別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

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Microsoft Word - 届出基準

耐性菌届出基準

二類感染症届出基準

Microsoft Word - 届出基準

症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成

Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス

蚊を介した感染経路以外にも 性交渉によって男性から女性 男性から男性に感染したと思われる症例も報告されていますが 症例の大半は蚊の刺咬による感染例であり 性交渉による感染例は全体のうちの一部であると考えられています しかし 回復から 2 ヵ月経過した患者の精液からもジカウイルスが検出されたという報告

医療機関における診断のための検査ガイドライン

インフルエンザ(成人)

新旧対照表

事務引継(結核感染症課 神ノ田 → 前田)

【差替がっちゃんこ】告示・届出基準改正通知

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

インフルエンザ施設内感染予防の手引き

インフルエンザ定点以外の医療機関用 ( 別記様式 1) インフルエンザに伴う異常な行動に関する調査のお願い インフルエンザ定点以外の医療機関用 インフルエンザ様疾患罹患時及び抗インフルエンザ薬使用時に見られた異常な行動が 医学的にも社会的にも問題になっており 2007 年より調査をお願いしております

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

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検査項目情報 インフルエンザウイルスB 型抗体 [HI] influenza virus type B, viral antibodies 連絡先 : 3764 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 5F410 分析物 インフルエン

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( 別添 ) インフルエンザに伴う異常な行動に関する報告基準 ( 報告基準 ) ( 重度調査 ) インフルエンザ様疾患と診断され かつ 重度の異常な行動を示した患者につき ご報告ください ( 軽度調査 ) インフルエンザ様疾患と診断され かつ 軽度の異常な行動を示した患者につき ご報告ください イン

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70 例程度 デング熱は最近増加傾向ではあるものの 例程度で推移しています それでは実際に日本人渡航者が帰国後に診断される疾患はどのようなものが多いのでしょうか 私がこれまでに報告したデータによれば日本人渡航者 345 名のうち頻度が高かった疾患は感染性腸炎を中心とした消化器疾患が

2009年8月17日

さらに 職場における感染防止対策の検討を行うに当たっては 産業医等の助 言を受けることや 衛生委員会において対策を審議するなど 労働安全衛生法上 の安全衛生管理体制を活用し 実施していくことが望まれます Q2 発熱や呼吸器症状等のインフルエンザ様症状を呈した労働者にはどのような注意をすればよいですか

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届出基準(定点把握疾患)

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報告風しん

Microsoft Word - 【通知本文】.doc

今週前週今週前週 2/18~2/24 インフルエンザ ヘルパンギーナ 4 4 RS ウイルス感染症 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 7 4 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目

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顎下腺 舌下腺 ) の腫脹と疼痛で発症し そのほか倦怠感や食欲低下などを訴えます 潜伏期間は一般的に 16~18 日で 唾液腺腫脹の 7 日前から腫脹後 8 日後まで唾液にウイルスが排泄され 分離できます これらの症状を認めない不顕性感染も約 30% に認めます 合併症は 表 1 に示すように 無菌

結核発生時の初期対応等の流れ

目次 1 はじめに 1 2 定義 1 3 デング熱 (1) デング熱とは 2 (2) 臨床的特徴 2 (3) デング熱の届出基準 2 (4) 検査方法 2 (5) 情報提供の要件 2 4 チクングニア熱 (1) チクングニア熱とは 3 (2) 臨床的特徴 3 (3) チクングニア熱の届出基準 3 (

案1 SIDMR

インフルエンザ施設内感染予防の手引き

2014 年 10 月 30 日放送 第 30 回日本臨床皮膚科医会② My favorite signs 9 ざらざらの皮膚 全身性溶血連鎖球菌感染症の皮膚症状 たじり皮膚科医院 院長 田尻 明彦 はじめに 全身性溶血連鎖球菌感染症は A 群β溶連菌が口蓋扁桃や皮膚に感染することにより 全 身にい

6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ RS ウイルス感染症 1 0 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 8 10 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目 )

A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 第 50 週の報告数は 前週より 39 人減少して 132 人となり 定点当たりの報告数は 3.00 でした 地区別にみると 壱岐地区 上五島地区以外から報告があがっており 県南地区 (8.20) 佐世保地区 (4.67) 県央地区 (4.67) の定点当たり報告数は

Microsoft Word - 01沖縄県蚊媒介感染症対策行動計画(第3版)

別記様式 7-2 感染症発生動向調査 ( インフルエンザ定点 ) 調査期間平成年月日 月日医療機関名 : 性別 0-5 ヶ月 6-11 ヶ月 1 歳 歳以上 合計 (

都道府県各指定都市民生主管部局御中中核市 事務連絡 平成 21 年 6 月 30 日 厚生労働省健康局結核感染症課厚生労働省雇用均等 児童家庭局総務課厚生労働省社会 援護局福祉基盤課厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部企画課厚生労働省老健局総務課 社会福祉施設等における新型インフルエンザに係るクラス

26 咽頭結膜熱 (1) 定義発熱 咽頭炎及び結膜炎を主症状とする急性のウイルス感染症である (2) 臨床的特徴潜伏期は 5~7 日 症状は発熱 咽頭炎 ( 咽頭発赤 咽頭痛 ) 結膜炎が三主症状である アデノウイルス 3 型が主であるが 他に 型なども本症を起こす 発生は年間を通じて

熊本県感染症情報 ( 第 14 週 ) 県内 165 観測医の患者数 (4 月 4 日 ~4 月 10 日 ) 今週前週今週前週 インフルエンザ 百日咳 0 0 RS ウイルス感染症 10 8 ヘルパンギーナ 6 5 咽頭結膜熱 A 群溶血性連鎖球菌咽頭炎 感染性胃腸炎

第14巻第27号[宮崎県第27週(7/2~7/8)全国第26週(6/25~7/1)]               平成24年7月12日

3.2013/14シーズンのインフルエンザアップデート(12/25現在)

東京都感染症発生動向調査事業実施要綱


Microsoft Word - 最終_緊急風疹情報2019年第10週.docx

1

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Microsoft Word - 緊急風疹情報2019年第20週.docx

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

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第 4 章感染患者への対策マニュアル ウイルス性肝炎の定義と届け出基準 1) 定義ウイルス感染が原因と考えられる急性肝炎 (B 型肝炎,C 型肝炎, その他のウイルス性肝炎 ) である. 慢性肝疾患, 無症候性キャリア及びこれらの急性増悪例は含まない. したがって, 透析室では HBs

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報告は 523 人 (14. 5) で前週比 9 と減少した 例年同時期の定点あたり平均値 * (16. ) の約 9 割である 日南 (37. 3) 小林(26. 3) 保健所からの報告が多く 年齢別では 1 歳から 4 歳が全体 の約 4 割を占めた 発生状況 ( 宮崎県 ) 定

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

rubella190828

別記様式 7-2 感染症発生動向調査 ( インフルエンザ定点 ) 調査期間平成年月日 月日医療機関名 : 性別 歳 歳以上 合計 ( 注 ) *

熊本県感染症情報 ( 第 31 週 ) 県内 170 観測医の患者数 (7 月 28 日 ~8 月 3 日 ) 今週前週今週前週 インフルエンザ 0 1 百日咳 0 0 RS ウイルス感染症 7 0 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎

インフルエンザ院内感染対策

事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い

14-124a(全)   感染症法一部改正

事務引継(結核感染症課 神ノ田 → 前田)

免疫学的検査 >> 5E. 感染症 ( 非ウイルス ) 関連検査 >> 5E106. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤

2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

免疫学的検査 >> 5E. 感染症 ( 非ウイルス ) 関連検査 >> 5E106. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤

スライド タイトルなし

医療関係者 Version 2.0 RET 遺伝学的検査の実施について Ⅰ.RET 遺伝学的検査の対象 甲状腺髄様癌に対する RET 遺伝学的検査 平成 28 年 4 月より甲状腺髄様癌に対する RET 遺伝学的検査が保険収載された 診療報酬点数表によると 保険適用による RET 遺伝学的検査は 遺

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48小児感染_一般演題リスト160909

一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

なお本研究は 東京大学 米国ウィスコンシン大学 国立感染症研究所 米国スクリプス研 究所 米国農務省 ニュージーランドオークランド大学 日本中央競馬会が共同で行ったもの です 本研究成果は 日本医療研究開発機構 (AMED) 新興 再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 文部科学省新学術領

別紙 平成 25 年 11 月 1 日 各医療機関御中 インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究班 インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究に対する協力のお願いについて 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます さて 平成 25 年度厚生労働科学研究地球規模保健課

Ⅰ 滋賀県感染症発生動向調査事業の概要

☆(施行通知)

BSL4の稼働合意について

新旧様式

④登録要領(医療分野)

2019 年 7 月 4 日 ( 木 ) 愛知県保健医療局健康医務部健康対策課感染症グループ担当内田 久野内線 ダイヤルイン 手足口病警報を発令します!! 愛知県では 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 に基づき 県内の小児科を標榜する

東京大会と感染症サーベイランス ~ 普段とどこがちがうのか ~ 疾患疫学が変化する可能性 多数の訪日外国人の流入 多くのマスギャザリングイベント 事前のリスク評価に基づいたサーベイランスと対応の強化の必要性を検討する 体制構築の観点から 行政と大会組織委員会の責任範囲と協力体制の構築が必要 国内移動

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第14巻第27号[宮崎県第27週(7/2~7/8)全国第26週(6/25~7/1)]               平成24年7月12日

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

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重症急性呼吸器症候群 (SARS) 削除. 新興感染症対策を Xに新設. 5. ウエストナイル熱 空気感染する可能性があり, かつパンデミッ これらは改定版 2 刷発行当時 (2004 年 ), クになった際の透析施設の対応を Xに移行. 新興 再興感染症として問題とされてい 4. ウ

インフルエンザ、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い

( 株 ) 京浜予防医学研究所 KML メールニュース VOL.5 ( 株 ) 京浜予防医学研究所よりお知らせ致します! 2006 年 1 月 27 日発行 寒に入り例年になく厳しい寒さが続いておりますが 先生方におかれましてはお風邪など召しておら

A 農場の自家育成牛と導入牛の HI 抗体価の と抗体陽性率について 11 年の血清で比較すると 自家育成牛は 13 倍と 25% で 導入牛は 453 倍と % であった ( 図 4) A 農場の個体別に症状と保有している HI 抗体価の と抗体陽性率を 11 年の血清で比較した および流産 加療

2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

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【v4】○新旧(届出基準のみ)

Microsoft Word - *Xpert Flu検討 患者用説明書 修正.docx

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別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに最新の知見を集約し 変更される可能性がある (3) 届出基準ア患者 ( 確定例 ) 患者 ( 確定例 ) は (2) の臨床的特徴を有する者のうち 38 以上の発熱又は急性呼吸器症状 *1のある者を診察した結果 症状や所見から新型インフルエンザが疑われ かつ 次の表の左欄に掲げる検査方法により 新型インフルエンザと 医師が診断した場合とする この場合において 検査材料は 左欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること 検査方法検査材料 分離 同定による病原体の検出 検体から直接の PCR 法 (Real-timePCR 法 Lamp 法等も可 ) による病原体の遺伝子の検出 1 鼻腔ぬぐい液 鼻腔吸引液 咽頭ぬぐい液 その他 中和試験による抗体の検出 ( ペア血清による抗体価の有意の血清上昇 ) イ無症状病原体保有者無症状病原体保有者は (2) の臨床的特徴を呈していないが 次の表に掲げる検査方法により 新型インフルエンザの無症状病原体保有者と医師が診断した場合とする この場合において 検査材料は 同欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること 検査方法検査材料 分離 同定による病原体の検出 検体から直接の PCR 法 (Real-timePCR 法 Lamp 法等も可 ) による病原体の遺伝子の検出 鼻腔ぬぐい液 鼻腔吸引液 咽頭ぬぐい液 その他 中和試験による抗体の検出 ( ペア血清による抗体価の有意の血清上昇 ) ウ疑似症患者疑似症患者は 38 以上の発熱又は急性呼吸器症状 *1 があり 医師が新型インフルエンザを臨床的に強く疑った場合とするエ感染症死亡者の死体感染症死亡者の死体は (2) の臨床的特徴を有する死体を検案した結果 症状や所見から 新型インフルエンザを疑われ かつ 次の表の左欄に掲げる検査方法により 新型インフルエンザにより死亡したと医師が判断した場合とする この場合において 検査材料は 同欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること 検査方法検査材料 分離 同定による病原体の検出 鼻腔ぬぐい液 鼻腔吸引液 咽頭ぬぐ

検体から直接の PCR 法 (Real-timePCR 法 Lamp 法等も可 ) による病原体の遺伝子の検出 い液 その他 中和試験による抗体の検出 ( ペア血清による抗体価の有意の上血清昇 ) オ感染症死亡疑い者の死体感染症死亡疑い者の死体は (2) の臨床的特徴を有した死体を検案した結果 症状や所見から 新型インフルエンザにより死亡したと疑われる場合とする *1. 急性呼吸器症状 : 急性呼吸器症状とは 最近になって少なくとも以下の 2 つ以上の症状を呈した場合をいうア ) 鼻汁もしくは鼻閉イ ) 咽頭痛ウ ) 咳嗽エ ) 発熱または 熱感や悪寒 *2 発症 1 日前から発症後 7 日目までの 9 日間とする 2

症例定義改定についての Q&A(5 月 22 日版 ) 問 1 今回の症例定義の改定でなにが変わるのか 従来 疑似症患者は 新型インフルエンザがまん延している国又は地域等の滞在歴 渡航歴等 の疫学的要件が必要であったが 今回の改定では 症状及び医師の臨床的な判断のみとした 問 2 医師が 新型インフルエンザを臨床的に強く疑った時とはなにか? インフルエンザ様の臨床症状 (38 以上の発熱又は急性呼吸器症状 ) 迅速診断キットの結果などを踏まえ 診察した医師が判断する なお インフルエンザ迅速診断キットによって A 型陽性だった場合には 原則 疑似症患者の定義に当てはまり 保健所への連絡を要するものであるが インフルエンザ迅速診断キットによって A 型陰性 B 型陰性の場合やインフルエンザ迅速診断キットがない場合であっても 別添の資料 (1.2) 等を参考に医師が 強く疑った場合には 保健所への連絡を要する 問 3 当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由 とは何か 通知に示しているとおり 疫学的に感染の疑いが濃厚であるかどうか等を勘案して判断することとなる が 具体的には以下のような観点を総合的に加味して判断することとなる 1 2 3 4 感染が報告されている地域 ( 国内外 ) での滞在又は旅行歴 まん延していると考えられる地域(5 月 21 日時点で 米国 ( 本土 ) メキシコ カナダ ) まん延しているとは考えられていない地域ではあるが急速な患者数の増大が見られる場合新型インフルエンザ患者との濃厚な接触歴がある職場 学校または家庭などにおけるインフルエンザ様症状の発生状況 インフルエンザ様症状を呈している者が 患者の周囲に 3 名以上いる場合他の疾患を強く疑われる場合でないこと 患者の周辺に 他の疾患が流行していない場合 疫学的な情報は 海外においては WHO CDC 各国政府ホームページ 国立感染症研究所等の公式な情報を 日本国内においては 厚生労働省もしくは地方自治体により公表された情報とする 問 4 疑似症患者について 必ず地方衛生研究所で確定 (PCR) 検査を行わなければならないのか? 疑似症患者であってかつ 当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由 がある場合は 原則として PCR 検査を行うことが必要である ただし 一定以上の患者が発生している場合 PCR 検査については 新たな地域での患者発生を把握する観点から 患者が発生していない地域からの検体を優先して検査を実施するなど 検査に優先順位をつけて運用して差し支えない

28 インフルエンザ ( 鳥インフルエンザを除く ) (1) 定義インフルエンザウイルス ( 鳥インフルエンザの原因となる A 型インフルエンザウイルスを除く ) の感染による急性気道感染症である (2) 臨床的特徴上気道炎症状に加えて 突然の高熱 全身倦怠感 頭痛 筋肉痛を伴うことを特徴とする 流行期 ( 我が国では 例年 11 月 ~4 月 ) にこれらの症状のあったものはインフルエンザと考えられるが 非流行期での臨床診断は困難である 合併症として 脳症 肺炎を起こすことがある (3) 届出基準ア患者 ( 確定例 ) 指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する者を診察した結果 症状や所見からインフルエンザが疑われ かつ (4) のすべてを満たすか (4) のすべてを満たさなくても (5) を満たすことにより インフルエンザ患者と診断した場合には 法第 14 条第 2 項の規定による届出を週単位で 翌週の月曜日に届け出なければならない イ感染症死亡者の死体指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する死体を検案した結果 症状や所見から インフルエンザが疑われ かつ (4) のすべてを満たすか (4) のすべてを満たさなくても (5) を満たすことにより インフルエンザにより死亡したと判断した場合には 法第 14 条第 2 項の規定による届出を週単位で 翌週の月曜日に届け出なければならない (4) 届出のために必要な臨床症状 (4つすべてを満たすもの) ア突然の発症イ高熱ウ上気道炎症状 エ全身倦怠感等の全身症状 (5) 届出のために必要な検査所見検査方法迅速診断キットによる病原体の抗原の検出 検査材料鼻腔吸引液 鼻腔拭い液 咽頭拭い液

別添 2 我が国での症例検討 1. 神戸市内において確定例となった者のうち 43 例を対象とした調査結果 患者の年齢の中央値が 17 歳 (5 歳 ~44 歳 ) で ほとんどが 10 歳代後半の若者であり 男女比は 男性が 19 例 女性が 24 例となっている 臨床像としては 38 度以上の高熱が約 90% であるほか 60 ~80% の患者に見られる症状として 倦怠感 熱感 ( ねっかん ) 咳 咽頭痛があり 約半数の患者に見られる症状として 鼻汁 ( びじゅう ) 鼻閉 ( びへい ) 頭痛があり また 嘔吐が約 10% 下痢が約 10% 結膜炎が 7% となっている 2. 大阪において確定例となった者のうち 64 例を対象とした調査結果 38 以上の発熱は 82.8% 咳は 81.0% 熱感 71.2% 咽疼痛 65.1% 鼻汁 鼻閉 60.3% 全身倦怠感 58.1% 頭痛 50.0% 下痢 12.9% 腹痛 10.3% 嘔吐 6.5% であった 発熱および急性呼吸器症状のうちの咳 熱感 悪寒の割合は比較的高い また 下痢 腹痛 嘔吐等の腹部症状は これまで他で報告されていたものよりは低い印象がある ほとんどすべての症例が季節性インフルエンザに類似した臨床像を呈しており 重篤な状態となった患者はなかった また インフルエンザの典型的な症状である典型的な突然の高熱で発症する例が多いものの 急性呼吸器症状や嘔吐等の症状が先行し 数日後に 38 以上の高熱を発する例も認められた