半減期 Half life T 1/2 (t / T1/2 ) N = No x (1/2) 崩壊定数 λ No N 1 秒間に原子核が崩壊する割合 dn/dt = -λn N = No e -λt No/2 No/4 No/2 = No e -λt1/2 1/2 = e -λt1/2 T1/2 2T1/2 t Log(1/2) = Log (e -λt1/2 ) Log2 = 0.693 = λt1/2
平成 15 年 3 月国家試験問題解答 2
N=Noexp( -λt) ( exp(x)= e x ) dn/dt = No ( -λ )exp ( -λt)) (e ax ) = ae ax したがって dn/dt = -λn ( 1 秒で変化する RI の数 = -1 x 崩壊定数 (1 秒で RI が減る割合 ) x RI の数 ) ( 崩壊定数自体は正の数なので -1 をかけて 減る割合を示している ) t が T1/2 のときには ( 半減期 ) RI の数は初めの No から No/2 に減っているので No/2 = No exp ( ー λt1/2 ) 1/2 = exp ( ー λt1/2 ) 両辺ともに対数にすると Log(1/2) = ー Log2 = ー λt1/2 Log2 = 0.693 =λt1/2 λ と T1/2 は反比例
RIA (Radio Immuno Assay) 放射免疫分析法 ホルモン 抗原などの血液中微量タンパク質の量を測定する方法 測定するタンパク質と同一の物質に RI 標識した物と 測定するタンパク質と結合する抗体を それぞれ一定量用意する その中に患者血液を入れて 目的とするタンパク質を定量する方法 RIA には 125 I が頻用される EC 核種なので 定量に適する一定エネルギーの KX 線が出る 測定 保存に適する半減期 (60 日 ) I ( ヨード ) は タンパク質と結合しやすい
RIA (Radio Immuno Assay) 放射免疫分析法 ホルモン 抗原などの血液中微量タンパク質の 量を測定する方法 測定するタンパク質と同一の物質に 125 I で RI 標 識した物と 測定するタンパク質と結合する抗体を それぞれ 一定量用意する その中に患者血液を入れて 目的とするタンパ ク質を定量する方法
RIA 検査 とはどんな検査 抗原抗体反応 ( 特定の決まったものどうしが反応する ) を放射性物質に応用して 血液によって 内分泌腺て ( ホルモン ) 等の異常を知る検査です ホルモンは 非常に微量な量でも人体に大きく作用し 身体のいろいろな諸器官の調整を行っています そしてホルモンは 微量なるがために非常に測定しにくいものでした 1959 年放射性物質を用いた測定法をバーソンとヤローによって見いだされ この発見については ノーベル賞を受けました こうした原理は RIA 検査として応用され ホルモンの異常発見のために役だっています
放射免疫測定法 (RIA Radio immuno assay) 利点 採血のみで検査が行える 内分泌腺などの異常の早期発見に役立つ 欠点 放射性物質を用いるため 使用にあたっては 特殊な施設 放射線管理などが必要である 一般に他の検体検査 ( 血液検査など ) に比べ 保険点数が高い ( 検査費用が高くなる )
RIA 法の検査例シフラ ( 肺癌の血液検査 )
放射性同位元素 (RI) を用いた検査 In vivo 検査 ( 患者に RI を投与して行う検査 ) In vitro 検査 ( 患者から採取した血液等に RI を投与して行う検査 )
デジタルラジオグラフィ = Computed Radiography = CR
SPECT 装置 Single photon emission CT (computed tomography) PET 装置 Positron Emission CT
PETカメラは コリメータがないので高感度
18F-FDG PET 6mCi 撮像 10 分
平成 14 年 3 月国家試験問題解答 4
放射線の電離作用を利用した測定器 種類 荷電粒子が 空気中を通過するときに空気の電離が 生じる現象を利用して放射能を測定する装置 ベータ線 ガンマ線の測定に用いる ベータ線の測定効率は 100% ガンマ線の測定効率は 1~2% 主にベータ線の測定に用いる ガイガーミュラー (GM) 測定器 比例計数管 電離箱
放射線測定 電離箱 荷電粒子が 空気中を通過するときに空気の電離が 生じる現象を利用して放射能を測定する装置 ベータ線 ガンマ線の測定に用いる シンチレータ 荷電粒子が 蛍光物質中を通過するときに発光する現象を シンチレーションという その蛍光物質を シンチレータという NaI などが頻用される 液体のシンチレータもある 放射線がシンチレータに入ると 荷電粒子が発生し発光する 光電子増倍管で 発光量を測定して放射能を定量する
GM 管サーベイメータ
比例計数管カウンタ ( 空間線量計 )
熱ルミネッセンス線量計 ( TLD ) 加熱すると 被ばく線量に比例した量の光を 発光する素子 LiF,CaSO4 など フィルムバッジに用いられている
シンチレータ 荷電粒子が 蛍光物質中を通過するときに発光する現象を シンチレーションという その蛍光物質を シンチレータという NaI などが頻用される 放射線がシンチレータに入ると 荷電粒子が発生し発光する 光電子増倍管で 発光量を測定して放射能を定量する ウェル型 ( 井戸型 ) シンチレータ
液体シンチレーションカウンタシンカウンタ β 線測定器 主に 14 C 3 H の β 線測定 資料を液体シンチレータに入れて測定する ウェル型シンチレーションカウンタションカウンタ NaI 結晶を 井戸型にしたシンチレータ γ 線 KX 線の測定に頻用される
3 H 14 C は β 線だけを放出
3 H 14 C は β 線だけを放出
3. 軌道電子捕獲 EC (electron capture) 原子核が K 殻 ( 原子核に最も近い電子軌道 ) の電子を 取り込んで崩壊 A Z X = A Z-1 核内の変化は Y + ν p + e n + ν 空いた K 殻に外側 (L 殻 ) の電子が落ちる K 核電子の方が エネルギーが低いので L 殻電子が移動の際に X 線 ( 特性 X 線 K-X 線 ) を放出する エネルギーが一定の特殊な X 線である 例 125 I = 125 Te + ν + KX ( 半減期 60 日 ) その他の EC 核種 123 I ( 半減期 13 時間 ) 67 Ga (3.2 日 ) 51 Cr (28 日 ) 核医学検査 RIA に利用されている
平成 13 年 3 月 国家試験問題
平成 21 年 2 月国家試験問題解答 5
99m γ 線 (IT) Tc 6 時間 3 β 線 H 12 年 81m Kr 13 秒 14 C 5700 年 40 K 13 億年 陽電子線 11 C 20 分 59 Fe 45 日 (β + 15 β ) O 2 分 131 I 8 日 18 F 110 分 60 Co 5 年 α 線 226 Ra 1600 年 X 線 (EC) 51 Cr 28 日 67 Ga 3.2 日 123 I 13 時間 125 I 60 日
平成 21 年 2 月国家試験問題解答 1 2
放射線障害予防規程 放射線障害防止法 第 21 条放射性同位元素取扱期間中は, 作業従事者は3カ月をこえない期間ごとに, 管理区域随時立入者は6カ月をこえない期間ごとに健康診断をうけるものとする 第 22 条健康診断は, 皮ふ 眼の診察 および末梢血液中の白血球 赤血球の数量 血球素量, 末しょう血液像とする 第 23 条放射性同位元素を誤つて飲み込んだとき 最大許容被爆線量をこえて放射線に被爆したとき, その他放射線障害を受けたおそれのあるときは直ちに健康診断をうけるものとする とする
線量 - 効果関係 しきい値のある障害 ( 非確率的影響 ) 非確率的影響は 細胞死によって生じる 細胞死が多量に生じない線量では 生存している細胞が組織や臓器の機能を代償し 症状として現れない
非確率的影響は しきい値以下の被曝線量であれば障害 ( 症状 ) は発生しない 例 : 白内障 ( 水晶体上皮細胞の損傷 繊維化 ) 皮膚 生殖細胞 骨髄細胞の損傷など
各組織の幹細胞は分裂を繰り返し 分化度の高い機能細胞になる 組織や臓器の機能を担っている機能細胞は 細胞分裂せず 一定期間の寿命を経て死滅する 機能細胞の放射線感受性は低い ( ただしリンパ球は例外 ) 幹細胞の放射線感受性が 組織や臓器の 放射線感受性を決定する
機能細胞の放射線感受性は低いので 被曝を受けた直後は 組織や臓器の機能は保たれており 症状は出ない 被曝後の幹細胞の死滅に伴い 数日 ~ 数ヶ月後に機能細胞が不足し 症状が出現する
非確率的影響のしきい値 ( 閾値 Threshold) 最高 高 中 低 最低 リンパ球 骨髄 腸 精巣 卵巣 水晶体 皮膚 口腔 食道 胃 尿管 成長期の骨および軟骨 結合組織 骨 肺 腎 肝 膵 甲状腺 副腎 神経 筋肉
晩発障害 しきい値のない障害 ( 確率的影響 ) 晩発障害は急性障害に耐えたもの あるいは比較的低線量の 1 回または 分割照射を受けた後 数年 ~ 数十年の潜伏期を経て現れる 1. 放射線発癌 2. 遺伝的影響
しきい値のない障害 ( 確率的影響 ) 確率的影響は 突然変異細胞によって生じる 突然変異細胞がたとえ1 個でも発生すれば 発癌や遺伝的影響の可能性が生じる 被曝線量が増えると影響発現の確率は増加する 確率的影響は 低線量被曝に対しても 安全を保障できないことを意味する 例 : 発がん 遺伝的影響