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Transcription:

4 Si 異方性エッチング 作成日 :4.7.27 更新日 :5.3.1 河合研究室 M2 山中雅貴 4.1 EPW による Si 異方性エッチング 4.1.1 目的 Si() (11) 基板に異方性エッチングにより 微細構造を作製し マイクロマシンの作製に役立てる 特に本研究において Si() 結晶面を利用したピラミダル形状の微細貫通孔の作製を試みる 4.1.2 使用材料 器具 エチレンジアミン エッチャント材料 ピロカテコール エッチャント材料 イオン交換水 エッチャント材料 薬さじ ピロカテコールを薬品ビンから取り出すため 薬包紙 上皿天秤でピロカテコールの量を測定するため 上皿天秤 ピロカテコールの量を測定するため メスシリンダー エチレンジアミン イオン交換水の量を測定用 EPW 用ビーカー EPWを作成 ホットプレート エッチャントを加熱するため 温度計 ( 熱電対 ) エッチャントの温度を測定するため 温度計固定支柱 ストップウォッチ エッチング時間を測定するため 安全具 ( 保護メガネ マスク サニメント等 ) 身の安全を確保するため 複流還元装置 実験中にエッチャントの濃度を一定にするため 4.1.3 実験手順 (1) 使用する材料 ( 薬品 ) と器具の準備を行う それぞれ 1 階 2 階 ( 居室 + クリーンルーム内 ) 4 階の研究室から 資料材料 器具 に記したリストのものを揃え クリーンルームへ持って入る 薬品の取り扱いには十分注意する (2) エッチャントの作製エッチャントである EPW 液はエチレンジアミン (E: Ethylenediamine) ピロカテコール (P: Pyrocatechol) 水 (W: Water) の混合液である エチレンジアミン ピロカテコールの主な特長を Table.1 にまとめた ( 製品安全データシートを参照 ) また 実際に実験で使用するために 参照とする混合液の分量とエッチングレートを Table.1 に示した

化学名 ピロカテコール エチレンジアミン ( 無水 ) 化学式 C 6 H 4 (OH) 2 H 2 NCH 2 CH 2 NH 2 分類 引火性液体 腐食性物質 外観 無色又は白色の板状結晶 特徴的な臭気のある無色 ~ 帯黄色の吸湿性液体 沸点 [ ] 245 116 融点 [ ] 15 8.5 比重 1.344.896 溶解度 その他 Table.1:Property of chemicals 水 アルコール アセトンに易溶 通常の条件下では安定 空気中で容易に酸化 引火点 :127 発火点 516 水 アルコールと混和 エーテルに微溶 水と混合するとアルカリ性 アルミニウム 銅 ニッケル 亜鉛に対して腐食性を示す 水と接触すると発煙する 引火点:34 発火点:385 Table.2 Mix conditions of Etchant(EPW) and Etch rate Ethylene diamine Pyrocatechol Water Temperature Etch rate 278cc (46.4mol%) g (4.mol%) cc (49.6mol%) 118.83μm/min 25cc (35.1mol%) 45g (3.7mol%) 1cc (61.2mol%) 11.83μm/min 25cc (35.1mol%) 45g (3.7mol%) 1cc (61.2mol%).5μm/min 139cc (46.4mol%) g (4.mol%) cc (49.6mol%) 85.36μm/min 工程 (1) で準備した材料 器具の中から 以下のものを用意する ビーカー (EPW 液用 ) 1 コ ビーカー ( リンス用 ) 2 コ ピンセット (EPW 液エッチング用 ) エチレンジアミン ( 薬品ビン ) 1 本 メスシリンダー ( エチレンジアミン用 ) 1 コ ピロカテコール ( 薬品ビン ) 1 本 薬さじ 1 本 薬包紙 上皿天秤 1 コ それぞれ薬品の分量は エチレンジアミンを cc(46.4mol%) とすると ピロカテコール 14.4cc(4.mol%) 水 28.8cc(49.6mol%) で EPW 液を作製する 混合する順は 水をビーカーに先に入れてその後 エチレンジアミン ピロカテコールとする エチレンジアミンを入れたとき Table.1 にもあるように 発煙 ( あるいは発熱 ) する可能性がある 注意すべき点として 薬品を使用した後 薬品ビンの蓋をすぐ閉めること 薬品を扱うときのメスシリンダー 薬さじなどはその薬品専用とする (3) EPW 液による Si 基板の異方性エッチング工程 (2) で作製したエッチャントを使用してエッチングを行う Si 基板としては 予めリソグラ

フィーによって SiO2 エッチングマスクを形成したサンプルを使用する エッチング時には エッチャントの温度を一定に保つ必要がある ( 望むエッチング条件により温度は決定される ) エッチャントはホットプレートによって加熱され 所定の温度で一定に保つ エッチャントの温度測定は熱電対によって測定する このとき 熱電対はエッチャントに漬けない その後 エッチャントにサンプルを浸漬し エッチングが行われる エッチングの際 複流還元装置をつけることでエッチャントの濃度を出来るだけ一定に保つ事が出来る 複流還元装置が無い場合 時間と共にある程度エッチャントの濃度が変化し エッチレートが変わる事を理解しておく必要がある 試験管 + 熱電対プローブ ビーカー ホットプレート Fig.4-1:EPW エッチング (4) 実験後 廃液処理エッチング終了後 片付けを行う エッチャントは EPW 液専用の廃液タンクに廃棄する ビーカー メスシリンダーはイオン交換水によって十分すすぎ すすいだ廃液はエッチャントと同様に EPW 液専用の廃液タンクに廃棄する 使用した薬品ビンの扱いに注意し 保管場所に責任を持って戻すこと エッチング中に EPW の蒸発による蒸気が触れたと思われる場所 ( ドラフター内 ) は必ずイオン交換水に塗らしたキムワイプで水拭きすること Experimental method (1) 酸化膜パターン付サンプルの作製 EPW エッチングを行うために 酸化膜パターンを作製した その実験手順 条件を Table.1 にまとめた Table.1 Fabrication condition of SiO 2 etching mask 工程 Si() サンプル基板洗浄 HMDS 処理レジストスピンコートプリベーク UV 露光現像ハードベークフッ酸処理レジスト除去 条件酸化膜付サンプル有機洗浄 ( アセトン メタノール イオン交換水 ) 室温で1h 曝露し その後 1 でベーク i 線用レジスト 27rpm 1min 9 9sec 密着露光 5sec TMAH2.38% 1sec 約 15 1min 5vol% 5min メタノール イオン交換水 ( 各 3min)

(2)EPWエッチング条件作製したエッチャント材料の合成比とエッチャントの温度を Table.2 にまとめた Table.2 Etching condition Ethylene diamine Pyrocatechol Water Sum Temperature ml(46.4mol%) 15g(4.mol%) 29.ml(49.6mol%) 144ml about 85 エッチングを行った実験系を Fig.1 に示した 試験管 + 熱電対プローブ ビーカー ホットプレート Table.1 Experimental system of EPW etching Result エッチングを実際に行った結果 Si 表面が異方性形状 ( ピラミダル形状 ) にエッチングされていくことを実際に確認した (1) エッチング形状エッチングされた Si 表面の様子を Fig.2 に示した.5mm (a)focused on the top (b)focused on the bottom Fig.2 Photograph of Silicon surface etched by EPW solution (2) エッチングレートの算出エッチング時間とエッチング高さの関係を Fig.3 に示した Etching height[μm] 1 1 1 6 サンプル使用 5 15 25 3 Etching time[min]

Fig.3 Relationship between etching time and etching height (3) エッチャントの蒸発と時間の関係 Fig.1 に示したような今回使用した実験系では ビーカーの上部が開放されているため エッチャントが時間が経つにしたがって蒸発してゆく ( エッチャントの温度を高くしないとエッチングレートが上がらない ) 時間と蒸発の関係を Fig.4 にまとめた 1 1 Volume[ml] 1 Volume[ml] Temperature[ ] 5 15 25 3 Etching time[min] Temperature fo liquid[ ] Fig.4 Relationship between etching time and volume of EPW solution