物 オランタ X 1 3 1 100 米国 1 9 ホ フ ラ 中国 1 500 クワ属 中国 3 699 イスラエル X 1 20 ハ キスタン 2 20 ニューシ ーラント X 2 529 1 260 トウク ワ 韓国 X 1 100 中国 1 168 米国 2 2,900 ハ ンレイシ属 台湾 4 2,110 3 910 2 1,510 タイ 1 100 チェリモヤ ニューシ ーラント X 1 10 ハ ンレイシ 台湾 3 1,620 1 100 ケ ッケイシ ュ属 オランタ X 5 22 1 1,487 1 12 ケ ッケイシ ュ イタリア X 3 433 オランタ X 12 59 アホ カト 台湾 1 297 4 763 2 880 スリランカ 2 807 2 324 ニューシ ーラント X 6 662 アホ カト ( 地上部 ) 米国 2 700 12 3,500 ニホンヤマナシ ( 地上部 ) 日本 X 5 435,280 ハ ラ属 韓国 X 79 284,000 84 320,000 90 242,400 台湾 4 276 中国 1 18,050 29 63,458 22 22,000 タイ 1 5 英国 X 1,972 125,470 2,089 116,732 1,493 90,473 オランタ X 584 80,906 621 81,159 488 120,990 テ ンマーク X 30 2,620 42 1,112 36 113 ト イツ X 76 575 53 787 31 445 フランス X 59 2,142 70 2,498 45 1,347 フ ルカ リア X 1 140 2 1,500 南アフリカ 10 4,350 米国 381 16,350 504 13,204 279 7,545 カナタ X 62 2,116 ハ ラ属 ( 地上部 ) 中国 1 100 12 1,525 18

英国 X 37 207 11 61 14 66 イタリア X 19 46 オランタ X 584 8,253 311 29,433 387 8,570 スヘ イン X 88 747 テ ンマーク X 93 9,149 105 69,106 97 24,229 ト イツ X 59 2,169 87 1,223 164 1,146 フランス X 84 4,829 53 413 81 1,820 ケニア 2 2,600 1 290 米国 27 126 27 176 6 1,500 エクアト ル 9 130 23 735 オーストラリア X 23 345 45 2,580 ニューシ ーラント X 23 156 タ マスクハ ラ フ ルカ リア X 1 1,345 1 800 タ マスクハ ラ ( 地上部 ) フ ルカ リア X 1 550 サンショウハ ラ オランタ X 1 400 コ レンシ属 台湾 1 200 ヒ リンヒ ン タイ 1 29 コ レンシ 台湾 2 396 中国 2 200 スリランカ 1 156 1 480 タイ 1 100 カンキツ属 台湾 1 1 ニューシ ーラント X 1 20 カンキツ属 ( 地上部 ) 米国 6 50 レモン エシ フ ト X 1 21 オレンシ ニューシ ーラント X 1 20 ムラヤ属 台湾 1 1 中国 1 800 28 6,725,832 26 3,542,596 スリランカ 2 334 タイ 1 10 フィリヒ ン 1 5 オランタ X 2 3,184 3 3,224 4 3,920 オーストラリア X 2 40 エキソ チカ 中国 1 15,000 オランタ X 1 1,092 ケ ッキツ 中国 39 7,005,480 9 1,489,732 タイ 1 10 フィリヒ ン 1 4,340 マンコ ウ属 台湾 2 4,850 1 4,127 中国 3 300 ハ キスタン 5 80 マンコ ウ属 ( 地上部 ) 台湾 1 60 19

マンコ ウ ( マンコ ー ) 台湾 5 2,350 2 1,200 中国 2 100 イント 4 2,551 2 1,000 タイ 4 400 1 800 レイシ属 台湾 1 50 1 1,000 中国 1 600 レイシ ( ライチ ) 台湾 3 544 3 2,801 2 1,008 中国 4 819 6 1,000 オーストラリア X 8 1,105 ツケ 属 オランタ X 1 2,077 米国 4 60 フ ト ウ属 イタリア X 10 349 3 40 オーストリア X 2 200 ト イツ X 3 200 4 200 フランス X 1 10 南アフリカ 1 198 カナタ X 4 119 ニューシ ーラント X 1 30 フ ト ウ属 ( 地上部 ) オーストリア X 2 143 ヨーロッハ フ ト ウト イツ X 4 200 7 50 フランス X 1 100 2 200 ヨーロッハ フ ト ウ ( 地上部 ) ト イツ X 3 21 フヨウ属 ( ハイヒ スカス ) 中国 2 15,960 スリランカ 1 5 タイ 5 120 1 60 フィリヒ ン 4 845 ヘ トナム 17 6,300 オランタ X 6 2,290 4 2,262 4 352 米国 4 416 フヨウ属 ( ハイヒ スカス ) ( 地上 ヘ トナム 6 2,000 7 10,000 11 23,400 部 ) イスラエル X 9 220 米国 11 1,850 アメリカフヨウ ( 地上部 ) オランタ X 2 119 フヨウ 中国 1 850 オランタ X 2 84 1 100 フ ッソウケ 中国 24 227,748 25 254,100 1 5,400 スリランカ 1 500 タイ 5 65 ヘ トナム 217 383,450 243 694,917 245 639,167 スヘ イン X 1 5 フ ッソウケ ( 地 ヘ トナム 5 8,400 9 3,400 8 10,000 20

上部 ) テ ンマーク X 1 700 ムクケ オランタ X 3 150 1 200 米国 1 200 1 100 オオハマホ ウ タイ 1 100 トケイソウ属 フィリヒ ン 19 38,892 2 4,760 オランタ X 10 1,620 3 360 アルセ ンチン X 2 30 トケイソウ属 ( 地上部 ) スリランカ 10 820 クタ モノトケイ ( ハ ッションフルーツ ) 台湾 1 10 中国 1 31,392 スリランカ 1 1,500 1 20 フィリヒ ン 13 30,210 2 10,440 1 250 オランタ X 1 180 リク ラーリス フィリヒ ン 1 5,000 フトモモ属 フィリヒ ン 1 17 レンフ 台湾 1 637 1 135 ハ ンシ ロウ属 ニューシ ーラント X 2 300 ハ ンシ ロウ ( ク アハ ) スリランカ 1 500 タイ 1 200 サ クロ属 中国 3 319 スヘ イン X 1 3 サ クロ 韓国 X 1 100 3 450 中国 1 300 4 550 スヘ イン X 2 13 ニューシ ーラント X 1 300 ヤフ コウシ 属 ( マンリョウ属 ) 韓国 X 2 23,000 台湾 1 5 ヤフ コウシ 属 ( マンリョウ属 ) 韓国 X 1 30,000 ( 地上部 ) ヤフ コウシ 韓国 X 2 61,800 3 60,000 3 150,000 ヤフ コウシ ( 地上部 ) 韓国 X 1 30,000 サホ シ ラ タイ 1 100 イント ソケイ属 イント ネシア 5 656 スリランカ 3 2,430 4 1,872 2 2,000 タイ 16 13,648 19 4,098 31 3,511 フィリヒ ン 4 1,800 11 3,603 米国 1 2 ハワイ諸島 2 4 21

イント ソケイ属 ( 地上部 ) イント ネシア 1 51 スリランカ 1 10 タイ 8 6,142 20 6,563 7 4,800 米国 10 300 イント ソケイ 台湾 1 30 タイ 1 4,500 イント ソケイ ( 地上部 ) タイ 10 3,350 8 3,500 8 3,685 コーヒーノキ属 台湾 1 6 中国 30 707,736 37 2,223,636 27 1,218,808 オランタ X 19 60,863 14 19,530 9 6,860 ニューシ ーラント X 1 300 1 149 アラヒ アコーヒー 中国 9 625,320 オランタ X 18 22,485 15 14,420 23 18,780 ココヤシ属 フィリヒ ン 1 60 オランタ X 1 1,020 ココヤシ 中国 1 449 ヘ トナム 2 6,500 2 12,710 ココヤシ ( メヤシ ) ヘ トナム 1 5,880 マレーシア 2 8,000 3 14,000 ハ ショウ属 ( ハ ナナ ) 中国 10 7,116 9 12,776 9 7,919 スリランカ 1 950 タイ 2 1,035 2 200 1 120 オランタ X 2 1,056 1 370 4 5,322 アクミーナ タイ 2 208 ハ ナナ タイ 1 140 切花 ケ ッケイシ ュ属 イタリア X 1 20 ハ ラ属 韓国 X 328 13,517,190 295 10,869,388 184 6,340,932 台湾 1 7,020 中国 139 1,018,930 181 1,853,563 173 1,935,860 イント 655 18,848,445 680 17,245,565 694 15,627,544 イント ネシア 95 999,010 95 783,905 76 670,730 タイ 1 200 ハ ンク ラテ シュ 1 40 1 20 ミャンマー 1 50 ヘ トナム 159 4,607,965 154 4,844,140 236 4,791,265 マレーシア 1 2,080 1 6,000 ハ キスタン 1 3,750 イタリア X 1 3 オランタ X 1,251 950,086 1,274 867,568 1,027 718,972 ト イツ X 2 490 4 220 22 490 ヘ ルキ ー X 3 200 ルクセンフ ルク X 1 1 エチオヒ ア X 540 4,075,440 292 2,195,447 166 1,025,940 ウカ ンタ 18 53,090 17 95,700 22

ケニア 3,307 26,706,412 3,024 22,734,302 2,899 21,244,792 シ ンハ フ エ 17 72,710 南アフリカ 43 807,115 33 632,496 16 339,110 米国 2 1,020 1 1 メキシコ 1 110 2 460 1 178 ク アテマラ X 1 450 エクアト ル 1,664 4,498,192 1,392 3,541,182 1,459 3,433,660 コロンヒ ア 3,165 8,533,479 2,997 7,754,651 3,100 7,737,060 ニューシ ーラント X 2 460 3 1,070 セイヨウハ ラ 韓国 X 4 43,120 36 1,329,600 ムラヤ属 タイ 35 1,060 39 1,670 25 1,060 ヘ ルー X 1 150 ケ ッキツ ヘ トナム 1 20 1 25 ツケ 属 米国 3 210 1 1,200 カナタ X 1 1,920 フヨウ属 ( ハイヒ スカス ) タイ 6 260 5 290 17 610 イスラエル X 4 5,360 1 90 トケイソウ属 タイ 21 391 15 196 フトモモ属 タイ 12 750 8 210 28 1,550 イタリア X 1 240 イント ソケイ属 スリランカ 5 730 ハワイ諸島 1 28 コーヒーノキ属 ヘ ルー X 1 60 ケストルム属 イスラエル X 1 50 ココヤシ属 スリランカ 2 65 ハ ショウ属 ( ハ ナナ ) 台湾 1 90 スリランカ 1 3 4 216 タイ 5 173 ショウカ 属 スリランカ 3 200 タイ 15 600 14 615 11 320 フィリヒ ン 34 7,252 25 2,915 21 3,950 マレーシア 1 31 ハワイ諸島 2 30 2 66 スヘ クタヒ レ ハワイ諸島 1 10 ハナミョウカ フィリヒ ン 1 52 野菜 ハ ンレイシ属 フィリヒ ン 1 1 ケ ッケイシ ュ イタリア X 1 1 コフ ミカン ( スワンキ ) イント ネシア 1 1 1 1 タイ 190 6,351 101 4,627 53 2,852 ヘ トナム 1 1 ラオス 16 249 8 169 米国 2 2 ムラヤ属 イント 1 1 23

スリランカ 1 1 ローセ ル メキシコ 1 4 ココヤシ タイ 14 358 22 271 38 731 ココヤシ加工 タイ 29 398 24 194 11 85 ラオス 4 25 2 10 ハ ショウ属 ( ハ ナナ ) タイ 213 2,375 145 1,722 88 1,064 フィリヒ ン 76 3,134 66 3,758 49 3,865 ヘ トナム 1 1 ラオス 6 56 ナイシ ェリア X 1 1 料理用ハ ナナエクアト ル 1 159 ハ ナナ タイ 57 837 46 667 40 557 ハ ナナ ( キャヘ ンテ ィッシュ ) フィリヒ ン 2 142,152 1 15,944 コロンヒ ア 1 16,380 ハ ナナ ( その他 ) タイ 1 10 ショウカ 属加工 中国 1 1 単位 : 栽植用植物 ; 本 切花 ; 本 野菜 ;kg 24

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