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( 別紙 ) 答申 : 行文第 24 号 諮問 : 行文第 24-1 号 答申第 1 審査会の結論実施機関が行った本件不開示決定処分については適正であったと認める 第 2 諮問事案の概要 1 行政文書の開示請求異議申立人は 平成 24 年 5 月 7 日 奈良市長 ( 以下 実施機関 という ) に

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イ不動産鑑定評価書のうち次の部分 ( ア ) 鑑定評価額並びに鑑定評価額を導くための単価 補正係数 補正事項 想定係数及び想定事項 ( イ ) 取引事例に関する情報 ( 市町村名を除く ) (3) 開示しない理由ア (2) のア当該文書の作成又は取得をしていないためイ (2) のイの ( ア ) 条

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

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非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

第1 審査会の結論

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諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

11総法不審第120号

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査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

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7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

別紙 答申 1 審査会の結論 委託事業者の企画提案書 及び 選考会議の資料 について行われた部分公開の決定は 妥当である 2 異議申立ての趣旨 (1) 異議申立人 ( 以下 申立人 という ) は 神戸市情報公開条例 ( 以下 条例 という ) に基づき 以下の公開請求 ( 以下 本件請求 という

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

答申第203号(公表用)

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

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11総法不審第120号

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

1 審査会の結論平成 30 年 1 月 12 日付けで審査請求人が行政文書公開請求した 深沢地域整備事業に関し J R 東日本の要望 条件 要請 意向等の文書 ( 復命書含む ) 及び前記の記載がある文書 に対して実施機関鎌倉市長が平成 30 年 3 月 12 日付けで行った行政文書一部公開決定処分

11総法不審第120号

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件事案の概要本件は, 審査請求人が平成 29 年 8 月 29 日付けで法人文書の開示請求を行ったことに対し, 同年 9 月 29 日付け千大総第 307 号により, 法人文書の一部を不開示とする開示決定等処分 ( 処分 1) を行ったところ, 審査請求が提起された

富士見市都市計画税条例 ( 昭和 46 年条例第 40 号 ) 新旧対照表 ( 第 1 条による改正 )( 専決 ) 新 旧 附則 附則 ( 改修実演芸術公演施設に対する都市計画税の減額の規定の適用を受けようとする者がすべき申告 ) 6 法附則第 15 条の11 第 1 項の改修実演芸術公演施設につ

承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

Microsoft Word - 答申第141号.doc

個人情報の保護に関する規程(案)

ナショナル・トラスト税制関係通知

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

11総法不審第120号

2 異議申立ての理由 文書不存在 はあり得ないと考える 第 4 実施機関の説明要旨 実施機関から提出された理由説明書の要旨は次のとおりである 1 本件開示請求と関わる可能性がある文書がないか調査した 開示請求のあった文書が 沖縄県と福建省との友好省県締結に関わるものであることが推測されたことから 対

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

Taro-答申第64号

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

諮問第 483 号 答 申 第 1 審査会の結論 千葉県教育委員会 ( 以下 実施機関 という ) の決定は妥当である 第 2 異議申立人の主張要旨 1 異議申立ての趣旨異議申立ての趣旨は 実施機関が平成 24 年 3 月 28 日付教財第 1947 号で行った行政文書不開示決定 ( 以下 本件決定

おいて開催されていた法の制度運営に関する検討会の報告 ( 平成 17 年 3 月 29 日 ) では, 法の運用に関する改善措置として, 理由付記に関して 特に, 文書不存在を理由とする不開示決定については, 例えば, 請求対象文書をそもそも作成 取得していない, 作成したが保存期間が経過したので廃

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

12. 地価公示は 土地鑑定委員会が 毎年 1 回 2 人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め その結果を審 査し 必要な調整を行って 標準地の正常な価格を判定し これを公示するものである 13. 不動産鑑定士は 土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては 近傍類地の取 引価格から

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第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

Microsoft Word - 答申第41号.doc

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

○H30条例19-1

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

横情審答申第 1534 号 平成 3 0 年 11 月 15 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市個人情報の保護に関する条例第 53 条第 1 項の規定に基づく諮問 について ( 答申 ) 平成 29 年 5 月 1 日総職健第 86 号による次の諮問につ

また 立入調査は 市職員又は市長が委任した者が行い 調査者については身分等を示す証明書を携帯し 関係者からの請求があった場合は提示しなければならないため 立入調査員証 ( 様式第 2 号 ) により身分を証明するものとします 参考 < 基本指針 > 一 7(p.12~13) <ガイドライン> 第 3

大情審答申第 号

11総法不審第120号

新座市税条例の一部を改正する条例

処分済み

11総法不審第120号

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

警備の下にあり 仮に本件対象文書が開示されたとしても院内への不法な侵入及び院内での不法な活動は困難であり 犯罪の予防 鎮圧等に支障を及ぼすとは考えられず 合理性を欠いている したがって 本件対象文書は法第 5 条第 4 号には相当せず 規程第 4 条第 3 号に定める事務局不開示情報に該当しないこと

販売用不動産の時価評価の基準(案)と論点

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

処分済み

情報公開答申第733号本文(諮問第923号)

このガイドラインは 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する留意事項 ( 制定 発出時点において最適と考えられる法令解釈 運用等 ) を示したものである 第一章 総則 1-1 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令 ( 平成 19 年

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

問にさらされることはむしろあるべき姿であり, それによって一層公益の増進に資するともいえる 特に, 本件のような面接試験の場合には, 試験結果の開示が, 面接試験以外の事由で受験者を選抜したのではないことを示すといった効果もあり, 面接試験が適正に行われることを確保するに大きく資すると言える したが

11総法不審第120号

平成  年(オ)第  号

ありどのような証言がなされたのか ( 請求人にとって虚偽と思われる証言が無いか等 ), また産業医が本人の意見を聞かずにどう判断し診療録に記載したのかを知る権利が請求人にはあると考える 3 請求人については, 特定理由等から特定機関等が千葉大学に対して診療録の開示を求める可能性もあり得るが, 千葉大

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ついて その取消しを求めるというものである (2) 異議申立ての理由異議申立人が 異議申立書及び意見書で主張している異議申立ての主な理由は 次のように要約される ア異議申立書における主張異議申立人の配偶者が一方的に有り得ない夫婦間暴力の被害申告 ( 以下 虚偽 DV 被害申告 という ) を 警察署

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処分済み

法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合

て本学が過去に公表した内容は除く ) 及び 3 当該事故に係る診療科, 機構への報告日その他報告内容に係る情報として事務担当者が加筆したメモ について全部開示を求める 少なくとも患者, 医師の個人情報に係らない部分については開示すべき そもそもこの報告書は同じような事故が起きないようにするために医師

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

答申

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

等調整都市計画税額が 当該商業地等に係る当該年度分の都市計画税の課税標準となるべき価格に 10 分の 6 を乗じて得た額 ( 当該商業地等が当該年度分の固定資産税について法第 349 条の 3( 第 20 項を除く ) 又は法附則第 15 条から第 15 条の 3 までの規定の適用を受ける商業地等で

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

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Transcription:

答申第 157 号 答 申 第 1 審査会の結論実施機関の決定は妥当である 第 2 諮問事案の概要 1 行政文書の開示請求 異議申立人は 平成 25 年 7 月 24 日 奈良県情報公開条例 ( 平成 13 年 3 月奈良県条例第 38 号 以下 条例 という ) 第 6 条第 1 項の規定に基づき 奈良県知事 ( 以下 実施機関 という ) に対し 古都法第 11 条買入れ鑑定評価条件の 宅地見込地 を鑑定評価条件が削除 変更された起案決裁文書 の開示請求 ( 以下 本件開示請求 という ) を行った 2 実施機関の決定 平成 25 年 8 月 5 日 実施機関は 本件開示請求に対応する行政文書を作成又は取得していないため不存在として 行政文書の不開示決定 ( 以下 本件決定 という ) を行い 異議申立人に通知した 3 異議申立て 異議申立人は 平成 25 年 9 月 13 日 本件決定を不服として 行政不服審査法 ( 昭和 37 年法律第 160 号 ) 第 6 条の規定に基づき 実施機関に対し 本件決定の取消しを求める異議申立てを行った 4 諮問 平成 25 年 9 月 27 日 実施機関は 条例第 19 条の規定に基づき 奈良県情報公開審査会 ( 以下 当審査会 という ) に対して 当該異議申立てに係る諮問を行った 第 3 異議申立人の主張要旨 1 異議申立ての趣旨 古都法第 11 条買入れ鑑定評価条件の 宅地見込地 を鑑定評価条件が削除 変更された起案決裁文書の不開示決定処分を取り消す 2 異議申立ての理由 異議申立人が 異議申立書において主張している異議申立ての理由は おおむね次

のとおりである (1) 開示請求に係る文書は要綱であり 作成取得していないとの処分理由そのものが 事実を捏造したものである (2) 現在 実施機関は 宅地見込地 を鑑定評価条件から削除した条件の鑑定依頼を している 第 4 実施機関の説明要旨 実施機関が 理由説明書及び口頭理由説明において説明している本件決定の理由は おおむね次のとおりである 1 理由説明書 (1) 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法 ( 昭和 41 年法律第 1 号 以下 古都保存法 という ) 第 11 条の申出に基づく土地買入れの事務について 歴史的風土特別保存地区内の土地で 歴史的風土の保存上必要があると認められ るものについて 古都保存法第 8 条第 1 項の許可を受けることができないためその 土地の利用に著しい支障を生じたとして 土地所有者から 県においてその土地を 買い入れるべき旨の申出があった場合 県はその土地を買い入れるものとされてい る ( 同法第 11 条第 1 項 ) 実施機関は これに基づき 土地を買い入れる事務を 行っている 実施機関が買い入れる土地の価額は 時価によるものとし 政令で定めるところ により 評価基準に基づいて算定しなければならないとされている ( 古都保存法第 11 条第 2 項 ) これを受けて 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置 法施行令 ( 昭和 41 年政令第 384 号 以下 令 という ) においては その価 額は 近傍類地の取引価額等を考慮して算定した相当な価額とし ( 令第 9 条第 1 項 ) その価額を算定するに当たっては 不動産鑑定士その他の土地の鑑定評価につ いて特別の知識経験を有し かつ 公正な判断をすることができる者に評価させな ければならない ( 令第 9 条第 2 項 ) と定められている これらの規定に基づき 実 施機関は個々の買入予定地の鑑定評価を不動産鑑定士に依頼している (2) 本件異議申立ての趣旨について 異議申立人は 平成 25 年 8 月 5 日付け風景第 56 号の 19 による古都法第 1 1 条買入れ鑑定評価条件の 宅地見込地 を鑑定評価条件が削除 変更された起案 決裁文書 の開示を求めている 鑑定評価の条件については 国土交通省が制定した不動産鑑定評価基準 ( 昭和 3 9 年制定 以下 不動産鑑定評価基準 という ) に定められており 通常 対 象確定条件 と 地域要因又は個別的要因についての想定上の条件 に大別されて いる 対象確定条件 とは 対象不動産の所在等の物的事項及び所有権等の権利 の態様に関する事項を確定するための必要な条件をいい 他方 地域要因又は個 別的要因についての想定上の条件 とは 依頼目的に応じ対象不動産に係る価格形 成要因のうち地域要因又は個別的要因について想定上の条件を付加する場合の鑑定

評価の条件をいう 異議申立人が問題としている 鑑定評価条件 とは 後者の 地域要因又は個別的要因についての想定上の条件 を意味するものと解される 異議申立人が開示を求めている文書は 開示請求書の記載により 古都保存法第 11 条に基づく土地の買入れに際して 買入価格を算定するために不動産の鑑定評価を依頼する際の鑑定評価の条件の変更に関する文書であると解した ただ 後述のように 宅地見込地は鑑定評価の条件ではないため 異議申立人が開示を求めている文書は存在しないことから 実施機関は不開示とした 宅地見込地が鑑定評価の条件であるとの前提で 鑑定評価の条件から宅地見込地を削除した文書が存在しているとして 本件決定の取消しを求めていることが本件異議申立ての趣旨であると実施機関は解している しかし 後述のように 宅地見込地は鑑定評価の条件ではないため 本件異議申立ては前提に誤りがあると実施機関は解している (3) 行政文書の不存在について ア 古都保存法の土地買入制度における鑑定評価の条件 古都保存法の土地買入制度は 歴史的風土の保存の実効の確保及び古都保存法による土地利用規制に対する私権の救済を目的として設けられていることから 買入価格の算定に当たっては 古都保存法の土地利用規制による土地の資産価値の低下を勘案する必要がある このことから 実施機関は 古都保存法に基づく規制による影響を考慮しない という鑑定評価の条件を付加して鑑定評価を依頼している 土地買入制度を運用するに当たり 実施機関は制度運営要綱等を制定しているが 当該鑑定評価の条件について明文の規定はない 当該鑑定評価の条件が明記されたものとして 1 業務の目的と範囲等に係る確認書 2 平成 24 年度における不動産鑑定評価依頼書 3 平成 25 年度における不動産鑑定評価等業務仕様書がある 1は 国土交通省が定めた 不動産鑑定士が不動産に関する価格等調査を行う場合の業務の目的と範囲等の確定及び成果報告書の記載事項に関するガイドライン に基づき平成 22 年度から作成することとなったものである 2は 実施機関が鑑定評価を依頼する際に不動産鑑定士に対して発出する文書であり 平成 24 年度の鑑定評価依頼において 依頼内容を明確にするという趣旨から当該鑑定評価の条件を明記したものである 3は 平成 25 年度から鑑定評価の依頼先を入札により選定することとしたことにより作成することとなった当該入札に係る業務仕様書である 1 2 及び3のいずれにも 宅地見込地 を鑑定評価の条件とする旨の記述はない また 当該鑑定評価の条件は 文書に明記されているか否かにかかわらず これまでに変更 削除等が行われた事実はない イ 宅地見込地について 宅地見込地とは 土地の種別の一種である 土地の種別とは 地域の種別に応じて分類される土地の区分であり 宅地 農 - 1 -

地 林地 見込地 移行地等に分けられ さらに地域の種別の細分に応じて宅地見込地 農地見込地等に分けられる 以上により 宅地見込地とは 宅地以外の地域から宅地へと転換しつつある地域にある土地をいうこととなる このように 宅地見込地であるか否かについては その対象不動産がどのような地域に存するか その地域はどのような特性を有するか等の地域分析を経て判断されるものである 鑑定評価の条件は依頼者が依頼内容に応じて設定するものであるが 宅地見込地であるか否かは 地域分析を的確に行いうる不動産鑑定士が専門家として判断することであって 依頼者において判断できることではない 言い換えれば 宅地見込地は鑑定評価の条件になり得ないのである 以上の見解は 不動産鑑定評価基準に沿うものである ウ 行政文書の不存在について ア及びイのとおり 宅地見込地が鑑定評価の条件になり得ない以上 異議申立人が求める文書 すなわち 鑑定評価の条件から 宅地見込地 を削除した決裁文書その他の行政文書を作成することはあり得ず そのような文書は存在しない 2 口頭理由説明 古都保存法に基づく土地の買入制度は 同法の土地利用規制により土地利用が制限されることに対する財産的補償を目的とすることから 必然的に 古都保存法に基づく規制による影響を考慮しない という想定上の条件を付加することになる したがって 実施機関が想定上の条件を変更 削除等を行うことは想定されず これまでに変更 削除等が行われた事実はない また 想定上の条件は 土地買入制度の目的から必然的に導き出されるものであることから 必ずしも要綱等において 明文により規定する必要はないと考えている 第 5 審査会の判断理由当審査会は 本件事案について審査した結果 次のとおり判断する 1 基本的な考え方 条例は その第 1 条にあるように 県政に対する県民の理解と信頼を深め 県民の県政への参加を促進し もって県民の知る権利への理解を深めつつ 県の有するその諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに 公正で開かれた県民本位の県政を一層推進することを目的として制定されたものであり その解釈 運用に当たっては 県民の行政文書開示請求権を十分尊重する見地から行わなければならない したがって 当審査会は県民の行政文書開示請求権を十分尊重するという条例の趣旨に従い 実施機関の意見聴取のみにとどまらず 審査に必要な関係資料の提出を求め 当審査会により調査を行い 条例の適用について判断することとした - 2 -

2 行政文書の不存在について 異議申立人が 古都法第 11 条買入れ鑑定評価条件の 宅地見込地 を鑑定評価条件が削除 変更された起案決裁文書 の開示を求めているのに対し 実施機関は 当該文書を作成又は取得していないため不存在であると主張しているので 以下検討する 不動産の鑑定評価については 国土交通省が定めた統一的基準である不動産鑑定評価基準に準拠するものとされている 同基準は 不動産の鑑定評価に当たって確定しなければならない基本的事項として 地域要因若しくは個別的要因についての想定上の条件 ( 以下 想定上の条件 という ) について定めている 異議申立人は 実施機関が 古都保存法に基づく土地買入事務において 過去においては 宅地見込地 を 想定上の条件 としていたとの前提に立ち ある時点においてその変更 削除等が行われた結果 現在の 想定上の条件 となったと考え 当該変更 削除等に係る起案文書の開示を求めている と解される これに対し実施機関は 古都保存法に基づく土地買入制度が創設されて以来現在まで 古都保存法に基づく規制による影響を考慮しない という 想定上の条件 を付加しており 当該 想定上の条件 について変更 削除等を行った事実はなく 当該変更 削除等に係る起案文書は作成していないと説明している また 想定上の条件 について変更 削除等を行った事実がないという点について 実施機関に説明を求めたところ 古都保存法に基づく土地の買入制度は 同法の土地利用規制により土地利用が制限されることに対する財産的補償を目的とすることから 必然的に 古都保存法に基づく規制による影響を考慮しない という 想定上の条件 を付加することになり 変更 削除等を行うことは想定されないとのことであった ところで 想定上の条件 について要綱等に明記されているとすれば 当該 想定上の条件 を変更 削除等を行う場合には 当該要綱等が改正されると考えられることから 当審査会は 古都保存法に基づく土地の買入事務に係る要綱等の制定に係る起案文書及びその後数度の改正に係る起案文書について 実施機関から提出を受け これを見分したところ 当該 想定上の条件 について定めた明文の規定は認められなかった このことについて 実施機関に説明を求めたところ 想定上の条件 は土地買入制度の目的から必然的に導き出されるものであることから 必ずしも要綱等において 明文により規定する必要はないと考えているとのことであった また 当審査会は 実施機関が不動産鑑定士に対して鑑定評価を依頼する際に発出する不動産鑑定評価依頼書等について 実施機関から提出を受け 想定上の条件 に係る記述の有無及び記述の内容を確認したところ 実施機関の説明と矛盾する点は認められなかった これらを勘案すると 当該文書を作成していないという実施機関の説明に 特段不自然 不合理な点はなく 当該文書が存在すると推測させる特段の事情もない したがって 本件開示請求に対応する行政文書は存在しないとする実施機関の説明は是認できると判断する - 3 -

3 結論 以上の事実及び理由により 当審査会は 第 1 審査会の結論 のとおり判断する 第 6 審査会の審査経過 当審査会の審査経過は 別紙のとおりである - 4 -

( 別紙 ) 審査会の審査経過 年月日審査経過 平成 25 年 9 月 27 日 実施機関から諮問を受けた 平成 25 年 11 月 5 日 実施機関から理由説明書の提出を受けた 平成 26 年 5 月 14 日 実施機関から不開示理由等を聴取した ( 第 173 回審査会 ) 事案の審議を行った 平成 26 年 6 月 10 日 答申案のとりまとめを行った ( 第 174 回審査会 ) 平成 26 年 6 月 23 日 実施機関に対して答申を行った - 5 -

( 参考 ) 本件答申に関与した委員 ( 五十音順 敬称略 ) 氏名役職名備考 いしだひでじろう 石田榮仁郎 近畿大学名誉教授 ( 憲法 ) 弁護士 会長代理 いろめよしお以呂免義雄 弁護士 ちはらみえこ千原美重子 臨床心理士 ほそみみえこ細見三英子 元産経新聞社記者 みなみがわあきひろ大阪学院大学大学院法務研究科教授南川諦弘会長 ( 行政法 ) 弁護士 - 6 -