資料 4 国土交通省における 循環型社会形成の取組 平成 23 年 10 月 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
目次 1. 建設リサイクルの推進 1 2. 下水道における未利用資源 エネルギーの有効利用の促進 2 3. リサイクルポート施策の推進 6 4. 海面処分場の計画的な整備 10 5. 広域地方計画における地域循環圏 バイオマスに関する取組 11 6. 東日本大震災からの復興に当たって 12
1. 建設リサイクルの推進 施策の概要新たな建設リサイクル推進計画 ( 建設リサイクル推進計画 2008( 平成 20 年 4 月策定 )) に基づく施策の実施 建設リサイクル法 1 の徹底などにより 建設リサイクルを推進 1 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 ( 平成十二年五月三十一日法律第百四号 ) 背景 課題 目標 建設リサイクルに関するこれまでの主な取り組み ( 建設リサイクル推進計画 2002 建設リサイクル法等) により 建設廃棄物全体の再資源化等率は平成 17 年度には92% にまで上昇したが リサイクルの質の向上については十分な成果が得られるに至っていないことや 不法投棄廃棄物の約 7 割を建設廃棄物が占めている等の課題が残されている 建設廃棄物 建設発生土 ( 有効利用率 ) 建設副産物の再資源化等の状況 平成 17 年度実績 斜体字は縮減 ( 焼却 脱水 ) 含み建設発生土の実績 ( 下線字 ) は現場内完結利用を含まない有効利用率 実施状況 平成 20 年度実績 100 92.2% 94% 93.7% 98.1% 98% 以上 コンクリート塊 97.3% 80.8% アスファルト コンクリート塊 98.6% 98% 以上 98.4% 40.3% 68.2% 77% 90.7% 95% 以上 建設発生木材 80.3% 89.4% 205 万 t平成 17 年度の排出量に対して30% 削減 952 万 t 建設混合廃棄物 ( 排出量 ) 建設汚泥 平成 7 年度実績 13.8% 20 40 60 80 58.2% 293 万 t 267 万 t 32% 64.7% 74.5% 85.1% 80.1% 78.6% 82% 87% 平成 24 年度目標 不法投棄の約 7 割が建設廃棄物 ガラス 陶磁器くず, 1,031t 汚泥 ( その他 ), 1,082t 燃え殻, 2,411t 動植物性残さ, 2,453t 動物のふん尿, 2,619t 鉱さい, 2,657t 廃フ ラスチック類 ( 建設系 ), 284t 木くず ( その廃フ ラスチック類廃フ ラスチック類金属くず, 他 ), 719t ( 廃タイヤ ), 784t 525t 木くず ( 建設系 ), 5,011t : 建設廃棄物 : その他の産業廃棄物 平成 21 年度不法投棄量 57,274t 汚泥 ( 建設系 ), 9,222t ( その他 ), 367t その他, 805t これらの課題解決のため これまでの規制的手法に加え 民間主体の創造的取り組みを推進力とした新たな 3R 推進手法の構築を目指すため 今後の建設リサイクルの推進に向けた基本的考え方 目標 具体的施策を内容とする 建設リサイクル推進計画 2008 を策定 建設リサイクル法の対象工事は 分別解体等実施義務があるため 分別解体等の徹底が必要 建設リサイクル法完全施行から 5 年経過後に実施した法律の施行状況についての検討結果を踏まえ 必要な措置を実施 建設リサイクル推進計画 2008の実施 平成 20 年度建設副産物実態調査結果においては 建設廃棄物全体の再資源化等率は93% にまで上昇 建設リサイクル推進計画 2008 に基づき 次期建設副産物実態調査要領の検討 建設汚泥等の再資源化に伴うCO2 排出量の削減手法 建設混合廃棄物の排出量削減方策の検討等を実施している 建設リサイクル法の徹底 分別解体を徹底するため 都道府県 特定行政庁による工事現場等のパトロールを強化 社整審環境部会建設リサイクル推進施策検討小委員会及び中環審廃棄物 リサイクル部会建設リサイクル専門委員会合同会合でまとめられた 建設リサイクル制度の施行状況の評価 検討についてとりまとめ ( 平成 20 年 12 月 ) を踏まえ 省令改正を実施 ( 平成 22 年 4 月 1 日施行 ) する等 必要な措置を講じている 建設混合廃棄物, 14,123t がれき類, 13,181t 1
2. 下水道における未利用資源 エネルギーの有効利用の現状 (1) 下水道は 都市活動から発生する下水や熱を収集しており 大きな資源 エネルギーポテンシャルを保有している 下水汚泥の有効利用については 増加傾向にあるが 下水道バイオマスの利用状況は低い水準にとどまっている 2,500 2,000 下水汚泥の有効利用の現状 下水汚泥リサイクル率 燃料化等 64 67 70 74 77 78 77 80 70 60 下水道バイオマスリサイクル率 下水汚泥中の有機物 ( バイオマス ) のうち ガス発電等エネルギー利用や緑農地利用等 有効利用された割合 エネルギー利用率 消化ガス 12.4% 約 13% 汚泥燃料 0.8% 緑農地利用 11.2% 発生汚泥量 ( 千 DS-t) 1,500 1,000 500 20 15 15 16 17 その他 2424 30 38 緑農地 50 52 48 45 埋立 56 60 建設資材 ( セメント化 ) 建設資材 ( セメント化以外 ) 50 40 30 20 10 リサイクル率 (%) 約 24% < 総バイオマス量 :179 万トン > バイオマスとして未利用 75.6% 参考 : 下水道のエネルギーポテンシャル ポテンシャルの区分 下水汚泥 下水熱 下水汚泥発生量 : 223 万トン / 年 ( 乾燥ベース ) 下水処理量 : 140 億 m3/ 年 賦存量 7,800Gcal/h 約 1,500 万世帯の 年間冷暖房熱源に相当 (2009 年度 ) 発電可能量 : 36 億 kwh/ 年 約 67 万世帯の 年間電力消費量に相当 0 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 年度 0 太陽光発電 発電可能量 : 23 億 kwh/ 年処理場数 : 風力発電 約 43 万世帯の 2,023 箇所小水力発電年間電力消費量に相当 2005 年度出典 : 下水道統計等に基づき国土交通省下水道部が作成 2
下水道における未利用資源 エネルギーの有効利用の現状 (2) 社会的要請 循環型社会の構築 ( 廃棄物の処分場の逼迫 ) 地球温暖化対策 ( 温室効果ガスの排出削減 ) 先行的事例 固形燃料化 ( 東京都 ) CO 2 削減効果 : 約 37,000t/ 年 汚泥炭化施設 炭化汚泥 常磐共同火力発電所発電施設 下水汚泥は 減量化 から 活用 再生 へ 自動車燃料 都市ガス利用 ( 神戸市 ) CO 2 削減効果 : 約 1,200t/ 年 脱水 焼却等による減量化 資源 エネルギーの活用 再生 精製装置 都市ガス ( 実証実験中 ) 埋立処分建設資材肥料など 転換 電力 燃料 ( 固形燃料 肥料 ステーション ガス発電 固形燃料化 ( 黒部市 ) 下水汚泥とコーヒー残渣等を合わせて処理 など 3
下水道におけるエネルギー活用の促進 今後のエネルギー政策の方向性 未利用エネルギー再生可能エネルギー 加速のための方策 革新的技術のシステム開発 基準化 の活用 現在 13% のエネルギー利用率を大幅に向上 PPP 方式の積極的活用 流入 下水 下水処理の最先端省エネ化技術 高効率下水処理 下水汚泥 メタン発酵 汚泥の最先端再生可能エネルギー化技術 消化汚泥 低コスト固形燃料化 高効率ガス精製 高効率ガス発電 下水処理水 汚泥燃料 精製 放流 処理場内利用 発電所 製紙工場等 都市ガス工場等 平成 23 年度は 以下の 2 事業を実証中 超高効率固液分離技術を用いたエネルギーマネジメントシステムに関する実証事業 ( 大阪市中浜 ) 再生可能エネルギー生産 革新的技術実証事業 ( 神戸市東灘処理場 ) 電気 下水道管理者 下水処理 汚泥など 民間事業者と下水道管理者の連携 エネルギー再生 先進技術の活用 流通ノウハウの活用 民間資金の活用 エネルギー供給事業者 都市へ供給 制度改正 ( 都市再生特別措置法の一部改正 ( ) ) ~ 下水の未利用エネルギーを民間利用するための規制緩和 ~ ~ 下水下水 下水熱を利用するための設備 熱交換器又はヒートポンプ 再生エネルギー ビルテナント等 ビルテナント等 4
下水道を核とした都市のエネルギー循環 5 地域で発生する汚水をで集約処理 下水処理で発生する下水汚泥と 都市部で発生する生ゴミ等の都市バイオマスや地域のバイオマス等を集約処理し 再生可能エネルギー化 固形燃料 汚泥焼却廃熱 下水熱等の下水道が有する再生可能エネルギーを地域に還元 下水汚泥固形燃料 汚泥焼却廃熱 下水熱 発電所 電気 熱供給施設 熱 ( 給湯 冷暖房 ) 固形燃料化施設 下水 オフィスビル 家庭 バス燃料 メタン発酵施設 都市ガス ステーション 生ゴミ等都市バイオマス