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Transcription:

電気用品安全法の省令改正について 平成 25 年 11 月 経済産業省商務流通保安グループ 製品安全課

今回の改正のポイント 今回の省令改正は 電気用品安全法において 技術進歩や新製品へより柔軟な対応を可能にするため いわゆる 性能規定化 を行うもの (7 月 1 日公布 平成 26 年 1 月 1 日施行予定 ) 改正技術基準省令では 現行技術基準が求める安全性能の整理等によって明確となった電気用品の安全確保に不可欠な安全原則等のみ規定するものとする 一方で 従来の具体的な材料 数値 試験方法などの規定の多くは 通達 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈 に移行するため 今回の改正によって 全体として個別の要求事項に大きな変更は無い 1

電気用品安全法 電気用品安全法とは 電気用品による危険 ( 感電 火災等 ) と障害 ( 電波障害等 ) を防止するための法律 電気用品の製造 販売等を規制するとともに 電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより 電気用品による危険と障害の発生を防止することを目的とする ( 電気用品安全法第 1 条 ) 沿革 ( 大正 5 年 ) 電気用品試験規則 ( 逓信省令 ) ( 昭和 10 年 ) 電気用品取締規則 ( 逓信省令 ) ( 昭和 36 年 ) 電気用品取締法 規制緩和の観点から 自己責任原則 政府の直接的な規制の最小限化等を基本とする見直しが図られ 電気用品安全法に改正 ( 平成 11 年 ) 電気用品安全法 [ 平成 13 年施行 ] 2

電気用品安全法 規制対象となる電気用品の範囲 1 2 3 一般用電気工作物の部分となり 又はこれに接続して用いられる機械器具であって政令で定められているもの 携帯発電機であって 政令で定められているもの 蓄電池であって 政令で定められているもの 一般用電気工作物の部分となり接続して用いられるということから 定格電圧は ネオン電源など特殊なものを除き 100V 以上 300V 以下 ( 電線は600V 以下 ) のもの 50 又は60Hzの交流電源に接続するもの 容量は比較的小さなものに限定される 特定電気用品 (116 品目 ) それ以外の電気用品に比べ 不良があった場合に感電 火災などの影響が 大きい電気用品 ヒューズ コンセント 延長コードセット AC アダプター 携帯発電機など ( 施行令別表第一 ) 特定電気用品以外の電気用品 (341 品目 ) ( 施行令別表第二 ) 電気冷蔵庫 電気冷房機 電気暖房機 電気洗濯機 コンセント付家具 電気掃除機 扇風機 テレビジョン受信機 エル イー ディー 電灯器具 リチウムイオン蓄電池など 3

一般用電気工作物 一般用電気工作物とは ( 電事法第 38 条 1 項 ) 1 小規模建築物の屋内配電設備 (600V 以下 ) 2 小出力発電設備 (600V 以下 ) ( H7 改正で追加 ) 事業用電気工作物 電気事業法 一般用電気工作物 ( 注電力量計の技術基準は計量法による なお 電力量計は 電気事業者の設備 電力量計 ( 注 漏電遮断器 分岐ブレーカ 引込線取付点 一般用電気工作物の部分 電気用品安全法 接続して用いられる器具 (H27.3.5) 一般用電気工作物の図を修正 電気事業法 使用段階の不良改善 電気用品安全法 製造段階の品質確保 4

電気用品安全法 電気用品安全法施行令別表第二 ( 特定電気用品以外の電気用品 ) 1 電線及び電気温床線 2 電線管類及びその附属品並びにケーブル配線用スイッチボックス 3 ヒューズ 4 配線器具 5 小形単相変圧器 電圧調整器及び放電灯用安定器 6 小形交流電動機 7 電熱器具 8 電動力応用機械器具 9 光源及び光源応用機械器具 10 電子応用機械器具 11 交流用電気機械器具 12 リチウムイオン蓄電池 電気用品の範囲 7 電熱器であって 次に掲げるもの ( 定格電圧が 100V 以上 300V 以下及び定格消費電力が 10kW 以下のものであって 交流の電路に使用するものに限る ) (1) 電気足温器及び電気スリッパ (2) 電気ひざ掛け (3) 電気座布団 (4) 電気カーペット (5) 電気敷布 電気毛布及び電気布団 (6) 電気あんか (7) 電気いすカバー及び電気採暖いす (8) 電気こたつ (9) 電気ストーブ (10) 電気火鉢その他の採暖用電熱器具 (11) 電気トースター (12) 電気天火 (13) 電気魚焼き器 (14) 電気ロースター (15) 電気レンジ (16) 電気こんろ (57) 電気温きゅう器~5

電気用品安全法 主な規定の概要 事業の届出 ( 法第 3 条 ) 電気用品の製造 / 輸入を行う事業者は 開始日から 30 日以内に届け出ること 技術基準適合義務 / 自己検査 ( 法第 8 条 ) 1 事業者は 届出に係る電気用品について 省令で定める技術基準に適合するようにしなければならない 2 事業者は 自ら製品検査を行い その記録を保存しなければならない 適合性検査 < 特定電気用品のみ > ( 法第 9 条 ) 販売までに 製造工場が基準に適合する製品を製造 検査できることについて 登録検査機関の検査を受け その適合証明書を保存しなければならない PSE マークの表示 ( 法第 10 条 ) 事業者が上記の義務を果たした場合 PSE マークを表示することができる 販売の制限 ( 法第 27 条 ) 法 10 条による PSE 表示の無い電気用品の販売は 原則禁止 6

電気用品安全法 ( 第 3 条 ) 事業の届出 電気用品の製造 / 輸入を行う者は 経済産業省令で定める電気用品の区分に従い 事業開始の日から 30 日以内に 次の事項を届け出なければならない 1 氏名又は名称及び住所 ( 法人の場合 代表者氏名 ) 2 経済産業省令で定める電気用品の型式の区分 3 工場又は事業場の名称及び所在地 電気用品の区分 施行規則別表第一で定める 20 区分 電気用品の型式の区分 施行規則別表第二の品名の欄に掲げるそれぞれの電気用品について 型式の区分において要素による区分として掲げるとおり 事業者のモデル分け 型番などとは一致しないことに注意 要素が二以上ある電気用品については それぞれの要素による区分として掲げる区分の一をすべての要素について組み合わせたごとに一の型式の区分とする 例えば 区分が 2 つある要素が 2 個と 区分が 3 つある要素が 3 個と からなる電気用品 ( ネオン電線 ) の場合 最低でも 2 2 3 3 3=108 通りの型式の区分があり得る ということになる 7

電気用品安全法 ( 第 3 条 ) 事業の届出 電気用品の区分 ( 施行規則別表第一 ) 1. ゴム系絶縁電線類 2. 合成樹脂系絶縁電線類 3. 金属製電線管類 4. 金属製電線管類附属品 5. 合成樹脂類電線管類 6. 合成樹脂類電線管類附属品 7. つめ付きヒューズ 8. 包装ヒューズ類 9. 温度ヒューズ 10. 配線器具 11. 電流制御器具 12. 小形単相変圧器類 13. 小形交流電動機 14. 電熱器具 15. 電動力応用機械器具 16. 光源及び光源応用機械器具 17. 電子応用機械器具 18. 交流用電気機械器具 19. 携帯発電機 20. リチウムイオン蓄電池 電気用品の型式の区分 ( 施行規則別表第二 ) < 品名 > 磁気治療器電撃殺虫器電気浴器用電源装置直流電源装置電灯付き家具 / コンセント付き家具 / その他電気機器器具付き家具調光器電気ペンシル漏電検知機防犯警報器アーク溶接機雑音防止器医療用物質生成器家庭用電位治療器電気冷蔵庫 ( 吸収式に限る ) 電気さく用電源装置 < 要素と区分 > 定格入力電圧 125V 以下のもの 125Vを超えるもの入力側の定格容量 10VA 以下のもの 10VAを超え~20VA 以下のもの 300VAを超え400VA 以下のもの 400VAを超えるもの直流定格電圧 15V 以下のもの 15Vを超え30V 以下のもの 30Vを超え60V 以下のもの 60Vを超えるもの用途電池充電用のものおもちゃ用のもの自動車スタータ用のものその他のもの 8

電気用品安全法 ( 第 8 条 ) 技術基準適合義務 / 自己検査 1 事業者は 届出に係る電気用品について 省令で定める技術基準に適合するようにしなければならない ( 第 1 項 ) 事業者は自ら 製品の技術基準への適合性を判断し 製品の設計安全性に責任を持たなければならない 望ましくは 適合を確認した技術的な記録を保存していた方が良い 製品について 安全性の立証責任を求められるケースに備えるため なお 今回の省令改正により 従来の詳細な規定は 通達 ( 技術基準の解釈 ) に移管するが 全体として 技術基準自体に大きな変更は無い 2 事業者は 自ら製品検査を行い その記録を保存しなければならない ( 第 2 項 ) 事業者は 適合確認した設計に基づき製造 輸入した製品について 自ら全数検査を行い その検査記録を 3 年間保存しておかなければならない 検査項目は 特定電気用品の場合と 特定電気用品以外の電気用品の場合とでは異なる 9

電気用品安全法 ( 第 8 条 ) 技術基準適合義務 / 自己検査 自己検査の概要 ( 施行規則第 11 条 別表第三 ) 検査項目特定電気用品非特定電気用品検査の種類 製造工程において行う検査 完成品について行う検査 試料について行う検査 技術基準に適合させるための適切な方法で実施 材料 部品については 受入検査等で可 外観 絶縁耐力試験 通電試験などにより評価 ( 電気用品により検査項目が異なる ) 材料 設計 製造方法 設備等の変更時に再評価 検査記録に記載すべき事項 ( 様式は決まっていない ) 1 電気用品の品名及び型式の区分並びに構造 材質及び性能の概要 2 検査を行った年月日及び場所 3 検査を実施した者の氏名 4 検査を行った電気用品の数量 5 検査の方法 6 検査の結果 10

電気用品安全法 ( 第 9 条 ) 適合性検査 < 特定電気用品のみ > 販売までに 製造工場が基準に適合する製品を製造 検査できることについて 登録検査機関の検査を受け その適合証明書を保存しなければならない ( 第 1 項 ) 特定電気用品の場合 販売にあたっては 法 8 条に基づく自己適合性確認に加え 第三者による 適合性検査 を受け その証明書を保管していることが必要 適合性検査は 経済産業大臣の登録を受けた 登録検査機関 によって行われ 製品のサンプル検査や工場の能力検査を行うもの 適合性検査に合格すると 登録検査機関から 適合証明書 が交付され 電気用品によって 3 5 7 年の有効期間がある なお 当該適合証明書に記載の特定電気用品と同一型式に属する電気用品については 適合性検査を省略することができる 11

電気用品安全法 ( 第 9 条 ) 適合性検査 < 特定電気用品のみ > 適合性検査の概要 ( 施行規則第 14 条 15 条 別表第四 ) 〇試験用の特定電気用品 検査機関が サンプル品について試験を実施し 技術基準適合性を確認 〇工場における検査設備 検査機関が 工場の検査設備の精度 校正記録 管理体制等について検査 検査項目などは 電気用品の区分毎に規定されており 例えば 直流電源装置の場合 交流用電気機械器具 という区分が適用される 検査設備寸法測定器絶縁抵抗試験設備絶縁耐力試験設備温度試験設備特性試験設備 検査項目 ( 交流用電気機械器具の場合 ) 技術上の基準 マイクロメータ ノギス又はこれらと同等以上の精度で直径及び厚さを測定できる測定器を備えていること 500 ボルト絶縁抵抗計又はこれと同等以上の精度で絶縁抵抗を測定できる設備を備えていること (1) 変圧器 電圧調整器及び電圧計 ( 精度が 1.5 級以上のもの ) 又はこれらを内蔵する絶縁耐力試験機を備えていること (2)2 次電圧が交流用電気機械器具の絶縁耐力試験電圧に容易かつ円滑に調整できること 電圧調整器 電圧計 ( 精度が 0.5 級以上のもの ) 電流計 ( 精度が 0.5 級以上のもの ) 及び熱電対温度計を備えていること 電圧調整器 電圧計 ( 精度が 0.5 級以上のもの ) 電流計 ( 精度が 0.5 級以上のもの ) 及び電力計 ( 精度が 0.5 級以上のもの ) を備えていること 12

電気用品安全法 ( 第 9 条 ) 適合性検査 < 特定電気用品のみ > 登録検査機関 能力について 国際規格 (ISO/IEC17065) に適合すると認められ 国の登録を受けた検査機関 〇登録の有効期間は 3 年間〇国際規格の要求事項以外にも次のような要件を満たす必要 電安法に基づき 適合性証明書が適切な手順で発行されていること 過去 2 年間 電安法違反をしていないこと 申請事業者による支配を受けないこと 登録された検査機関は 国内 5 機関 海外 3 機関 ( 平成 25 年 9 月現在 ) 国内登録検査機関 一般財団法人電気安全環境研究所 ( 承認略称 : JET) 一般財団法人日本品質保証機構 ( 承認略称 : JQA) 一般社団法人電線総合技術センター ( 承認略称 : JCT JECTEC) テュフ ラインランド ジャパン株式会社 株式会社 UL Japan ( 承認略称 : UL Japan) 外国登録検査機関 テュフラインランドエルゲーアープロダクツゲーエムべーハー ( 承認略称 : TÜV LGA) テュフラインランド台湾リミテッド ( 承認略称 : TÜV RT) 中国品質認証センター ( 承認略称 : CQC) 13

電気用品安全法 現行の法体系 政令 法律 目的 事業の届出 検査機関の登録 罰則など 対象となる電気用品 別表第一特定電気用品 : 116 品目 別表第二特定電気用品以外 : 341 品目 法第 8 条第 1 項電気用品を製造又は輸入する場合 省令で定める技術基準に適合するようにしなければならない 施行規則 技術基準省令 事業届出の電気用品の区分 別表第一 (20 区分 ) 事業届出の型式の区分 別表第二 検査の方式 検査設備 別表第三 別表第四 第 1 項 ( 別表第一 ~ 第九 ) 試験方法 基準値等を規定 電線及び電気温床線 交流用電気器具 リチウムイオン蓄電池など 第 2 項 経産大臣が電気用品の構造 材質等から判断して保安上支障がないと認めた場合 前項の規定にかかわらず 技術基準とする 注 ) 第 1 項 第 2 項は どちらか一方しか選択できない 通達 技術基準の解釈 [ 局長通達 ] 技術基準省令第 1 項の 規定についての補足説明 省令第 2 項に基づく基準 ( 表 1~5) [ 大臣通達 ] 主として IEC 規格に整合化した JIS 規格を引用 電気安全に関する基準 雑音の強さに関する基準など 14

電気用品安全法の課題 〇現行の電気用品安全法に基づく安全規制の体系は 国が品目毎に寸法 形状などの詳細を定める いわゆる 仕様規定 であり柔軟性に欠けることから 日々進化する技術や新製品に対して 迅速に対応できない面が見られている 〇また 同法の品目区分は 電気用品取締法時代から積み上げられてきた経緯もあり 指定振りに粗密がみられ 過度に細分化された品目もある一方 本来は対象であるべきものであっても電安法の対象になっていないものもある 〇更に 細分化された品目の場合 変更届けを頻繁に行う必要がある一方 品目にない新製品については その都度品目追加を行う必要があるが 対応が十分にできていない 電気用品安全法技術基準体系等見直しの基本計画 ( 平成 22 年 7 月 23 日 ) の中で 次の 2 つの必要性が示された 1. 技術基準の性能規定化 2. 電気用品の品目の大括り化 15

性能規定化とは 技術基準の性能規定化とは 安全保安上必要な性能だけで基準を定め 当該性能を実現するための具体的な手段 方法などを規定しないこと 従来 規定されていた材料の規格 数値 計算式などの詳細について 申請者が自主的に判断できるようになり 技術開発の促進が可能となる 電安法などの法律で定める技術基準は 従来 国が品目毎に 寸法や形状といった詳細を定めていた ( 仕様規定 ) が 技術進歩や新製品への対応が迅速にできない面が出てきた このため 国が定める技術基準は安全性能を確保するための本質的な要求を記述するにとどめ 詳細については公的に合意形成された規格を取込む体系への移行 ( 性能規定化 ) が近年の国際的な傾向 EUの低電圧指令などのニューアプローチが典型的な事例 TBT 協定の推奨もあり 近年 日本でも性能規定化の導入が進みつつある TBT 協定第二条強制規格の中央政府による立案 制定及び適用 2.4 加盟国は 強制規格を必要とする場合において 関連する国際規格が存在するとき又はその仕上がりが目前であるときは 当該国際規格又はその関連部分を強制規格の基礎として用いる 2.8 加盟国は 適当な場合には デザイン又は記述的に示された特性よりも性能に着目した産品の要件に基づく強制規格を定める 16

性能規定化 方向性 (1) 技術基準の階層化 性能規定化では 目標とする性能を明確にした上で 目標を実現するための要求水準や検証項目 検証方法などを明確に階層化した体系となる 近年 国際的には EU のニューアプローチのように第 2 階層まで規定し それ以下の階層は 公的な基準を活用する体系となっている 電気用品は国際流通性が高い分野であることから 今回の改正では こうした国際的な動向を踏まえ 技術基準省令の範囲を第 2 階層である 機能的要求 までとすることとした 階層分類内容 1 目的 2 機能的要求 3 要求水準 危険又は障害源を明確にして その発生を避けることを記述する ( 社会的に分かりやすい表現 ) 法令に基づき規定電気用品が満たすべき機能項目 ( 技術的な指標での定性的表現 ) 機能項目ごとの目的実現のための特定された定量的な判断基準 4 検証方法要求水準への適合性を実証する試験方法等 5 整合規格基準に適合するとみなせる具体的仕様例 公的な基準 (JIS 等 ) を活用 17

性能規定化 方向性 (2) 公的規格の利用 性能規定化された体系では 整合規格 と認められた公的規格に適合する場合には 技術基準に適合するものとする 民間が整備する公的規格の活用により 最新の技術や国際的な規制動向等を迅速に反映することが可能となる 性能規定化した体系においては 性能規定への適合性については 事業者自身が客観的データ等に基づいて確認することとなるが 事業者は 性能規定のみでは 設計毎に要求性能を満足していることの確認が必要となり 手間を要することになる このため 欧州では 特定の電気用品に対して 寸法 形状 試験方法を規定した公的な基準 (IEC 同等規格 ) を満たせば 要求性能を満足するとみなす 整合規格 を各国政府が示している こうした事例を参考に 階層化された技術基準では 電気用品の技術基準への適合性を判断する際 整合規格に適合する場合は 技術基準に適合する ものとする 技術基準省令 客観的データ等に基づき 適合性を確認 整合規格 事業者 技術基準に適合 整合規格への適合性を確認 18

性能規定化 方向性 (3) 円滑な移行 円滑な性能規定化のため 現行技術基準の具体的な材料 数値 試験方法などの規定の多くを通達に移行し 技術的要件を満たした具体例として扱う 技術基準体系の性能規定化にあたっては 関係者が混乱なく移行できるようにすることが重要 このため 今回の改正においては 現行の技術基準の内容を 新しい技術基準省令の技術的要件を満した具体例として 通達 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈 に移行し 当分の間 一種の整合規格として扱う 技術基準省令 技術的要件を満たすべき技術的内容を具体的に提示 客観的データ等に基づき 適合性を確認 整合規格 事業者 技術基準に適合 整合規格への適合性を確認 解釈通達 19

技術基準 今回の改正後の技術基準体系 ISO/IEC ガイド 51 IEC ガイド 104 基礎として 省令 本質的な共通性能規定 旧省令第一項 ( 別表第一 ~ 第九 ) 旧通達 ( 技術基準の解釈 ) 旧省令第 1 項 ( 別表第四 七 八 ) うち雑音関係 旧通達 ( 技術基準の解釈 ) 付属の表の 2( 雑音強さ測定方法 ) 共通する事項 旧通達 ( 技術基準の解釈 ) 付属の表 ( 絶縁物使用温度上限値 ) 旧通達 ( 技術基準の解釈 ) 付属の表の3( 使用温度上限値測定方法 ) 旧通達 (2 項基準の制定について ) 要求的事項~通達 別表第一 ( 電線及び電気温床線 ) 第九 ( リチウムイオン蓄電池 ) 別表第十 ( 雑音の強さ ) 別表第十一 ( 絶縁物使用温度上限値 ) 別表第十二 ( 国際規格等に準拠した基準 ) 整合規格 約 50 の別紙 (J 規格 ) 技術基準省令に整合すると見なされた JIS 規格等 ( 約 300 の JIS 規格 ) 20

技術基準 新省令の概要 新しい技術基準省令については 近年の技術進歩の動向を考慮し かつ 事業者の自己責任原則を重視する観点から条項を整理 削減し 電気用品の安全保安上欠かすことのできないものに限定 1 章総則 ( 第 1 条 ) この省令は 電気用品安全法第 8 条第 1 項に規定する経済産業省令で定める技術上の基準を定めるものとする 2 章一般要求事項 ( 第 2 条 - 第 6 条 ) 1 安全原則 2 設計における安全機能の確保 3 供用期間中における安全機能の維持 4 使用者及び場所を考慮した安全設計 5 適切な耐熱性 絶縁等を有する部品及び材料の使用 3 章危険源に対する保護 ( 第 7 条 - 第 17 条 ) 1 感電に対する保護 2 絶縁性能の保持 3 火災の危険源から保護 4 火傷の防止 5 機械的危険源による危害の防止 6 化学的危険源による危害又は損傷の防止 7 電気用品から発せられる電磁波による危害の防止 8 使用方法を考慮した安全設計 9 始動 再始動及び停止による危害の防止 10 保護協調及び組合せ 11 電磁的妨害に対する耐性 5 章表示等 ( 第 19 条 第 20 条 ) 1 安全上必要な情報及び使用の注意表示 2 長期使用製品安全表示制度による表示 4 章雑音の強さ ( 第 18 条 ) 放送受信等に障害を及ぼす雑音の発生防止 21

技術基準新省令の主な規定 (1) 安全原則 第 2 条第 1 項電気用品は 通常の使用状態において 人体に危害を及ぼし 又は物件に損傷を与えるおそれがないよう設計されるものとする 通常の使用状態 には 電気用品の意図する使用 の他に 合理的に予見可能な誤使用 が含まれる 例えば 新機能等について 合理的に予見可能な誤使用 による 危険 が考えられるが その危険が選定した規格 基準だけでは 十分に考慮されていない 場合 その危害シナリオに対するリスクアセスメントなどの手段で確認することが必要と考えられる 第 2 条第 2 項電気用品は 当該電気用品の安全性を確保するために 形状が正しく設計され 組立てが良好で かつ 動作が円滑であるものとする 例えば 電気用品は 取扱説明書等に従って設置及び操作を行ったとき 意図したとおりに動作する必要があると考えられる また 市販品と組み合わせて使用することを意図している電気用品は その市販品の故障等により 安全性に影響がある動作をしてはならないと考えられる 22

技術基準新省令の主な規定 (2) 設計における安全機能確保 第 3 条第 1 項電気用品は 前条の原則を踏まえ 危険な状態の発生を防止するとともに 発生時における被害を軽減する安全機能を有するよう設計されるものとする 電気用品は 危険な状態にならないように本質的に安全な設計をすることが原則と考えられる 更に 本質的に安全な設計だけでは 安全確保が困難な場合は 安全機能によって被害をより軽減できるようにすることが必要と考えられる 第 3 条第 2 項電気用品は 前項の規定による措置のみによってはその安全性の確保が困難であると認められるときは 当該電気用品の安全性を確保するために必要な情報及び使用上の注意について 当該電気用品又はこれに付属する取扱説明書等への表示又は記載がされるものとする 例えば 使用者側が電気用品を使用する上での注意を守らないと 電気用品の安全機能だけでは 十分にリスクが低減できないとなる可能性がある場合 取扱説明書等にそのリスクに対する注意表示が必要となる 23

技術基準新省令の主な規定 (3) 供用期間中の安全性能維持 / 使用者 場所を考慮した設計 第 4 条電気用品は 当該電気用品に通常想定される供用期間中 安全機能が維持される構造であるものとする 安全機能として使用される部品 材料等には 電気用品の想定される供用期間を考慮した信頼性 ( 耐久性 ) が求められる また 耐久試験等を適用しない部品 材料等は 最終的には故障しても安全状態を維持できるようにしておく必要があると考えられる 例えば 供用期間中に起こり得る接続部の緩み ( きちんと固定できるか また外れてしまった場合であっても危険を最小限とする ) などに対する配慮が必要になると考えられる 第 5 条電気用品は 想定される使用者及び使用される場所を考慮し 人体に危害を及ぼし 又は物件に損傷を与えるおそれがないように設計され 及び必要に応じて適切な表示をされているものとする 例えば 使用者については 子供が親の監視なしに 電気用品を使用する場合の安全性確保を考慮する 特に キャラクタが施された電気用品は 子供が親の監視なしでは接触する可能性が高いと考えられ その場合の火傷 感電 ケガ 小部品の飲み込み等を考慮することが必要となると思われる また 使用場所については 例えば 水及びほこりとの相互作用に注意する 24

技術基準 新通達 ( 技術基準省令の解釈 ) の概要 本通達は 技術基準省令に定める技術的要件を満たすべき技術的内容を 具体的に示したもの 電気用品が複数の機能を有する場合は それぞれの機能に係る解釈を適用 別表第一から別表第十一までと 別表第十二は 各々独立した体系であり 原則 両者を混用してはならない なお 省令に定める技術的要件を満たすべき技術的内容は この解釈に限定されるものではなく 省令に照らして十分な保安水準の確保が達成できる技術的根拠があれば 省令に適合するものと判断する 別表第一別表第二別表第三別表第四別表第五別表第六別表第七別表第八別表第九別表第十別表第十一別表第十二 電線及び電気温床線電線管 フロアダクト及び線樋並びにこれらの附属品ヒューズ配線器具電流制限器小形単相変圧器及び放電灯用安定器小形交流電動機交流用電気機械器具並びに携帯発電機リチウムイオン蓄電池雑音の強さ電気用品に使用される絶縁物の使用温度の上限値国際規格等に準拠した基準 25

技術基準 現行技術基準との差分 (1) 今回の改正は 主に 法体系の 建て付け を変更するものであり 個別の要求事項に大きな変更は無いものの 早急に対応が必要と認められる次のような点を追加 電源コード折り曲げ試験別表第八 (16) 電気髪ごて (46) 電気掃除機 (75) 毛髪乾燥機 ヘアドライヤー使用後に電源コードを本体に巻き付け保管することを続けていたため 内部の電線がショートした事例を踏まえ 折り曲げ試験の条件 ( 屈曲回数 屈曲角度 ) を強化 電動機用コンデンサの保安装置等別表第八 (41) 扇風機 換気扇 別表第十二 (J3000) 長期使用によるコンデンサの劣化が発煙 発火の原因となりえるため 従来 電気洗濯機 エアコン 電気冷蔵庫 冷凍庫で要求していた保安装置 保安機構の規定を 扇風機 換気扇に追加 固定配線との接続用口出し線機構別表第八共通の事項 (2) ン より線 接続に起因する事故防止のため 従来 浴室用電気乾燥機で要求していた端子接続化を 口出し線を有する定格電流 10A 以上の製品全てに拡大 26

技術基準 現行技術基準との差分 (2) 電熱器具の電力調整用ダイオード 別表第八共通の事項 (2) イイ 別表第十二 (J3000) 強弱切替用に並列接続していたダイオードが過熱した事例を踏まえ 従来 電気ストーブでは 一方のダイオードが切り離された状態でも耐えることができる定格電流とし ダイオードは同一仕様であることを要求していたが これを電力調整用にダイオードを並列接続する電熱器具全てに拡大 内部配線の屈曲耐久性別表第八 (1) 電気ストーブ (41) 扇風機 (42) 電気冷房機 (50) 冷蔵庫 冷凍庫 (68) 電気マッサージ器 (71) 自動販売機 電気ストーブの首振り部などの可動部に使用される内部配線の屈曲耐久性試験については 従来 共通事項として試験条件 ( 屈曲回数 ) を一律に定めていたが 国際規格との整合性等を鑑み 個別に屈曲回数を設定 電気床暖房の耐久性試験別表第八 (33) 電熱ボード 電熱シートおよび電熱マット 従来の電気床暖房用の電熱シートの耐久性試験では 自己温度制御機能を有するPTCヒーターを使用した製品を適切に評価できない可能性があるため PTC ヒーターの特性を考慮した試験方法を追加 27

施行規則 技術基準省令改正にともなう形式的改正 第 14 条 : 法 9 条に基づく検査方法に係る記述の見直し 特定電気用品の検査方法について 今回の改正にあわせて記述を見直し より明確なものとした 第 19 条 : 検査機関の登録区分を従来の 18 区分から 10 区分に整理 特定電気用品の検査を行う機関の登録区分については 従来 1 項基準 2 項基準の区別を設定していたが 今回 技術基準省令における区別が無くなったことに伴い 登録区分を整理 別表第二 : 差込みプラグ類の形状 寸法を規定する 別表第 2 の 1 を新設 配線器具のうち 差込みプラグ 及び 1 コンセント ~ 6 その他の差込み接続器 では 型式区分の要素 極の配置 及び 極の数 について 技術基準省令における形状 寸法 図面類引用していたところ 今回 これらの形状 寸法 図面類が通達に移行したことにともない これらを規定する 別表第二の 1a 及び 別表第二の 1b を新設 別表第三 : 個別試験に係る省令引用箇所 及び 又はこれと同等以上の方法による 旨の記述を削除 性能規定化にともない 個別試験方法の引用は行わないこととした また技術基準に適合する方法には 同等以上と判断される方法が内包される 28

今回の改正のまとめ 今回の改正は 主として 技術基準において自由度を高め 新しい技術や新商品への対応を迅速に行えることを可能とするため 技術基準の性能規定化を行うもの 事業者において 性能規定化の成果を享受するためには 従来の 仕様規格さえ守っていれば安全 という意識から 今後は 本質的に求められている安全性能は 自社製品に当てはめた場合何なのか という意識を高めていくことが基本となる また 新製品の開発にあたっては充分なリスクアセスメントを実施することや 既存製品であっても事故等の問題が起きた場合の再発防止策を安全原則に基づき検討するなど 安全性確保のためには 自己責任の重要性が ますます高まっていくことになる 29

今後の予定 1 JIS など公的規格の整備 技術基準適合性評価の基盤として 整合規格として扱われる JIS などの公的規格の整備を 平成 28 年度末完了を目指し推進 2 是認スキームの構築 JIS などの公的規格が 技術基準を満足するものであることを確認するための是認スキームの構築 整備 3 安全 4 項目の追加 追加安全 4 項目 ( 光 音響による危害の防止 組み込みソフトウエアの安全性 電磁放射の制限 生物学的ハザード ) の検討 4 電気用品区分の大括り化 電気用品区分を大幅に簡略化することにより 新製品へのスムーズな対応を可能とすると共に 電気用品の安全確保を一層高めることに資する 30

今後の予定 1 JIS など公的規格の整備 整合規格として扱われる規格は 主に民間が作成する予定であり 平成 24 年度より 日本規格協会において 整合規格として必要な規格の把握や整備計画の進捗管理等を実施中 整合規格は 原則 電安法の技術基準を満たすと見なされる JIS 又は民間規格等の公的な規格を引用することとなるが 電安法が求めている安全要求が含まれていない場合は 追加要求を付加したものとなる なお 電安法固有の要求や 事故対応による緊急性のあるものなど民間規格等の公的な規格では対応できないものは 国が整備する予定 今後は 以上のような電安法技術基準省令全体をカバーする整合規格体系の整備を 平成 28 年度中の完了を目指し進めていく H25 年度 H26 年度 H27 年度 H28 年度 H29 年度 H30 年度以降 従来の技術基準をベースとしたもの JIS 等公的規格を整合規格として活用 31

今後の予定 2 是認スキームの構築 整合規格を体系化していくためには 民間や国などが制定する規格について 規格原案が電安法の技術基準を満足した規格となっていることを確認するための技術審査を実施する仕組 ( 是認スキーム ) の構築 整備が必要 規格原案調整 112 条 JIS ( 各工業会 ) 整合規格としての是認手続き 2 民間基準 ( 電波雑音等 ) 調整会議 整合規格の技術審査 整合規格の是認 311 条 JIS ( 国 ) 整合規格の公開 4 電気用品安全法独自 ( 国 ) 是認スキームの仮のイメージ 32

今後の予定 3 安全 4 項目の追加 将来の技術基準階層化において ISO/IEC ガイド 51 や IEC ガイド 104 の要求に対して不足している 4 項目 ( 次の下線部 ) を追加する改正を予定 1 電気用品から発せられる電磁波 光 音響等による危害の防止 2 組み込みソフトウェアの安全性 3 電磁的妨害に対する耐性及び放射の制限 4 化学的及び生物学的ハザード 追加を検討中の 4 項目は これまでの技術基準省令に対して ISO/IEC ガイド 51 及び IEC ガイド 104 の要求に照らしてレビューした結果 導き出したもの 他方 最新の国際基準 (IEC 規格 ) は IEC ガイド 104 に従い順次改正されてきているため 技術基準省令の追加改正と JIS 等公的な規格の整備作業と整合していることから 将来の階層化における作業上の支障とはならないものと考えられる 33

今後の予定 4 電気用品区分の大括り化 (1) 現在 大括り化について関係団体の協力を得て検討を進めているところ その方向性は以下のとおり 特定電気用品 (116 品目 ) 法律で特に危険の多いものとして規定されていることから 従来どおり限定列挙方式とする 特定電気用品以外の電気用品 部品類 (70 品目 ) は 新規開発製品の頻度が少なく 現行ルールでも合理的な対応可能なことから 現行のままとする 電気用品類 (271 品目 ) は 一般消費者が購入しコンセントに差込んで使用するもので 新製品が逐次投入され 技術の進歩が速いことから 品目を大括り化する 電熱器具電動力応用機械器具光源及び光源応用機械器具電子応用機械器具交流用電気機械器具 大括り化 電気機械器具 34

今後の予定 4 電気用品区分の大括り化 (2) 具体的には 施行令別表第二 及び 施行規則別表第一 について 次のような大括り化を検討中 施行令別表第二 7. 電熱器具であって 次に掲げるもの... 8. 電動力応用機械器具であって 次に掲げるもの... 9. 光源及び光源応用機械器具であって 次に掲げるもの... 10. 電子応用機械器具であって 次に掲げるもの... 11. 第 3 号から前号までに掲げるもの以外の交流用電気機械器具であって 次に掲げるもの... 大括り化 電気機械器具 施行規則別表第一 14. 電熱器具 15. 電動力応用機械器具 16. 光源及び光源応用機械器具 17. 電子応用機械器具 18. 交流用電気機械器具 大括り化 電気機械器具 35

今後の予定 4 電気用品区分の大括り化 (3) 新しい大分類 電気機械器具 に含まれる電気用品については 近年の流通実態を踏まえ IEC 規格をベースとする 5 分類の大括り化を検討中 (1) 家庭用及びこれに類する電気機器家庭用及び同等の目的の電気機器であって 100V 以上 300V 以下及び定格周波数が50Hz 又は60Hz のものであって 交流の電路に使用するもの 通常 家庭で使用しない機器でも 店舗 軽工業及び農場において使用し 一般人への危険源となりえる機器も含む (2) 電動工具電動又は磁気駆動工具であって 100V 以上 300V 以下及び定格周波数が50Hz 又は60Hzのものであって 交流の電路に使用するもの (3) ランプ及び照明器具白熱電球 蛍光ランプ LEDランプ等のランプ及び照明器具 ( セミルミネアを含む ) であって 100V 以上 300V 以下及び定格周波数が50Hz 又は60Hzのものであって 交流の電路に使用するもの (4) 電子及び情報技術機器オーディオ ビデオ及び関連の信号を受信 発生 記録又は再生することを意図して設計された電子機器及びこれらの機器と組み合わせて用いるように設計された機器並びに事務機器 情報技術機器であって 100V 以上 300V 以下及び定格周波数が50Hz 又は60Hzのものであって 交流の電路に使用するもの (5) その他の交流用電気機械器具 (1) から (4) 以外の交流用電気機械器具であって 100V 以上 300V 以下及び定格周波数が50Hz 又は 60Hzのものであって 交流の電路に使用するもの なお 大括り化の検討結果によっては 従来対象外のものが規制対象となる場合や その逆の場合が出てくる可能性がある 36

ご清聴いただき ありがとうございました 最新情報については 次のHPを参照ください ( 電気用品安全法のページ ) http://www.meti.go.jp/ policy/consumer/seian/denan/ 37