平成26年度成果報告書(群馬大学)

Similar documents
<4D F736F F D A8D CA48F43834B C E FCD817A E

(Microsoft Word - PLL\203f\203\202\216\221\227\277-2-\203T\203\223\203v\203\213.doc)

産総研 MEMS スキルアップコース 中長期 集中型 先端集積化 MEMS の研究開発を推進している産総研 N-MEMS ファウンドリ ( ウェハ径 200/300mm) において 三次元加工技術 フォトリソグラフィー技術 極小微細加工技術等 MEMS 分野における種々の要素技術を習得する 研究開発

「標準的な研修プログラム《

プロジェクトのあらまし 平成 年度特別経費 ( プロジェクト分 新規事業 ) 大学の特性を生かした多様な学術研究機能の充実採択プロジェクト : 教授システム学 の研究普及拠点の形成 学び直しを支援する社会人教育専門家養成 [ 短期プログラム ] パッケージの開発と普及 概要 e ラーニング専門家養成

周波数特性解析

<4D F736F F D20906C8AD489C88A778CA48B8689C881408BB38A77979D944F82C6906C8DDE88E790AC96DA95572E646F6378>

<4D F736F F F696E74202D C E9197BF A90EA96E58AC58CEC8E E88AC58CEC8E F0977B90AC82B782E98AF991B682CC89DB92F682C682CC8AD68C5782C982C282A282C42E >

Microsoft PowerPoint - 第3章手続き編(2013年3月15日更新2) .pptx

PFC回路とAC-DC変換回路の研究

<362D A8F B2E786C7378>

Gifu University Faculty of Engineering

平成 26 年度経済産業省委託事業 高圧ガス取扱施設における リスクアセスメント手法及び保安教育プログラム調査研究 講師データベースの構築 平成 27 年 3 月 高圧ガス保安協会

平成30年度学校組織マネジメント指導者養成研修 実施要項

PLZ-5W_ KPRI21.pdf

食協発第 5 2 号 平成 26 年 5 月 12 日 関係各位 公益社団法人日本食品衛生協会理事長鵜飼良平 ( 公印省略 ) 平成 26 年度 HACCP 実務管理者養成講習会の開催について 当協会の事業運営に関しましては 平素より格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます 現在 食品の製造工程におけ

Microsoft Word - 医療学科AP(0613修正マスタ).docx

1

6 月職業訓練説明会スケジュール 日付ハローワーク マイコーチ教育センタービジネスパソコン基礎科支援 5/268/3 9 月 12 月 日建学院群馬校建築 CAD マスター科支援 6/157/14 8 月 11 月 ハローワーク安中 日建学院群馬校介護職員初任者養成科支援 6/227/24 8 月

<4D F736F F F696E74202D A B837D836C CA48F435F >

Taro-14工業.jtd

特別 T01 研修会場 : レクトーレ湯河原 (TKP ホテル ) 日本知的財産協会 知財変革リーダー育成研修 募集定員 :15 名 ( 論文選考あり ) 2018 年 5 月募集開始予定 * 詳細は別途ご案内 概要 受講料は 18 万円の予定です 1. 研修目的 経営に資する知財 を自ら提案/ 実

Ⅳ 電気電子工学科 1 教育研究上の目的電気電子技術に関して社会貢献できる能力と物事を総合的に判断し得る能力を養うと共に, 課題解決のためのチームワーク力と論理的思考力を身に付けることによって, 今後の社会環境の変化により生じる新たな要望に対して良識ある倫理観をもって対応でき, かつ国際的視野に立っ

平成20年度 帯広畜産大学・帯広市

目次.Edu Track のログイン.Edu Track のポータル画面説明 3. 学修を始める ( 講義室に入る ) 4 4. テキスト履修科目 スクーリング ( ブレンディッド含む ) で使用する機能 5 学習する 5 お知らせ 6 掲示板 ( 公開 ) 6 課題 8 ディスカッション ( 公開

1. 食品安全専門 材育成の 的 1. 品安全管理に関する基礎的な知識 専 的な知識や技能の修得体制をつくる 2. FSMS 監査員の育成体制をつくる 3. 国際的な議論に参画できる 材を育てる 本研究会は主に について 議論を進めている 1

PowerPoint プレゼンテーション

事業戦略の計画実践を支援する プロジェクト思考開発研修 リーダー研修概要 2004 年 本資料は以下の利用条件を十分ご確認の上ご利用ください 1. 本資料に関する著作権 商標権 意匠権を含む一切の知的財産権は株式会社スプリングフィールドに所属しています 2. 株式会社スプリングフィールドの事前の承諾

TSRマネジメントレポート2014表紙

1-澤田-インクル.indd

自治体CIO育成教育

< 訪問看護技術 ( 看取り 緩和ケア ) 向上のための研修 > 研修内容 :ELNEC-J 認定講師による講義 ( 座学 ):2 日間訪問看護事業所の訪問サービスに同行 見学 ( 同行研修 ):3 日講義日 :12 月 15 日 ( 土 ) 16 日 ( 日 )9:0016:30 講義場所 : 広

情報技術論 教養科目 4 群 / 選択 / 前期 / 講義 / 2 単位 / 1 年次司書資格科目 / 必修 ここ数年で急速に身近な生活の中に浸透してきた情報通信技術 (ICT) の基礎知識や概念を学ぶことにより 現代の社会基盤であるインターネットやコンピュータ システムの利点 欠点 それらをふまえ

Microsoft Word - 沖縄県サービス管理責任者フォローアップ研修事業指定事務取扱要領

~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

<838A815B835F815B834A838A834C C42E786C73>

第 2 種電気主任技術者資格認定科 ( 平成 12 年度以降入学 ) 区分 学 科 1 年 2 年 3 年 年 5 年 区 分 別 修 得 科 単 位 1 電気磁気学 単位中 1 単位修得すればよいが次の科 電 必 電気計測 2 は必ず修得しなければならない 電気磁気学 電気工学序論

2019 年度 コース履修の手引 教職コース 司書教諭コース 学芸員コース

1 取組の背景 東日本大震災(H ) ソーシャルメディア等インターネットを活用して安否確認が行われるなど 情報通信技術 (ICT) に基づく情報伝達手段が広範囲に活用される 一方 緊急時における情報の途絶や錯綜による不安感の増大 混乱から迅速 確実な情報伝達手段の確保の必要性 もしもの時

Microsoft Word - 31å‰�éłƒè¦†é€–

< 表 4 > 工業 の教科又は教職に関する科目 教育職員免許状の種類授業科目最低単位数 高一種免 工業 < 表 5 > 工業 の教科に関する科目 ( 授業科目 ) 機械工学科, 電気電子工学科, 環境建設工学科及び機能材料工学科 で開設する専門教育科目 表 5 機械工学科電気電子工学科環境建設工学

習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と

自己点検・評価表

履修できる授業科目は 原則として全授業科目としますが 実験 実習 外書講読 演習等は 履修できないことがあります 履修科目詳細は学務課にお問い合わせください なお 許可を受けて追加することができます ( 科目等履修生履修科目追加願 ( 別記様式第 4 号 ) 使用 ) 合格通知を受けた者は 4 月入

5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論

平成18年度標準調査票

Microsoft PowerPoint - 集積回路工学(5)_ pptm

平成27年度統計研修のご案内

l. 職業以外の幅広い知識 教養を身につけたいから m. 転職したいから n. 国際的な研究をしたかったから o. その他 ( 具体的に : ) 6.( 修士課程の学生への設問 ) 修士課程進学を決めた時期はいつですか a. 大学入学前 b. 学部 1 年 c. 学部 2 年 d. 学部 3 年 e

LTspice/SwitcherCADⅢマニュアル

平成10年度 福祉用具プランナー研修(モデル研修) 実施要綱(案)

<4D F736F F D AA96EC82CC837C815B835E838B C6782CC82BD82DF82CC92B28DB F18D908F912E646F63>

スライド 1

< 教科に関する科目 > 免許状の種類 中一種 ( 数学 ) 高一種 ( 数学 ) 教育職員免許法施行規則で定める科目 代数学 離散系論 3 オートマトンと言語理論 3 幾何学 位相幾何学概論 計算幾何学 (018 年度廃止 ) ( 1) ビジュアルコンピューティングのための幾何学 応用幾何とトポロ

アクティブフィルタ テスト容易化設計

< F2D EE888F8288FA48BC E6A7464>

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

< E89BB A838A834C D E786C73>

1

目次 1 当法人に関する事項 (1) 事業の計画 (2) 損益の計画と財産の見通し (3) 主要な事業内容 (4) 会員に関する事項 (5) 職員に関する事項 (6) 役員会等に関する事項 (7) 対処すべき課題 2 役員等に関する事項 (1) 理事 (2) 監事 (3) 評議員 1

IBIS

第 11 回 R, C, L で構成される回路その 3 + SPICE 演習 目標 : SPICE シミュレーションを使ってみる LR 回路の特性 C と L の両方を含む回路 共振回路 今回は講義中に SPICE シミュレーションの演習を併せて行う これまでの RC,CR 回路に加え,L と R

10 月職業訓練説明会スケジュール 日付ハローワーク訓練実施施設 委託元前橋産業技術専門校 県内建築職種実習型訓練委託随時 2 ヶ月 ハローワーク太田 太田市介護職員初任者研修コース 5 委託 8/2010/10 11/282/27 10/2 16:00 タカラビジネススクール本町校 太田市介護職員

教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

MT2-Slides-04.pptx

社会通信教育に関する実態調査 報告書

プログラムの特徴はじめにはじめに 公益社団法人日本看護協会 本研修プログラムの特徴 日本看護協会看護師職能委員会 Ⅱ 介護 福祉関係施設 在宅等領域 委員長齋藤訓子 近年 介護施設を取り巻く環境は 入居者の医療的ケアの増加や要介護度の上昇など大きく変化しています こうした状況を鑑み 日本看護協会では

新入社員フォローアップ研修|基本プログラム|ANAビジネスソリューション

平成18年度標準調査票

(3) E-I 特性の傾きが出力コンダクタンス である 添え字 は utput( 出力 ) を意味する (4) E-BE 特性の傾きが電圧帰還率 r である 添え字 r は rrs( 逆 ) を表す 定数の値は, トランジスタの種類によって異なるばかりでなく, 同一のトランジスタでも,I, E, 周

研修プログラム関係 Q_ 副分野の研修は 30 時間程度となっています これは 30 時間を超える必要があるという意味でし ょうか A_ 時間は目安です 各プログラムで十分な研修効果が上がることを前提に 研修を計画してください Q_ 研修プログラムの実施状況について 協会への報告が求められるのでしょ

特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 新旧対照表 改正後 特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 現行 ICT を活用した特定保健指導の実施の手引き 最終改正平成 30 年 2 月 9 日 1.ICTを活用した特定保健指導の実施者保険

電子回路I_8.ppt

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - TC4011BP_BF_BFT_J_P8_060601_.doc

モータ HILS の概要 1 はじめに モータ HILS の需要 自動車の電子化及び 電気自動車やハイブリッド車の実用化に伴い モータの使用数が増大しています 従来行われていた駆動用モータ単体のシミュレーション レシプロエンジンとモータの駆動力分配制御シミュレーションの利用に加え パワーウインドやサ

2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

文部科学省職業実践力育成プログラム (BP) の認知症看護エキスパート養成プログラム 広島文化学園大学大学院看護学研究科 讃井真理佐々木秀美河野保子山内京子加藤重子森田克也前信由美岡田雅之瀬川英治丹羽貴志 平成 28 年度文部科学省職業実践力育成プログラム (BP) において 本研究科から申請した

分野 コース名 基礎的 IT セミナーコース一覧 内容 I T 理解 I T スキル活用 I T 倫理 新技術動向 業務の I T 化 ネットワーク 表計算 ベデーースタ プンレ / ゼ文ン書テ作ー成ショ ホームページ 情報発信コンンプスライア 情報テセィキュリ 1 第 4 次産業革命のインパクト新

各学科 課程 専攻別開設授業科目 ( 教職関係 ) 総合情報学科 ( 昼間コース ) 中学校教諭 1 種免許状 ( 数学 ) 高等学校教諭 1 種免許状 ( 数学 ) 代数学 線形代数学第一 2 線形代数学第二 2 離散数学 2 応用代数学 2 オペレーションズ リサーチ基礎 2 数論アルゴリズム

COC事業成果報告書

シラバス2013S_130527版

Ⅰ. 第 3 期がん対策推進基本計画 について 第 11 回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会では 第 3 期がん対策推進基本計画 に記載されたがん診療連携拠点病院に新たに求められる機能について 都道府県レベルでの取り組み状況を共有し 今後のがん診療連携拠点病院の活動について議論していくことを予

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

2010 年 7 月 30 日国立大学法人群馬大学 若手先端科学研究者の研究環境改革 プログラム 先端科学研究指導者育成ユニット テニュア トラック教員の募集要項国立大学法人群馬大学 群馬大学では 文部科学省の科学技術振興調整費 若手研究者の自立的研究環境整備促進事業 (2010 年度から 2014

映像学科

GM-01A_usermanual

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

Microsoft Word - 11a_H30実践リーダー研修募集要項

表 2 学習 教育到達目標とその評価方法及び評価基準 基準 1(2)(a) 関連分抜粋 学習 教育到達目標の大項目 (A) 人間としての教養を身につける (A) 人間としての教養を身につける (B) 技術者倫理を修得する 学習 教育到達目標の小項目 ( 小項目がある場合記入 ない場合は空欄とする )

< F2D E38E748E9696B18DEC8BC695E28F958ED288E790AC>

平成10年度 福祉用具プランナー研修(モデル研修) 実施要綱(案)

メディアデザイン学科ディプロマ ポリシー メディアデザイン学科は 科学的市民 の育成という教育理念のもとに以下の資質や能力を身につけ 所定の授業 科目を履修して卒業に必要な単位を修得した学生に 学士 ( 工学 ) の学位を授与します 1. コミュニケーション力論理的な思考力 記述力 発表と議論の能力

<4D F736F F F696E74202D208EFC926D C E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

事務連絡 平成 26 年 4 月 23 日 各実施機関実施責任者殿 各実施機関事務連絡担当者殿 文部科学省科学技術 学術政策局 人材政策課 科学技術人材育成費補助金により雇用する研究者等に係る人件費の取扱いについて 旧科学技術振興調整費 ( 以下 旧調整費 という ) の課題を実施する研究者等の人件

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

title

ICTを軸にした小中連携

大学と学生第549号広島大学におけるアクセシビリティ支援と人材育成プログラム_広島大学(岡田 菜穂子)-JASSO

Transcription:

高度人材養成のための社会人学び直し大学院プログラム グリーン ヘルスケアエレクトロニクスを支えるエクゼクティブエンジニア養成プログラム 平成 26 年度成果報告書 2015 年 5 月 群馬大学 1

1. グリーン ヘルスケアエレクトロニクスを支えるエクゼクティブエンジニア養成プログラムの目的と概要本プログラムは 平成 26 年度から 3 か年の予定で群馬大が採択を受けた 文部科学省補助金 高度人材養成のための社会人学び直し大学院プログラム により実施する社会人のキャリアアップのための教育プログラムであり 受講生を社会人とし キャリアアップに必要な高度かつ専門的な知識と能力を修得するために 大学が産業界等と協働し大学院教育プログラムを開発し その成果を全国の大学に普及することを目的とする 本プログラムの特徴は 下記の4 項目である (1) 座学講座 ( 基盤教育講座 ) と実習講座 ( 設計実習講座 ) を組み合わせて 2 日から 5 日程度の期間で実践的能力を養成するプログラム ( 大学認定プログラム ) を設け これにより受講者は特定の技術項目についての実践的知識を養成する このプログラムの修了者には大学がプログラムを修了したことの認定証を発行する (2) 実践的知識の養成だけでなくあらかじめ相談のうえでテーマを決め 具体的な開発支援までを行うプログラム ( 履修証明プログラム ) を設け 知識の習得だけでなく 業務での研究開発を支援する このプログラムの修了者には履修を証明する履修証明書を発行する このプログラムの修了には 120 時間以上の履修が必要であるが ICT 受講 (e-learning) など履修を容易にする履修の方法を準備する (3) 受講形態はスクーリングが基本であるが 一部講座ではICT 受講 (e-learning) や講師が企業に出向く出前講座での実施も可能で 社会人が学びやすい環境を実現する (4) 講座修了後のご質問や継続的な学びを支援するために フォローアッププログラムを提供する これはWebでの技術情報の習得 メール等での個別指導 来学による個別指導や関連の実験 実習等により実施する 2. 本プログラムの受講で修得できる能力について本プログラムで修得を目標とする能力は以下の4つである (1) 複数技術についての広範な専門知識ヘルスケアエレクトロニクスでは 生体から微弱な信号を電気信号で捕える 高速信号を捕える 雑音の中から信号を拾い出す等の技術が必要であり 物理 化学 数学 電子デバイス センサ 電子回路技術 信号処理等の複数の専門分野にまたがる広範な専門知識の修得が求められる 一方 グリーンエレクトロニクスでは 環境に配慮して電気エネルギーを生み出す 電気エネルギーの無駄をなくす 電気エネルギーとして再利用を図る等の技術が必要であり 物理 数学 化学 制御技術 電子回路技術 電力半導体技術などの複数の専門分野での幅広い専門知識が求められる 本プログラムでは 大学で習得した基盤知識の上に大学院レベルの制御技術 電子回路技術 信号処理 電力半導体技術等 複数技術についての広範な専門知識の習得を目指す 2

(2) 複数の知識を結び付けてシステムとして実現する実践的能力開発では 複数の専門知識を統合して個別技術をすり合わせてシステムを設計する能力の修得が求められる このような能力は 実習や実験を通じて修得が可能になるが 本プログラムでは 受講生が複数の課題の中から自分の学びの目的に合う課題を選択して実習 実験を行う設計実習講座により実践的能力の習得を目指す (3) 研究開発における課題探索 把握能力と課題解決能力 120 時間以上の履修を求める履修証明プログラムでは 技術開発課題の探索 把握 解析能力 及び PDCA サイクルを自ら構築し PDCA サイクルを用いて研究開発にかかわる課題を解決する能力の養成を図る (4) 課題解決のための人的ネットワーク構築能力専門を外れる課題に対して課題解決の糸口を見つけるための人的ネットワークを構築できる能力の養成を図るために 本プログラムでは履修証明プログラムの 1 つであり家庭教師型の講座である 研究開発講座 において研究開発の支援のための講師 - 受講生間のネットワークの構築を図る 3. 受講方法について本養成プログラムには 以下の3つの受講方法を準備する (1) 3~5 日間 (24~40 時間 ) で受講する 関連した座学講座を 1 講座以上 実習講座を1 講座以上受講する大学認定プログラムの受講座学だけでなく試作 評価を含む受講方法で 実習講座では講師から直接指導を受けることで実践的知識が身につく本養成プログラムの特徴ある受講方法である (2) 120 時間で受講する 実務での開発につながる家庭教師型講座を一部含む アドバンストプログラム ( 履修証明プログラム ) の受講実務での開発につながる家庭教師型講座 ( プロトタイプ開発 )40 時間を含む受講方法で プロトタイプ開発では講師とあらかじめ打ち合わせの上で教育内容を設定できる実務に役立つ受講方法である (3) 120 時間で受講する 実務での開発につながる開発支援を中心とした 研究開発プログラム ( 履修証明プログラム :120 時間 ) の受講業務での課題解決を目指す受講方法であり 教育内容 教育方法はあらかじめ講師と相談のうえで決めるが 共同研究契約の締結を前提にした講座で 人材育成を開発支援につなげる特徴ある受講方法である なお 上記受講方法の (1) (2) の座学講座は e-learning としての受講も可能とする 3

4. 平成 26 年度に開発した基盤教育講座 ( 座学講座 ) 設計実習講座の概要 4.1 ヘルスケアエレクトロニクス分野 の開発講座 基盤知識としてのアナログ信号処理 担当講師 : 遠坂俊昭 山越芳樹医療 介護 福祉分野におけるエレクトロニクス技術の関連性 重要性等から始まり回路設計の基盤知識としてのアナログ信号処理を 具体例を挙げながらわかりやすく講義する講座で 医療 介護 福祉分野だけでなく 回路技術全般に携わる技術者に好適の講座である 負帰還技術の基礎と活用法 担当講師 : 遠坂俊昭回路技術ではOP アンプをいかに活用していくかがポイントになるが OPアンプを最大限に活かすための負帰還技術の基礎知識をわかりやすく教授する講座である 微少信号処理と同期検波 担当講師 : 遠坂俊昭微少な信号を取り扱う技術を具体的な応用事例を踏まえて解説する講座で 微少信号処理のためのフィルタ等の回路技術 同期検波 ( ロックインアンプ ) による雑音の中からの信号抽出など 微少信号を扱う上での基礎から応用までを習得する ヘルスケアエレクトロニクスの sim 技術 担当講師 : 遠坂俊昭 弓仲康史回路シミュレータとして LTspice を取り上げて シミュレーションによる回路設計 回路評価 回路の特性改善の方法を具体的な応用事例を交えながら実習により習得する 微少信号処理回路の設計 担当講師 : 遠坂俊昭 山越芳樹 弓仲康史微少信号を扱う回路技術において 設計 試作 評価実習を通じて学ぶ講座で 生体用モニタリング装置を実習機材とするが 微少信号を扱う上での基礎的知識である センサ設計 差動アンプ IV アンプ ロックインアンプの実習を選択できるので 医療福祉分野に限らず 回路技術全般に携わる技術者に好適の実習講座である 4.2 グリーンエレクトロニクス分野 の開講講座 モータ& インバータの原理と評価 担当講師 : 石川赴夫 内山英和柳原健也グリーンエレクトロニクスの技術動向との基礎技術を習得したのちに講義と簡易実習によるモータの原理確認を学ぶ この講座は一部実習を含む講座である 電源回路の一般知識と評価法 担当講師 : 遠坂俊昭グリーンエレクトロニクスの重要分野の 1 つである電源回路について リニア / スイッチ電源の理論と設計例を座学で学ぶ 特にスイッチ電源は スイッチ周波数と電源全体の周波数特性という2つの周波数を含み理解が難しい技術分野であるが 本講座では 遠坂講師が負帰還回路としてわかりやすく解説を行う 4

力率改善回路とスイッチモード電源 担当講師 : 吉岡均 グリーンエレクトロニクス ( 電源回路 ) の一般的な回路知識を教授する講座で 特に電源回 路技術では力率改善回路とスイッチモード電源について詳細な解説を行う グリーンエレクトロニクスの sim 技術 担当講師 : 遠坂俊昭スイッチング電源 インバータの設計では回路シミュレーションが重要な役割を担うが 本講座では回路シミュレーションとして SIMetrix/SIMPLIS を取り上げ 使用方法だけでなく徹底活用のための知識を習得する スイッチモード電源の設計 担当講師 : 遠坂俊昭スイッチモード電源の設計 評価 特性改善を行う実習講座であり バックコンバータ 力率改善回路 (PFC) 電圧モード ブーストコンバータ 電流モード ブーストコンバータ等について実習を行う また高効率力率改善装置についての課題選択も可能である ヘルスケアエレクトロニクス分野 グリーンエレクトロニクス分野での推奨受講コースマップ を表 1 および表 2 に示す 表 1 ヘルスケアエレクトロニクス分野の推奨コースマップ A01 基盤知識としてのアナログ信号処理 前橋 産業技術センター (E) 6 月 26 日 ( 金 ) 担当講師 : 遠坂俊昭 山越芳樹医療 介護 福祉分野におけるエレクトロニクス技術の関連性 重要性等から始まり回路設計の基盤知識としてのアナログ信号処理を 具体例を挙げながらわかりやすく講義します 医療 介護 福祉分野だけでなく 回路技術全般に携わる技術者に好適の講座です A02 負帰還技術の基礎と活用法 前橋 産業技術センター (E) 7 月 3 日 ( 金 ) 担当講師 : 遠坂俊昭回路技術では OP アンプをいかに活用していくかがポイントになります OP アンプを最大限に活かすための負帰還技術の基礎知識をわかりやすく講義します A03 微少信号処理と同期検波 前橋 産業技術センター (E) 7 月 10 日 ( 金 ) 担当講師 : 遠坂俊昭微少な信号を取り扱う技術を具体的な応用事例を踏まえて解説する講座です 微少信号処理のためのフィルタ等の回路技術 同期検波 ( ロックインアンプ ) による雑音の中からの信号抽出など 微少信号を扱う上での基礎から応用までを学びます 基盤教育講座 ( 座学 ) 設計実習講座 ( 設計実習 ) (E) :E-learning での受講も可能です A11 ヘルスケアエレクトロニクスの sim 技術 (2 日間の実習コース ) 群馬大桐生キャンパス 7 月 16 日 ( 木 ) 17 日 ( 金 ) ヘルスケアエレクトロニクスの sim 技術 担当講師 : 遠坂俊昭 弓仲康史回路シミュレータとして無償で使える LTspice を取り上げて シミュレーションによる回路設計 回路評価 回路の特性改善の方法を具体的な応用事例を交えながら実習により習得する講座です A12 微少信号処理回路の設計 (4 日間の実習コース ) 群馬大桐生キャンパス 7 月 23 日 ( 木 ) 24 日 ( 金 ) 7 月 30 日 ( 木 ) 31 日 ( 金 ) 担当講師 : 遠坂俊昭 山越芳樹 弓仲康史微少信号を扱う回路技術に往いて 設計 試作 評価実習を通じて学ぶ講座です 生体用モニタリング装置を実習機材としますが 微少信号を扱う上での基礎的知識である センサ設計 差動アンプ IV アンプ ロックインアンプの実習を選択できますので 医療福祉分野に限らず 回路技術全般に携わる技術者に好適の実習講座です 5

表 2 グリーンエレクトロニクス分野の推奨コースマップ 〇省エネのためのモータ技術を学び直したい G01 モータ & インバータの原理と評価 群馬大桐生キャンパス 9 月 3 日 ( 木 ) 4 日 ( 金 ) 担当講師 : 石川赴夫 内山英和柳原健也グリーンエレクトロニクスの技術動向との基礎技術を習得したのちに講義と簡易実習によるモータの原理確認を学びます この講座は一部実習を含みます G11 グリーンエレクトロニクスの sim 技術 群馬大桐生キャンパス 10 月 8 日 ( 木 ) 9 日 ( 金 ) 担当講師 : 遠坂俊昭スイッチング電源 インバータ等の設計では回路シミュレーションが重要な役割を担います 本講座では回路シミュレーションとして SIMetrix/SIMPLIS を取り上げ 使用方法だけでなく徹底活用のための知識を習得します 〇省エネのための電源回路技術を学び直したい G02 電源回路の一般知識と評価法 前橋 産業技術センター (E) 9 月 11 日 ( 金 ) 担当講師 : 遠坂俊昭グリーンエレクトロニクスの重要分野の 1 つである電源回路について リニア / スイッチ電源の理論と設計例を座学で学ぶ講座です 特にスイッチ電源は スイッチ周波数と電源全体の周波数特性という 2 つの周波数を含み理解が難しい技術分野ですが 本講座では 遠坂講師が負帰還回路としてわかりやすく解説を行います G11 グリーンエレクトロニクスの sim 技術 群馬大桐生キャンパス 10 月 8 日 ( 木 ) 9 日 ( 金 ) 担当講師 : 遠坂俊昭スイッチング電源 インバータ等の設計では回路シミュレーションが重要な役割を担います 本講座では回路シミュレーションとして SIMetrix/SIMPLIS を取り上げ 使用方法だけでなく徹底活用のための知識を習得します G03 力率改善回路とスイッチモード電源 前橋 産業技術センター 9 月 18 日 ( 金 ) 担当講師 : 吉岡均グリーンエレクトロニクス ( 電源回路 ) の一般的な回路知識を教授する講座です 特に電源回路技術では力率改善回路とスイッチモード電源について詳細な解説を行います G12 スイッチモード電源の設計 (2 日間の実習コース ) 群馬大桐生キャンパス 10 月 15 日 ( 木 ) 16 日 ( 金 ) 22 日 ( 木 ) 23 日 ( 金 ) 担当講師 : 遠坂俊昭スイッチモード電源の設計 評価 特性改善を行う実習講座であり バックコンバータ 力率改善回路 (PFC) 電圧モード ブーストコンバータ 電流モード ブーストコンバータ等について実習を行います また高効率力率改善装置についての課題選択も可能です 5. プログラムの運営についてプログラムの運営について平成 26 年度は下記に示す業務を行った (1) 平成 26 年 11 月にコーディネータ 技術補佐員 事務補佐員の採用を行った (2) 平成 26 年 11 月 10 日に第 1 回運営委員会を開催した 本委員会において 社会人学び直し養成プログラム運営委員会要項を決定し 社会人学び直し養成プログラム平成 26 年度予算 社会人学び直し養成プログラム平成 26 年度事業計画について審議の上 決定した (3) 平成 26 年 12 月 11 日に第 1 回プログラム開発委員会を開催し 委員長選出を行い 社会人学び直し養成プログラムの概要 社会人学び直し養成プログラム開発委員会の要項について報告を行った さらに社会人学び直し養成プログラム計画について審議を行い 原案どおり承認された (4) 平成 26 年 11 月から平成 27 年 1 月にかけて企業のニーズについて調査を実施した ヘルスケア分野 グリーンエレクトロニクス分野において 2 社から具体的な開発テーマに即した人材育成への要望が出された また 2 社よりグリーンエレクトロニクス分野での教育ニーズについて具体的な技術項目の提示があった (5) 平成 26 年 11 月から平成 27 年 3 月にかけて 次年度開講予定講座の講座開発 実習用教材の開発を行った さらに e-learning システムについても開発を行った (6) 平成 27 年 3 月 25 日に第 2 回プログラム開発委員会を開催した 平成 27 年度事業計画 6

講座開発について審議の上 承認された 社会人学び直し大学院プログラムポータルサイト 出前講座 アドバンストプログラムの概要について報告された (7) 平成 27 年 3 月 30 日に第 2 回運営委員会を開催した 平成 26 年度決算 平成 27 年度予算 平成 27 年度講座開催案 講師の選定について 審議の上 決定された 6. 総括平成 26 年度は 運営面 プログラム開発面とも当初の計画通り実施することができた 平成 27 年度に開始する受講生の募集 養成プログラムの実施に際して特に課題はなく 問題なく実施できる見通しである 7

様式第 15( 無断複製等禁止の標記 ) 無断複製等禁止の標記について 委託業務に係る成果報告書の無断複製等の禁止の標記については 次によるものとする 本報告書は 文部科学省の 高度人材養成のための社会人学び直し大学院プログラム による委託業務として 国立大学法人群馬大学が実施した平成 26 年度グリーン ヘルスケアエレクトロニクスを支えるエクゼクティブエンジニア養成プログラムの成果を取りまとめたものです 従って 本報告書の複製 転載 引用等には文部科学省の承認手続きが必要です