第5回 国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会 資料1-1

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JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

特定個人情報の取扱いの対応について

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

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総合科学技術・イノベーション会議 政策討議

504 特定事業等に係る外国人の入国 在留諸申請優先処理事業 1. 特例を設ける趣旨外国人研究者等海外からの頭脳流入の拡大により経済活性化を図る地域において 当該地域における特定事業等に係る外国人の受入れにあたり 当該外国人の入国 在留諸申請を優先的に処理する措置を講じることにより 当該地域における

特定個人情報の取扱いの対応について

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14個人情報の取扱いに関する規程

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

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資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

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周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

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B リーグは この方針を実行し個人情報を適切に取り扱うため 個人情報保護規程その 他の規程を策定 改訂し それらの規程に基づいて個人情報を取り扱います 公表事項 1. 取得する個人情報の利用目的 ( 法 18 条第 1 項 ) B リーグの活動範囲内において保存 活用 分析を行うためお客様から請求さ

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

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( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

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制定 : 平成 24 年 5 月 30 日平成 23 年度第 4 回理事会決議施行 : 平成 24 年 6 月 1 日 個人情報管理規程 ( 定款第 65 条第 2 項 ) 制定平成 24 年 5 月 30 日 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 定款第 66 条第 2 項の規定に基づき 公益社団法

個人情報の取り扱いに関する規程

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平成18年度標準調査票

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プライバシーポリシー ( 個人情報保護に関する基本方針 ) 株式会社ビットポイントジャパン ( 以下 当社 といいます ) は 個人情報の保護とその適正な管理が重要であることを認識し 個人情報の保護に関する法律 ( 以下 個人情報保護法 といいます ) 関連法令 ガイドラインその他の規範を遵守すると

別紙(例 様式3)案

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

第 1 ガイドライン策定の目的及び対象 1 ガイドライン策定の目的美濃加茂市では犯罪のない安全で安心できる住みよい地域社会を実現するため 平成 21 年 10 月に 美濃加茂市防犯活動推進条例 を施行するとともに 同条例に基づく防犯計画を策定し 市民 事業者及び市が一体となって 犯罪のないまちづくり

個人情報の保護に関する規程(案)

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3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

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目 次 第 1 はじめに 2 1 ガイドライン策定の目的 2 2 ガイドラインの対象となる防犯カメラ 2 3 防犯カメラで撮影された個人の画像の性格 2 第 2 防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項 3 1 設置目的の設定と目的外利用の禁止 3 2 設置場所 撮影範囲 照明設備 3 3

国会への法案提出を目指すこととする としている 同方針をもとにパーソナルデータに関する検討会が立ち上げられ, 平成 26 年 (2014 年 )6 月 9 日付けで パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱 ( 事務局案 ) が示されたところである しかしながら, その結論によっては, 個人に関

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PowerPoint プレゼンテーション

個人情報保護規定

スライド 1

Microsoft PowerPoint - 参考資料2

変更履歴 バージョン日時作成者 変更者変更箇所と変更理由 RIGHTS R ESER VED. Page 2

1. 口座管理機関 ( 証券会社 ) の意見概要 A 案 ( 部会資料 23: 配当金参考案ベース ) と B 案 ( 部会資料 23: 共通番号参考案ベース ) のいずれが望ましいか 口座管理機 関 ( 証券会社 ) で構成される日証協の WG で意見照会したところ 次頁のとおり各観点において様々

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

3 4

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

東京大学寄付講座等要項

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る 連合会は 管理運用の方針の策定及び変更等退職等年金給付調整積立金の管理及び運用に係る専門的事項を検討する場合には 資金運用委員会の専門的知見を活用する 3 退職等年金給付調整積立金の管理及び運用におけるリスク管理連合会は 連合会を除く管理運用機関 ( 組合 市町村連合会及び連合会をいう 以下同じ

財団法人日本体育協会個人情報保護規程

拍, 血圧等 ) を, ユーザー本人または当社の提携先からと提携先などとの間でなされたユーザーの個人情報を含む取引記録や, 決済に関する情報を当社の提携先 ( 情報提供元, 広告主, 広告配信先などを含みます 以下, 提携先 といいます ) などから収集することがあります 4. 当社は, ユーザーが

科学技術の状況に係る総合的意識調査(定点調査)」調査票にかかるQ&A

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人材育成 に関するご意見 1) 独立行政法人情報通信研究機構富永構成員 1 ページ 2) KDDI 株式会社嶋谷構成員 8 ページ 資料 7-2-1

4-(1)-ウ①

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はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

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資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

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11

ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

Webエムアイカード会員規約

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特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 新旧対照表 改正後 特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 現行 ICT を活用した特定保健指導の実施の手引き 最終改正平成 30 年 2 月 9 日 1.ICTを活用した特定保健指導の実施者保険

Ⅰ はじめに 1 ガイドラインを策定する目的 大阪市は 政令指定都市の中でも街頭犯罪が多い都市となっており 安全で安心して暮らせるまちづくりのための対策が必要となっています その中で 防犯カメラは 24 時間撮影が可能であることから 犯罪の抑止効果があるとともに 犯罪発生時には容疑者の特定にも役立つ

本サイトにおける個人情報の利用目的は以下のとおりです 当社は 本人の同意なく目的の範囲を超えて利用しません (1) 本サイト会員登録者の個人認証及び会員向け各種サービスの提供 (2) インターネットまたは電話を通じて提供する 宿予約サービス 及びそれに付帯関連する業務の遂行 (3) 上記 (2) に

2-3. 上記 2-2 以外の利用目的は以下の通りです 利用目的対応する利用者情報の項目 (1) 当社のサービスに関連して 個人を識別できない 端末情報形式に加工した統計データを作成するため ログ情報 Cookie 及び匿名 ID 位置情報 (2) 当社又は第三者の広告の配信又は表示のため 端末情報

国立国会図書館ダブリンコアメタデータ記述

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

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資料 2-2 SUT タスクフォース 意見取りまとめ (1) ー SUT 産業連関表の基本構成の考え方ー 2017 年 8 月 24 日国民経済計算体系的整備部会 部会長 SUTタスクフォース座長宮川努 1

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しなければならない 2. 乙は プライバシーマーク付与の更新を受けようとするときは プライバシーマーク付与契約 ( 以下 付与契約 という ) 満了の8ヶ月前の日から付与契約満了の4 ヶ月前の日までに 申請書等を甲に提出しなければならない ただし 付与契約満了の4ヶ月前の日までにプライバシーマーク付

Microsoft Word - 06_個人情報取扱細則_ doc

個人情報管理規程

保健福祉局地域福祉課

Transcription:

資料 - 国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会 ( 第 回 ) 平成 0 年 月 0 日 ( 水 ) 0 0 0 国立研究開発法人におけるデータポリシー策定のためのガイドライン ( 仮称 ) ( 案 ) 本ガイドラインの位置付け科学技術の発展を受けた現在において 知識 情報のデジタル化やデータベース化にも関わらず その蓄積された知識 情報が分野間で共有されず 横断的連携も十分とは言い難い状況にある 昨今の情報通信技術 (ICT) の急速な進展は 膨大な知識 情報としてのデータを有機的に組み合わせて新たな価値を創造することを可能にし 科学技術を含む人の社会活動のあり方に世界規模のパラダイムシフトをもたらそうとしている 今後目指すべき未来社会の姿として我が国が提唱している Society.0 では データと現実の世界を高度に融合させ イノベーション創出や新しい企業活動だけでなく 地球規模の人類の課題 社会的課題の解決への大きな取り組みが期待される このような社会を実現するためには 多様な知 ( 情報 データ等 ) の獲得やその融合等が極めて重要な意味を持つ 中でも 公的資金の支援により得られた研究成果 ( 論文 データ等 ) は 適切に管理 利活用され 科学技術のみならず社会に新しい価値を創造し ひいては地球規模の課題解決に向けた活動につなげることが求められる そのため 研究データの利活用を促進する取組は そのもたらす利益が国 企業 学界に留まらない活動として 科学技術に拠って立つ我が国が G 等の国際動向を踏まえ 責任をもって かつ 率先して取り組むべき課題と位置付けられる 研究データの管理 利活用についての組織としての方針 ( データポリシー ) の策定は 以上の期待と課題に応えつつ 論文を主体としてきた研究活動に その基となる知識 情報 ( データ ) の共有による新しい価値を与え 研究自体のあり方に変革を促すものである 本ガイドラインは 公益に資するために研究開発の最大限の成果を確保することを目的とする国立研究開発法人 ( 以下 国研 という ) において データポリシー策定の参考となるよう 研究データの管理と利活用についてのポイント ならびにデータポリシーで定めるべき項目及び基本的な記述内容を示すものである 国研においては それぞれの法人におけるビジョンやミッション オープン アンド クローズについての考え方等を踏まえ 本ガイドラインが示す各項目の要否や追加項目の必要性を検討した上で 適切にポリシーが策定されることが望まれる

0 0 0 データポリシー策定のポイント及び並行して取り組む事項 () ポリシー策定の目的 ポリシーの策定は 国研が公的資金を活用して実施した研究における成果のうちの研究データを適切に保存 管理し また 広く利活用を促進することで 科学技術の発展はもとより 産業 さらには文化の振興を目指して取り組むものである この取組は 研究データの作成者やそれを管理 公開等行う研究機関が 広く社会において認知され 評価される手段を与えると共に 研究活動を支援するものである () ポリシー策定の主体 ポリシーの策定は 研究データの管理負担 利活用の便宜を考慮して最も適切な組織 ( 特定の部門 センター 法人全体等 以下 機関 という ) で行う () 管理対象とするデータが具備すべき要件 研究活動に対する影響を考慮しつつ 機関として管理の対象とする研究データの定義や範囲 それらの保存先 ( リポジトリ等 ) を定める その際 個人情報保護や情報セキュリティ等 研究データの管理に当たり関連する法令の規定に留意する 研究データの利活用や相互運用性を前提に 機械可読 (Machine Readable) 性を確保するとともに 公開 共有するものに関しては 国際的なデータ管理原則である FAIR 原則 に可能な限り沿うものとする なお 相互運用性は 国が開発中の分野間データ連係基盤や科学技術イノベーション政策の効果等を分析するシステムとの連携など 社会 行政等広範な領域で研究データを利活用する観点からも重要な視点である () データ利活用のための要件 ポリシー策定にあたっては 研究分野の特性や機関のミッションを踏まえた研究データの利活用に関する考え方に基づき 公開とすべきもの 非公開とすべきもの また制限事項を設けるか否かなどを明示する 研究データとその作成者 および機関に関する機関情報等に対するメタデータの作成 ならびに国際的に通用する識別子の付与を行うことにより 研究データの利活用における相互運用性 さらには 研究データの作成者等の貢献の明確化 利活用に関する分析 評価の実行性を担保する () ポリシー策定とともに取り組むべき事項 機関においては 研究データ管理のための作業やその達成度の評価など

0 0 0 過度に研究活動への影響を与えない取組を講じるよう努める 機関においては ポリシー策定に合わせて 研究データの作成 保存 利活用に関わる研究者及び運用従事者のリテラシーの向上や 管理 利活用に関する業務評価 人材の育成や創出 能力開発に努める () その他 機関においては ポリシー策定後も 科学技術の進展や社会の動向 機関における取組の進展等に合せ 適宜ポリシー改訂の必要性を検討する データポリシーで定めるべき項目以下に ポリシーで定めるべき具体的な項目例と各項目の基本的な記述内容を示す () 機関におけるポリシー策定の目的について 機関のビジョン ミッション等を踏まえ ポリシーを策定した背景と研究データ利活用の目的について記述する () 管理する研究データの定義 制限事項について 機関のミッションに従い ポリシーが対象とする 研究データ の定義 範囲を明確にし 利活用が想定されるデータ 将来的に利用の可能性が考えられるデータなど 研究データの種別 内容等について記述する 研究データの利活用に関する機関の方針や基本的な考え方を踏まえ また 第 期科学技術基本計画が示すオープンサイエンスの推進に係る方針 に も留意して 非公開 共有等の対象となる研究データや公開 共有における制限事項について記述する () 研究データの保存 管理 運用 セキュリティについて 研究データの特性に応じたデータの保管 運用方針と国研としての取組について記述する ( 記述上の留意点 ) 機関内で実施される研究活動において順守すべき研究データの保存 管理 運用 セキュリティに関する対応についての方針 およびこれらを実施するための体制 ならびにワークフローについて記述する その際 研究データの特性 運用のフォローアップ その他のポリシーとの整合性に留意する 研究データを登載するリポジトリ等について記述する なお 特定のリポジトリ等名のほか リポジトリ等が備えるべき条件について記述す

0 0 ることが望ましい 研究プロジェクト終了後における研究データの保存 管理等の継続性にも考慮することが望ましい () 研究データに対するメタデータ 識別子の付与 フォーマットについて 研究データに対するメタデータおよび識別子付与についての方針を記述する また 研究データの特性に応じた標準的なフォーマットが存在する場合は それも併せて記述する () 研究データの帰属 知的財産の取り扱いについて 研究データの帰属および知的財産の取り扱いについて 国研の関係規程を踏まえた上で 研究データの利活用の方針に応じて記述する この記述は 保管に際して遵守すべきルールとして規定するとともに 同ルールと研究データ利活用のルールと整合を取る 研究データに係る作成者 管理者等の免責事項について記述する () 研究データの公開 非公開および猶予期間ならびに引用について 研究データの公開について 機関の研究データの利活用の方針に応じてデータ公開までの猶予期間を適切に設定し それに基づく公開時期について記述する 公開データの利用に際しては 利用者に対して適切な引用を求める その際 識別子を用いた引用情報の記載ルールを設けるなど 他のユーザーが引用元のデータを参照できるよう配慮する 以上

0 FAIR は Findable( つけられる ) Accessible( アクセスできる ) Interoperable( 相互運 できる ) Reusable( 再利 できる ) の略で データ公開の適切な実施 法を表現しており データ共有の原則として国際的に広まったもの参考 : データ共有の基準としての FAIR 原則 (0 年 月 日 NBDC 研究開発チーム ) DOI:0.0/a.000 第 期科学技術基本計画第 章科学技術イノベーションの基盤的な力の強化 () 知の基盤の強化 オープンサイエンスの推進 ( 抜粋 ) 国は 資金配分機関 大学等の研究機関 研究者等の関係者と連携し オープンサイエンスの推進体制を構築する 公的資金による研究成果については その利活用を可能な限り拡大することを 我が国のオープンサイエンス推進の基本姿勢とする その他の研究成果としての研究二次データについても 分野により研究データの保存と共有方法が異なることを念頭に置いた上で可能な範囲で公開する ただし 研究成果のうち 国家安全保障等に係るデータ 商業目的で収集されたデータなどは公開適用対象外とする また データへのアクセスやデータの利用には 個人のプライバシー保護 財産的価値のある成果物の保護の観点から制限事項を設ける 平成 0 年 月 日に成立した不正競争防止法改正法においては 相手方を限定して業として提供するデータ (ID/ パスワード等の電磁的方法により管理されているものに限る ) の不正な取得 使用及び開示を不正競争行為に位置付け これに対する差止請求権等の民事上の措置が設けられた なお このようなデータの保護措置は他国ではまだ導入されておらず 我が国の不正競争防止法が適用にならない局面では 権利保護の対象とはならないことに留意が必要である