2010 年 3 月 18 日 1/37 グローバル COE と人材育成ー情報エレクトロニクスシステム教育研究拠点での人材育成ー 川又政征 東北大学工学研究科電子工学専攻 平成 22 年 3 月 18 日
2010 年 3 月 18 日 2/37 目次 グローバル COE とは? 情報エレクトロニクスシステム教育研究拠点 の概要 ν-qiスクールとは? 大学卒業 大学院修了までにかかる費用 ν-qiスクールの活動 ジュニアRAの雇用 RAの雇用 グループ研究費 インターンシップ ( 短期海外渡航援助, 長期海外渡航援助 ) 学生主体ミニ国際会議 事業仕分け
2010 年 3 月 18 日 3/37 グローバル COE プログラムとは? COE : Center of Excellence( 研究拠点 ) グローバルCOEプログラム : 国際的に卓越した教育研究拠点形成のための重点支援プログラム 平成 14 年度から文部科学省において開始された 21 世紀 COEプログラム の後継のプログラム 我が国の大学院の教育研究機能を一層充実 強化し 国際的に卓越した研究基盤の下で世界をリードする創造的な人材育成を図る 国際的に卓越した教育研究拠点の形成を重点的に支援 国際競争力のある大学づくりを推進することを目的とする事業 平成 19~23 年度,1 拠点に対して最高で5 億円 / 年の予算 ( 実際はこの半分 ) 生命科学 化学 材料科学 情報 電気 電子 人文科学 医学系 数学 物理学 地球科学 機械 土木 建築 その他工学 社会科学 学際 複合 新領域の分野で140 拠点 情報 電気 電子分野では13 拠点
情報エレクトロニクスシステム教育研究拠点 の概要 (1/3) 2010 年 3 月 18 日 4/37 リーダー安達文幸教授 ( 東北大学電気 通信工学専攻 ) ν-qi スクール川又政征 ( 東北大学電子工学専攻 ) 関係組織 工学研究科 電気 通信工学専攻 電子工学専攻 情報科学研究科 情報基礎科学専攻 システム情報科学専攻 応用情報科学専攻 電気通信研究所 約 60 名の教授数 (GCOE の事業推進担当者は 23 名 ) 約 60 名 / 年の博士後期学生の定員数
2010 年 3 月 18 日 5/37 情報エレクトロニクスシステム教育研究拠点 の概要 (2/3) 基礎 デバイスから通信システム 応用にいたる幅広い分野の教育研究 情報通信技術 (IT) ナノテクノロジー (NT) NT NT IT IT 分野の研究連携実践教育と基盤となる講義の提供幅広い知識と視野の修得
2010 年 3 月 18 日 6/37 情報エレクトロニクスシステム教育研究拠点 の概要 (3/3) 電気 電子 情報分野が一丸となったグローバルCOE 拠点 NT IT 融合教育研究センターの新展開 教育 :QIスクールを強化 発展させたν( ニュー )-QIスクール 研究 : 知能情報システム分野への教育研究の拡張 国際連携の強化 NT IT 融合教育研究センター 教育 ν-q Q I スクール RA グループ研究制度 学生が企画運営する国際会議 ランキング付研究支援金給付 スーパーインターンシップ 世界的若手研究者の人材育成 教育と研究は人材育成の両輪 ネットワーク 研究 NT IT 融合 知能情報システム 情報 デバイス基礎 世界最高水準の研究開発 情報エレクトロニクスの独創的研究と 3 部局 ( 工学研究科 情報科学研究科 電気通信研究所 ) 一体となった教育実績
2010 年 3 月 18 日 7/37 ν-qi スクールとは? QI: 四つのI(Quadruple-I), 学際 (Interdisciplinary), 国際 (International), 産学 ( Industry-academic), 交流 (Interchanges) International, Interdisciplinary Interchanges Industry-academic ν-qi スクール = 新学際国際産学交流道場 電気 情報関係の若手研究者 ( 博士課程学生, ポスドク, 助教, 准教授 ) の支援のための教育 育成組織
大学卒業 大学院修了までに必要な費用 単位万円 学部 修士 博士 合計 1 年 2 年 3 年 4 年 1 年 2 年 1 年 2 年 3 年 授業料 生活費 JASSO 奨学金 その他 ( 生活費 ) 54 54 54 54 54 54 54 54 54 486 120 120 120 120 120 120 120 120 120 1080 50 50 50 50 50 50 50 50 50 450 ν-qi スクールの具体的な活動目的 博士後期課程 ( ドクターコース ) への進学促進 博士学生の支援 育成 若手研究者 ( 学生, ポスドク, 助教, 准教授 ) の国際性 専門性を高めるための支援 2010 年 3 月 18 日 8/37
2010 年 3 月 18 日 9/37 ν-qi スクールによる教育活動 ν-qi スクールの目標と各種プログラムの位置づけ 国際性 スーパーインターンシップ 海外 RA 海外短期研修 ジュニア RA GCOE 特論 特別講義 専門性 グループ研究費 RA 若手育成研究費 若手育成
2010 年 3 月 18 日 10/37 ν-qi スクールの活動 (1/5) ジュニア RA の雇用 博士課程 ( ドクターコース ) への進学促進 博士課程へ進学を希望する学生 ( 修士 2 年 ) に年間授業料相当 (54 万円 ) の謝金 H19 H20 H21 ジュニア RA 人数 15 31 15
2010 年 3 月 18 日 11/37 ν-qi スクールの活動 (2/5) RA の雇用 博士後期課程学生を RA( リサーチ アシスタント, 非常勤職員 ) として雇用 研究計画 業績 GCOE の研究分野との関連性に応じて年間 110 万円 ~150 万円の給与 研究計画の作成のトレーニング 雇用実績 問題点 H19 H20 H21 RA 人数 59 69 58 煩雑な事務処理 ( 非常勤職員としての勤務時間の管理 )
2010 年 3 月 18 日 12/37 ν-qi スクールの活動 (3/5) 学生主体ミニ国際会議 RA の学生が実行委員会を組織し, ミニ国際会議を毎年開催 RA の研究成果報告会であるのみならず, 博士学生の企画 運営能力, コミュニケーション能力, リーダシップ能力のトレーニングの機会 実施例 2009 年 10 月 27, 28 日, 仙台エクセルホテル東急 発表者 :58RA, 7 COE Fellow, 9 PD 招待講演者 5 名 出席者 231 名
2010 年 3 月 18 日 13/37 ν-qi スクールの活動 (4/5) グループ研究費 ( 分野横断 融合型研究制度 ) RA への研究費の支援 電気 情報系の複数の分野 研究室間で研究グループを作り, 申請.1グループ80 万円以内. 学生の研究企画能力, 交渉力, リーダーシップ能力の育成をねらう 採択実績 問題点 H19 H20 H21 グループ研究の件数 30 38 34 分野横断 融合型の研究計画は期待したほどには多くない. 学生は研究費の使用を躊躇する ( 与えられた研究費を消化するのではなく, 守ろうとする傾向がある )
2010 年 3 月 18 日 14/37 ν-qi スクールの活動 (5/5) スーパーインターンシップ 若手研究者 ( 博士学生, ポスドク, 若手教員 ) の長期海外渡航を支援するスーパーインターンシップ制度 実施例 ( 渡航先 ) 2004 NASA 2005 IMEC, Hitachi GST, Technical University of Sofia, Bulgaria 2006 Walter Schottky Institute, Technische Universität München, Australian National University, Technical University of Sofia, University of Albert, etc. 2007 Kent University 2008 Stanford University, Kyushu University 2009 Telecom ParisTech 問題点 希望者は期待したほどには多くない 最近の若手研究者 ( 学生も教員も ) は, 就活, 公募, 業績評価, 任期制などの渦中にあり, なかなか落ち着いて勉強 研究ができないのではないか?
2010 年 3 月 18 日 15/37 事業仕分け 2009 年 11 月 25 日 ( 水 ) の事業仕分けの結果 グローバル COE プログラムは廃止すべきとの指摘や, 対象が広すぎるとの指摘が複数あり, より絞り込んだ形で企画をしていただきたい. 予算要求の縮減 (1/3 程度縮減 ) 評価者のコメントの例 グローバルCOEは研究ではなく, 教育であるならば大学が当然にやるべきこと. キャッチコピー的な事業名はやめた方がよい. グローバルCOEの成果評価に博士取得者の就職率向上を重点に置くべきである. RA ポスドクの雇用対策と見られてしまうので, 成果 評価 検証について説明不足である.