政策課題分析シリーズ10(本体2)

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健全化比率及び資金不足比率の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 により 藤枝市の健全化判断比率及び資金不足比率につい て 以下のとおり算定しました これは 平成 19 年 6 月に公布された上記法律に基づき 毎年度 監査委 員の審査に付した上で 議会に報告及び公表するものです 本市

Taro-中期計画(別紙)

平成 27 年度新潟県病院事業決算の概要 高度医療の提供 県民から信頼される県立病院づくり 災害に備えたトリアージ訓練 出向く医療 ~ 訪問看護 ~ 新潟県病院局

別添 2 租税特別措置法施行令第 39 条の25 第 1 項第 1 号に規定する厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める基準を満たすものである旨の証明願平成年月日厚生労働大臣殿 租税特別措置法施行令第 39 条の25 第 1 項第 1 号に規定する厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める下記の基準を満た

貝監第  号

2. 療養型病院 (1) 機能性の状況 療養型病院 施設数 ( 施設 ) 470 病床数 ( 床 ) 利用率 90.3 在院日数 ( 日 ) 92.7 入院外来比 0.52 新患率 日平均患者数 ( 人 ) 入院 外来 床当たり医業収益 ( 千円 )

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57 みやこ町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 9.49% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

連結実質赤字比率 ) 実質赤字比率 =A/B*100が負一般会計等 2 会計名学童等災害共済学童等災害共済事業 数の場合における A/B*100の絶対 一般会計等 2 実質収支額 値 一般会計等 3 会計名 中小企業従業員中小企業従業員退職金等

事務連絡 平成 29 年 4 月 3 日 各都道府県財政担当課各都道府県市区町村担当課各指定都市財政担当課 御中 総務省自治財政局公営企業課 平成 29 年度における東日本大震災に係る地方公営企業施設の災害復旧事業等に対する地方財政措置等について 東日本大震災に係る災害復旧事業等については 平成 2

14 中間市 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 7.65% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地

報告事項     平成14年度市町村の決算概要について

1. 病院経営の鍵となる指標 病床利用率の推移 1.1 病床稼働率は平均80 強 病院報告 病床稼働率と病床数の不思議な関係 は入院収益そのものに直結します人件費や設備投資などの固定費が多い病院 全病床 6 精神病床 5 は 病床稼働率が一定の水準を下回ると一気に赤字経営に陥りますそのた

47 大木町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 22.96% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

平成 27 年度岩国市下水道事業決算の要領 下水道事業の経営成績と財政状態をお知らせするため 平成 27 年度決算の要領を公表します 1. 業務量 下水道区域の拡大により 処理人口は 260 人増加し 年間有収水量は 52,674 m3増加しました 区分 平成 27 年度 平成 26 年度 処 理

54 赤村 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 1.59% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地方

16 筑紫野市 22.91% 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

15 小郡市 将来負担比率の状況と推移 将来負担比率 平成 21 年度 118.0% 平成 22 年度 102.9% 平成 23 年度 平成 24 年度 81.4% 92.7% 81.4% 平成 25 年度 76.4% 将来負担比率は 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め その地

180222_中期計画別紙②

Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

1 北九州市 将来負担比率の状況と推移 将来負担比率 平成 20 年度 171.8% 平成 21 年度 173.5% 平成 22 年度 平成 23 年度 166.9% 166.0% 166.9% 平成 24 年度 170.3% 将来負担比率は 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め

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10. と畜場事業 Ⅰ 概要及び沿革と畜場事業は 食用に供する目的で 獣畜 ( 牛 馬 豚 めん羊及び山羊 ) をと殺し 又は解体するために施設を設置し 必要な施設及び設備の維持管理や と畜検査員による食肉の衛生検査を行い 生産者にとっての畜産物の供給先を提供するものである と畜場は と畜場法の第

1 北九州市 実質公債費比率の状況と推移 11.4% 10.8% 実質公債費比率 平成 21 年度 9.9% 平成 22 年度 11.7% 平成 23 年度 11.4% 平成 24 年度 10.8% 平成 25 年度 10.5% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等の

1 北九州市 実質公債費比率の状況と推移 11.8% 12.6% 実質公債費比率 平成 24 年度 10.8% 平成 25 年度 10.5% 平成 26 年度 11.8% 平成 27 年度 12.6% 平成 28 年度 13.7% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等

山形県庄内町平成 28 年 11 月 ( 訂正版 ) 平成 26 年度決算に基づく健全化判断比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第 3 条第 1 項の規定により 健全化判断比率を公表 いたします 健全化判断比率は 自治体の財政が健全かどうかを表す指標です 地方公共団体の財政の健全化に関する法

政策課題分析シリーズ10(本文3)

第3 法非適用企業の状況

29 那珂川町 実質公債費比率の状況と推移 4.6% 4.0% 実質公債費比率 平成 23 年度 5.6% 平成 24 年度 5.1% 平成 25 年度 4.6% 平成 26 年度 4.0% 平成 27 年度 3.6% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等の額を その

15 小郡市 13.9% 13.5% 比較する財政の規模 ( 分母 ) の内訳について 計算式 : 標準財政規模 (c) - 算入公債費等の額 (b) 標準財政規模 (c) の内訳 ( 単位 : 千円 %) H22 決算 H23 決算 H24 決算 H25 決算 標準税収入額等 7,265,856

国民健康保険税率等の諮問 について 国立市健康福祉部健康増進課国民健康保険係 国立市富士見台 : ( 代表 ) 内線


国民健康保険志雄病院経営健全化計画 ( 改革プラン ) 実施状況 平成 26 年 11 月 国民健康保険志雄病院

厚生年金保険 給付調整経理 当期損失金は 期首厚生年金保険給付調整積立金見込額 9,747,934,574 千円から差し引くこととし 翌年度へ繰り越す厚生年金 保険給付調整積立金は 9,708,619,939 千円となる見込みである 退職等年金給 付調整経理 1 収入 14,272,264 千円 (

平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報

21年度表紙面付け

Ⅰ 平成 24 年度高鍋町財務書類の公表について 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデル

4 地方公営企業会計基準の見直しの影響 ( 概要 ) 地方公営企業会計基準の見直しのため 平成 23 年度に地方公営企業法施行令等を改正し その改正内容が平成 26 年度予算 決算から全面的に適用となっている (1) 見直しの趣旨 昭和 41 年以来大きな改正がなされていない地方公営企業会計制度と国

その 1 の財政状況は? 平成 28 年度一般会計決算からの財政状況を説明します 1 平成 28 年度の主なお金の使い道は? その他の経費 212 億 93 万円 扶助費 82 億 3,606 万円 16.7% 43.0% 義務的経費 219 億 7,332 万円 人件費 44.5% 79 億 8,

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平成26年版 特別会計ガイドブック

平成 30 年 (2018 年 )9 月 20 日 財政局 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率等の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に基づき 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率を算定いたしましたのでお知らせします 健全化判断比率については すべての

全自病協第 582 号 平成 27 年 2 月 13 日 地方会議担当支部長様 公益社団法人全国自治体病院協議会 会長 邉見公雄 平成 27 年度地方会議における共通議題について 日頃から支部活動にご尽力をいただき感謝申し上げます さて 平成 27 年度地方会議における共通議題について 常務理事会で

被用者年金一元化法による追加費用削減について 昨年 8 月に社会保障 税一体改革関連法の一つとして被用者年金一元化法が成立 一元化法では 追加費用財源の恩給期間にかかる給付について 以下の配慮措置を設けた上で 負担に見合った水準まで一律に 27% 減額することとし 本年 8 月まで ( 公布から 1

平成26年版 特別会計ガイドブック

地方公営企業会計基準の見直しについて(完成)

2 収支の状況 一般病院の収支の状況は次のとおりです 1 収益構造として 総収益に占めるの割合は96.0 に占める収入の割合は69.1 同収入の割合は26.7 でした 2 に対する費用の割合は 人件費率 52.4 前年度比 0.1ポイント増 医療材料費率 21.5 同 0.3ポイント増 給食材料費率

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 国保は構造的な問題を抱えており 被保険者の保険料負担軽減のために法定外繰入金を繰入れているといった状況は 全国的な状況であることから 国は全国で約 3,400 億円の公費を拡充し 国保の財政基盤の強化

付加退職金の概要 退職金の額は あらかじめ額の確定している 基本退職金 と 実際の運用収入等に応じて支給される 付加退職金 の合計額として算定 付加退職金は 運用収入等の状況に応じて基本退職金に上乗せされるものであり 金利の変動に弾力的に対応することを目的として 平成 3 年度に導入 基本退職金 付

(2) 料金形態 * 施設ごとの状況が分かるよう記載すること 料金の概要 考え方 温泉使用料月額毎分 1 リットル当たり 2,592 円 ( 湯梨浜町営温泉施設の設置及び管理に関する条例第 10 条第 2 項の規定によります ) 温泉スタンド利用料 1 回 97 リットル 100 円 ( めぐみのゆ

議案第 120 号 佐渡市職員の給与に関する条例及び佐渡市職員の特殊勤務手当に 関する条例の一部を改正する条例の制定について 佐渡市職員の給与に関する条例及び佐渡市職員の特殊勤務手当に関す る条例の一部を改正する条例を次のとおり制定する 平成 30 年 12 月 12 日提出 佐渡市長 三浦基裕 -

Microsoft Word - fcgw03wd.DOC

経営指標の概要 ( 電気事業 ) 1. 経営の状況 ( 電気事業全体で算出 ) 算出式 ( 法適用事業 ) 算出式 ( 法非適用事業 ) 1 経常収支比率 (%) 1 収益的収支比率 (%) 指標の意味 経常収益 100 経常費用 総収益 100 総費用 + 地方債償還金 法適用企業に用いる経常収支

議題1 介護納付金課税額に係る税率及び課税限度額について(諮問)

財政再計算に向けて.indd

UIプロジェクトX

PowerPoint プレゼンテーション

( 図表 1) 平成 28 年度医療法人の事業収益の分布 ( 図表 2) 平成 28 年度医療法人の従事者数の分布 25.4% 27.3% 15.8% 11.2% 5.9% n=961 n=961 n= % 18.6% 18.5% 18.9% 14.4% 11.6% 8.1% 資料出所

き県が負担する負担金の額 ( 当該負担金の額が他の法令の規定により軽減される場合にあつては, その軽減されることとなる額を控除した額 以下 県負担額 という ) から当該事業に要する費用の額 ( 加算額がある場合にあつては, 加算額を控除して得た額 ) に100 分の25 以内で規則で定める割合を乗

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2007財政健全化判断比率を公表いたします

2 事業活動収支計算書 ( 旧消費収支計算書 ) 関係 (1) 従前の 消費収支計算書 の名称が 事業活動収支計算書 に変更され 収支を経常的収支及び臨時的収支に区分して それぞれの収支状況を把握できるようになりました 第 15 条関係 別添資料 p2 9 41~46 82 参照 消費収入 消費支出

Microsoft Word - 潟上市下水道事業経営戦略

平成 24 年度国民健康保険税税率改定案 1 医療保険分 ( 基礎課税額 ) 現行 改定 増減 伸率 所得割額 4.30 % 4.63 % % 資産割額 % 9.80 % % 税率等 均等割額 17,100 円 18,000 円 900 円 5.3%

Ⅳ 地方交付税

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Microsoft PowerPoint  税-1(平成28年度補てん状況把握)

第 2 章 12 宅地造成事業 12. 宅地造成事業 Ⅰ 概要及び沿革宅地造成事業とは 地域の計画的開発と既成都市の再開発を目的とする事業であり 臨海土地造成事業 内陸工業用地等造成事業 流通業務団地造成事業 都市開発事業 ( 土地区画整理事業 市街地再開発事業 ) 及び住宅用地造成事業の各事業を総

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平成 27 年度事業計画書 ( 局 統括本部 ) ( 様式 2-1) [ 財政 局 総務 課 ] 事業名 特記事項 17 款 1 項 17 目高速鉄道事業会計繰出金 中期計画 - 戦略中期計画 - 基本政策 児童手当補助金 新規 拡充 基本政策 施策番号 財 源 内 訳 一般財源等 区 分 金 額

260128 自治大講演資料

区分 平成 29 事業年度 予算額 決算額 差額 備考 運営費交付金 2,815 2,815 - 国庫補助金 26,679 26,679 - 社会福祉振興助成費補助金 給付費補助金 26,071 26,071 - 利子補給金 3,617 3,617 - 福祉医療貸付事業福祉医療貸

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 保険料減免制度について 府の統一基準に一致させることで急激な保険料増加となる世帯が生じることから 段階的に低所得者減免制度を解消していく 保険料の減免制度については 平成 30 年度からは災害 収入減

H30æ…–å€±å–¬éŒ‰ã••æ³ŁäººHPçfl¨.xbd

⑸ 老人保健拠出金については 平成 25 年度当初予算と同額の7 万 5 千円を計上した ⑹ 介護納付金については 平成 25 年度当初予算に比べ3.8% 減の1 億 8,4 03 万 9 千円を計上した ⑺ 共同事業拠出金については 平成 25 年度当初予算に比べ7.0% 増の3 億 7, 793

鯖監査第  号

新公立病院改革プラン - 君津中央病院企業団経営計画 - ( 平成 29 年度 ~ 平成 32 年度 ) 追補版 平成 29 年 2 月

Ⅱ 健全化判断比率の概要 1 健全化判断比率 財政健全化法の施行に伴い 地方公共団体は 平成 19 年度から 毎年度 次の健全化判断比率 (4 指標 ) を監査委員の審査に付した上で 議会に報告し 公表しなければならないことになっています 早期健全化基準を上回ると財政健全化計画の策定が義務付けられ

目 次 1. 作成の目的 P2 2. 推計方法 P2 3. 歳入の推移 P4 4. 歳出の推移 P5 5. 歳入歳出の比較 P6 6. 基金の状況 P7 7. 地方債残高の状況 P8 8. 経常収支比率の状況 P9 9. 実質公債費比率の状況 P まとめ P11-1 -

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1. 財政状況の年度推移 ( 一般会計 ) (1) 決算概況 ( 単位 : 億円 ) グラフの解説 一般会計の歳入 歳出の規模は増加傾向にあり 平成 27 年度の決算規模は 歳入 歳出ともに過去最大規模となっています 実質収支は 黒字を継続しており 27 年度は約 49 億円 前年度と比べると約 1

139 1 総括 歳入歳出予算事項別細書 ( 歳 入 ) 単位 千円 款 本年度予算額 前年度予算額 比 較 1 後期高齢者医療保険料 1,355,580 1,247, ,802 2 使用料及び手数料 繰入金 411, ,773 24,473 4 諸収入 6,

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地域支援事業交付金の算定方法について

平成 28 年度決算に基づく福井市健全化 判断比率及び資金不足比率審査意見書 福井市監査委員

別冊2017

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 平成 28 年度決算時点において 本市に解消すべき法定外繰入金及び赤字はない Ⅱ (3) 赤字解消の年次計画 ( 総括表国定義 ) 以下の法定外繰入にかかる項目は別紙の内訳を自動集計します 法定外繰入

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

Microsoft Word - 【全体版】H30春 提言④


1 制度の概要 (1) 金融機関の破綻処理に係る施策の実施体制金融庁は 預金保険法 ( 昭和 46 年法律第 34 号 以下 法 という ) 等の規定に基づき 金融機関の破綻処理等のための施策を 預金保険機構及び株式会社整理回収機構 ( 以下 整理回収機構 という ) を通じて実施してきている (2

平成 28 年度決算に係る健全化判断比率及び資金不足比率に関する審査意見書 春日井市監査委員

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

Web用-広報4月号-Vol.169.indd

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Transcription:

2.3. 公立病院の繰入金繰入金の根拠公立病院を含む地方公営企業は 原則として独立採算を求められている ただし一方で 地方公営企業法の第 17 条の2により 特定の条件を満たす経費については 自治体が公営企業への繰出金 ( 公営企業側から見た場合は繰入金 ) として 経費を負担することとされている これにより 公立病院事業の場合には 自治体の多くが政策医療にかかわる経費に対して 負担金等の繰入れを行っている 2 繰入金の根拠 地方公営企業法第 17 条の 2 第 17 条の2 次に掲げる地方公営企業の経費で政令で定めるものは 地方公共団体の一般会計又は他の特別会計において 出資 長期の貸付け 負担金の支出その他の方法により負担するものとする 一その性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てることが適当でない経費二当該地方公営企業の性質上能率的な経営を行なつてもなおその経営に伴う収入のみをもつて充てることが客観的に困難であると認められる経費 2 地方公営企業の特別会計においては その経費は 前項の規定により地方公共団体の一般 会計又は他の特別会計において負担するものを除き 当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てなければならない 繰入金の推移公立病院への繰入金の総額は 2004 年度以降 7,000 億円程度で推移してきたが 2008 年度よりやや増加した後 近年は減少傾向にある ( 図表 2.3.1) ただし 繰入金について病院あたり ( 図表 2.3.2) 及び病床あたり( 図表 2.3.3) で その推移をみてみると 繰入金の額はほぼ横ばいで推移している また 地方独立行政法人下の病院への運営費負担金 運営費交付金を繰入金に加えた場合 その額は8,000 億円前後で推移している ( 図表 2.3.4) 2 その他 自治体は 災害の復旧 その他特別な理由による補助 として地方公営企業法第 17 条の3に基づく繰入を行っている場合がある - 8 -

図表 2.3.1 他会計からの繰入金の推移 ( 備考 ) 総務省 地方公営企業年鑑 により作成 図表 2.3.2 他会計からの繰入金の推移 ( 病院当たり ) ( 備考 ) 総務省 地方公営企業年鑑 により作成 - 9 -

図表 2.3.3 他会計からの繰入金の推移 ( 病床当たり ) ( 備考 ) 総務省 地方公営企業年鑑 により作成 図表 2.3.4 他会計からの繰入金の推移 ( 病床当たり 地方独立行政法人込み ) 1,000 982 973 965 947 937 926 919 923 839 ( 病院数 ) [ 8 ] [ 11 ] [ 21 ] [ 43 ] [ 56 ] [ 76 ] [ - ]( うち地方独法数 ) 収益的収入 資本的収入 地独法営業収益 地独法営業外収益 ( 備考 )1.2013 年度については集計可能なデータが得られなかったため示していない 2. 総務省 地方公営企業年鑑 により作成 - 10 -

基準外の繰入金公立病院への繰入について 実務上の一般会計と公営企業との経費負担区分のルールは 総務省より毎年度 繰出基準 として通知が行われている この基準に示された項目と計算に基づく繰入金を 一般に 基準内繰入金 と呼び 基準に基づかず自治体が独自に行う繰入金は 基準外繰入金 と呼ばれている ( 参考 ) 公立病院事業について総務省繰出基準に定められている項目 1. 病院の建設改良に要する経費 2. へき地医療の確保に要する経費 3. 不採算地区病院に要する経費 4. 結核病院の運営に要する経費 5. 精神病院の運営に要する経費 6. 感染症医療に要する経費 7. リハビリテーション医療に要する経費 8. 周産期医療に要する経費 9. 小児医療に要する経費 10. 救急医療に要する経費 11. 高度医療に要する経費 12. 公立病院附属看護師養成所の運営に要する経費 13. 院内保育所の運営に要する経費 14. 公立病院附属診療所の運営に要する経費 15. 保健衛生行政事務に要する経費 16. 経営基盤強化に要する経費 17. 保健 医療 福祉の共同研修等に要する経費 18. 病院事業会計に係る共済追加費用の負担に要する経費 19. 公立病院改革の推進に要する経費 20. 医師確保対策に要する経費 ( 備考 ) 総務省 平成 27 年度の地方公営企業繰出金について により作成 - 11 -

基準外繰入金の推移基準外繰入金の推移をみると 2007 年度から2011 年度にかけて 基準外繰入金は2009 年以降 減少傾向にある ただし繰入金合計に対する基準外繰入金の割合は 2008 年度以降低下している 図表 2.3.5 基準外繰入金の推移 ( 億円 ) ( 年度 ) 2007 2008 2009 2010 2011 繰入金合計 6,961 7,509 7,711 7,398 7,318 収益勘定繰入金 5,290 5,668 5,664 5,417 5,376 資本勘定繰入金 1,671 1,841 2,047 1,981 1,942 うち 基準外繰入金 1,314 1,618 1,398 1,269 1,111 基準外繰入の割合 (%) 18.9 21.5 18.1 17.2 15.2 ( 備考 )1.2012 年度以降は集計可能なデータが得られなかったため示していない 2. 総務省 地方公営企業年鑑 により作成 - 12 -

( 参考 ) 出雲市の繰出項目の算出根拠と繰入額繰入金の具体的な繰入額の算定については 各自治体の判断に委ねられている 従って 自治体は対象経費 ( 繰出項目 ) 毎に総務省が示している積算基準例 (1 地方財政計画の積算 2 地方交付税の積算基準 3 歳入歳出の実額によるもの ) を参考としながら実態に即した算定を行っている 例として出雲市の場合 実際の対象経費 ( 繰出項目 ) 毎の内容は次のとおりである 項目算出根拠算出基準額繰入額 ( 円 ) 病院の建設改良に要する経費企業債支払利息 ( 基準例 1 による ) H14 以前債 42,561,218 2/3 = 28,374,145 H15 以降債 44,460,942 1/2 = 22,230,471 50,604,616 同左 リハビリテーション医療に要する経費 収支黒字 0 同左 救急医療の確保に要する経費 ( 基準例 2 による ) 高度医療に要する経費 経営基盤強化対策に要する経費のうち医師及び看護師等の研究研修に要する経費 ( 基準例 1 による ) 救急告示病床数 1 床当たり単価 1,697,000 7 床 = 11,879,000 1 病院当たり 32,900,000 計 44,779,000 PET - CT に要する経費収支黒字 通常分 8,913,716 1/2 = 4,456,858 44,779,000 同左 0 同左 4,456,858 同左 経営基盤強化に要する経費のうち病院事業会計に係る共済追加費用の負担に要する経費 ( 基準例 2 による ) { 165 人 -( 55 人 1.1 ) } 107,000 = 11,182,000 11,182,000 同左 - 13 -

( 円 ) 項目算出根拠算出基準額繰入額 経営基盤強化に要する経費のうち公立病院改革プランに要する経費 経営評価委員会の開催なし 0 同左 経営強化基盤に要する経費のうち医師確保対策に要する経費 ( 基準例 3 による ) 医師の勤務環境の改善に要する経費医師処遇改善 31,021,904 医療クラーク配置に係る経費 181,027 医師紹介業者に対する広告費 成功報酬 0 31,202,931 同左 地方公営企業職員に係る基礎年金拠出金に係る公的負担に要する経費 ( 基準例 3 による ) 医師の派遣を受けることに要する経費非常勤医師報酬 94,932,915 費用弁償 2,241,700 計 97,174,615 給料 + 賞与 (674,425,810 45.125 + 238,454,123 36.1) / 1,000 = 39,041,657 97,174,615 同左 39,041,657 同左 地方公営企業職員に係る児童手当に要する経費 ( 基準例 3 による ) 支給対象者 54 名 (3 歳未満は 給付額 7,000 円 228 月 ) 10,359,000 10,359,000 同左 合計 288,800,677 ( 備考 ) 出雲市 HP 掲載資料 http://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1331088084430/files/h26houkatudai3syou.pdf - 14 -

( 参考 ) 石巻市立病院にかかわる繰出基準と繰入額石巻市の場合 病院事業への一般会計繰出金については 総務省の通知に示される基準に基づき 財政当局との協議により決定されており 総務省の考え方に基づく繰出金 ( 繰出基準分 ) と 財政収支バランスを図るための繰出金 ( 政策医療分 ) が設定されている 特に石巻市立病院においては 開院後 3 年間で多額の不良債務が生じており これを解消するために策定した 石巻市立病院健全経営計画 に基づき 不良債務解消のための繰出金が設定されている ( 石巻市立病院は東日本大震災により被災したため 現在は開成仮診療所 ( 無床 ) により医療を提供している 一般会計負担の考え方と繰入額は被災前の繰り出し基準であることに注意 ) - 15 -

医業収益 医業外収益 負担金 補助金 負担金 図表 2.3.6 石巻市立病院にかかわる主な一般会計負担の考え方と繰入額 項目国の基準本市の繰出基準 救急医療の確保に要する経費 保健衛生行政事務に要する経費 医師及び看護師等の研究研修に要する経費 病院事業会計に係る共済追加費用の負担に要する経費 地 公営企業職員に係る基礎年金拠出金に係る公的負担に要する経費 地 公営企業職員に係る児童 当に要する経費 救急病院における医師等の待機及び空床の確保等救急医療の確保に必要な経費に相当する額 集団検診 医療相談等に要する経費のうち これに伴う収入をもって充てることができないと認められるものに相当する額 救急 : 延べ待機医師人件費 + 待機看護師人件費 + 待機医療技術者人件費 +( 延べ空床 10 床 診療単価 )- 救急医療収入 本庁人件費として 病院管理課職員人件費の 1/2 相当分を計上 23 年度 般会計繰越金 繰出基準 政策医療 187,000 187,000 0 40,000 40,000 0 医師及び看護師等の研究研修に要する経費の 2 分の 1 国の基準と同様 7,500 7,500 0 当該年度の 4 月 1 日現在の職員数が地方公務員等共済組合法の長期給付等に関する施行法の施行の日における職員数に比して著しく増加している病院事業会計に係る共済追加費用の負担額の一部 経常収支の不足額を生じている病院事業の職員に係る基礎年金拠出金に係る公的負担額 ( 前々年度における経常収支の不足額を限度とする ) ア 0 歳以上 3 歳未満の児童を対象とする給付に要する額 ( 特例給付を除く ) の 10 分の 3 イ 3 歳以上小学校第 6 学年終了までの児童を対象とする特例給付に要する額 国の基準と同様 35,000 35,000 ( 千円 ) 国の基準と同様 28,500 28,500 0 国の基準と同様 3,300 3,300 0 施設高度化補助金 政策的配慮からCT 及び血管造影賃借料を同額措置 100,612 0 100,612 病院の建設改良に要する 病院企業債に係る元利償還金のうち その経営に伴う収入を 償還利息額の全額を繰出しする 135,088 90,059 45,029 経費 ( 利息 ) もって充てることができないと認められるものに相当する額 [ 元利償還金の1/2を基準とする ( 平成 14 年度までに着手した事業については2/3を基準とする )] 基準外繰出 (1/3) は 経営の安定化を考慮したもの リハビリテーション医療 リハビリテーション医療の実施に要する経費のうち これに伴 改正地方財政詳解 より 患者 1 人あたり割高経費 2,000 2,000 0 に要する経費 う収入をもって充てることができないと認められるものに相当 前年度年間リハビリテーション患者数 する額 0 高度医療に要する経費 高度な医療の実施に要する経費のうち これに伴う収入をもっ 改正地方財政詳解 より ICU 等 1 床あたり割高経費 230,000 230,000 0 て充てることができないと認められるものに相当する額 6 床 + 応援医師人件費 + ( 医師実配置人数 - 医療法定数 ) 分人件費 小児医療に要する経費 小児医療の実施に要する経費のうち これに伴う収入をもって 改正地方財政詳解 より 小児 1 床あたり割高経費 23,000 23,000 充てることができないと認められるものに相当する額 小児ベッド確保病床数 0 退職手当組合負担金政策的配慮から退職手当組合負担金と同額を算入 165,000 0 165,000 特別利益 繰入金 不良債務解消補助金 平成 17 年度に策定した石巻市立病院健全経営計画に基づ 40,000 0 40,000 き平成 18 年度から平成 24 年度まで ( 備考 ) 石巻市 HP 掲載資料 https://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10621000/0001/plan-four.pdf - 16 -

( 参考 ) 山口県の繰出基準山口県では 独立採算を原則に効率的な経営を行いつつ 県立病院がその役割を果たすため 次のものは 病院負担とすることが適当でない経費及び病院負担が困難な経費として 国の定める基準等に従って 県の一般会計が負担するとしている 負担項目 看護師養成確保事業に要する経費 救急医療に要する経費 公衆衛生活動に要する経費 負担対象 看護師養成所の実習受け入れ及び院内保育所の運営に対する経費負担 実習の受け入れに要する経費 院内保育所の運営に係る収支差額 救急医療の確保を図るための負担 救命救急センターの運営に係る収支差額 精神科空床確保に係る費用 保健衛生に関する行政事務の実施に対する負担 集団検診 医療相談等に係る収支差額 へき地医療の確保に要する経費 へき地における医療の確保を図るための負担 巡回診療などへき地医療に係る収支差額 周産期医療に要する経費 精神科病院の運営に要する経費 医師等の研究研修に要する経費 周産期医療の実施に対する負担 総合周産期母子医療センターの運営に係る収支差額 精神科病院の運営に要する経費に対する負担 精神科特殊医療 ( 作業療法 レクリエーション療法 ) 等の実施に係る収支差額 医師及び看護師等の研究研修に要する経費に対する負担 医師及び看護師等の研究研修費 1/2-17 -

負担項目 病院事業の経営研修に要する経費 負担対象 病院事業の経営研修に要する経費に対する負担 病院事業の経営研修費 1/2 高度医療 特殊医療に要する経費 高度 特殊医療等 不採算医療の実施に対する負担 高度 特殊不採算医療の実施に係る収支差額 建設改良に要する経費 病院の建設改良費に対する負担 建設改良費 1/2 企業債元利償還金 1/2 ( H14 年度以前分は 2/3) 共済追加費用の負担に要する経費 病院事業会計に係る共済追加費用に対する負担 共済追加費用負担額 1/2 基礎年金拠出金に係る公的負担に要する経費 児童手当に要する経費 基礎年金拠出金に係る公的負担に要する経費に対する負担 基礎年金拠出金公的負担額 1/2 ( 経常収支不足の翌々年度に計上 ) 児童手当に要する経費に対する負担 児童手当給付額 (3 歳未満児に係るものは 3/10) ( 備考 ) 山口県 HP 掲載資料 http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cmsdata/0/7/a/07a72c904985719d6bb22a357a95a406.pdf - 18 -

2.4. 公立病院と民間病院等との経営データの比較 公立病院の経営状況について 民間病院との比較の観点からその概要を確認する 全 国公私病院連盟等による 病院経営実態調査報告 によれば 100 床当たりの収益額に 3 ついて 自治体病院 その他公的病院 私的病院の各種別の病院 9を比較した場合 概ね病床規模が大きくなるに従い 収益額は大きくなる傾向がある また 特にその他公的病院と自治体病院の収益額を比較した場合 どの病床規模の病院においても自治体病院の収益額は相対的に小さい傾向がみられる ( 図表 2.4.1) 次に100 床当たりの医業収益に対する総費用の比率 ( 図表 2.4.2) をみると 特に自治体病院の比率は 病床規模が大きくなるにつれて低下する傾向がみられる また どの病床規模においても自治体病院の費用比率は その他公的病院や私的病院の比率に比べ高い傾向にある ただし 自治体病院と他の病院との比率の差異は 病床規模が小さい場合には特に大きいが 病床規模が拡大するにつれて 差異が縮小する傾向がみられる 図表 2.4.1 100 床当たりの収益額 ( 医業収入 ) の比較 (2014 年 ) ( サンプル数 ) ( 備考 ) 全国公私病院連盟 日本病院会 病院経営分析調査報告 病院経営実態調査報告 により作成 3 各種の病院について定義は以下のとおり 自治体病院 都道府県 市町村 地方独立行政法人等が開設する病院 その他公的病院 日赤 済生会 厚生連等が開設する病院 私的病院 医療法人 個人等が開設する病院 - 19 -

図表 2.4.2 100 床当たりの収益比率 ( 総費用 ) の比較 (2014 年 ) ( サンプル数 ) ( 備考 ) 全国公私病院連盟 日本病院会 病院経営分析調査報告 病院経営実態調査報告 により作成 - 20 -