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立木販売のご案内 ~ 多くの森林が主伐期を迎える中で立木販売を進めています ~ 四国森林管理局

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資料 1 四国の森林 林業の現状と 四国森林管理局の対応について 平成 31 年 3 月 四国森林管理局

(2) 開発した囲いわなの概要 タイプ 7 について ( 写真 1) 部材に建築工事などで使用されるワイヤーメッシュを使用し ナットに鉄筋を通しボルトで固定することで組立 解体を容易にできるようにしました 林道端や里山周辺など平坦地であれば設置可能で 組立は二人で 10 分程度です ( 組立てた状態

モバイルマッパー 6 の測位方法は 各頂点において GPS が安定するまで 30 秒待ち そ の後 30 秒間データの記録を行うという操作説明書で推奨されている方法で行いました ガ ーミン GPS についても GPS が安定するまで 30 秒待ち測点を行いました 面積測量結果は以下の表のとおりです

航空レーザ計測による効率的な森林資源の把握


4. 国有林 GIS の活用 4. 1 国有林 GIS 本業務において, 解析に利用した国有林 GIS の諸元は表 のとおりである 表 国有林 GIS の諸元 国有林 GIS の諸元 バージョン 4.2 データセット 2009 年 3 月版 4-1

再造林 育林の低コスト化に関する指針 育林の低コスト化に関する指針平成 27 年 3 月高知県林業振興 環境部 1 指針の目的平成 24 年 9 月に策定した 皆伐と更新の指針 では 伐採時期を迎えた人工林を皆伐した後 再造林の適地と判断される伐採跡地では 森林資源の持続的な利用を図るうえでも再造林

目 次 1 林地台帳の公表 情報提供 1-1 公表 情報提供の範囲 1-2 公表の方法 1-3 情報提供の方法 2 林地台帳の修正 更新 2-1 修正申出の方法 2-2 情報の修正 更新手順 3 林地台帳管理システム 3-1 管理システムの機能 3-2 林地台帳情報と森林資源情報の連携 4. 運用マ

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北海道開発局 北海道開発技術研究発表会 新技術セッション UAV 測量による土工管理システム 前田建設工業 ( 株 ) 松尾健二 1 目次 1. 背景 2.UAV 土工管理システム 3. 適用事例 4. 精度検証 作業量比較 5. まとめ 2

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高分解能衛星データによる地形図作成手法に関する調査研究 ( 第 2 年次 ) 実施期間平成 18 年度 ~ 測図部測図技術開発室水田良幸小井土今朝巳田中宏明 佐藤壮紀大野裕幸 1. はじめに国土地理院では, 平成 18 年 1 月に打ち上げられた陸域観測技術衛星 ALOS に関して, 宇宙航空研究開

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項目別目次 森林被害編 1 森林において土砂崩れが発生してお困りの方 1 2 所有林の立木が被災されている方へ 2 3 保安林内の木が倒れてお困りの方へ 3 林道 作業道被害編 4 林道が崩壊等により通行ができない方へ 4 5 所有林の作業道が被災されている方へ 5 施設被害編 6 木材加工流通施設

種類諸元等特大ドローン( 特注品 ) 部品を海外から取り寄せて組立 諸元 : 大きさ約 250cm 重さ 30.0kg 用途 : 20kg 程度の資材運搬 ( 裸苗 240 本 コンテナ苗 80 本程度 ) 駆動時間 : 約 15 分程度大型ドローン( 市販製品 ) 空撮用に一眼レフをカスタマイズし

(4) 横断面形調査要領では メッシュの中心点と 中心点を通る等高線が内接円に交わる 2 点を結んだ 2 直線の山麓側の角度 ( メッシュの中心点を通る等高線がない場合は 中心点に最も近接している等高線から類推する角度 ) を計測し 10 度括約で求める とされている 横断面形の概念図を図 4.4

について 国有林 GIS から出力したデータを QGIS に導入する手順について検討し 一部編集を加えるなどして QGIS 用のデータとして整理した (2) 対比表の作成 QGIS が森林事務所における標準的な業務に対応しうるか確認するため 国有林 GIS の機能との対比表を作成した 具体的には 林

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様式 2 作成年度 平成 28 年度 森林整備加速化 林業再生基金変更事業計画書 区分 : 強い林業 木材産業構築緊急対策 区分 : 林業成長産業化総合対策 福井県

かかり木の処理の作業における労働災害防止のためのガイドライン 第 1 目的等 1 目的 本ガイドラインは 近年の人工林における間伐作業の増加等を背景に かかり木の処理の作業における死亡災害が増加する傾向にあること等を踏まえ 労働安全衛生関係法令と相まって かかり木の処理に係る事前の実地調査の実施 新

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

(3) 市町村民税の特別徴収義務者に関する調 ( ロ ) 年金特徴に係る分 特別徴収義務者数 ( 単位 : 人 千円 ) 納税義務者数 特別徴収税額 特別徴収税額の内訳 (b)+(c) 納税義務者数うち均等割のみ (a) 所得割額 (b) 均等割額 (c) 高知市 9 19,810 3,962 60

平成29年7月九州北部豪雨の概要 7月5日から6日にかけて 停滞した梅雨前線に暖かく 湿った空気が流れ込んだ影響等により 線状降水帯 が形成 維持され 同じ場所に猛烈な雨を継続して 降らせたことから 九州北部地方で記録的な大雨と なった 朝倉では 降り始めから10数時間のうちに500ミリを 超える豪

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屋内 3 次元 測位 + 地図 総合技術開発 現状 屋内 3 次元測位統一的な測位手法 情報交換手順がなく 共通の位置情報基盤が効率的に整備されない 技術開発 屋内外のシームレス測位の実用化 (1) 都市部での衛星測位の適用範囲拡大 (2) パブリックタグ 屋内測位の標準仕様策定 効果 3 次元屋内

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欄の記載方法について 原則として 都道府県毎の天然更新完了基準に定められた更新調査 ( 標準地調査 ) の結果を元に造林本数欄に更新本数を記載する ただし 調査せずとも天然更新完了基準を明らかに満たしていると判断できる場合 ( 例えば 小面積の伐採等 ) には 造林地の写真その他の更新状況のわかる資

防災 減災への民間情報の活用の必要性 東日本大震災において 明らかになった課題 従来の情報収集の取組 職員による現地調査 報道機関からの情報 通報 検知器 ( センサー ) 課題 対応できる人員の限界 小さな地域に関する情報の不足 紙情報が多い 情報の整理 管理が困難 設備 維持費用が大きい 上記課

5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

抜本的な鳥獣捕獲強化対策 平成 25 年 12 月 26 日環境省農林水産省

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激甚災害制度について

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平成 28 年度 森林整備事業 ( 造林 ) 標準単価 京都府農林水産部林務課

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緑の雇用 事業を開始するまでは 林業の新規就業者数は年平均約 2 千人程度でしたが 事業 を開始した以後は約 3 千 4 百人に増加し 平成 22 年度には 4,013 人となっています ( 図 ) 2

中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書【神奈川県】

株式会社ビィーシステム 概要資料

利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

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第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

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目 次 平成 27 年度九州森林管理局重点取組事項 1 公益重視の管理経営の一層の推進 1 森林資源の循環利用による多面的機能の維持増進 ページ 1 2 国民生活の安全 安心の確保に向けた取組 (1) 民国連携した治山事業 (2) 海岸防災林の整備に向けた検討 (3) 木材の利用推進及び生物多様性保

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いて一市町村当たり2 箇所の計 18 箇所で それぞれ実施してきています これまでの調査の結果 環境放射線量 ( 空間線量率 ) は 調査開始時の平成 26 年度から平成 29 年度までの変化率の平均は 44.5% となっています 計算により求められる物理学的減衰による低減率 35.1% と比較する

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

1. 対象鳥獣の種類 被害防止計画の期間及び対象地域 対象鳥獣計画期間対象地域 シロガシラ イノシシ キジ平成 27 年度 ~ 平成 29 年度うるま市全域 ( 注 )1 計画期間は 3 年程度とする 2 対象地域は 単独で又は共同で被害防止計画作成する全ての市町村名を記入 する 2. 鳥獣による農

域1 2= 鬼怒川流1 日光森林管理署の管内概要 日光森林管理署は 栃木県内の日光市 宇都宮市 足利市 佐野市 鹿沼市及び益子町の 6 市町に所在する国有林 8 万 5 千ヘクタールを管理しています 鬼怒川 渡良瀬川等の上流部の森林で首都圏の水がめとなっていること 奥日光や鬼怒

平成 30 年度 森林整備事業 ( 造林 ) 標準単価 京都府農林水産部林務課

ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

高知市消防局 ( 平成 19 年 4 月 1 日現在 ) 89 人 (87 人 ) 消防局長 1 消防次長 1 普通消防ポンプ自動車 ( ポンプ車 ) 14( 予備 2 含む ) 総務課 19( 庶務企画係 人事教養係消防団係 システム係 ) 水槽付消防ポンプ自動車 ( タンク車 ) 10( 予備

取組みの背景 これまでの流れ 平成 27 年 6 月 日本再興戦略 改訂 2015 の閣議決定 ( 訪日外国人からの 日本の Wi-Fi サービスは使い難い との声を受け ) 戦略市場創造プラン における新たに講ずべき具体的施策として 事業者の垣根を越えた認証手続きの簡素化 が盛り込まれる 平成 2

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3. 下水道の整備状況平成 30 年 3 月 31 日現在 県内では 20 市町のうち 11 市 6 町で公共下水道事業が実施されており 17 の市町で供用されています しかしながら 愛媛県の下水道普及率は 53.7% と全国第 38 位となっており まだまだ遅れています 瀬戸内海や宇和海などの豊か

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

リサーチ ダイジェスト KR-051 自然斜面崩壊に及ぼす樹木根系の抑止効果と降雨時の危険度評価に関する研究 京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻特定教授杉山友康 1. はじめに 鉄道や道路などの交通インフラ設備の土工施設は これまでの防災対策工事の進捗で降雨に対する耐性が向上しつつある一方で

整理番号 10 便益集計表 ( 森林整備事業 ) 事業名 : 森林居住環境整備事業 都道府県名 : 奈良県 地域 ( 地区 ) 名 : 上北山村地区 ( 単位 : 千円 ) 大区分 中区分 評価額 備考 木材生産等便益 森林整備経費縮減等便益 災害等軽減便益 木材生産等経費縮減便益木材利用増進便益木

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オーストリア林業から学ぶ 長野県林業大学校 いとう 2 学年伊藤 ひらさわ平沢 ほりべ堀部 けいすけ圭介 きみひこ公彦 たいせい 泰正 要旨私たち長野県林業大学校では 昨年の 7 月にオーストリアで 8 日間 森林 林業の研修を行なって来ました オーストリアは日本よりも狭い国土面積 低い森林率であり

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沖縄でのバス自動運転実証実験の実施について

地震被害予測システムにより建物被災度を予測 また 携帯電話と地図を利用した 被害情報集約システム では GPS 機能と地理情報システムとの連係により 現在位置周辺にある同社施工済物件を検索し 物件や周辺の被害状況を文字 静止画 動画を添付して報告することができる これら被害情報を地理情報システムに集

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

☆配布資料_熊本地震検証

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

第 2 章測量業務標準歩掛 ( 参考資料 ) 第 2 章測量業務標準歩掛 ( 参考資料 ) 測量業務標準歩掛における, 各作業の直接人件費に対する機械経費, 通信運搬費等, 材料費の割合の構成を下表に示す なお, 下表に示す各資機材等の種類, は標準歩掛設定に用いた標準的なものであり, 契約ではない

1. はじめに近年 下水処理場 ( 設備 ) の維持管理では 管理職員の減少と高齢化 施設の老朽化 自然災害リスクの増大等の課題が増大している 日本下水道事業団 ( 以下 JS) においては 人的 物的および資金的資源の有効活用 アセットマネジメント手法を最大限に活用したリスク評価に基づく健全な施設

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土木学会論文集の完全版下投稿用

00表紙目次はじめに

(3) 設備復旧対策事例 ~ 基地局及びエントランス回線通信事業者各社で取り組んだ主な基地局あるいはネットワーク設備復旧対策としては 光ファイバー 衛星回線 無線 ( マイクロ ) 回線の活用による伝送路の復旧や 山頂などへの大ゾーン方式 ( 複数の基地局によるサービスエリアを1つの大きなゾーンとし

1. 研究背景 目的 2. 使用機器 3. 橋梁点検システム 4. 選定橋梁 5. 安全対策 橋梁点検フロー 6. 計測結果 計測条件 7. まとめ - 2 -

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土砂災害警戒情報って何? 土砂災害警戒情報とは 大雨警報が発表されている状況でさらに土砂災害の危険性が高まったときに, 市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や住民の方々が自主避難をする際の参考となるよう, 宮城県と仙台管区気象台が共同で発表する防災情報です 気象庁 HP より :

愛媛の工業 ( 速報 ) - 平成 30 年工業統計調査 ( 速報 ) 結果から - 平成 29 年の愛媛県の製造業について ( 従業者 4 人以上の事業所 ) この速報は 平成 30 年 6 月 1 日現在で実施した 平成 30 年工業統計調査 をもとに 愛媛県内の製造事業所 ( 従業者 4 人以

Q1: 過去にどのような地震があって 被害を受けたのですか A1: 阪神 淡路大震災等の被害状況を説明します 阪神 淡路大震災は都市直下型地震であり この震災の特徴として家屋倒壊等による圧死が 死亡者の約 8 割以上でした この震災では 発災後 15 分以内に死者の 9 割以上の方が家屋や家具の倒壊

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

台風23 集約情報_14_.PDF

注意事項 1 鳥獣の捕獲等を実施するために入林する場合は 安全のための遵守事項及び立入禁止区域図をよく確認し 十分理解していただいた上で 入林の際に携行していただく必要があります 2 安全のための遵守事項及び立入禁止区域図は 入林届提出先の森林管理署等で配布しております また 管轄する森林管理局のホ

<H22-pm1-A: 問題 > 平成 22 年度測量士試験問題午後 No1: 必須 次の文は 測量法 ( 昭和 24 年法律第 188 号 ) に規定された事項について述べたものである 下線の語句について 正しいものには を 間違っているものには 及び正しい語句を それぞれ 解答欄に記せ 1. こ

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平成 31 年度宮崎河川国道事務所災害時協力会社募集要項 1. 目的宮崎河川国道事務所では 管理する大淀川 小丸川 宮崎海岸 国道 10 号 国道 220 号 東九州自動車道 霧島砂防を主に 災害が発生し または発生のおそれがある場合に迅速な状況把握 ならびに的確な災害対応を図るため 下記の部門にお

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

土砂災害防止法よくある質問と回答 土砂災害防止法 ( 正式名称 : 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関 する法律 ) について よくいただく質問をまとめたものです Ⅰ. 土砂災害防止法について Q1. 土砂災害は年間どれくらい発生しているのですか? A. 全国では 年間約 1,00

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四国森林管理局のドローン活用の取組 平成 31 年 4 月四国森林管理局

ドローンを山地災害対策等に積極活用 四国森林管理局では 平成 31 年 2 月にドローン 13 機を導入し計 41 機を各森林管理署 ( 所 ) に配備し 山地災害対策 森林資源調査 シカ被害対策等に積極的に活用 職員約 8 割の職員がドローンの操縦技術を習得 ドローンによる山地災害調査 ドローンによる森林 3D 画像 ドローンによるシカ対策 ドローン災害対策協定 森林 GIS に集約 ドローン活用講習会 1

ドローンの積極活用 四国森林管理局では ドローンを山地災害対策 森林資源調査 シカ被害対策 事業完了検査等に積極的に活用 平成 30 年 7 月豪雨の際は 災害支援にドローンを飛ばして民有林や公道等の被害状況を調査し 撮影画像や解析データ等を県 市町村に提供 新たにドローン 13 機を導入し 計 41 機を各森林管理署 ( 所 ) に配備し山地防災を強化 職員の約 8 割が操作技術を習得 〇平成 30 年 11 月には ICT 活用の第 1 弾として ドローンを活用した山地災害対策 境界巡視 事業完了検査 シカ被害調査など 14 の事例を取りまとめた 四国森林管理局 ICT 活用業務効率化事例集 を公表 ドローンの活用により従来の方法に比べてどの程度業務効率化が可能か数値を用いて記載 ICT 活用事例集掲載先 :http://www.rinya.maff.go.jp/shikoku/policy/business/index.html ( 事例 1) ドローンを活用した作業道路線 索張り等の生産事業計画の検討 1 概要 : 分収造林地の生産事業区域をドローンで撮影し オルソ化 国有林 GIS との融合により 伐採区域の設定 作業道計画路線 索張り等の生産事業計画を検討 ( 事例 2) ドローンを活用した地拵 植付作業の完了検査の実施 1 概要 : 地拵 植付 歩道新設事業の完了検査に活用 作業開始前と作業後の区域全体をドローンにで撮影することにより 作業前 作業後の画像を比較し 地拵 植付 歩道新設の未済箇所の確認 検査を行うことが可能 2 効果 : 現地調査外業 4 人工程度 (13.66ha) 半日程度のドローン飛行と半日程度のデータ処理 2 効果 : 全体踏査の場合 外業 :3 人工程度が必要 ( 約 2.50 ha)30 分程度のドローン飛行を 2 回で未済地の有無が確認可能 ドローン撮影画像から作成したオルソ画像を国有林 GISで各種情報と重ねて索張り等を検討 作業開始前 (3 月にドローンで撮影 ) 作業後 (7 月にドローンで撮影 ) 2

ドローンによる迅速な山地災害調査と復旧計画の作成 四国森林管理局では 平成 30 年 7 月豪雨災害発生直後にドローンを飛ばして山地 林道崩壊箇所を上空から撮影し 被害状況を調査するとともに 画像処理ソフトによるオルソ画像化 GIS 情報による等高線データ付与 CAD ソフトによる平面図 縦断図の作成を行い 迅速に復旧計画を作成 オルソ画像化とは 空中写真上の画像の位置ズレをなくし 地図と同じく真上から見たような傾きのない正しい大きさと位置を表示する画像に変換する作業 山地被災箇所の全容把握と復旧計画作成の手順 地上からの撮影は視点が低いため 全体の被害状況の確認は難しい ドローンで撮影し PhotoScan によりオルソ画像化 QGIS 国土地理院の数値地図情報を活用し 等高線データを付加 CAD ソフトにより平面図等を作成 ドローンによる上空からの撮影により 全体の被害状況の確認が可能 3

( 事例 ) 平成 30 年 7 月豪雨災害での山地災害対策緊急展開チームの派遣 ~ ドローンによる被害状況調査 ~ 平成 30 年 7 月豪雨により愛媛県及び高知県で多数の林地崩壊が発生 愛媛県 高知県の要請を踏まえ 7 月 25 日から 8 月 8 日まで愛媛県 8 月 9 日から 8 月 28 日まで高知県にそれぞれ林野庁 九州 関東 四国の各森林管理局の技術者で構成する 山地災害対策緊急展開チーム を派遣し ドローンや踏査による山地災害発生箇所の被害状況の調査 とりまとめ 災害復旧計画の作成等の活動を展開し 災害復旧計画書を県に提供 山地災害対策緊急展開チームの派遣 山地災害発生箇所及び活動状況 1 愛媛県 (1) 第 1 班 派遣期間平成 30 年 7 月 25 日 ( 水 )~8 月 1 日 ( 水 ) 派遣人員延べ 6 名 ( 林野庁 1 名 九州森林管理局 3 名 四国森林管理局延べ 2 名 ) (2) 第 2 班 派遣期間平成 30 年 8 月 1 日 ( 水 )~8 月 8 日 ( 水 ) 派遣人員延べ 6 名 ( 関東森林管理局 3 名 四国森林管理局延べ 3 名 ) (3) 活動箇所愛媛県大洲市内の山地災害発生箇所 (3 箇所 ) 2 高知県 (1) 派遣内容 派遣期間平成 30 年 8 月 8 日 ( 木 )~8 月 28 日 ( 火 ) 派遣人員四国森林管理局の技術者延べ 5 名 (2) 活動箇所高知県大豊町の山地災害発生箇所 (2 箇所 ) 大洲市平野町の被災現場 大洲市河辺町の被災現場 測量作業の様子 ( 愛媛県大洲市 ) 大豊町立川上名の被災現場 大豊町三谷の被災現場 測量作業の様子 ( 高知県大豊町 ) 4

( 事例 ) 平成 30 年 7 月豪雨災害でのドローンによる民有林の被害状況の調査と県 市町村への提供 平成 30 年 7 月の西日本豪雨災害の発生後 各森林管理署は ドローンや踏査により国有林と併せ民有林の公道 林道 林地等の被害状況を調査し 空撮画像 写真 分析結果を県 市町村に提供 ( 徳島県三好市 つるぎ町 上勝町 愛媛県内子町 愛南町 松野町 高知県安芸市 香美市 大豊町 大月町 宿毛市等 ) 徳島県上勝町の被災現場のオルソ画像 (H30.7.15 徳島森林管理署 ) 高知県香美市の被災現場の空撮画像 (H30.7 高知中部森林管理署 ) ドローンによる被害状況の調査 (H30.7.14 徳島県つるぎ町桑平地区 ) 高知県大月町柏島方面の被災現場のドローンの空撮画像愛媛県内子町の林地崩壊の空撮画像 (H30.7.11 四万十森林管理署 ) (H30.7 愛媛森林管理署 ) 5

地元自治体とのドローン活用災害活動連携協定の締結による山地防災力の強化 四国森林管理局は 豪雨や台風等の災害発生時にドローンを飛ばして撮影画像や分析データ等を地元自治体に提供する ドローン活用災害活動連携協定 を締結し 山地防災力の強化を推進 平成 29 年 3 月徳島県三好市 同年 5 月高知県嶺北地区 4 町村 ( 本山町 大豊町 土佐町 大川村 ) 本年 3 月 18 日には徳島県と初の国と県の協定 ( 林野災害時等におけるドローン利活用協定 ) 3 月 28 日松野町と愛媛県初の協定 ( 松野町における災害対応措置に関する協定 ) を締結 今後 愛媛県西条市 久万高原町 高知県中芸 5 町村 ( 田野町 安田町 奈半利町 北川村 馬路村 ) と締結予定 〇地元自治体や森林組合等と連携し 各地でドローンの操作技術 ルール 災害対策への活用 操作演習等の ドローン講習会 を開催 本年 6 月頃に治山技術者等を対象とする ドローン活用山地災害調査検討会 を開催予定 徳島県との 林野災害時等におけるドローン利活用協定 平成 30 年度ドローン講習会の開催状況 (H31.3.18) ~ 国と県の初の協定 ~ 年月日 開催内容 1 H30.05.21~22 ドローン活用講習会 技術向上検討会 in 久万高原町 ( 愛媛森林管理署 ) 2 H30.05.30~31 ドローン活用山地災害調査検討会 ( 四国森林管理局 安芸森林管理署 ) 3 H30.06.27~28 ドローン活用講習会 シカわな講習会 in 松野町 ( 愛媛森林管理署 ) 4 H30.09.28 ドローン活用講習会 in 三好市 ( 徳島森林管理署 ) 5 H30.11.21 農林合同ドローン講習会 ( 四国森林管理局 中国四国農政局高知支局 ) 6 H31.01.28 ドローン活用講習会 in かがわ ( 香川森林管理事務所 ) 7 H31.01.29 池田高校三好校ドローン活用講座 ( 徳島森林管理署 ) 高知県嶺北 4 町村とのドローン災害活動連携協定 (H29.5.31) ~ 広域市町村との初の協定 ~ 8 H31.02.08 ドローン活用勉強会 in 須崎 ( 四万十森林管理署 ) ドローン講習会の様子 ドローン活用講習会 in 三好市 ( 徳島森林管理署 ) ドローン活用講習会 技術向上検討会 in 久万高原町 ( 愛媛森林管理署 ) 6

徳島森林管理署のドローン活用の取組 徳島森林管理署では ドローン (4 機 ) を山地災害対策 森林資源調査等に積極的に活用 平成 29 年 3 月に徳島県三好市と ドローン活用災害活動連携協定 を締結 平成 30 年 7 月の豪雨災害では 県の要請を受け 発災直後にドローンで県内 4 地区 ( 三好市山城町白川地区 根津木地区 つるぎ町桑平地区 上勝町蔭行地区 ) の被害状況を調査し 空撮画像や画像解析ソフトを用いた平面図 縦断図を作成し県に提供 平成 30 年 9 月に ドローン活用講習会 in 三好市 平成 31 年 1 月に 池田高校三好校ドローン活用講座 を開催するなど ドローンの活用や人材育成を推進 ドローンによる被害状況調査 (H30 年 7 月三好市山城町 ) 被災現場をドローンで調査 ( 上勝町 ) ( 平成 30 年 7 月 ) ドローン活用講習会 in 三好市 ( 平成 30 年 10 月 ) ドローンによる被害状況調査 (H30 年 7 月つるぎ町 ) 山地防災ヘルハ ー連絡協議会 ( オルソ画像 ( 平成 30 年 10 月 ) 池田高校三好校ドローン活用講座 (H31 年 1 月 ) 7

民間測量機器会社と連携したドローンによる森林資源調査システムの開発 実証 四国森林管理局では 森林資源調査の省力化とデータ共有よるサプライチェーンの効率化を目指し 新たに民間測量機器会社 (( 株 ) ジツタ ( 松山市 )) と連携し 国有林をフィールドに ドローンで撮影した空中写真から森林の 3D モデル等を作成し 樹高 胸高直径 材積等の森林資源計測システムの開発 実証を推進 平成 31 年度は 平成 30 年 7 月豪雨後に実施した航空レーザー計測による地盤データを活用し 精度の高い材積等の計測方法の開発 実証を実施 ドローンで四国森林管理局管内の国有林の空中写真データを計測 森林資源計測システム 森林 3D 点群モデル作成 森林 3D 点群モデル + 地盤データ H30.7 月豪雨後に林野庁がレーザー計測した地盤データを活用 ( 株 ) ジツタ提供 森林 3D モデルから樹木抽出 樹冠モデル作成 効率的に樹高 胸高直径 材積等の森林資源データを計測 図 イラストは ( 株 ) ジツタ提供 8

ドローンを活用したシカのわな捕獲通知システムの開発 実証 シカ捕獲対策では 山間部のわなの巡回作業の軽減が重要な課題 このため 四国森林管理局では 高知県工業技術センターと連携し携帯電話網が利用できない山間部に設置したわなに発信機を設置し 中継機を搭載したドローンを飛ばして電波を受信し 多数のわなの捕獲データを狩猟者の受信機 ( タブレット ) に一括表示させるシステムを開発 実証 平成 29 年度に嶺北森林管理署管内の国有林内で実証実験を実施 平成 30 年度 9 月から安芸市の国有林内でくくりわな 10 基による実証を開始し シカ 10 頭を捕獲 ( 平成 31 年 2 月末現在 ) 平成 31 年度はわな設置数を 20 基程度に拡大して実証を行い 実効性 経済性等を検証 ドローンを活用したシカのわな捕獲通知システム ドローン中継機 安芸市の国有林 ( くくりわな 10 基を設置 ) くくりわな上をドローンが自動操縦で飛行 わな作動状況を受信機に一括表示 発信機 受信機に一括表示 くくりわな 高知県工業技術センターが開発したシステム 9

ドローンによるシカのわなや防護ネットの見回り シカ捕獲のためにわなを仕掛けた場合 人が山間部に入って 1~2 日に 1 回程度シカがわなにかかっているかを見回ったり 1 ヶ月に 1 回程度造林地周囲のシカ防護ネットを見回る必要があり その負担軽減が課題となっているが ドローンによる見回りで省力化 〇安芸森林管理署では 四国のような急傾斜地にマッチした斜め張りを改良した L 型シカ防護ネット を開発し ドローンによる巡回と併せて効果等を検証 ドローンによるシカわな 防護ネットの見回り L 型シカ防護ネット ( 安芸森林管理署 ) ドローンによる見回り シカ防護ネット 小型囲いわな 特徴 1. L 型の一体化したネットで地面と設置面積を増やし 底部からのシカ侵入を防止 2. シカの体高に合わせてステンレスの編み込みを作成し 重量を軽減 3. 垂直式や斜め張りネットに比べ 低コスト化を実現 (100m 当たり資材 設置費 :L 型約 16 万円 垂直式焼く23 万円 ) 10

ドローンによる境界巡視と事業完了検査への活用 四国森林管理局では ドローンを活用して現地踏査や遠望が困難な境界の定点観測を実施し 業務を大幅に省力化 また ドローンを活用して地拵 植付 歩道作設 立木販売箇所等の事業実施前と実施後の状況を上空から撮影し 事業の進捗状況の確認や事業完了検査に活用 ドローンの境界巡視への活用 ドローンの事業完了検査への活用 境界 56 作業開始前 (3 月にドローンで撮影 ) 作業後 (7 月にドローンで撮影 ) 境界 84 イ 11

ドローンのパノラマ画像を活用した森林風景や林業現場の紹介 香川森林管理事務所は ドローン 3 機を導入し 森林資源調査等に活用しているが ドローンで上空から屋島 飯野山 伐採現場 治山事業現場などの国有林を撮影したパノラマ映像を作成し 平成 29 年 10 月の第 41 回育樹祭 ( 香川県満濃池森林公園 ) で紹介 地上からみるのとは違ったすばらしい香川の森林 林業の風景を見ることが可能 ドローンでみる香川の国有林 ( ドローンのパノラマ映像の内容 ) 広く国民から親しまれる屋島 飯野山 ( 讃岐富士 ) 国有林を上空から眺めた姿 日本の巨樹 100 選にも選ばれている 大屋敷のケヤキ 高性能林業機械を使った木材生産や暑い夏場に行う下刈り等の森林整備作業風景 暮らしの安全 安心を守る治山事業 ドローンで見る香川の国有林 (YouTube へのリンク ) :https://www.youtube.com/watch?v=wo0w6vqzf1a 12