平成 25 年 4 月 30 日 補助金のあり方に関するガイドライン 函館市 平成 25 年 4 月

Similar documents
Microsoft Word - fcgw03wd.DOC

○補助金等に関する基本方針_1表紙・目次(小林修正案)改訂

<4D F736F F F696E74202D EF8B638E9197BF82CC B A6D92E894C5816A E >

5 この施策に係る事務事業 ( 重要度 貢献度順 ) 番号 事務事業名 魅力個店づくり整備促進事業 歳出決算額 ( 千円 ) 施策への関連性 目的に対する指標 年度目標値 年度実績値 推移 区内の既存個店や出店希望 22 者が行う 魅力的な店舗づ 809 くりを支援することで 魅 力個店の集積を図る

( 目次 ) はじめに ~ 本ガイドラインの位置づけ ~ 1. 目的 2. 補助金の公募化について 3. 要綱の終期設定について (1) 終期の設定について (2) 終期を迎えた要綱の継続に関する検証 (3) 継続すると判断した要綱の, 継続にあたっての手続き 4. 直接補助と間接補助 5. その他

Microsoft Word - 02_福利厚生会260910

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

公表監第 3 号 地方自治法第 199 条第 9 項の規定により提出した定期監査 ( 環境局 ) 出資団体監査 ( 財団法人西宮市都市整備公社 ) 財政援助団体監査 ( 特定非営利活動法人西宮市シニ アライフ協会 ) 指定管理者監査 ( パーク二四 株式会社 ) の結果報告に対して 西宮市長 より措


市税に係る減免措置調査票 所属名 此花区役所 1 減免対象 市税の税目 ( 該当に 印 ) 減免内容 ( 該当条例等 ) 個人市民税 法人市民税 固定資産税 軽自動車税 事業所税 児童遊園の用に供する固定資産 条例第 4 条の 3 第 4 号規則 (1) 政策目的地域コミュニティの中核的組織として

長期総合計画の計画的推進について < 部経営上の課題 取組方針 > H19 年度の各部の経営上の課題 取組方針の協議 < 行政改革 > 財政 人事など経営資源の現状分析 把握 課題についての対処方法の検討 行政改革実施計画の見直し <サマーレビュー > 懸案施策 事業の協議 < 実施計画 > 今後

平成 28 年度予算編成方針 我が国の経済は 景気は引き続き緩やかな回復基調を維持しているが その影響が地方経済にまで十分に行き渡っているとは言えず 我々地方の行財政運営の基本となる税等一般財源を確保するためには 臨時財政対策債に頼らざるを得ない状況が続くものと考える また 税制改正も予測されること

2014(平成26)年度 予算編成方針について

PrimoPDF, Job 20

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

平成17年度財団法人東京都体育協会に対する補助金交付要綱

監査公表 (案)

Microsoft Word - PPPPFI手法導入における優先的検討に係る指針

<4D F736F F D A8D CA48F43834B C E FCD817A E

中期行動計画成24 年度の具体的な行動計画成24 年度の取組結果18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター [ 所管課 : 経 ) 雇用推進課 ] 1 団体目標 新方針重点取組目標 18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター 1 団体の廃止 新公益法人制度への対応平成 28 年度までは 施設の用

一次評価 担当課による自己評価 必要性 効率性 有効性 市民や社会のニーズを的確に捉えた事業か 民間事業者や市民が自ら実施することのできない事業か 目的 目標の達成手段として適切で 優先度の高い事業か 受益者との負担関係やは妥当な水準か 他の手段や方法とのコスト比較は十分行われているか コスト削減や

平成23年度の具体的な行動計画(アクションプラン)策定調書

浜田市事務事業の外部化 ( 民間委託等 ) に関する指針 の 策定について 平成 25 年 5 月浜田市行財政改革推進本部 浜田市では 平成 17 年 10 月に市町村合併を行い 平成 18 年 2 月に 浜田市行財政改革大綱 を策定して 平成 22 年度までの 5 年間で改革に取り組んできました

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

子供 若者とは 修学及び就業のいずれもしていない子供 若者その他の子供 若者であって 社会生活を円滑に営む上での困難を有するものをいう (1) 子ども 若者育成支援推進法 ( 以下 法 という ) 第 19 条に規定する 子ども 若者支援地域協議会の設置 (2) 法第 9 条に規定する 子ども 若者

松本市補助金交付規則 昭和 37 年 7 月 27 日規則第 16 号改正昭和 45 年 9 月 12 日規則第 31 号昭和 53 年 12 月 8 日規則第 25 号昭和 63 年 4 月 1 日規則第 18 号 ( 目的 ) 第 1 条この規則は 法令又は条例等に特別の定めのあるもののほか 補

2 使用料について

三鷹市指定管理者制度導入の基本方針(仮称)検討試案

平成14年度財団法人東京都歴史文化財団

小児医療施設施設整備費補助金交付要綱

下呂市は今後 市税の減収や地方交付税特例措置 の終了を見据え 大幅に支出をカットし 身の 丈に合った市政運営をしていかなければ なりません 広報紙 11月号参照 今月は支出をどう見直していく のか 予算規模縮減に向け たお話です 3 と 年度 は 前 下呂市の財政の弾力性を示す経 進む財政の硬直化

<4D F736F F D CF682CC8E7B90DD82CC895E89638B7982D18E BF939982CC8CA992BC82B58AEE8F CC8DF492E882C98CFC82AF82BD95FB906A2E646F6378>

<4D F736F F D2092B789AA8E EE B193FC974490E693498C9F93A28B4B92F E378DF492E8816A2E646F6378>

Microsoft Word - h26_2_1.docx

公益財団法人山梨県林業公社分収林事業支援補助金交付要綱 ( 通則 ) 第 1 条公益財団法人山梨県林業公社分収林事業支援補助金 ( 以下 補助金 という ) の交付については 山梨県補助金等交付規則 ( 昭和 38 年山梨県規則第 25 号 ) に定めるもののほか この要綱の定めるところによる (

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

⑶ その他市長が必要と認める書類 ( 交付の決定 ) 第 6 条市長は 前条の交付申請書を受け付けたときは 当該申請書に係る補助金交付の適否を審査し 必要と認めたときは 長岡京市私立幼稚園特色のある幼児教育推進補助金交付決定通知書 ( 別記様式第 4 号 ) により当該申請者に通知するものとする 2

魅力あるコミュニティ助成事業実施要綱第 1 条趣旨この要綱は 公益財団法人群馬県市町村振興協会 ( 以下 協会 という ) が 市町村振興宝くじ ( 通称サマージャンボ宝くじ 以下 宝くじ という ) の交付金等を財源として 自治会 町内会 その他これに準ずる地域住民が組織する団体 ( 以下 コミュ

<4D F736F F D A C5817A93C192E8926E88E68DC490B68E968BC694EF95E28F958BE08CF D6A20646F63782E646

横浜市市民活動推進条例の全部改正

2012(平成24)年度 予算編成方針について

平成 25 年 9 月 2 日制定 京都市 JR 奈良線高速化 複線化第二期事業費補助金交付要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は,JR 京都駅と京都府南部地域を結ぶ広域交通網であるJR 奈良線の充実と, 沿線住民の利便性の向上等を図るために実施するJR 奈良線の高速化 複線化第二期事業 ( 以下

豊橋市 PPP/PFI 手法導入優先的検討方針 効率的かつ効果的な公共施設等の整備等を進めることを目的として 多様なPPP/P FI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 ) に基づき 公共施設等の整備等に多様なPPP/PFI 手

報告事項     平成14年度市町村の決算概要について

第4次日田市行政改革に向けての方針

( 趣旨 ) 第 1 条 土地開発公社派遣職員人件費補助金交付要綱 知事は 山梨県土地開発公社 ( 以下 公社 という ) が行う公共用地 公用地 等の取得 管理 処分等を円滑に進め もって地域の秩序ある整備と県民福祉の増進に資するため 公社に派遣した山梨県職員の人件費等に対し 予算の範囲内で補助金

(1) 補助金等不交付決定通知書 ( 様式第 3 ) (2) その他区長が必要と認める書類 ( 補助事業等の変更等 ) 第 7 条補助事業者等は, 補助金規則第 7 条第 1 項第 1 に掲げる承認を受けようとするときは補助金等交付決定内容変更承認申請書 ( 様式第 4 ) を, 同第 2 に掲げる

Microsoft PowerPoint - kobetsuB4-slide-静山.ppt [互換モード]

(3) 事業要件本事業で助成する事業は 以下の要件をすべて満たすものとする 1 [ 自主性 ] 地方公共団体等が 自ら主体的に企画し 制作実施するものであること 2 [ 地域資源性 ] 当該地域において 保存 継承する必要が認められる伝統芸能等であること 3 [ 継続性 ] この事業が 次年度以降の

( 注 ) 年金 医療等に係る経費については 補充費途として指定されている経費等に限る 以下同じ (2) 地方交付税交付金等地方交付税交付金及び地方特例交付金の合計額については 経済 財政再生計画 との整合性に留意しつつ 要求する (3) 義務的経費以下の ( イ ) ないし ( ホ ) 及び (

公の施設の指定管理者の指定の手続き等に関する指針(細目的事項)

内部統制ガイドラインについて 資料

平成21年度地域医療再生臨時特例交付金交付要綱

平 成 15 年 度

<4D F736F F D E30332E30328CF6955C814091E693F18E9F94F5914F8E738D7390AD89FC8A7691E58D6A>

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

スライド 1

公益財団法人和歌山市文化スポーツ振興財団 ( 財団法人和歌山市都市整備公社から名称変更 ) 経営健全化 ( 自立化推進 ) 計画 ( 平成 22 年度 ~ 平成 25 年度 ) 取組結果報告 取組結果報告における各取組の最終進捗結果の説明区分基準 A ほぼ予定どおり 若しくは予定以上に進んだ B 取

<4D F736F F D AD B81468E848A778D7390AD89DB817A95B C88A7791E590628F8A8A8D8A778D5A C82AA8D7382A

つに分けて契約した事態について内部牽制が機能していなかった イ 監査の状況 監事 監査室 経理課総務監査係等 公認会計士の各監査機関等において 監査対象の重複 漏れが極力生じないよう 各監査機関等が監査計画を調整するなどして 効率的 効果的な監 査を行うことが必要だが いずれの監査機関等も 本件の契

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

<4D F736F F D208ED089EF959F8E C82A082E482DD928692B78AFA8C7689E E358C8E816A2E646F63>

地方創生応援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の運用改善 ( 別紙 1) 平成 31 年度税制改正 企業版ふるさと納税の一層の活用促進を図るため 企業や地方公共団体からの意見等を踏まえ 徹底した運用改善を実施する 地方創生関係交付金と併用する地方公共団体へのインセンティブ付与 地方創生関係交付金の対

平成 29 年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について ( 平成 28 年 8 月 2 日閣議了解 ) の骨子 平成 29 年度予算は 基本方針 2016 を踏まえ 引き続き 基本方針 2015 で示された 経済 財政再生計画 の枠組みの下 手を緩めることなく本格的な歳出改革に取り組む 歳出

~ わかりやすい決算報告をめざして ~ 市ではさまざまな事業を行っています どのような事業を行うのか 資金調達はどうするか どのように支出するかを 歳入 歳出 という形でお金で表し とりまとめた計画が 予算書 です その予算に沿って事業を行った一年間の結果を報告したものが 決算書 です 決算書 には

Microsoft Word - 第4次計画

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

監査の結果に基づき講じた措置

< C8E C8E DA8E9F C95742E786C73>

Microsoft Word - 文書 1

私立幼稚園教育振興補助金交付要綱 ( 趣旨 ) 第 1 県は, 私立幼稚園の教育条件の維持及び向上並びに私立幼稚園に在園する幼児に係る修学上の経済的負担の軽減を図るとともに私立幼稚園の経営の健全性を高め, もって私立幼稚園の健全な発達に資するため, 私立幼稚園における教育に係る経常的経費について,

2 事業活動収支計算書 ( 旧消費収支計算書 ) 関係 (1) 従前の 消費収支計算書 の名称が 事業活動収支計算書 に変更され 収支を経常的収支及び臨時的収支に区分して それぞれの収支状況を把握できるようになりました 第 15 条関係 別添資料 p2 9 41~46 82 参照 消費収入 消費支出

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 国保は構造的な問題を抱えており 被保険者の保険料負担軽減のために法定外繰入金を繰入れているといった状況は 全国的な状況であることから 国は全国で約 3,400 億円の公費を拡充し 国保の財政基盤の強化

9川総行推第29号

平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について

国立大学法人富山大学 PPP/PFI 手法導入優先的検討要項

包括規定 案

静岡市の耐震対策事業

<はじめに> 退職後, 民間企業等に再就職した者による現職職員への働きかけ規制などにより, 職員の退職管理を適正に行い, 職務の公正な執行及び公務員に対する住民の信頼を確保するため, 地方公務員法が改正され, 平成 28 年 4 月 1 日に施行されました 本市では, 改正法の施行に伴い, 旭川市職

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

untitled

KNAKA.indd

<4D F736F F D20819A819A81798B4C8ED294AD955C817A30315F967B95B >

私立大学教育研究活性化設備整備事業作成・提出要領

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

ふるさと景観保全・創造事業費補助金交付要綱

平成11年度

Microsoft Word - H290324優先的検討規程(裁定).docx

年度の4 月 10 日のいずれか早い期日までに 実績報告書 ( 第 3 号様式 ) に必要関係書類を添えて 知事に提出しなければならない ( 補助金の交付方法 ) 第 9 条知事は第 8 条に定める事業実績報告書が提出されたときは 完成検査を行ったうえ 補助金を交付する ( 財産の処分の制限 ) 第

書 ( 様式第 1 号 ) に次に掲げる書類を添付して 市長に提出しなければならない (1) 発表会開催要項又はこれに準ずる書類 (2) 収支予算書 (3) 発表会に参加する者の名簿 ( 学生等により構成される団体が補助金の交付を受けようとする場合に限る ) (4) 前 3 号に掲げるもののほか 市

瑞穂市行政改革大綱

施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および


防犯灯 防犯カメラと併せて設置し 次の1~3すべてに該当する防犯灯が補助対象となります 1 防犯カメラの視認性を向上させる照度 ( 防犯カメラから4メートル先の歩行者の行動などが認識できる明るさがあること 0.24ルクス以上 ) を確保できるもの 2 防犯カメラと同一の支柱に設置 3 光源を防犯カメ

外部監査

0-1表紙

品川区町会・自治会館等葬祭設補助金交付要綱

Microsoft Word 年度評価シート.docx

(4) 予算 決算について適正な会計処理が行われていること 2 前項の規定にかかわらず 次の各号のいずれかに該当するものは対象外とする (1) 市が事務局に参加している団体 (2) 営利を目的としている団体 (3) 宗教の教義を広め 儀式行事を行い 及び信者を教化育成することを主たる目的とする団体

Transcription:

平成 25 年 4 月 3 日 補助金のあり方に関するガイドライン 函館市 平成 25 年 4 月

目 次 1 ガイドラインの策定にあたって 1 2 現在の課題と見直しの方向性 2 3 統一した基準による補助金の見直し 3 4 第三者委員会の設置 5 補助金 交付金チェックシート 別添

1 ガイドラインの策定にあたって 本市の財政は, 平成 9 年度以降の予算ベースにおいて毎年多額の財源不足が生じており, 今後も人口減少による市税や地方交付税等の減収に加え, 少子高齢化による社会保障関係費の増加が見込まれ, 厳しい状況は当面続くものと考えられる 一方で, 多様化する市民ニーズなどに対応するため, 行政の果たす役割はますます高まっている状況のなかで, 財政を安定して運営していくためには, 市民の協力を得ながら, これまで以上に大胆な行財政改革を進める必要があり, 補助金についても聖域なく削減 廃止 統合などの総合的な整理を図っていく必要がある 補助金は, 行政を補完し, 公共の福祉を増進させるうえで, 有効な役割を果たすものであるが, 一方で既得権化, 恒常化しがちであり, また社会情勢の変遷に応じて, 公益上の必要性や行政推進上の有効性が変化してきている このことから, 団体の自立可能性や目的達成度のほか, 補助効果などを多角的な視点で内部での見直しをするとともに包括外部監査や事業仕分けによる指摘を踏まえ, あわせて見直してきたところである しかし, さらなる行財政改革を進めるため, 外部委員による補助金のあり方検討委員会を立ち上げ, 補助金全体のあり方を協議 検討し, 新たな視点による統一した基準やルールづくりなどの提言をいただいたところである 補助金とは, その性質上, 直接的な反対給付を伴わない給付金であって, その交付については, 地方自治法第 232 条の2において, 公益上必要がある場合 に限られている 本来, 補助とは, 行政の行う業務ではなく, あくまでも補助団体が自主的に実施する公益的な事業に対する行政からの財政的な支援であり, その財源は市民からいただいた貴重な税金である このことを踏まえ, 限られた財源を有効に活用し, 効果的 効率的かつ適正な執行がされるよう不断の見直しを進めるため, 補助金のあり方検討委員会の提言を基に, ガイドラインを策定するものである - 1 -

2 現在の課題と見直しの方向性 補助金については, 予算編成時において, 必要性や行政効果をあらゆる角度から検討し, 経理状況等を調査のうえ, 関係団体と協議しながら, 積極的に終期の設定や段階的削減, 類似する補助金の統合などの見直しを行ってきたところであり, また, 新規の補助金については, 最小限にとどめてきたところである しかしながら, 補助金を支出すべき大前提である 公益性 の基準が明確でないほか, 積算基準がないものなど, 真に必要であるかの判断基準が統一されておらず, 必ずしも公平 公正な補助金の支出とは言い難い状況である さらに, 事業仕分けにおいて, 市として補助事業の内容を十分に把握していない, 補助事業の費用対効果の検証がされていないなどの指摘もあり, チェック機能が低下してきている状況が浮き彫りになる一方, 補助事業者は, 補助金への依存心を強め, 自らの手で運営を行う姿勢が希薄になるケースもあるなど, 既得権化している補助事業が多数見受けられる このような現状を打開するため, 統一的な基準を設けるとともに, 内部によ るチェック体制を強化するほか, 外部の視点で補助金をチェックする第三者委 員会を設置し, 補助金の適正な執行に努めていくものである 補助金の体系 市民 税金公開公益 説明責任 説明責任 市 統一したルールづくり 申請, 執行, 実績報告書 補助事業者 費用対効果の検証 第三者委員会の設置 - 2 -

3 統一した基準による補助金の見直し 補助金の大半は, 自由度の高い任意補助であり, その執行にあたっては, 市民に対して費用対効果など十分な説明責任を果たすとともに, 補助金に関する事務手続き, 事業の目的 内容の公益性や補助対象を明確にしておくことが必要である しかしながら, 団体運営補助金やイベント補助金においては, 個別の要綱がないものもあるほか, 積算基準などが明確でない状況であることから, 原理原則を整理する必要がある また, 社会情勢の変化等により, 公益性が希薄化する補助金が生じており, 厳しい財政状況下において, 客観的な基準に基づき見直し, 新たに必要となったものについては十分精査のうえ導入するといったバランスをしっかりと持って見直しを進めることが重要である このことから, 統一した基準による補助金の見直しを図るため, 補助金のあり方検討委員会の提言を基に, 考え方を定めることとする (1) 見直しの基本的な視点 ア補助の公益性補助金の交付は, 地方自治法第 232 条の2に規定する 公益上必要のある場合 に限られており, 公益性が絶対条件であることから, 補助事業の目的 内容は, 明確な 公益性 が認められ, 次の内容に合致しているか 市の総合計画に適合し, 特定の者のみの利益に供するものではなく, 広く市民生活の向上に貢献する事業で, 積極的に推進すべきものか 市の総合計画に適合し, 社会経済情勢や市民ニーズの変化に的確に対応しており緊急性が高まっている事業で, 積極的に推進すべきものか イ補助の必要性補助事業を廃止したことによって, 市民サービス 生活にどのような影響が考えられるのかなど, 市が補助することの必要性をゼロベースから検証すべきであることから 公益性があり, 本当に市が補助しなければならないものか - 3 -

ウ補助の公平性長期化 既得権化になっている補助金や特定の団体に対して高額になっている補助金があることから 補助事業者および補助金額などは, 公平に決められているか エ補助事業者の自主性補助事業者は補助金への依存心を強め, 自らの手で運営を行う姿勢が希薄になることから 補助事業者は自立する目標年次などを設け, 自主自立に向け努力しているか オ補助の透明性補助金の執行について広く市民にも公表すべきであることから 市のホームページにおいて, 実績報告書などを公表しているか カ補助の有効性最少の経費で最大の効果をあげるために, 補助金によることがその事業の目的達成のため最も有効でなければならないことから 委託や負担金などではなく, 補助によることが施策目的の実現に最適であるか 補助金額に見合う費用対効果をあげているか (2) 見直しの具体的な手法 アチェックシートの作成の義務付け補助金のチェック体制を強化するため, 補助の公益性や費用対効果など様々な観点からチェックするシート ( 別添様式 ) を作成すること イ補助割合および補助対象経費の適正化補助割合は, 補助対象経費の2 分の1を上限とすること ただし, 国 道等の制度によって補助割合が定められているもの, あるいは, 特に市長が認めるものは除くものとする 次に掲げる経費は, 補助対象経費から除くものとする 懇親会および飲食にかかる経費 - 4 -

交際費, 慶弔費 慰安的な旅行に要する経費 入場料など受益者負担で賄うべき経費 その他, 補助することが適当でないと認められる経費 ウ終期の設定長期化 既得権化しているものや補助を開始した当時の事業としての必要性が薄れてきているものなどは, 原則として終期を定め, 期限到達時にはゼロベースから見直しをすること エ要綱等の整備補助金の交付に対して積算基準などがないものについては, 全ての補助金が公平 公正になるよう要綱等を整備すること オ情報公開の徹底補助金の執行状況等の透明性を図るため, 市ホームページにおいて, 実績報告書やチェックシートを公表すること 4 第三者委員会の設置 市の財政状況が深刻化するなかで, 財政運営に対する市民の意識も高まってきており, 補助の執行にあたっては, 市民に対して費用対効果など十分な説明責任を果たす必要があることから, 客観的に判断できる要綱など原理原則を定めるとともに, チェックシートを活用した内部によるチェック体制の強化を図るものである しかし, 内部のみならず外部の視点による補助金の交付に対する評価や意見を踏まえながら, 今後の方向性を明らかにし, 効果的 効率的かつ適正な執行がされるよう不断の見直しを進めていくため 第三者委員会 を設置するものである 次のいずれかに該当する場合は, 第三者委員会の評価を受けるものとする 5 年以上見直しが認められない事業 補助割合が2 分の1を超える事業 その他, 市として第三者委員会に評価を求める事業 - 5 -

補助金 交付金チェックシート ( 1) 補助金名 ( 交付金名 ) 開年 始度 年度 団体名 助成の根拠既定等 ( 条例 規則 要綱等 ) 補助事業の内容および目的 効果 内 容 ( 目的 ) 目 的 効果 ( 効果 ) 補助事業の収支状況 助成金年度事業収入会費市その他 繰越金 ( 単位 : 千円 ) 計 収 入 21 22 23 24 25 年度人件費 事務費 事業費 上部団体負担金等 計 支 21 22 23 出 24 25

補助金 交付金チェックシート ( 2) 補助金名 ( 交付金名 ) 基本的視点の再チェック 1 基本的視点適不適説明 公益性 ( 明確な公益性があるか ) 1 広く市民生活の向上に貢献する事業 2 市民ニーズが高い事業 2 必要性 ( 補助しなければならない事業であるか ) 3 自主性 ( 自主自立に向け努力しているか ) 4 有効性 ( 他の手法ではなく補助することが, 施策目的実現に最適か ) 適 不適であっても, 説明欄は必ず記載してください 財政的視点のチェック 財政的視点 不適 不適の場合の理由と今後の対応について 1 積算内訳は, 前年踏襲となっていないか 2 補助金等の使途は適切である 3 積算基準は定められている 4 補助割合は, 補助対象経費の 1/2 以内である 5 前年度繰越金は生じていないか 6 自主財源の確保に努めている ( 最低でも前年度の収入を確保しているか ) 7 経常経費の節減に努めているか 不適の場合は, 説明欄に必ず記載してください

補助金 交付金チェックシート ( 3) 補助金名 ( 交付金名 ) 補助効果の検証 ( 効果測定方法, 具体的な数値等 ) ( 達成状況 ) 継続事業は, 直近の実績新規事業は, 効果のみ記載してください ( 評価 ) ( 理由 ) 十分効果をあげている一定の効果をあげている効果が疑問であるその他 今後の方向性 現行のまま補助を継続 ( 見直しの内容 ) 見直したうえで補助を継続 廃止 その他 ( 見直しの時期 ) ( 廃止の理由 ) ( その他の内容 ) ( 廃止の時期 ) 終期の設定 終期設定終期到来により廃止次回チェック年度 ( 予定 ) 平成年度終期到来時に再検討平成年度