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資料3-3.文部科学省における子供の貧困対策の総合的な推進

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事務連絡 平成 26 年 4 月 23 日 各実施機関実施責任者殿 各実施機関事務連絡担当者殿 文部科学省科学技術 学術政策局 人材政策課 科学技術人材育成費補助金により雇用する研究者等に係る人件費の取扱いについて 旧科学技術振興調整費 ( 以下 旧調整費 という ) の課題を実施する研究者等の人件

都道府県別私立高校生への授業料等支援制度

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制度概要について 制度の趣旨 意欲と能力があるにもかかわらず経済的事情により進学が困難となっている子どもたちの大学への進学を後押しする 対象者 資格 家計基準 学力 資質基準 高校卒業予定者及び卒業後 2 年以内の者 ( 新潟県内在住者の子弟 ) 住民税所得割非課税世帯 生活保護世帯 家計急変世帯

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

給付奨学生採用候補者の推薦に係る指針(ガイドライン)(平成30年5月11日)

1 世帯人員世帯人員は 本人を含む同一生計を営む世帯の人数のことです 世帯の人数 を入力してください 住民票上の別世帯であっても 同一生計の者 ( 単身赴任中の父等 ) は世帯人員に含みます 2 家計支持者の収入 所得金額収入 所得が多い方を 主たる家計支持者の収入 所得金額 欄に入力してください

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就学支援策の現状

孫のために教育資金を支援するならどの制度?

で定める延納又は分納を許可された者は この限りではない 4 既に半額免除が決定している者が 年度途中に事由が発生した場合の全額免除に該当すると思わ れる際は 改めて申請することができる ( 減免の決定 ) 第 5 条理事長は 授業料の減免の申請があったときは 第 2 条に定める減免の基準に適合するか

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税制について

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

( 様式第 1 号 ) 国公立高校用 大阪府教育委員会教育長様 奨学のための給付金受給申請書 記入日令和年月日 受給対象となる生徒に関する事項 生徒が在学する学校の名称等 フリガナ 生徒の氏名 生徒の住所 高等学校 年組番 全日制 昭和平成 学校の種類 課程 学科 定時制 通信制 生徒の生年月日 大

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お知らせ 柔道整復師の資格を取得される皆さま 関係の皆さまへ 平成 30 年 4 月から 柔道整復療養費の受領委任を取り扱う 施術管理者 になる場合は 実務経験と研修の受講が必要となる方向で 以下のとおり検討しています 柔道整復療養費の受領委任の取扱いを管理する 施術管理者 になるための要件について

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自己点検・評価表

1.(1) 名古屋美容専門学校教育理念 美容に必要な基礎教育と専門的実践教育を行い 豊かな知性と誠実な心を持ち 社会に貢献できる人材を育成する (2) 名古屋美容専門学校学則 第 1 章総 則 ( 目的 ) 第 3 条本校は 教育基本法の精神に則り 学校教育法に従い 美容に必要な基礎教育と専門的実践

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

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( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

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子育てや教育にお金がかかりすぎるから自分の仕事(勤めや家業)に差し支えるから家が狭いから高年齢で生むのはいやだから欲しいけれどもできないから健康上の理由からこれ以上 育児の心理的 肉体的負担に耐えられないから夫の家事 育児への協力が得られない

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被用者年金一元化法による追加費用削減について 昨年 8 月に社会保障 税一体改革関連法の一つとして被用者年金一元化法が成立 一元化法では 追加費用財源の恩給期間にかかる給付について 以下の配慮措置を設けた上で 負担に見合った水準まで一律に 27% 減額することとし 本年 8 月まで ( 公布から 1

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< 現行 > 対象者医療区分 Ⅰ(Ⅱ Ⅲ 以外の者 ) 1 * 医療の必要性の低い者医療区分 Ⅱ Ⅲ 1 2 * 医療の必要性の高い者 ( 指定難病患者を除く ) 3 指定難病患者 2 生活療養標準負担額のうちにかかる部分 1 日につき32 1 日につき 1 日につき < 見直し後 > 対象者医療区

履修できる授業科目は 原則として全授業科目としますが 実験 実習 外書講読 演習等は 履修できないことがあります 履修科目詳細は学務課にお問い合わせください なお 許可を受けて追加することができます ( 科目等履修生履修科目追加願 ( 別記様式第 4 号 ) 使用 ) 合格通知を受けた者は 4 月入

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1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

(組合)事務連絡案(国内在住者扶養認定QA)

3. 同意要件との関係宿泊税について 不同意要件に該当する事由があるかどうか検討する (1) 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし かつ 住民の負担が著しく過重となること 1 課税標準宿泊行為に関連して課税される既存の税目としては 消費税及び地方消費税がある 宿泊税は宿泊者の担税力に着目して宿泊数

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Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 保険料減免制度について 府の統一基準に一致させることで急激な保険料増加となる世帯が生じることから 段階的に低所得者減免制度を解消していく 保険料の減免制度については 平成 30 年度からは災害 収入減

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認定科目表に掲げる授業科目を履修したものとみなす際の手続き及び方法について

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

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平成 21 年 11 月 26 日 照会先 社会 援護局障害保健福祉部障害福祉課企画法令係 ( 担当 内線 ) 課長補佐伊藤経人 (3090) 企画法令係吉井彰規 (3148) ( 代表電話 ) 03(5253)1111 ( 直通電話 ) 03(3595)2528 障害者自立支援法の施行前後における

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報道資料

図表 2 住宅ローン減税の拡充 消費税率が 5% の場合 消費税率が 8% または 10% の 場合 適用期間 ~2014 年 3 月 2014 年 4 月 ~2017 年末 最大控除額 (10 年間合計 ) 200 万円 (20 万円 10 年間 ) 400 万円 (40 万円 10 年間 ) 控

平成19年度市民税のしおり

3 保育の必要性の認定の対象とはならない場合 ( 例 : 専業主婦家庭等 ) どのような施設の利用が無償化の対象になりますか 3 歳から5 歳までの子供について 幼稚園 認定こども園 (4 時間相当分 ) は無償化の対象となります なお この場合 預かり保育は無償化の対象となりません このほか 就学

(4) 自己評価書及び提出された根拠資料 データは 原則として公開します 公表された著作物等を根拠資料とするときには著作権に配慮してください 公表にふさわしくないものには その旨を記載してください (5) 上記 (1) から (4) に関する具体的な資料 データの示し方等については 当該年度の自己評

新設 拡充又は延長を必要とする理⑴ 政策目的 地震等の災害からの復旧に際して 公的補助が公立学校に比べて少なく 自主財源の確保が求められる私立学校にとって 寄附金収入は極めて重要な財源である 災害時には 大口の寄附だけでなく 広く卒業生や地域住民を中心に 義援金 募金という形で小口の寄附を集める必要

4 保険料の状況 (1) 保険料の設定及び徴収第 1 号被保険者の介護保険料基準額は 区介護保険事業計画の3 年間の計画期間ごとに必要な介護サービス給付費の見込み額等を基に 高齢者人口の見込み数値等により算出する仕組みになっている この基準額を基に所得状況に応じた ( 段階ごとに ) 保険料を設定し

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Transcription:

高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針の概要 平成 30 年 12 月 28 日

1. 総論 高等教育の無償化の趣旨 低所得者世帯の者であっても 社会で自立し 活躍することができる人材を育成す る大学等に修学することができるよう その経済的負担を軽減することにより 我が 国における急速な少子化の進展への対処に寄与するため 真に支援が必要な低所得者 世帯の者に対して 1 授業料及び入学金の減免と 2 給付型奨学金の支給を合わせて措 置する 制度の概要 支援対象となる学校種 大学 短期大学 高等専門学校 専門学校 支援内容 1 授業料等減免制度の創設 2 給付型奨学金の支給の拡充 支援対象となる学生 住民税非課税世帯 及び それに準ずる世帯の学生 実施時期 2020 年 4 月 (2020 年度の在学生 ( 既に入学している学生も含む ) から対象 ) 財源 少子化に対処するための施策として 消費税率引上げによる財源を活用 国負担分は社会保障関係費として内閣府に予算計上し 文部科学省において執行 1

2. 授業料等減免 給付型奨学金の概要 授業料等減免は 各大学等が 以下の上限額まで授業料等の減免を実施 減免に要する費用を公費から支出 ( 授業料等減免の上限額 ( 年額 )( 住民税非課税世帯 )) 国公立 私立 入学金授業料入学金授業料 大学約 28 万円約 54 万円約 26 万円約 70 万円 短期大学約 17 万円約 39 万円約 25 万円約 62 万円 高等専門学校約 8 万円約 23 万円約 13 万円約 70 万円 専門学校約 7 万円約 17 万円約 16 万円約 59 万円 < 上限額の考え方 > ( 国公立 ) 入学金 授業料ともに 省令で規定されている国立の学校種ごとの標準額までを減免 ( 私立 ) 入学金については 私立の入学金の平均額までを減免 授業料については 国立大学の標準額に 各学校種の私立学校の平均授業料を踏まえた額と国立大学の標準額との差額の 2 分の 1 を加算した額までを減免 給付型奨学金は 日本学生支援機構が各学生に支給 ( 給付型奨学金の給付額 ( 年額 )( 住民税非課税世帯 )) 自宅生平均 45 万円自宅外生平均 88 万円 国公立大学 短期大学 専門学校 私立大学 短期大学 専門学校 高等専門学校の学生については 学生生活費の実態に応じて 大学生の 5 割 ~7 割の程度の額を措置する < 給付額の考え方 > 学生が学業に専念するため 学生生活を送るのに必要な学生生活費を賄えるよう措置 閣議決定に即して措置 あわせて 大学等の受験料を措置 給付型奨学金 2/3 自宅生自宅外生 自宅生自宅外生 約 35 万円約 80 万円 約 46 万円約 91 万円 住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生に対しては 住民税非課税世帯の学生の 3 分の 2 又は 3 分の 1 の支援を行い 支援額の段差を滑らかにする 授業料等減免 2/3 1/3 1/3 年収目安 約 270 万円 非課税 約 300 万円 約 380 万円 ( 年収は 両親 本人 中学生の家族 4 人世帯の場合の目安であるが 実際には 多様な形態の家族があり 基準を満たす世帯年収は家族構成により異なる ) 2

3. 支援対象者の要件 ( 個人要件 ) 等 学業 人物に係る要件 支援措置の目的は 支援を受けた学生が大学等でしっかり学んだ上で 社会で自立し 活躍できるようになること 進学前の明確な進路意識と強い学びの意欲や進学後の十分な学習状況をしっかりと見極めた上で学生に対して支援を行う 高等学校在学時の成績だけで否定的な判断をせず 高校等が レポートの提出や面談等により本人の学習意欲や進学目的等を確認 大学等への進学後は その学習状況について厳しい要件を課し これに満たない場合には支援を打ち切ることとする 次のいずれかの場合には 直ちに支援を打ち切る なお その態様が著しく不良であり 懲戒による退学処分など相応の理由がある場合には支援した額を徴収することができる ⅰ 退学 停学の処分を受けた場合 ⅱ 修業年限で卒業できないことが確定した場合 ⅲ 修得単位数が標準の 5 割以下の場合 ⅳ 出席率が 5 割以下など学習意欲が著しく低いと大学等が判断した場合 次のいずれかの場合には 大学等が 警告 を行い それを連続で受けた場合には支援を打ち切る ⅰ 修得単位数が標準の 6 割以下の場合 ⅱ GPA( 平均成績 ) 等が下位 4 分の 1 の場合 ( 斟酌すべきやむを得ない事情がある場合の特例措置を検討中 ) ⅲ 出席率が 8 割以下など学習意欲が低いと大学等が判断した場合 その他 現在の給付型奨学金の取扱いと同様に 以下を要件とする 日本国籍 法定特別永住者 永住者又は永住の意思が認められる定住者であること 高等学校等を卒業してから 2 年の間までに大学等に入学を認められ 進学した者であって 過去において高等教育の無償化のための支援措置を受けたことがないこと 保有する資産が一定の水準を超えていないこと ( 申告による ) 在学中の学生については 直近の住民税課税標準額や学業等の状況により 支援対象者の要件を満たすかどうかを判定し 支援措置の対象とする また 予期できない事由により家計が急変し 急変後の所得が課税標準額に反映される前に緊急に支援の必要がある場合には 急変後の所得の見込みにより 支援対象の要件を満たすと判断される場合 速やかに支援を開始する 3

4. 大学等の要件 ( 機関要件 ) 大学等での勉学が職業に結びつくことにより格差の固定化を防ぎ 支援を受けた学生が大学等でしっかりと学んだ上で 社会で自立し 活躍できるようになるという 今回の支援措置の目的を踏まえ 対象を学問追究と実践的教育のバランスが取れている大学等とするため 大学等に一定の要件を求める 1. 実務経験のある教員による授業科目が標準単位数 (4 年制大学の場合 124 単位 ) の 1 割以上 配置されていること 例えば オムニバス形式で多様な企業等から講師を招いて指導を行っている 学外でのインターンシップや実習等を授業として位置付けているなど主として実践的教育から構成される授業科目を含む 学問分野の特性等により満たすことができない学部等については 大学等が やむを得ない理由や 実践的教育の充実に向けた取組を説明 公表することが必要 2. 法人の 理事 に産業界等の外部人材を複数任命していること 3. 授業計画 ( シラバス ) の作成 GPA などの成績評価の客観的指標の設定 卒業の認定に関する方針の策定などにより 厳格かつ適正な成績管理を実施 公表していること 4. 法令に則り 貸借対照表 損益計算書その他の財務諸表等の情報や 定員充足状況や進学 就職の状況など教育活動に係る情報を開示していること 経営に課題のある法人の設置する大学等の取扱い 教育の質が確保されておらず 大幅な定員割れとなり 経営に問題がある大学等について 高等教育の負担軽減により 実質的に救済がなされることがないよう 文部科学省の 学校法人運営調査における経営指導の充実について ( 平成 30 年 7 月 30 日付 30 文科高第 318 号高等教育局長通知 ) における 経営指導強化指標 を踏まえ 次のいずれにもあたる場合は対象としないものとする 法人の貸借対照表の 運用資産 - 外部負債 が直近の決算でマイナス 法人の事業活動収支計算書の 経常収支差額 が直近 3 カ年の決算で連続マイナス 直近 3 カ年において連続して 在籍する学生数が各校の収容定員の 8 割を割っている場合なお 専門学校に適用する際の指標は 大学の指標を参考にしつつ設定する 4

5. 財源 ( 費用負担の基本的な考え方 ) 1 給付型奨学金の支給 ( 学生個人への支給 ) 国が全額を負担し ( 独 ) 日本学生支援機構が学生に直接支給 2 授業料等減免 ( 大学等が実施する減免に対する機関補助 ) 設置者の区分 学校の種類授業料等減免に係る費用の負担者 割合機関要件の確認者 国立大学 短大 高専 専門学校国 ( 設置者 ) 全額国 ( 設置者 ) 私立大学 短大 高専国 ( 所轄庁 ) 全額国 ( 所轄庁 ) 公立大学 短大 高専 専門学校都道府県 市町村 ( 設置者 ) 国公立大学等は 設置者が全額負担し 各学校に交付 私立大学 短大 高専は 所轄庁である国が全額負担し 各学校に交付 私立専門学校は 国と都道府県が 1/2 ずつ負担し 所轄庁である都道府県が各学校に交付 ( 事務費等 ) 国において 無償化制度の円滑な導入 定着を図るため 授業料等減免に係る費用の交付事務や機関要件の確認事務に係る全国統一的な事務処理に関する具体的な指針を早期に策定し 地方に提示するとともに 私立専門学校に係る標準的な事務処理体制を整理し その体制構築に要する費用を全額国費により制度開始の 2020 年度までの 2 年間措置 ( 地方財政計画及び地方交付税の対応 ) 今般の無償化に係る地方負担については 地方財政計画の歳出に全額計上し 一般財源総額を増額確保した上で 個別団体の地方交付税の算定に当たっても 地方負担の全額を基準財政需要額に算入するとともに 地方消費税の増収分の全額を基準財政収入額に算入する 全額 都道府県 市町村 ( 設置者 ) 私立専門学校国及び都道府県 ( 所轄庁 ) 国 1/2 都道府県 1/2 都道府県 ( 所轄庁 ) 5

対象大学等の公表6. 今後のスケジュール 今回の支援措置の実施のため 2019 年の次期通常国会に 授業料等減免制度の創設 給付型奨学金の拡充などを内容とする法律案を提出予定 法案成立後 速やかに関係する政省令等を整備し 2020 年 4 月からの支援措置実施に向けて下記のような様々な準備行為を行う 事項 2019 年度 2020 年度 ~ 給付型奨学金 生徒が高校を通じて 日本学生支援機構 (JASSO) に申込 授業料等減免 進学後 学生が大学等に申請 進学前の予約採用手続 1 採用申込 経済状況 : 生徒本人から JASSO にマイナンバー等を提出 学業 : 高校等が生徒の進学意欲等を確認 JASSO に報告 2JASSO による要件の確認 3 採用候補者の決定 < 既に大学等に在学している学生 > 経済状況 : 学生本人から JASSO にマイナンバー等を提出 学業 : 大学等が学生の学習状況を確認 JASSO に報告 年度内に手続を実施するのは初年度のみ 支給開始 ( 進学後 ) 大学等での手続 1 減免申込 2 大学等による要件の確認 (JASSO と連携 ) 3 授業料等の減免 機関要件の確認 大学等が機関要件の確認を申請 機関要件の確認手続 1 確認申請 2 機関要件の確認 6