インターネット概論砂原秀樹 suna@wide.ad.jp 2011/05/02 今日の内容 インターネットの歴史 どうやってできたのか 何故できたのか 日本では? インターネットの歴史 2 つの原点 USENET ボランティアによる運用 ARPANET アカデミックネットワーク 研究者同士のコミュニケーション基盤 ネットワーク研究の実験基盤 USENET 1970 年代 UUCPによるネットワーク Unix to Unix CoPy 電話回線とモデム バッチ式の通信 利用できたサービス 電子メール 電子ニュース USENET ボランティアによる運用 隣を見つけてつなぐ 通してあげるから僕も通してね ARPANET 国防総省高等研究計画局 (Advanced Research Project Agency, Department of Defense) が 1969 年にスタート UCLA UC サンタバーバラ スタンフォード研究所 (SRI) ユタ大学の 4 組織でスタート 1980 年初等に現在の形 TCP/IP による運用 現在のインターネットの原形 現在利用されているインターネットの技術はここから誕生 もともとは軍用目的 米国国防総省 (DoD) 高等研究計画局 (ARPA) による運用 BSD Unix のちに軍用部分は MILNET に分割 1
ARPANET 1969 年 12 月 1970 年 9 月 ARPANETの始まり First Node IMP アカデミックネットワーク 目的を限定したネットワーク CSNET ARPANET に参加できなかった組織を接続 1981-1984 NSFNET 米国科学財団 (NSF) によるスーパーコンピュータセンター接続網 1985-1995 商用利用の禁止 AUP Acceptable Use Policy そのネットワークで行って良い事を規定 運用資金の確保 法的問題 商用利用の禁止 インターネットの爆発的発展 1990 年代に入って 利用者の爆発的増大 接続計算機数の爆発的増大 スーパーハイウェイ構想イ構想 AUP Freeへ インターネットの有用性 商用利用へ WWWの登場 商用サービスプロバイダ 1990 年代前半 料金を取ってインターネットへの接続サービスを行う会社が登場 利用目的を限定しない 商品の宣伝 商品の売買 営利目的のコミュニケーション 何故できたのか 標準化の手法 動作しているシステムが基準 だいたいの合意 技術 分散運用 スケーラビリティ 2
日本では NTT と KDD による通信の独占 自由にデータ通信ができなかった 1985 年 4 月民営化 目的を限定した実験からスタート 1984 年 10 月 JUNET 1984 年 10 月 東京工業大学 慶應義塾大学 東京大学を接続してスタート USENET 式 ボランティア 実験ネットワーク 電気通信事業法 ドメイン名式メールシステム 木構造によるメール配送システム 1994 年 10 月まで WIDE Project 1988 年スタート 東京大学 東京工業大学 慶應義塾大学を専用回線で接続 64Kbps インターネット技術の研究と開発 X.25, ISDN, 移動通信 セキュリティ 大規模ネットワークアプリケーション 社会的影響 教育 運用技術 インターネットを作るって?? つなぐこと 電話線の間借り (JUNET) 専用回線 広げること 利用者の増加 ( 使いやすく ) 電話線の間借り (Dial Up/ 電話 ISDN) 利用形態 商用 ISP の登場 パソコン通信との接続 1992 年 ~1993 年 NIFTYserve, PC-VAN, ASCIInet 電子メール telnet 1994 年 SPIN(AT&T Jens) IIJ 日本でも AUP Free の環境が 現状 多数のISP ピーク時は3000 以上のISP ISP 相互の接続点 NSPIXP JPIX ISP 同士での個別 Peering 3
インターネット - 過去 - 研究者達の実験場 新しい技術の実験 新しいサービスの実験 止まることもある 昨日まで使えていたことが 今日はできないかもしれない 研究者達のコミュニケーションの場 電子メール 電子ニュース だから許されていたこと Give and Take サービスの質 使用感 ( インターフェイス マニュアル ) できないことの共通認識 相互信頼 ( セキュリティ ) モラル Best Effort ( 最善努力型 ) インターネット - 普及期 - WWW の登場 誰にでも使えるように見えるインターフェイスと楽しそうな情報 予測をはるかに超えた成長速度 技術的なひずみ IPアドレスの数の不足 ネットワークの回線速度の不足 WWWの構造的問題点 インターネット - 普及期 - ネットワーク研究者以外の利用 情報供給者と取得者のアンバランス 商業化へ これまで配慮されていなかった利用形態 Dial Up IP 接続 常時接続されていないこと 電話インフラの上でのインターネット 金銭の授受 新しい技術が必要 常時接続とブロードバンド 常時接続 常につながっていることがインターネットの基本 ADSL 光ファイバ プライバシ / セキュリティ ブロードバンド 100Mbpsの世界 通信速度が速くなるとどうなるのだろうか? モバイルとユービキタス いつでもどこでも 携帯電話 e-japan 計画 日本でのIT 環境普及指針 IT 戦略本部 2001 年 1 月 5 年以内に 3000 万世帯で高速インターネット 1000 万世帯で超高速インターネット e-japan II IT 技術の利用促進 新しいIT 基盤 テレビ並の動画配信 安心 安全 4
日本のインターネットの普及状況 ( 平成 14 年版通信白書より ) インターネット利用者数の上位 10か国世帯 企業 事業所でのインターネット普及率ブロードバンド料金 (DSL 料金 ) の国際比較 インターネット - 未来 - なんでもつながる 電話 FAX CDプレーヤー 自動車 電子レンジ 冷蔵庫 数への対応 わがままへの対応 ファーストクラスとエコノミークラス 新しい情報の流れ Web2.0 情報の流れ 情報の循環とサービスの融合 上意下達 情報収集 生成 循環 (Positive Feedback) 利用者 利用者 Web2.0 情報収集 情報加工 インターネット - 未来 - もっとたくさん より質の高い情報 内容 データ量 Gbps Tbps JGN, JGN II, JGN II+, JGN-X コントロール 光の技術へ 備考 ) M( メガ ): 百万 G( ギガ ): 十億 T( テラ ): 一兆 インターネットって... 現在のインターネットはどういう技術で動いているのか 電話とか TV/ ラジオと何が違うのだろう? メールはどうやって届くのか? Webはなぜ見えるのか? 震災でインターネットは役に立った? 現在のインターネットでできることは何か 今後インターネットはどうなっていくのか 何ができると嬉しいか どんなことができるようになるだろう 5