平成 29 年度事業計画書 Ⅰ. 重点事業平成 29 年度 ( 以下 本年度 という ) では 平成 28 年 6 月に公布された改正 特定商取引法が施行されるので これの周知徹底を図るための活動を重点的に行う これとともに 前年度に弱者保護の強化を目的として規定を変更した 訪問販売企業の自主行動基準 の普及促進を図る また 当業界に対する社会の理解を促進すべく 会員のCSR 活動 女性の活躍を支援する企業の活動の紹介に努める また 公的相談機関との情報共有に係る連携業務については前年度の実績を踏まえ充実を期す また 2020 年 4 月の当協会の設立 40 周年を目指し記念事業の検討をすすめる Ⅱ. 具体的な事業内容 1. 訪問販売取引適正化事業 (1) 事業者向教育啓発事業 1) 各種教育啓発 1 自主規制関係適正な訪問販売取引を推進するため 当協会の倫理綱領 自主行動基準 通常 過量には当たらないと考えられる分量の目安など各種指針の充実を図り 正会員への周知徹底を図るとともに ホームページや季刊誌等を通じてこれらの指針について広く業界全体に情報を提供する 本年度は 前年度に改定した訪問販売企業の自主行動基準の当該改定事項を中心に会員会社における周知及び浸透度を確認するため ダイレクトセリングの消費者志向チェックリスト を用いて調査を実施する 2 各種セミナー及び研修等関係企業を対象に法令知識等を教育啓発する場として下記のセミナー等を受講者の増大に努めつつ開催する 訪問販売コンプライアンスセミナー( 東京 大阪 ) 消費者相談担当者向講習会(4 回 ) 電話法律相談会(2 回 ) 3 特定の商品等への対応関係当協会の消費者相談室の相談データや行政及び国民生活センター等からの指導要請が在った事項等をもとに 取引適正化に資すると考えられる特定の商品等の事業者の啓発を目的に懇談会等を開催する 商品別では太陽光発電や住宅リフォームなど また 特定商取引法研究会は前年度に引き続き連鎖販売取引を対象に開催をすすめる また 前年度に引き続き改正景品表示法 7 条の社内体制整備の啓発の場として研究会を開催する 4 適正取引推進啓発関係 - 1 -
収集した苦情相談の情報等をもとに問題性の高い事例等を発生させている企業に対し注意喚起 早期啓発を行う 5 社内体制整備関係当協会が定める消費者志向チェックリストを用いての事業者への消費者志向経営のための体制整備等に係る指導 助言を行う 本年度は 訪問販売企業の自主行動基準の改定事項をダイレクトセリングの消費者志向チェックリストに追加しそれをもとに調査を行う 6 各種刊行物の作成頒布関係販売員教育用法令の各解説書 相談解決マニュアル 消費者志向経営に関するテキストなど訪問販売取引の適正化に資する各種書籍類を作成頒布する 本年度は 改正特定商取引法や改正個情法等が施行されるので当会発行のテキスト類 ( 特定商取引法ハンドブック 資格試験講座用テキスト 相談事例集など ) について所要の改訂を行う また 前年度に作成した事業者向けの特商法啓発リーフレット (A4 版 三つ折 ) を増量し頒布拡大に努める 7 講師派遣関係会員や業界紙誌等が開催するセミナーや研修会等において 関係法令及び自主規制事項の解説 トラブル事例の解説などを行う講師として当協会の役職員を派遣する 8 事業活動に係る広報関係当協会の自主規制事業や行政動向などを業界内に広く周知することを目的に 訪問販売事業者などを対象に 季刊 ダイレクトセリング ( 年 4 回 ) を作成頒布する 本年度は 協会設立 40 周年に向け 会員企業の適正取引の促進及び訪問販売業に対する社会の理解 促進に資する観点からの記念事業の検討をすすめる ( 例 : 消費者志向取組に係る表彰制度の創設 シンポジウムの開催 新聞広告の実施など ) 9 協会ホームページ情報の充実本年度は 前年度に掲載を開始した会員企業の CSR 活動及び女性販売員の活躍を支援する活動 に係る情報量や掲載方法を工夫するなど充実に努める また 消費者相談室が受け付けた苦情事例をもとに企業が消費者志向の観点から注意すべき事項をまとめた 相談室だより を本年度も継続しその内容の充実に努める 10 個人情報保護法に関連する事務局規程の整備 2) 訪問販売員教育指導者資格制度社内における販売員教育体制の中核となる指導管理者に対する資格認定制度を実施する 具体的には 協会が主催する講座 ( 法令 指導管理者に必要な事項 などを学 - 2 -
ぶ講座 ) を受講し 講座を受講した日の最後に筆記試験を実施する 試験合格者には 訪問販売員教育指導者資格証 を交付する 合格基準 (100 点満点中 70 点以上を取得し かつ 特定商取引法に関する問題について誤答が2 問以内 ) に基づき協会事務局で採点のうえ合否を判定する 本年度も前年度と同様に東京 2 回 大阪及び福岡は各 1 回実施 また 再受講は東京 2 回 大阪 福岡で各 1 回実施する 3) 訪問販売員登録制度訪問販売員に対する教育啓発を通じて取引の公正 適正化を図ることを目的に 協会が正会員に標準教育カリキュラムに準拠した社内教育の内容をまとめた教育計画書の提出を求め 事務局が確認後 当該正会員が当該計画書に沿って販売員教育を実施し 評価試験に合格した販売員を協会に登録する制度を実施する 登録者には正会員を通じて JDSA 認定教育登録証 を交付する 本年度も訪問販売員登録制度に基づく教育の普及促進を図り より多くの正会員が登録制度に参加するように努める (2) 不当な訪問販売に係る審査事業正会員が協会の定める倫理綱領 自主行動基準 各種ガイドライン等に違反した場合に 倫理審査委員会等において当該正会員に対する措置等を審議し 総会に対し必要な措置等 ( 改善勧告 権利の停止 除名 ) を勧告する また 特定商取引法に反する行為をした正会員に対しては 理事会または総会の決議に基づき定款及び規則に規定する過怠金を徴収するなどの対応をすすめる (3) 消費者向啓発事業 1) 消費者啓発用パンフレット リーフレット等の作成配布訪問販売トラブルの防止や当協会が実施する自主規制活動の紹介等を目的に 消費者啓発用の印刷物を作成し消費者センター等を通じて消費者に配布する 本年度も昨年度に続いて高齢者向け啓発リーフレットを全国の消費者センターや社会福祉協議会等の高齢者と接点のある関係機関を通じて配布する 本年度は 政府において民法上の成年年齢の引下げについて検討がすすめられていることを踏まえ 若者を巡る消費者トラブルの防止に資する啓発資料を作成し 自治体 学校等の啓発講座等での積極的な活用を呼びかけ 希望があれば当協会より講師を派遣する 2) 啓発会議や講座等への参加 講師派遣 1 地方自治体や消費者センター或いは老人大学等の地域団体等が主催する消費者向けの啓発会議等へ参加する 2 行政機関等が主催する消費者向講座や担当職員等の研修等に協会職員を講師として派遣する - 3 -
2. 消費者苦情等問題解決及び被害救済事業 1) 消費者相談受付 解決 ( 訪問販売ホットライン ) 事業 1 相談受付とその受付体制の周知新設のフリーダイヤルを活用し 訪問販売に関する消費者からの相談を受け付け 解約苦情はあっせんし解決を図る また 本年度においても円滑な相談対応に資するため正会員の消費者相談担当窓口の名称 担当役員 責任者 担当者の氏名及び役職等の協会への届出を行う 2 当協会が受け付けた苦情相談等の解決に係る情報を整理し 年 4 回程度 報告書 レポートを纏め業界内外に周知し類似苦情等の発生の防止を図る 2) 訪問販売業界 ADR 制度当協会の消費者相談室で解決が困難な 紛争化した案件について 消費者取引紛争処理機構 による迅速かつ公平な解決を図る 当該機構における具体的な紛争処理の運用は まず協会消費者相談室が従来通り消費者苦情の受付 解決等の業務を行う そして 解決困難な苦情を 消費者苦情検討会 にかける 検討会は 協会事務局と学識経験者 1 名で構成され 契約両当事者の事情聴取を行い解決のためのあっせんを行う やむなく不調となった場合は 両当事者の同意のもとに 消費者取引紛争処理委員会 にかける 紛争処理委員会は 3 名の学識経験者等の委員で構成し 紛争案件の解決策を作成し案件の解決を図る 本年度も適用事案があった場合に制度の適切な運用に努める 3) 訪問販売消費者救済基金事業当会会員事業者との間で締結された訪問販売契約に関し 契約の解除等を行い 既払金の返還を請求した消費者に対し 正当な理由なくその金銭が返還されない場合に 当該消費者に当会が一定の金銭を救済給付することで消費者被害の救済を行う 本年度も適用事案があった場合に制度の適切な運用に努める 4) 組織拡大等の推進本年度においても当協会を中心とした業界の自主規制の重要性を周知し 現状の会員の質を維持しつつ会員の増員に努める 本年度においても小規模事業者等が加入しやすい環境整備の一環として昨年度の会費規程の改定に続き 消費者救済基金の額の改定等を検討する 3. 関係機関との連絡調整及び業界実態の調査統計事業 1) 行政 内外関係機関等との連絡調整及び施策研究事業訪問販売取引の適正化を通じて国民生活の向上安定に資するため 審議会や懇談会等の機会を通じて行政や消費者関係機関 ( 一社 ) 日本クレジット協会や訪販協会世界連盟等との情報交流 連絡調整を行い 必要な施策等に係る研究及び提言 連携業務などを行う また 被災地支援を目的に前年度に引き続きベルマーク教育助成財団と連携し - 4 -
ベルマーク募集の支援活動を実施する また 本年度においては 前年度における公的相談機関の苦情情報 (3カ年の苦情件数及び上限 50 件の苦情内容 ) の共有に係る業務連携の実績をふまえその拡充に努めることで会員事業者が行う消費者取引の一層の適正化に資することとする 2) 業界基礎データ収集 提供及び調査事業 1 訪問販売取引の適正化や消費者保護に係る施策を検討するうえで必要となる業界基礎資料の収集 提供を行う 2 会員概要 ( 売上高 販売員数 雇用形態 給与形態等各種データ ) を収集し 当該データ等を基にした売上高等の推計 また当該データ等を基にした業種別数値の整備等を行う 本年度は 調査項目の追加を検討する 3 当協会が設立当初から加盟しているWFDSA( 訪問販売協会世界連盟 本部ワシントン 会長ダグ デボス氏 約 50カ国の訪問販売協会が加盟 ) が 平成 29 年 10 月 1 日より3 日間パリで開催する第 15 回訪問販売協会世界大会に参加し 日本の業界や企業の動向 法制度の現状などを紹介するとともに 欧米や中国などの海外市場情報を収集し報告書にとりまとめ会員と共有する 会員企業から参加者を募る - 5 -