小型軽量配線チェッカー 取扱説明書 - 目次 - 1. ご使用の前に ------------------------------------ 1 2. 小型軽量配線チェッカー操作方法 ------------------ 2 (1) 受信器の操作方法 ---------------------------- 2 (2) 発信器の操作方法 ---------------------------- 5 3. 小型軽量配線チェッカー点検項目毎の取扱方法 ------ 7 (1) 計器の二重計量チェック ---------------------- 7 (2) 配線の入り繰りチェック ---------------------- 7 (3) 電圧チェック 計器の計量動作チェック -------- 8 4. 単相三線式配線使用時にご注意いただきたい事項 ---- 9 (1) 受信器以降に負荷が接続されていない場合 ------ 9 (2) 受信器以降に負荷が接続されている場合 -------- 9 北海道計器工業株式会社
1. ご使用の前に 小型軽量配線チェッカーは 電気配線工事において次の点検を 高い精度で 適切に 効率的に作 業できるようサポートいたします 1 計器の二重計量チェック 2 配線の入り繰りチェック 3 電圧チェック 4 計器の計量動作チェック 配線点検は 活線で 発信器と受信器を組み合わせて行います 配線点検の仕組みは 点検する配 線に接続した発信器が信号電流発信器用抵抗 ( 以下 信号用抵抗 という ) に流れる電流を制御して 商用周波数の1サイクル1ビットとなる信号電流を発信し 電源側の配線に取り付けた受信器でその 信号電流を受信する仕組みとなっています このため 発受信時に 洗濯機 食器洗浄機など負荷電 流が大きな変動をくり返すものや容量の大きい電気製品を使用中の場合は 信号電流を正確に受信で きないことがありますのでご注意下さい この場合 事前に これらの電気製品の使用を停止して 既存の負荷電流を受信可能範囲内 (P2 手順 1 を参照) にしてから発受信してください また 発信器 受信器が正しく取り付けられてない場合においても信号電流を正確に受信できない ことがありますので 判定は 発信器 受信器が正しく取り付けられているか確認してから行ってく ださい 製品仕様 項目 発信器 受信器 使用電圧 100V/200V( 自動切替 ) 200V 以下 定格電流 2A( 信号電流 1Hzの実効値 ) - 消費電力量 25mWh 以下 (1 回の信号発信 ) 使用周波数 50Hz/60Hz( 手動切替 ) 50Hz/60Hz( 手動切替 ) 絶縁抵抗 100MΩ(500V 絶縁抵抗計 ) - 耐電圧 AC2000V 1 分間 - 使用方法 2 線間電圧入力式 1 線クランプ式 電源 9V 形乾電池 (9V)1 本 ( アルカリ電池推奨 ) 単 5 形乾電池 (1.5V)3 本 ( アルカリ電池推奨 ) 使用環境 雨水に曝されることがなく乾燥した場所 可燃性ガス等がなく 発熱 アークによる危険がない場所 使用温度範囲 0 ~40 使用湿度 80%RH 以下 ( 但し 結露しないこと ) 保存環境 -10 ~60 80%RH 以下 ( 但し 結露しないこと ) 外形寸法 150 80 40mm 程度 120 50 40mm 程度 重量 500g 以下 ( 本体のみ ) 150g 以下 付属品 コンセントコード クリップコード - 機能 発信器は 最大 5 桁の数字文字情報を含む信号電流を発信し 電源側の配線 に取り付けた受信器で その信号電流を受信する 受信器は 受信した数字文字情報を50 回目まで記録し 表示送りスイッチ を押すことで記録内容を表示させて確認できる 1
! 安全のために必ず守っていただきたいこと 異臭 異常音 煙が出たりするなどの異常を感じた時は使用を中止してください < 火災 やけどの原因となることがあります> ほこりや湿気 油煙 湯気の多い場所での長時間使用および保管をしないでください < 火災 感電の原因となります> 分解や改造をしないでください < 感電 けがをするおそれがあります> 内部に水や異物を入れないでください < 火災 感電の原因となります> 2. 小型軽量配線チェッカー操作方法小型軽量配線チェッカーは 電気配線工事の点検を 停電することなく 計器の二重計量チェック 配線の入り繰りチェック 電圧チェック 計器の計量動作チェック を簡単な操作で行うことができます 小型軽量配線チェッカーの操作方法について以下に説明します 配線工事の点検は 受信器と発信器を組み合わせて活線で点検します 計器の二重計量チェック 配線の入り繰りチェック の操作手順は 次表のとおりです 操作手順内容手順 1 受信器の取付手順 2 発信器から信号電流を発信手順 3 受信器の表示を確認 (1) 受信器の操作方法 受信器は 信号電流を受信器 CT 部分で受信し コード変換した数字データを液晶画面に表示する 装置です 表示強調 ( 押ボタンスイッチ ) 液晶表示が薄くなった時 電池の取替時期ですが このボタンを押すと表示を濃くして見られます 表示送り ( 押ボタンスイッチ ) 受信待ち設定または受信内容の確認の時に使用します 上部側面 信号電流 ( スライドスイッチ ) 発信器の内蔵信号用抵抗での使用の場合は L 外部信号用抵抗接続の場合は H に設定します 電源 ( スライドスイッチ ) 液晶画面測定電流 設定推奨値 受信記憶内容などを表示します CT 開閉レバー押すと CT が開きます 2
手順 1. 受信器の取付 右図のように点検する配線の電源側の 1 線を受信器の CT の中を通して取り 付け 電源を ON にします この時 短時間 基本設定等を表示して次に 進みます ( 表示内容 ; 現在設定の信号検出周波数とプログラム番号 ) 60Hz セッテイ Ver0907A 前記表示後 現在流れている負荷電流の値が一行目に表示されます 負荷電流 が 10A 以下であれば信号電流スライドスイッチの設定を L スイショウ 10A を超える 場合は H スイショウ の設定指示のメッセージが表示されます Ir:00.0A L スイショウ 10A を超える場合は 使用中の大容量電気製品を停止するなどにより負荷電流が 10A 以下と なるようにした後 点検してください ( 既設負荷電流の変動が無ければ L 設定でも既設負 荷電流が 20A までは受信できます ) 10A を超えた状態で点検しなければならない場合は 受信器の信号電流のスライドスイッチの 設定を H にして発信器に 外部信号用抵抗 ( 別売 ) を接続し発信してください ( 既設負荷 電流の変動が無ければ H 設定でも既設負荷が 30A までは受信できます ) 現在流れている負荷電流の値が 10A 以下でも電流の変動がある場合は 下図の ヘンドウア リ のメッセージが短時間表示されます この場合 信号を受信できません Ir:01.1A ヘントゔウアリ この場合は 使用中の負荷電流の変動の大きい電気製品を切った後に点検を行ってください こ の状態で表示送りボタンを押すと待機状態となって受信できますが この電流の変動を信号電流 として間違って受信したり 受信が正常にできず? で表示される場合があります ここで表示される電流は 目安のもので 正確な値を確認したい場合は 精度の高い電流計を使 用して測定してください 前記表示後 表示送りを押すことにより下図の表示となり 受信待ち状態となります なお 表示送りを押さない場合は 約 5 秒後に自動的に下図の表示となり 受信待ち状態となります シゔュンヒゔ ok L セッテイ 右図のように点検したい計器が他にありましたら同様 の手順で該当する計器に受信器を取り付けます 3
手順 2. 発信器から信号電流を発信 (2) 発信器の操作方法で説明 手順 3. 受信器の表示を確認 前図のように点検すべきすべての部屋から発信した後 各計器に取り付けた受信器の表示を確認します 前図の場合 それぞれの受信器の表示が次のようになり 計器と部屋の間の配線が正常であると判定できます 101 号室用計器取付受信器の表示 102 号室用計器取付受信器の表示 01: 101 01: 102 受信器の表示は 前図のとおりで各行の左端の数字が受信回数を表します 受信は最大 50 回目まで受信して記録します 1 回目は1 行目に表示し2 回目以降は2 行目に表示します 次図のとおり2 回目以降も1 回目と同じ番号を受信した場合は 2 行目の表示は最後に受信した受信回数とその部屋番号を表示します 01: 101 04: 101 同じ部屋番号 101 を 4 回受信した時の表示 1 回目と違う番号を受信した場合は 次図のとおり注意喚起のためその時点の回数とその部屋番 号を表示し そこで表示が固定します しかしそれ以降も受信し その内容は 50 回目まで記録 し 表示送りスイッチを押すことで記録内容を表示させて確認することができます 01: 101 02: 102 違う部屋番号 101,102,103, 104 を 4 回受信した時の表示 なお 受信後に表示送りスイッチを押した後は 受信待ち状態が解除されますので これ以降の受信はできません 受信待ち状態に戻すには 電源を切った後 入れ直して最初から操作をしてください 記憶された受信内容を見る場合は 表示送りスイッチを押すことにより次の図のとおり1 行目 2 行目で受信回数順に表示させて見ることができます 受信した最後の回数の後に表示送りスイッチを押すと DATA END の表示となり さらに表示送りスイッチを押すと1 回目の表示内容に戻り繰り返して確認することが出来ます 01: 101 受信後に最初に表示送りスイッチを押した時の表示 01: 101 02: 102 02: 102 03: 103 03: 103 04: 104 04: 104 DATA END 次に表示送りスイッチを押した時さらに表示送りスイッチを押した時さらに表示送りスイッチを押した時さらに表示送りスイッチを押した時 4
前回受信して記録した部屋番号を受信器の電源を切った後も 次の操作により見ることができます ( 操作方法 ) 表示送りスイッチを押しながら電源スイッチを ON にし表示送りスイッチを放します 一回目に受信した部屋番号を一行目に表示します この後 さらに表示送りスイッチを押すことにより2 行目に2 回目以降の受信回数と受信した部屋番号を表示します なお 電源を入れて受信した場合は 新しく記録した部屋番号に置き換わります 2 1 3 (2) 発信器の操作方法発信器は 信号電流を発信する装置です 部屋番号など最大 5 桁の数字をキー入力して これを発信することができます 発信器に内蔵した信号用抵抗に流す電流を制御して2A( 外部信号用抵抗接続の場合 6A) の1サイクル1ビットとなる信号電流を発信します 接続コード ( コンセントコード ) ( クリップコード ) 発信時点滅 (LED) 信号電流が流れると点滅します 電源 ( スライドスイッチ ) 外部信号用抵抗 電圧確認 ( 押ボタンスイッチ ) 接続のコンセントまたはクリップに印加している電圧の値を押し下げている間表示します 別売品 手順 2. 発信器から信号電流の発信 発信器を部屋のコンセントなどに接続し 次の操作により信号電流を発信します 発信器の電源を 入 にすると 短時間 基本設定等を表示して次に進みます ( 表示内容 ; 現 5
在設定の信号検出周波数とプログラム番号 ) 60Hz セッテイ Ver0907A 次メッセージが表示され部屋番号入力画面になります RoomNoIn * 点検対象の部屋番号などをキー入力します RoomNoIn 101 * # キーを押すと 確認の次のメッセージが表示されます _No 101 24 C */ ここで * キーを押すと部屋番号入力画面に戻ります # キーを押すとキー入力した部屋番号を 1 サイクル 1 ビットとなる信号電流に変換して発信 し その信号電流を内部で検出して 発信時点滅 の LED が点滅します 信号電流が流れない 場合は LED は点滅しません No の前に発信回数 ( 同一部屋番号での発信回数 10 回以上 は z ) を表示します 1No 101 24 C */ 2 行目左に表示する温度は 内蔵する信号用抵抗の現在の温度です 信号電流を発信する毎に 温度が上昇します 連続発信 (10 回以上 ) などで温度が上昇し 61 を超えた場合 内蔵す る他の電子部品の保護のため次の表示となり発信できなくなります 温度が下がるまでお待ち 下さい ( 連続発信で信号用抵抗の温度が 70 を超えた場合 サーモスタットが働き発信で きる温度まで下がるのに時間がかかる場合があります ) 61 C チョウカオマチクダサイ なお 信号用抵抗の温度が 20 未満の場合は 下図のとおり温度表示はされません _No 101 */ ハッシン # を入力し発信しようとした時 配線に電圧がない場合は 次の表示となり発信しません 電源を確認してください 000v テゔスカクニン /? 6
同様の操作で点検対象の各部屋に発信器を移動し室のコンセントなどに接続して信号電流を 発信します 3. 小型軽量配線チェッカー点検項目毎の取扱方法 (1) 計器の二重計量チェック二重計量チェックは 下図のように電灯用電力量計とタイムスイッチ電源側の線に受信器を取り付け受信待ち状態にして タイムスイッチの電源側の端子にクリップで発信器を接続し 番号 1 を発信します 下図のような二重計量の場合は 電灯用電力量計とタイムスイッチに取り付けたそれぞれの受信器で番号 1 を受信し 電灯用電力量計が二重計量であることが判断できます なお 電灯用計器に受信器を取付けた時 ヘンドウアリ の表示が出た場合 既存の負荷変動が1A 以上あるため発信器から発信した電流信号を正しく受信できません この場合は 二重計量となっていても受信できないことがあります このような時は 負荷変動を発生させている電気製品を停止して受信器の ヘンドウアリ の表示が無くなったこと 既存の負荷電流が10A 以下であることを確認した後 電灯用回路で発信して正しく受信することを確認し この後にタイムスイッチ側から発信して 電灯用電力量計に取付けた受信器で???? を含めた受信が無ければ二重計量は無いと判断してください 電灯用 温水器用 受信器 発信器 受信器 電灯用計器取付受信器表示 タイムスイッチ取付受信器表示 01: 1 01: 1 (2) 配線入り繰りチェック集合住宅などの同じ建物で複数の計測器が取り付けている場合 特に隠蔽方式の配線などでは 次図のとおり一般的な配線の場合は 計器と部屋への配線が一致していますが 例 1, 例 2のような計器と部屋への配線が入り繰りにより配線誤りとなっている場合があります これをチェックするには 各計器に受信器を取り付け受信待ち状態とした後 各部屋から発信器を 単ニ 100V の場合はコンセント 単三 100/200V の場合は分電盤の端子にクリップで接続し 7
各部屋 1 回 当該室の部屋番号を発信器にキー入力し発信します 各部屋から発信した後 計器に取り付けた受信器の液晶表示の受信部屋番号が 各部屋から発信した番号と同じであれば正しい配線と判断できます 例 1 例 2のような配線誤りの場合 次のとおり受信した部屋番号が違うことから誤配線であることが分かり どの部屋とつながっているかが明確に分かります 配線誤り例 1 101 号室用計器受信器表示 202 号室用計器受信器表示 01: 202 01: 101 配線誤り例 2 101 号室用計器受信器表示 102 号室用計器受信器表示 103 号室用計器受信器表示 01: 101 01: 103 01: 102 なお 配線が単相 3 線式の場合は 受信器は 1S または 3S の電圧線に取付け 発信器の接続はコ ンセントではなく分電盤の端子の電圧線側の両外線に接続して発信してください (3) 電圧チェック 計器の計量動作チェック計器端子での電圧チェック 計量動作チェックする場合は 計器端子にクリップコードを接続し 発信器の電源を入れ 発信器の電圧確認スイッチを押すと液晶画面に端子間電圧の値が電圧確認スイッチを押している間 表示されます 表示される電圧は 目安のもので 正確な値を確認したい場合は 精度の高い電圧計を使用して測定してください 表示された端子電圧が 次表の電気方式と各線間の電圧が一致するかチェックして良否の判断をして下さい 電圧が0の場合は 計測器端子への発信器の接続コードの取り付けが正しいか確認してから判断してください 単相 2 線式 発信器 単相 3 線式 三相 3 戦式 8
電気方式条件単相 2 線式 100V 1L~2L 100V 単相 2 線式 200V 1L~2L 200V 単相 3 線式 100V/200V 1L~2L 2L~3L 100V かつ3L~1L 200V 三相 3 線式 200V 1L~2L 2L~3L 3L~1L 200V 電圧チェック後 RoomNoIn の表示に従って 66666 ( 最大電流を流す番号 他の番号でも可 ) をキー入力した後 # キーを押して1 秒程度の負荷電流を流しこの間に計器の計量動作 ( 誘導型計器では円盤が回転し 電子計器では無計量表示が消える ) のチェックを行ってください 4. 単相三線式配線使用時にご注意いただきたい事項単相三線式配線における受信器の取付は 両外線 ( 電圧線 ) に取り付けてください 発信器も両外線へ接続して発信してください ( 図 4を参照 ) 間違って 受信器を中性線に取り付けた時 接続されている負荷電流 ( 電気製品の使用状況 ) によって 信号電流を受信できない場合があります (1) 受信器以降に負荷が接続されていない場合 図 1 のように取り付けた場合 受信器 A および受信 器 C も確実に信号電流を検出しますので正常に動作しま す 図 2 のように取り付けた場合 受信器 C は正常に受信 できますが 受信器 A には信号電流が流れませんので受 信できません 受信器以降に負荷が接続されていなければ 中性線に取り付けた受信器 C は図 1 および図 2 でも受 信できますが 受信器以降に負荷が接続されている時は受信できない場合があります (2) 受信器以降に負荷が接続されている場合図 3のように 負荷が接続されている配線に 受信器 AおよびCを取付し 発信器を接続した場合 中性線に流れる負荷電流は負荷 1と負荷 2の差 2Aが矢印の方向 ( 右方向 ) に流れます この時 中性線に流れる発信器からの信号電流 2Aは図示のとおり左方向へ流れます 受信器 Cでは 負荷電流と信号電流の合成した電流が流れますが どちらも2Aで方向が逆ですから中性線の電流は0Aに減尐します 受信器は 2Aの電流増加 を信号電流として検出するよう設計しておりますので 電流の減尐は 9
信号電流ではないと判定します このような状況では受信することはできません 以上の説明から 単相三線式配線における点検方法は図 4に示す通り 受信器は両外線 ( 電圧線 ) に取付し 発信器も同様に両外線に接続していただきますようお願いします このように取り付けていただくことで どちらの受信器も 2Aの電流増加 となり 信号電流を検出する つまり受信することが可能となります [ お問い合せ先 ] 北海道計器工業株式会社札幌市西区発寒 14 条 13 丁目営業部 TEL(011)676-0015 10