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福島市 PPP/PFI 手法導入 優先的検討ガイドライン 平成 29 年 2 月福島市

目次 1 ガイドライン策定の目的と PPP/PFI の概念 1 2 対象となる公共施設等 2 3 優先的検討の開始時期 3 4 優先的検討の対象とする事業 3 5 PFI 等活用可能性事前協議フロー 4 6 ガイドラインの進め方と庁内体制 5 7 対象とする PPP/PFI 手法 6 8 適切な PPP/PFI 手法の選択 7 9 簡易な検討 8 10 詳細な検討 9 11 留意事項等 9

1 ガイドライン策定の目的と PPP/PFI の概念 (1) ガイドラインの目的本市ではこれまで 福島市総合計画後期基本計画の実現に向けた効率的な行財政運営の推進のため 外部委託の推進や公共施設などの総合的かつ計画的な管理を進めております 今般 内閣府より 多様な PPP/PFI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 1) が示され PPP すなわちPFIや指定管理者制度など 行政と民間が連携してそれぞれお互いの強みを活かすことによって 質の高いサービス提供をより少ない財政支出によって実現していくことが一層重要となっております 本ガイドラインは 内閣府指針とPFI 法 ( 2) などの趣旨に基づき また福島市公共施設等総合管理計画の基本方針等も踏まえながら 公共施設等の維持管理や修繕 更新 施設の複合化等での新設等において 市民サービスの向上 事業の効率化及び財政負担の縮減や平準化 ひいては新たな事業機会の創出や民間投資の喚起を図ることを目的として PFIなど民間事業者のもつ資金やノウハウの活用を優先的に検討するための手続きを定め 平成 29 年 4 月 1 日より運用します 1 : 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 / 以下 内閣府指針 2 : 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 平成 11 年法律第 117 号 (2)PPP(Public Private Partnership) とは PPPとは PFIや指定管理者制度など 行政と民間が連携して それぞれお互いの強みを活かすことによって最適な公共サービスの提供を実現し 地域の価値や住民満足度の最大化を図るものです (3)PFI(Private Finance Initiative) とは PFIとは 民間の資金 経営能力及び技術的能力を活用して公共施設等の設計 建設 維持管理 運営等を行うことにより 質の高いサービスをより少ない財政負担で提供するものであり PFI 法に基づき実施されます 1

PPP/PFI の概念図 民間資金導入 資産への関与度 民 通常の民間事業 官 PPP ( 官民連携 ) BOT BTO PFI 公営施設等運営権制度 公の関与 高い 民の関与 高い 民 従来型業務委託 包括的業務委託 指定管理者制度 DBO 運営への関与度 通常の公共事業 官 公的資金のみ 国土交通省資料等より作成 2 対象となる公共施設等本ガイドラインにおいて対象となる公共施設等は PFI 法第 2 条第 1 項により定められているもののうち 事業の性格から 民間資金 能力活用基準を満たすものとして内閣府指針等が示す以下の公共施設とします (1) 建築物文教施設 複合施設 社会福祉施設 観光施設 事務庁舎等 (2) プラント廃棄物処理施設 水道浄水場 下水汚泥有効利用施設等 (3) 利用料金を徴収する施設水道 下水道等 なお 内閣府指針 には内閣府が示す PPP/PFI 手法優先的検討規程策定の手引き 等の内容を含みます 2

3 優先的検討の開始時期 本ガイドラインにおける優先的検討の開始時期は 以下のとおりとします (1) 簡易な検討 1 新たに公共施設等の整備等を行うための基本計画等策定の着手前 ( 3) 2 公共施設等の運営等の見直しを行う場合 3 : 基本計画等とは 施設の 現状の整理 導入機能と面積 配置計画 規模 整備手法 管理運営計画等 施設整備に関する検討 を含む計画又は調査とします (2) 詳細な検討基本計画等の策定に合わせて事業手法の検討に関する調査である PFI 等導入可能性調査 を詳細な検討として行い 結果を基本計画等に反映させます 4 優先的検討の対象とする事業 本市では 内閣府指針等に基づき 次の (1) から (3) の全てに該当する公共施設整備 事業を優先的検討の対象とします (1) 公共施設整備事業に該当すること ( 施設の維持管理 修繕 更新 複合化のための新設を含む ) (2) 公共施設整備事業で 民間事業者の資金 経営能力及び技術的能力を活用する効果 ( 民間資金 能力活用基準に基づく効果 ) が認められること 又は民間の提案を求める余地があること (3) 事業費基準を満たすこと 1 設計と建設を含む施設建設費が概ね10 億円以上のもの 2 維持管理費 運営費が単年度で概ね5 千万円以上のもの なお 上記に示す事業費未満であっても 他自治体で実績のある事業や公の施設の管理についてはPPP/PFI 手法の活用について検討を行うことができるものします 対象事業の例外 次に掲げる公共施設整備事業は優先的検討の対象から除きます 1 既にPPP/PFI 手法の導入が前提とされている公共施設整備事業 2 民間事業者が実施することが法的に制限されている公共施設整備事業 3 災害復旧事業等 緊急に実施する必要がある公共施設整備事業 対象事業の確認方法 1ガイドライン担当 ( 財産マネジメント推進室 ) から全庁への照会等による確認 2 庁内関係各課の情報共有の場による確認 構成 : 財産マネジメント推進室 行政経営課 財政課 建築住宅課等 3

5 PFI 等活用可能性事前協議フロー内閣府指針で 優先的検討の対象を 民間事業者の資金 経営能力及び技術的能力を活用する効果が認められる公共施設整備事業 すなわち 1 PFI 事業としての実績が多く 費用の削減が期待できる建築物又はプラントの整備等に関する事業 2 費用の削減又は収入の増加が期待できる利用料金の徴収を行う公共施設整備事業 としているため 簡易な検討 に進む前提として 以下のフローに沿って PFI 等検討対象事業についての活用可能性を 施設担当課はガイドライン担当 ( 財産マネジメント推進室 ) と事前協議します PFI 等の活用可能性あり と判定された場合 PFI 等の導入手法を選択し 簡易な検討 へ進みます PFI 等活用可能性事前協議フロー 1. 事業規模等事前検討 施設整備費 維持管理費が一定以上の規模であり施設設置者等に制約条件等がない 2.PFI 導入実績等事前検討 同種施設で PFI 等の導入実績があり 本市の対象事業でも導入の可能性がある 3. スケジュール事前検討 ( 4) 供用開始期間等を踏まえ PFI 等でもスケジュール上支障がない 1 2 3で該当 いずれかで非該当 PFI 等の活用可能性なし PFI 等導入手法の選択 簡易な検討へ VFMが不利 PFI 等の活用可能性なし VFMが有利 ( 6) 詳細な検討 (PFI 等導入可能性調査 / 基本計画策定と共に ) へ ( 5) 4 : 想定されるスケジュールの例内閣府指針等には 基本計画着手から契約までの概ねのスケジュールについて 通常のPFI 手続で約 50ヶ月 簡易化した手続きで約 32~38ヶ月と示されています 個別の事業の状況により必要な期間も変動するため 施設 ( 事業 ) ごとのスケジュールを他市事例の参照や内閣府等からの助言のもと設定する必要があります 5 : PFI 等の活用可能性なし の場合の説明は施設担当課が行います 6 : VFM(Value For Money): 事業をPFI 等で実施することによる効果を金銭価値で算定したもの 4

6 ガイドラインの進め方と庁内体制 (1) ガイドラインの進め方 0 対象事業の把握 ( 各課照会 情報共有会議 ) 1 事業検討開始 2 PFI 等活用可能性事前協議 ( 事業規模 PFI 導入実績 スケジュール検討 ) 3 簡易な検討 事前準備 ( 基礎データ算出準備 PFI 手法の検討と第 1 次選択 ) 4 簡易な検討 (VFM 算出 ) 5 簡易な検討結果の承認 ( 行財政改革推進本部 ) 6 公共事業評価委員会 7 詳細な検討 基本計画策定 経費予算案策定 8 予算案議会提案 9 詳細な検討 ( 導入可能性調査 ) 10 詳細な検討結果の承認 ( 行財政改革推進本部 ) 11 施設の 基本計画 策定 5

(2) 導入主体 ( 施設担当課 ) フロー全般 簡易な検討 詳細な検討 PFI 等の導入や実施は 当該事業を所管する施設担当課が主体となり行います 随時 関係各課 ( 財産マネジメント推進室 行政経営課 財政課 建築住宅課等 ) は 情報共有 並びに必要に応じて施設担当課への支援を行います ( 例 : 簡易な検討時の基礎データ算出準備 単価等の確認等 ) (3) 行財政改革推進本部 ( 庁内決定機関 ) フロー :5 10 行財政改革推進本部で 簡易な検討 詳細な検討 結果の協議 承認を行います 7 対象とするPPP/PFI 手法本ガイドラインの対象とする主なPPP/PFI 手法は次に掲げるものとします (1) 民間事業者が 公共施設等の設計 建設又は製造 及び 運営等 を担う手法 1PFI 手法のもの BTO 方式 ( 建設 Build- 移転 Transfer- 運営等 Operate) BOT 方式 ( 建設 Build- 運営等 Operate- 移転 Transfer) BOO 方式 ( 建設 Build- 所有 Own- 運営等 Operate) RO 方式 ( 改修 Rehabilitate- 運営等 Operate) など 2PFI 手法でないもの DBO 方式 ( 設計 Design- 建設 Build- 運営等 Operate) など (2) 民間事業者が 公共施設等の設計 建設又は製造 を担う手法 BT 方式 ( 建設 Build- 移転 Transfer) など (3) 民間事業者が 公共施設等の運営等 を担う手法指定管理者制度 長期 包括委託など 6

8 適切なPPP/PFI 手法の選択 (1) 採用手法の選択本市では 優先的検討の対象となる公共施設整備事業について 簡易な検討 に先立って 内閣府指針等に基づき 当該事業の期間 特性 規模等を踏まえ 当該事業の品質確保に留意しつつ 最も適切なPPP/PFI 手法 ( 以下 採用手法 という ) を選択するものとします この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できることとします 採用手法選択フローチャート 施設の更新 新設又は改修を伴う 1 更新 新設 改修 設計と建設を含む施設整備費 概ね 10 億円 施設の新設又は改修を伴わない 2 既存施設 維持管理費 運営費 概ね 5 千万円 / 年 該当 設計及び建設 ( 製造 ) と運営等を一括して委託するもの 該当 建設 ( 製造 ) に民間資金を活用するもの 非該当 該当 該当 非該当 1BTO BOT BOO RO 2DBO 3BT 4 指定管理者制度等 ( 7) 7 : 公の施設 については 本市の指定管理者制度に関する基本方針に基づき検討します なお 他の施設についても見直しが必要な時期に 公共施設等運営権制度 包括的民間委託等の 手法も含め 今後他市の導入状況等を踏まえながら導入の可能性について個別に検討します 7

9 簡易な検討 PFI 等活用可能性事前協議を経て 民間事業者の資金 経営能力及び技術的能力を活用する効果が認められる公共施設整備事業を対象として VFMの観点から 外部委託業者 ( コンサルタント ) 等の手によることなく 内閣府が示す基準により算出し庁内で算定評価します (1) 算定基準本市では 内閣府が示す基準により 自ら公共施設等の整備等を行う従来手法による場合と 採用手法を導入した場合との間で 次に掲げる費用等の総額 ( 以下 費用総額 という ) を比較し 採用手法の導入の適否を評価するものとします ( 8) なお 複数の手法を選択する場合においては 各々の手法について費用総額を算定し その最も低いものと 従来型手法による場合の費用総額との間で同様の比較を行うものとします 1 公共施設等の整備等 ( 運営等を除く ) の費用 2 公共施設等の運営等の費用 3 民間事業者の適正な利益及び配当 4 調査に要する費用 5 資金調達に要する費用 6 利用料金収入 8: 算定にかかる基準は内閣府の PPP/PFI 手法導入優先的検討規定策定の手引き ( 別紙 2-1 から別紙 5) に準拠します (2) 簡易な検討 の結果の捉え方 1VFMが有利な場合 PFI 等の活用可能性ありと判断し 基本計画策定と共に詳細な検討 (=PFI 等導入可能性調査 ) へ進みます 2VFMが不利な場合 PFI 等の活用可能性はなしと判定します (3) 簡易な検討 の公表 VFM 等費用総額の比較による評価の結果 PPP/PFI 手法の導入に適しないと評価した場合には 次に掲げる事項をそれぞれ次に定める時期に市ホームページで公表するものとします 1PPP/PFI 手法を導入しないこととした旨 その他当該公共施設整備事業の予定価格の推測につながらない事項 時期 PPP/PFI 手法を導入しないこととした後 遅滞ない時期 2PPP/PFI 手法簡易評価調書の内容の結果 時期 入札手続の終了後等適切な時期 8

10 詳細な検討 (1) 評価基準本市では PFI 等活用可能性事前協議 並びに 簡易な検討 において採用手法の導入に適しないと評価された公共施設整備事業以外の公共施設整備事業を対象として 基本計画等の策定に際し 詳細な検討 すなわち PFI 等導入可能性調査 をあわせて行います 詳細な検討では 専門的な外部コンサルタントを活用し 要求水準 リスク分担等の検討を行った上で 自ら公共施設等の整備等を行う従来型手法による場合と 採用手法を導入した場合との間で費用総額を比較し 採用手法の導入の適否を詳細に評価します 評価結果は 施設等の基本計画等に反映します (2) 検討項目等 詳細な検討においては 内閣府指針や他市の事例に基づき検討項目を設定します (3) 詳細な検討 の公表 VFM 等費用総額の比較による評価の結果 PPP/PFI 手法の導入に適しないと評価した場合には 次に掲げる事項をそれぞれ次に定める時期に市ホームページで公表するものとします 1PPP/PFI 手法を導入しないこととした旨 その他当該公共施設整備事業の予定価格の推測につながらない事項 時期 PPP/PFI 手法を導入しないこととした後 遅滞ない時期 2PPP/PFI 手法簡易評価調書の内容の結果 ( 詳細な検討の結果を踏まえて更新した場合は当該更新した後のもの ) 時期 入札手続の終了後等適切な時期 11 留意事項等 (1) 留意事項本市では 内閣府指針等に基づき PPP/PFI 手法の職員への周知及び研鑽の推進に努めます (2) ガイドラインの運用等についてこのガイドラインは 平成 29 年 4 月 1 日より運用します なお このガイドラインは 制度の改正や国や他地方公共団体等の動向等を踏まえ 適宜見直しを行います 平成 29 年 2 月 6 日策定 ( 総務部行政経営課 ) 平成 29 年 4 月 1 日改訂 ( 財務部財産マネジメント推進室 ) 9