1 年電子機械科実習テキスト 旋盤作業 ( 段付き丸棒の製作 ) 2 研摩機 ( 写真 2) で切断した丸棒のバリ取りをする 1. 目的 (1) 外周丸削り 端面削り作業を通して 旋盤の基本的な取扱いや操作方法を習得する (2) 段削り作業を通して 作業の手順について理解を深め 旋盤の要素作業を習得する (3) 基礎的な工作測定の仕方を習得する (4) 旋盤作業における安全作業を習得する 図 2 準備する工作物 ( 直径 32mm 長さ 85mm の鉄の丸棒 ) 図 1 段付き丸棒の完成図面 2. 準備物 (1) 工作物直径 32mm 長さ85mmの鉄の丸棒 ( 図 2 参照 ) (2) 使用工具旋盤付属工具 ( ボックススパナ 敷金 ) 片刃バイト 真剣バイト センタードリル (3) 測定器具ノギス スケール (4) 治具等口金 ドリルチャック 回転センター プラハンマー 切削油 写真 1 カットグラインダー写真 2 研摩機 (2) バイトの取り付け... 1 片刃バイト 真剣バイト センタードリルをしっかり取りつける 片刃バイト 真剣バイトはセンターと同じ高さに調節する 片刃バイトは少しだけ左へ傾くように刃物台を取り付けても良い 3 作業手順 (1) 材料の切り出し 1 直径 32mmの鉄の丸棒 ( 図 2 参照 ) をカットグラインダー ( 写真 1 参照 ) で長さ85mmに切断する 1 2
(3) 材料の取り付け 1 材料の全長をノギスで測定する 削り代の見当をつける... 2チャックに材料をしっかり取りつける ( 図 3 参照 ) 端面がチャックから30mm 程度出るように取りつける (4) 端面削り ( 図 4 参照 ) 1 回転数を560rpmにセットする 2 片刃バイトの先端の材料の端面に軽く当てて 横送りのゼロ点合わせをする 3 片刃バイトの先端を材料の端面 外周から中心へ向かって切り込ませる 切り込みは手送りで少しずつ横に送って 切り込み量は0.1~0.2mm 程度とする 図 3 チャックの取り付け 図 4 端面削り 3 4
(5) センターもみ ( 図 5 参照 ) 1 刃物台を手前に引いておく 2 回転数を560rpmにセットする 3センタードリルはテーパ部の1/2まで切り込む 4 切削油を使用し 切削はドリルの出し入れを繰り返して行い 切り屑を出しながら行う (6) 材料の全長仕上げ ( 図 6 参照 ) 1 材料をチャックから取り外し 材料の全長をノギスで測定してみる 仕上げ全長は80mmなので残りの削り代を算出する 2(4) の同じ要領で反対側の端面削りを行い 全長が80mmになるように仕上げる 図 5 センターもみ 図 6 材料の全長仕上げ 5 6
(7) 外周の荒削り ( 図 7 参照 ) 1 片刃バイトの先端を材料の外周に軽く当てて 縦送りをゼロ点合わせする 2 切り込み深さの調整をする 切り込み深さは目盛で0.1mmまたは0.2mmで削る ただし 材料は切り込まれた深さの倍の量だけ削り落とされることを理解すること 3 材料を直径 31mmまで外周を荒削りする 4 回転数は560rpmにセットする 5 切削油を使用する (8) 外周の仕上げ ( 図 8 参照 ) 1ノギスで外周を測定し 外周の仕上げ寸法 ( 直径 30mm) までの残り削り代を算出する 2 切り込み深さを0.1mm 以内で調整して 直径 30mmに仕上げる 3 回転数は560rpmにセットする 図 8 外周の仕上げ 図 7 外周の荒削り 7 8
(9) 反対側の外周の荒削り ( 図 9 参照 ) 1(7) の要領で反対側の外周の荒削りを行う 2 チャックに材料の 35mm 程度かませて しっかり固定する (10) 反対側の外周の仕上げ ( 図 10 参照 ) 1(8) の要領で反対側の外周の仕上げを行う 図 10 反対側の外周の仕上げ 図 9 反対側の外周の荒削り 9 10
(11) 段削り ( 直径 23mm 長さ20mm) の荒削り ( 図 11 参照 ) 1 片刃バイトの先端を端面に軽く当てて 横送りをゼロ点合わせする 2 片刃バイトの先端を外周に軽く当てて 縦送りをゼロ点合わせする 3 切り込み深さを0.1mmに合わせて外周の荒削りを行う 回転数は560rpmにセットする 横送りは長さが20mmまで削るように目盛を見ながら送る 4 直径を24mmまで荒削りする (12) 段削り ( 直径 23mm 長さ20mm) の仕上げ ( 図 12 参照 ) 1ノギスで外周を測定し 外周の仕上げ寸法 ( 直径 23mm) までの残り削り代を算出する 2 切り込み深さを0.1mm 以内で調整して 直径 23mmに仕上げる 3 回転数は560rpmにセットする 図 12 段削り ( 直径 23mm 長さ 20mm) の仕上げ 図 11 段削り ( 直径 23mm 長さ 20mm) の荒削り 11 12
(13) 面取り切削 ( 図 13 図 14 参照 ) 1 真剣バイトを使用して面取りを行う 切り込み深さは 0.5mm 程度とする (14) 段削り ( 直径 25mm 長さ50mm) の荒削り ( 図 15 参照 ) 1 片刃バイトの先端を端面に軽く当てて 横送りをゼロ点合わせする 2 片刃バイトの先端を外周に軽く当てて 縦送りをゼロ点合わせする 3 切り込み深さを0.1mmに合わせて外周の荒削りを行う 回転数は560rpmにセットする 横送りは長さが50mmまで削るように目盛を見ながら送る 4 直径を26mmまで荒削りする 図 13 面取り切削 図 15 段削り ( 直径 25mm 長さ 50mm) の荒削り 図 14 面取り切削 13 14
(15) 段削り ( 直径 25mm 長さ50mm) の仕上げ ( 図 16 参照 ) 1ノギスで外周を測定し 外周の仕上げ寸法 ( 直径 25mm) までの残り削り代を算出する 2 切り込み深さを0.1mm 以内で調整して 直径 25mmに仕上げる 3 回転数は560rpmにセットする (16) 段削り ( 直径 20mm 長さ20mm) の荒削り ( 図 17 参照 ) 1 片刃バイトの先端を端面に軽く当てて 横送りをゼロ点合わせする 2 片刃バイトの先端を外周に軽く当てて 縦送りをゼロ点合わせする 3 切り込み深さを0.1mmに合わせて外周の荒削りを行う 回転数は560rpmにセットする 横送りは長さが20mmまで削るように目盛を見ながら送る 4 直径を21mmまで荒削りする 図 16 段削り ( 直径 25mm 長さ 50mm) の仕上げ 図 17 段削り ( 直径 20mm 長さ 20mm) の荒削り 15 16
(17) 段削り ( 直径 20mm 長さ20mm) の仕上げ ( 図 18 参照 ) 1ノギスで外周を測定し 外周の仕上げ寸法 ( 直径 20mm) までの残り削り代を算出する 2 切り込み深さを0.1mm 以内で調整して 直径 20mmに仕上げる 3 回転数は560rpmにセットする (18) 面取り切削 ( 図 19 図 20 図 21 参照 ) 1 真剣バイトを使用して面取りを行う 切り込み深さは 0.5mm 程度とする 図 19 面取り切削 図 18 段削り ( 直径 20mm 長さ 20mm) の仕上げ 図 20 面取り切削 17 18
図 21 面取り切削 (19) 段付き丸棒の完成 ( 図 1 参照 ) (20) 製作した段付き丸棒の端面に出席番号の刻印を打ち 所定場所へ提出する (21) 旋盤の清掃と手入れ ( 別紙参照 ) (22) 製作した段付き丸棒の各部の寸法をノギスで測定し 評価表に記入しレポー トに添付して提出する 4 報告書 ( レポート ) について (1) 感想を15 行以上にまとめる (2) ノギス マイクロメーターの課題プリントを添付する (3) 報告書の表紙をつけて 指定された期日までに担当の先生まで提出する 報告書に誤りがあり指導を受けた場合は 速やかに訂正して再提出する 19 20