自治会における個人情報保護 名簿などにより会員の状況等を把握しておくことは 自治会でのコミュニケーションのため大切なことですが プライバシー保護の意識の高まりにより個人情報の提供を拒む方もいらっしゃるようです ここでは名簿の作成や利用など 個人情報の取り扱いについて記載しています 個人情報保護法と自治会 個人情報保護法とは? 個人情報の取扱いに関し 個人の権利と利益を保護することを目的として制定されたもので 個人情報の活用は認めつつも それが濫用されることのないよう その取り扱いのルールを定めたものです この法律では 5,000 人を超える個人情報を有する団体や事業者を個人情報取扱事業者と呼び 個人情報の利用目的を明確にすること 本人の同意なく利用目的を超えて利用してはならない等の義務を課しています 自治会との関係は? 長崎市内には 会員が 5,000 人を超える自治会はありませんので 個人情報保護法で規制される個人情報取扱事業者には該当しません したがって 個人情報の収集や利用について法律の制限があるわけではありません しかし 地域における信頼関係を損なうことのないように 個人情報の取り扱いは慎重に行う必要があるでしょう - 35 -
自治会における個人情報の取り扱い 個人情報の収集や名簿作成が個人情報保護法で禁止されているわけではありません しかし 自治会で個人情報を収集し 名簿作成等に利用するときは 会員の皆さんが安心できるように 次のようなことに気をつけましょう 個人情報取扱のルール作り 個人情報の利用目的 ( 名簿作成等 ) 収集する情報の項目 同意の取り方 配布先 管理方法などを話し合い ルールを作りましょう ルールについては総会や会報などで会員に説明するなど 周知に努めましょう 利用目的の制限 自治会の活動や会員同士の親睦のために使われるように 利用目的を制限しましょう 名簿を作成するときは 見やすい場所に利用目的を明記するといいでしょう 収集する情報の項目 氏名 住所 連絡先等 自治会の活動に必要な項目に限定しましょう 家族の続柄について記載を求めるときは 子供については 長男 養子 のような書き方ではなく 単純に 子 と書かせましょう 支持政党や宗教などの思想 信条に関する情報や 本籍地など出自に関する情報は収集しないようにしましょう - 36 -
本人の同意 名簿を会員等に配布するときは 会員から個人情報を収集する段階で そのことを本人に伝え 同意を得ておきましょう 管理の方法 自治会であらかじめ個人情報 ( 世帯カードなど ) を管理する人を決めておきます 必要のなくなった情報は 期間を定めて裁断等により破棄するようにします 個人情報は 金品と同様 厳重に管理し 盗難 紛失の無いように努めます また パソコン等で保存する場合も インターネット等を通じて流出することのないよう セキュリティに配慮してください パソコンにファイル交換ソフト (Winny など ) を入れていたり ウィルス対策のソフトを入れていなかったりすると情報漏えいの危険性が高まります! 名簿の配布を受ける人たちにも 他の人に渡したり漏らしたりしない 不要になったときは裁断等により破棄する等 名簿の適切な管理について 配布時に依頼しましょう - 37 -
個人情報 Q&A Q1: 高齢者など 要援護者の把握のため 会員の生年月日や 緊急時のために通院先 家族の勤務先などの情報も収集したいが 問題はないか? A1: 相手の同意があれば問題はありません ただし 具体的な病院や勤務先の名称等については 特に慎重な管理が必要となります 通常使用する会員名簿とは別にして記録するなどの配慮を行うとよいのではないでしょうか 利用目的を具体的に示し 情報の管理を徹底する旨を事前に周知することも大切です Q2: 行事の参加案内を班回覧するとき 申込一覧表に氏名を記入するようにしているが 問題はないか? A2: 本人が他人に見られることを承知で記載していると思われるので 問題はありません あまり他人に知られたくないと思われる内容については 回覧によらない方法で申込を受け付けるのがよいでしょう Q3: 会員名簿を毎年総会資料に添付しているが 今からでも 自治会活動に利用する旨 を会員に知らせたほうがいいか? また それは毎年行うものか? A3: 会員から情報を収集する段階で名簿を作ることや総会時に配布することを周知していないのであれば 早めに文書で周知したほうがよいでしょう 名簿の欄外に 取り扱いについての説明を記載することも周知にあたります また 年に一度は回覧や議案書を用いて周知することが望ましいと思われます - 38 -
Q4: 自治会の広報紙に氏名と写真を掲載している 自治会員以外の目に触れることは少ないと思われるが 問題は無いか? A4: 写真も顔や容姿により個人が特定できるようなものであれば 個人情報にあたります 掲載について事前に本人の同意をとっておきましょう Q5: 近隣アパートに自治会未加入者が多数居住している 加入促進のため 家主等に入所者の氏名その他の情報提供を求めることはできるか? A5: 家主等が入居者の同意なく情報提供をすれば 家主と入居者とのトラブルの原因になりかねません 家主が入居者の同意を得ている場合のみに教えてもらうよう心がけてください Q6: 自治会の会員名簿が悪用された場合 責任の所在はどこにあるか? A6: 内容にもよりますが 会員名簿の悪用によって損害が発生した場合 情報を漏らした個人が民事上又は刑事上の責任を問われるおそれがあります 普段から会員個人にも個人情報保護の重要性を理解していただき 故意 過失を問わず情報が漏れ悪用されることを防止しましょう Q7: 連合自治会から単位自治会名簿提出の依頼があった 連合自治会に名簿を提供してもよいか? A7: あらかじめ各自治会で定める個人情報の取扱いルールに 連合自治会へ提供することを目的の一つに加えておけばよいでしょう もちろん 提供を受ける連合自治会側も きちんと個人情報の取扱いのルールを定めておく必要があります - 39 -
個人情報取扱ルールの例 次に示した取扱ルールはあくまでも例ですので 参考として見てください 詳細な内容については 各自治会の実情に応じて決定してください ( 例 ) 自治会個人情報取扱ルール ( 平成 年 月総会議決 ) 自治会は 個人情報の取扱いに関するルールについて次のとおり定めます 当自治会は 保有する個人情報について本ルールに沿って適正に取り扱います ( 適正な取得について ) 当自治会は 名簿に掲載するための住所 氏名や自治会で保管する緊急連絡先など 活動に必要な範囲内においてのみ 適正に個人情報を取得します ( 利用目的について ) 当自治会は 以下の利用目的の範囲内で個人情報を利用します 会員相互の親睦のため 名簿の作成 会員への配布 連合自治会への提出のため 会報を送付するため 緊急連絡のため 地域住民の相談に応じ 必要な援助を行うため ( 第三者への提供について ) 当自治会は 以下の法令に基づく場合などを除き 会員本人の同意を得ずに第三者に個人情報を提供しません 法令に基づく場合 人の生命 身体又は財産の保護に必要な場合 公衆衛生 児童の健全育成に必要な場合 国 地方公共団体等に協力する場合 ( 管理について ) 当自治会は 個人情報を安全な場所に保管し 退会した会員の情報など保管の必要なくなった情報は 裁断 廃棄するなど 漏えいや紛失等の事故が起きないように努めます このため 管理担当者を定めます 名簿など会員に配布する情報については 各会員に対し 外部の者に渡って営業活動に利用されたりすることのないよう周知をします また 個人情報を最新かつ正確な状態に保つことに努めます ( お問い合わせ先 ) 自治会事務局会長 管理担当者 電話 - 40 -