戸籍制度に関する研究会資料 13 マイナンバー制度における個人情報保護と戸籍制度における個人情報保護 について 1 新システムにおける戸籍情報保護方針の検討 ( 制度面における検討の進め方とシステム面との関係について ) 秘匿性の高い情報を取り扱う戸籍事務にマイナンバー制度を導入するに当たっては,

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( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

社長必見≪ここがポイント≫マイナンバーガイドライン(事業者編)

イ -3 ( 法令等へ抵触するおそれが高い分野の法令遵守 ) サービスの態様に応じて 抵触のおそれが高い法令 ( 業法 税法 著作権法等 ) を特に明示して遵守させること イ -4 ( 公序良俗違反行為の禁止 ) 公序良俗に反する行為を禁止すること イ利用規約等 利用規約 / 契約書 イ -5 (

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

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る場合には, 請求書や戸籍謄本等の作成及びそれぞれの郵送等の作業を要し, 時間と費用を要する点でより非効率と言わざるを得ない (2) 各種手続において戸籍謄本等の提出が求められていること資料 1の1(1) アのとおり, 一般旅券の発行申請や児童扶養手当の受給申請などの各種の公的な手続においては, 申

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ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

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Ⅰ. マイナンバー制度概要 マイナンバー法の厳しい罰則規定 ( 民間企業 個人に係わるもの ) 行為懲役罰金 1 正当な理由がなく マイナンバーファイルを 提供 4 年以下 200 万円以下 2 不正な利益を得る目的で マイナンバーを 提供 盗用 3 年以下 150 万円以下 3 不正アクセス等によ

必要となる教育を行うとともに 実施結果について指定する書面により甲に提出しなければならない 第 10 条乙は 甲がこの特記事項の遵守に必要となる教育を実施するときは これを受けなければならない ( 知り得た情報の保持の義務 ) 第 11 条乙は 本契約の履行に当たり知り得た受託情報を第三者に漏らして

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事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

4 保護管理者は 次の各号に掲げる組織体制を整備する (1) 職員 ( 臨時職員を含む 以下同じ ) がこの訓令に違反している事実又は兆候を把握した場合の保護管理者及び監査責任者への報告連絡体制 (2) 保有個人情報等の漏えい 滅失又は毀損等 ( 以下 情報漏えい等 という ) の事案の発生又は兆候

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1 策定の目的 この手引書は 茅ヶ崎市地域防犯カメラ ( 以下 地域防犯カメラ という ) の設置及び運用について配慮すべき事項を定めることにより 地域防犯カメラの有用性とプライバシー保護等との調和を図り 地域防犯カメラを適切かつ効果的に活用し 茅ヶ崎市の安心して安全に暮らせるまちづくりを推進するこ

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事務ガイドライン ( 第三分冊 )13 指定信用情報機関関係新旧対照表 Ⅰ-2 業務の適切性 現行改正後 ( 案 ) Ⅰ-2 業務の適切性 Ⅰ-2-4 信用情報提供等業務の委託業務の効率化の観点から 内閣総理大臣 ( 金融庁長官 ) の承認を受けて信用情報提供等業務の一部を委託することが可能とされて

第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

表第 1 欄のとおりとする 2 保護管理者は 各課等における保有個人情報を適切に管理する任に当たる ( 保護担当者 ) 第 5 条各課等に 当該各課等の保護管理者が指定する保護担当者を一人置くこととし 別表第 2 欄のとおりとする 2 保護担当者は 保護管理者を補佐し 各課等における保有個人情報の管

特定個人情報取扱規程 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本規程は 岩手県建設業厚生年金基金 ( 以下 当厚生年金基金 という ) における個人番号及び特定個人情報 ( 以下 特定個人情報等 という ) の適正な取扱いを確保するために必要な事項を定めることを目的とする ( 定義 ) 第 2 条本

目 次 第 1 はじめに 2 1 ガイドライン策定の目的 2 2 ガイドラインの対象となる防犯カメラ 2 3 防犯カメラで撮影された個人の画像の性格 2 第 2 防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項 3 1 設置目的の設定と目的外利用の禁止 3 2 設置場所 撮影範囲 照明設備 3 3

1 ガイドライン策定の目的防犯カメラについては テレビや新聞で報道されているように 犯罪の解決や犯罪の抑止につながることなど その効果は社会的に認められており さまざまな施設に防犯カメラが設置されております しかし その効果が認知される一方で 防犯カメラにより個人のプライバシーなどの人権が侵害される

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公益財団法人岩手県南技術研究センター特定個人情報取扱規程 平成 28 年 4 月 1 日制定 規程第 14 号 第 1 章目的等 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 公益財団法人岩手県南技術研究センター ( 以下 センター という ) が 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関す

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平成 30 年度新潟県自殺対策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務委託契約書 ( 案 ) 新潟県 ( 以下 甲 という ) と ( 以下 乙 という ) とは 平成 30 年度新潟県自殺対 策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務について 次の条項により委託契約を締結する ( 目的 ) 第 1 条

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Ⅰ はじめに 1 ガイドラインを策定する目的 大阪市は 政令指定都市の中でも街頭犯罪が多い都市となっており 安全で安心して暮らせるまちづくりのための対策が必要となっています その中で 防犯カメラは 24 時間撮影が可能であることから 犯罪の抑止効果があるとともに 犯罪発生時には容疑者の特定にも役立つ

(2) 情報資産の重要度に応じた適正な保護と有効活用を行うこと (3) 顧客情報資産に関して 当法人の情報資産と同等の適正な管理を行うこと (4) 個人情報保護に関する関係法令 各省庁のガイドライン及び当法人の関連規程を遵守すると共に これらに違反した場合には厳正に対処すること ( 個人情報保護 )

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個人情報保護管理規程 ( 目的 ) 第 1 条本規程は 個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年 5 月 30 日 法律第 57 号 以下 法 という ) 及び 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 ( 平成 25 年 5 月 31 日 法律第 27 号 以下 番

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閣原防第 6 号 原子力防災会議保有個人情報管理規程を次のように定める 平成 24 年 12 月 25 日 原子力防災会議議長野田佳彦 原子力防災会議保有個人情報管理規程 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 原子力防災会議 ( 以下 会議 という ) の保有する個人情報の適切な管理に

Ⅰ バイタルリンク 利用申込書 ( 様式 1-1)( 様式 ) の手続 バイタルリンク を利用する者 ( 以下 システム利用者 という ) は 小松島市医師会長宛に あらかじ め次の手順による手続きが必要になります 新規登録手続の手順 1 <システム利用者 ( 医療 介護事業者 )>

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程の見直しを行わなければならない 1 委託先の選定基準 2 委託契約に盛り込むべき安全管理に関する内容 (2) 個人データの安全管理措置に係る実施体制の整備 1) 実施体制の整備に関する組織的安全管理措置 金融分野における個人情報取扱事業者は ガイドライン第 10 条第 6 項に基づき 個人データの

(3) 利用 保管方法 要介護認定情報等の申出にて発生する厚生労働省 大学内での倫理審査の文書 研究方法のマニュアル等は 研究室で適切に管理する 厚生労働省より提供を受けた要介護認定情報等の保存媒体の保管場所は 研究室の戸棚に保管し 施錠する 要介護認定情報等の利用場所は 研究室のみとする サーバ室

第 1 ガイドライン策定の目的及び対象 1 ガイドライン策定の目的美濃加茂市では犯罪のない安全で安心できる住みよい地域社会を実現するため 平成 21 年 10 月に 美濃加茂市防犯活動推進条例 を施行するとともに 同条例に基づく防犯計画を策定し 市民 事業者及び市が一体となって 犯罪のないまちづくり

本人に対して自身の個人情報が取得されていることを認識させるために 防犯カメラを設置し 撮影した顔画像やそこから得られた顔認証データを防犯目的で利用する際に講じることが望ましい措置の内容を明確化するため 更新しました ( 個人情報 ) Q 防犯目的のために 万引き 窃盗等の犯罪行為や迷惑行

第 1 節本部における管理組織 ( 総括個人情報保護管理者 ) 第 3 条本部に 総括個人情報保護管理者を一人置くこととし 総務部長を持って充てる 2 総括個人情報保護管理者は 理事長を補佐し 本部における保有個人情報の管理に関する規程類の整備 保有個人情報の管理に関する指導監督 教育研修の実施その

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特定個人情報取扱細則 ( 目的 ) 第 1 条この細則は 当組合の個人情報保護方針及び特定個人情報取扱規程 ( 以下 規程 という ) 等に基づき 当組合における特定個人情報の具体的な取扱いを定めたもので 特定個人情報の保護と適正な利用を図ることを目的とする ( 用語の定義 ) 第 2 条この細則で

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第 4 条公共の場所に向けて防犯カメラを設置しようとするもので次に掲げるものは, 規則で定めるところにより, 防犯カメラの設置及び運用に関する基準 ( 以下 設置運用基準 という ) を定めなければならない (1) 市 (2) 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 260 条の2

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2-3. 上記 2-2 以外の利用目的は以下の通りです 利用目的対応する利用者情報の項目 (1) 当社のサービスに関連して 個人を識別できない 端末情報形式に加工した統計データを作成するため ログ情報 Cookie 及び匿名 ID 位置情報 (2) 当社又は第三者の広告の配信又は表示のため 端末情報

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Ⅱ. 防犯カメラの設置及び運用に当たっての留意事項 1 設置の目的防犯カメラの設置者は 犯罪 又は事故を防止するなどの目的を明確にし その目的を逸脱した運用を行わないようにしてください 2 撮影の範囲と設置場所防犯カメラで撮影された映像は その取扱いによっては 撮影された個人のプライバシーを侵害する

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拍, 血圧等 ) を, ユーザー本人または当社の提携先からと提携先などとの間でなされたユーザーの個人情報を含む取引記録や, 決済に関する情報を当社の提携先 ( 情報提供元, 広告主, 広告配信先などを含みます 以下, 提携先 といいます ) などから収集することがあります 4. 当社は, ユーザーが

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個人情報保護に関する規定 ( 規定第 98 号 ) 第 1 章 総則 ( 目的 ) 第 1 条学校法人トヨタ学園および豊田工業大学 ( 以下, 総称して本学という ) は, 個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 57 号, 以下, 法律という ) に定める個人情報取り扱い事業者 (

制定 : 平成 24 年 5 月 30 日平成 23 年度第 4 回理事会決議施行 : 平成 24 年 6 月 1 日 個人情報管理規程 ( 定款第 65 条第 2 項 ) 制定平成 24 年 5 月 30 日 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 定款第 66 条第 2 項の規定に基づき 公益社団法

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マイナンバー制度における個人情報保護と戸籍制度における個人情報保護 について 1 新システムにおける戸籍情報保護方針の検討 ( 制度面における検討の進め方とシステム面との関係について ) 秘匿性の高い情報を取り扱う戸籍事務にマイナンバー制度を導入するに当たっては, 制度面 ( 個人情報保護措置 ) 及びシステム面 ( 情報セキュリティ対策 ) の観点から, 戸籍情報保護方針を定める必要がある そこで, 戸籍情報保護方針の検討における本研究会とシステムワーキンググループでの論点を整理する必要がある その上で, まずは, 戸籍制度とマイナンバー制度における個人情報保護措置についての適合性に係る検討を行う 一方, システム面では, 個人情報保護の観点からの戸籍情報保持形態の比較評価を行うとともに, 制度的な観点からも戸籍情報保持形態の比較検討を行い, 最適な保持形態を決定することとなる また, 上記の比較評価の検討を踏まえ, 制度的な観点から, 特定個人情報としての戸籍情報の取扱いの考え方 ( 戸籍情報をどのように入手, 使用, 保管するのか, どこに提供するのか等 ) について検討を行い, これを踏まえてシステム的な保護措置を検討することとなる 2 現行の戸籍法と個人情報保護法制との関係について現行の戸籍法制上, 既に様々な個人情報保護の方策がとられている ( 第 2 回研究会参考資料 4 戸籍法制上の個人情報保護措置 参照 ( 注 1)) 秘匿性の高い個人情報である戸籍情報を取り扱う戸籍事務にマイナンバー制度を導入するに当たっては, こうした方策に加え, 現行の番号法上の個人情報保護措置 ( 第 2 回研究会参考資料 2 16ページ参照 ( 注 2)) について検討し, これらの制度上の差異を整理した上で, 戸籍情報保護方針を定める必要がある ( 注 1) 戸籍法制上の個人情報保護措置 ( 第 2 回研究会参考資料 4) 1 戸籍の記録の保全及び保護に関する取扱い戸籍の記録の保全及び保護に必要な措置については, 次のとおり取り扱われている ( 平成 6 年 11 月 16 日法務省民二第 7000 号民事局通達の第 1) (1) 情報漏洩を防止するための措置 - 1 -

戸籍事務を電子情報処理組織によって取り扱う場合, 市区町村長は, 磁気ディスクをもって調製された戸籍及び除かれた戸籍の滅失及びき損並びにこれらに記録されている事項の漏えいを防止するために必要な措置を講じなければならないこととされている (2) 必要な措置の具体的内容戸籍事務を電子情報処理組織によって取り扱う市区町村長が講ずべき戸籍情報の保全及び保護に必要な措置の具体的内容については, 次のアからクに掲げられた事項を実施しなければならないこととされている ア管理体制戸籍事務を電子情報処理組織によって取り扱う市区町村長は, 戸籍情報を適切に管理するために, 管理責任者, 事務担当者, 事務担当者の担当事務の範囲等及びその権限と責任の所在を明確にしておかなければならないこととされている イ研修等職員の誤操作による戸籍データのき損を防止するために, 職員に対し, 戸籍データの重要性及びプライバシー保護に関する意識の高揚を図るとともに, 電子情報処理組織の操作方法の周知徹底を図るため, 事故発生時のマニュアルをあらかじめ作成し, 職員に周知することとされている ウ戸籍データ等の管理磁気記録及びプログラムを適切に管理することとされ, 例えば, 保護管理者は, 定期的に又は随時, 磁気記録及びプログラムの異状の有無を点検しなければならないこととされている 媒体及び出力帳票の管理については, 保護管理者は, 記録媒体及び出力帳票の保管を適正に行うため, これらの授受及び保管の記録, 保管場所の指定, 廃棄の方法等について必要な措置を講じなければならないとされ, 磁気テープ及び出力帳票の廃棄については, 特に確実に行う必要があるとされている エドキュメントの管理ドキュメントは, 施錠のできる保管場所に保管することとされ, 保護管理者は, ドキュメントの保管を適正に行うため, その保管場所の指定, 廃棄の方法等について必要な措置を講じなければならず, ドキュメントを複写し, 又は持ち出すときは, 保護管理者の承認を得なければならないとされている オパスワード等の管理戸籍情報システムは, 戸籍記録を保全し, その漏えいを防止するため, 事前に登録されたパスワード, 識別カード等によって, 端末装置の操作者が正当な権限を有する者であることを確認した上でなければ, 端末装置の操作をすることができない機能を有するものとするとされ, 戸籍事務を処理する電子情報処理組織では, 端末装置の操作者を確認するために事前に登録されたパスワード, 識別カード等を使用しなければならないこととされている カ機器等の管理コンピュータ, 磁気ディスク等については, 障害, 盗難, 戸籍情報の漏えい等を防止するため, 独立した電子計算機等を設けるなどして適切な設置及び管理をすることとされている 端末装置の設置については, その操作画面及び処理内容が第三者に知られることがないようにしなければならず, 第三者の事務室内への立入りの場合も想定して, 端末装置の設置に配慮しなければならないこととされている - 2 -

キ保管施設の管理及び保安コンピュータ等の設置施設及び戸籍データの保管施設は, 通常, 独立した電子計算機室等を指し, 独立した電子計算機室を設けない場合には, 部外者の立入りを排除, 制限する措置を採り, コンピュータ等に部外者が接近できないような措置をとらなければならないこととされている また, 防火, 地震対策, 水害対策等, コンピュータ等の保全に万全を期さなければならないこととされている ク事故発生後の措置事故が発生した場合には, 事故の経緯, 被害の状況等を調査し, 復旧のため必要な措置を講じなければならないこととされ, 万一, 事故により戸籍の記録が滅失したときは, 遅滞なく管轄法務局若しくは地方法務局又はその支局に申報しなければならないこととされている (3) 戸籍情報システムが有している機能戸籍情報システムは, 戸籍データを保護するため, 一連の戸籍事務処理の手順を経なければ, 戸籍記録の変更, 追加, 又は削除をすることができない機能, 戸籍記録において変更, 追加又は削除をした場合は, その旨の記録とともに, 従前の記録をも保存する機能, パスワード, 識別カード等によって, 端末装置の操作者が正当な権限を有する者であることを確認した上でなければ, 端末装置の操作をすることができない機能, 他の事務を処理する電子情報処理組織から戸籍記録に直接アクセスことができない機能及びシステムに接続された電気通信回線を通じて戸籍記録が第三者に知られることを防止するための回線を制御する機能を有している 2 戸籍の公開制度と罰則規定平成 20 年に施行された戸籍法の一部改正により, 第三者が戸籍謄本等の交付請求を行う場合は, 法律に定める要件を満たす場合に制限され ( 戸籍法第 10 条の 2), 交付請求の際に市区町村の窓口に出頭した者等の本人確認を行い ( 同第 10 条の 3 第 1 項 ), 窓口に出頭した者が請求者と異なる場合は代理権限等の確認を行うこととされている ( 同条第 2 項 ) そして, 偽りその他不正の手段により戸籍謄本等又は除籍等本当の交付を受けた者に対する過料の制裁を強化し,30 万円以下の罰金に処することとされている ( 同第 133 条 ) 3 守秘義務戸籍事務を処理している市区町村の職員は, 職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないとされており ( 地方公務員法第 34 条第 1 項 ), これに違反する行為がある場合には, 懲戒処分の対象となるほか, 処罰の対象とされている ( 同法第 29 条第 1 項第 2 号, 第 60 条第 2 号 ) ( 注 2) 番号制度上の個人情報保護措置 ( 第 2 回研究会参考資料 2 16 ページ参照 ) 番号法上, 制度面における保護措置として 1 番号法の規定によるものを除き, 特定個人情報の収集 保管, 特定個人情報ファイルの作成を禁止 ( 番号法第 20 条, 第 28 条 ),2 特定個人情報保護委員会による監視 監督 ( 番号法第 50 条から第 52 条まで ),3 特定個人情報保護評価 ( 番号法第 26 条, 第 27 条 ),4 罰則の強化 ( 番号法第 67 条から第 77 条まで ),5 マイナポータルによる情報提供等記録の確認 ( 番号法附則第 6 条第 5 項 ) 等の措置が講じられている また, システム面における保護措置として,1 個人情報を一元的に管理せずに, 分散管理を実施,2 個人番号を直接用いず, 符号を用いた情報連携を実施,3 アクセス制御により, アクセスできる人の制限 管理を実施,4 通信の暗号化を実施することなどの措置が講じら - 3 -

れている 3 現行の戸籍法制とマイナンバー制度上の個人情報保護措置との関係での論点について戸籍情報保護方針を検討する上で, まずは現行の戸籍法制とマイナンバー制度上の個人情報保護措置との関係を整理する必要がある ここでは, 以下の論点が問題となり得るが, この点について, どのように考えるか また, これら論点以外に, 制度上検討すべき論点はあるか 問題となり得る論点 (1) 情報提供ネットワークシステムを利用した公用請求に係る情報提供等の記録の不開示可否の整理戸籍法上, 国及び地方公共団体を含む第三者が戸籍謄本等の交付請求を行うことができる場合は, 法律に定める要件を満たす場合に制限し ( 法第 10 条の2), 本人確認及び請求の任に当たっている者の権限確認を行っており, 個人情報保護措置の一つと位置付けられる 他方, マイナンバー制度においては, 国や地方公共団体が, 情報提供ネットワークシステムを利用して特定個人情報に係る情報連携を行った場合には, 情報提供等の記録が保存され, マイナポータルにおいて, 本人は, 当該情報提供等の記録について確認することができるとされている そこで, 戸籍事務にマイナンバー制度を導入するに当たっては, マイナンバー制度における上記措置の戸籍事務への適用が問題となる (2) 法第 126 条における戸籍情報提供と番号法第 19 条の整理統計の作成又は学術研究を目的として, 公益性が高く, 目的を達成するために戸籍情報を利用する必要があると認められる場合には, 法第 126 条に基づき, 必要な限度でこれらの情報を提供することができる 他方, マイナンバー制度では, 番号法第 19 条において特定個人情報を提供することができる場合が限定されている そこで, 法第 126 条に基づく取扱いについて, マイナンバーを含めた特定個人情報の提供が必要となる場合において, 情報の提供が可能となる余地があるか否かが問題となる - 4 -

4 その他 ( システムワーキンググループにおける議論 ) について第 7 回システムワーキンググループにおいては, 主としてシステム面からの戸籍情報保護方針に係る検討の進め方について確認の上, 保護すべき情報及び想定されるリスクの整理に当たって持つべき視点, 考え方等について検討を行った - 5 -