社会的責任に関する手引 JIS Z :2012 (ISO 26000:2010) 平成 24 年 3 月 21 日制定 日本工業標準調査会審議 ( 日本規格協会発行 ) 著作権法により無断での複製, 転載等は禁止されております

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どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

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する 2 利害関係者がこれを入手できる ISO14001 では利害関係者が入手可能なものとして 環境方針がある 環境方針と併せて利害関係者が要請した場合 渡すことが出来る状態にすることが必要である 一般的には自社のホームページに掲載していれば 誰でも入手可能な状態と言える (3) 環境マニュアルの例

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SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

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目次 1. 一般 目的 適用範囲 参照文書 用語及び定義 内部監査 一般 内部監査における観点 内部監査の機会 監査室

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説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

の権利 包摂的な貿易 持続可能な開発並びに伝統的な知識を促進することの重要性並びに公共の利益のために締約国が規制を行う権利を有することの重要性を再確認すること並びに他の国又は独立の関税地域のこの協定への加入を歓迎することを決意して 次のとおり協定した 第一条環太平洋パートナーシップ協定の組込み1締約

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図表 11に都道府県別取得件数 ( 上位 10 位 ) を 図表 12に産業分野別取得件数 ( 上位主要産業分野 ) を 図表 13に産業分野別取得件数の推移を示します 産業分野別件数 ( 図表 12) では最も多いのが 建設 の15,084 件 次いで 基礎金属 加工金属製品 の6,434 件 電

序文 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会 ( 以下 協議会 という ) は キャリアコンサルタントの養成等に関わる団体を会員とし キャリアコンサルティング技能検定の実施 キャリアコンサルタントの能力の維持 向上 キャリアコンサルティングの普及啓発等の事業に取り組んでいます この度 勤労

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により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

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J I S J A S O 廃止提案書 1. 対象規格 JASO M 304:02 ( 自動車用発泡体 ) 2. 廃止の背景と理由この規格は自動車用の断熱 防音 防振及びクッション用材料の性能 試験方法を標準化する趣旨で 1969 年に制定され 以後 4 回の改正が行われた なお 本年度の定期見直し

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目 次 1. タムラグループの環境活動 1 2. グリーン調達基準 1 第 1 章総則 1 第 2 章取引先様への要求事項 3 第 3 章材料 部品等の選定基準 3 第 4 章取引先様への調査内容 4 附則 5

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

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いないか B レ 野生生物や生物多様性への悪影響を及ぼ C レ 先住民族 居住者の生活や土地 文化を 侵害 D レ 児童労働や 劣悪な環境での労働を行っ ていないか E レ 武装勢力の資金源となる等 紛争に関連 F その他 ( 特定せず特定せず特定せず 金(Au タンタル (Ta タングステン (W

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組織 (organization) 自らの目的を達成するため 責任 権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつ 個人 又は人々の集まり 注記 1 組織という概念には 法人か否か 公的か私的かを問わず 自営業者 会社 法人 事務所 企業 当局 共同経営会社 非営利団体若しくは協会 又はこれらの 一部若しく

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付加退職金の概要 退職金の額は あらかじめ額の確定している 基本退職金 と 実際の運用収入等に応じて支給される 付加退職金 の合計額として算定 付加退職金は 運用収入等の状況に応じて基本退職金に上乗せされるものであり 金利の変動に弾力的に対応することを目的として 平成 3 年度に導入 基本退職金 付

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8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

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Transcription:

社会的責任に関する手引 JIS Z 26000 :2012 (ISO 26000:2010) 平成 24 年 3 月 21 日制定 日本工業標準調査会審議 ( 日本規格協会発行 )

Z 26000:2012 (ISO 26000:2010) 日本工業標準調査会標準部会構成表 氏名 所属 ( 部会長 ) 稲葉 敦 工学院大学 ( 委員 ) 伊藤 弘 独立行政法人建築研究所 大橋 守 一般社団法人日本鉄鋼連盟 大山永昭 東京工業大学 小野 晃 独立行政法人産業技術総合研究所 金丸淳子 財団法人共用品推進機構 河村真紀子 主婦連合会 窪塚孝夫 公益社団法人自動車技術会 武田貞生 財団法人日本規格協会 田中護史 財団法人日本船舶技術研究協会 土肥義治 独立行政法人理化学研究所 富田育男 社団法人日本建材 住宅設備産業協会 中西英夫 社団法人ビジネス機械 情報システム産業協会 野口祐子 森 濱田松本法律事務所 長谷川英一 一般社団法人電子情報技術産業協会 古谷 毅 独立行政法人新エネルギー 産業技術総合開発機構 主務大臣 : 経済産業大臣制定 : 平成 24.3.21 官報公示 : 平成 24.3.21 原案作成協力者 : 財団法人日本規格協会 ( 107-8440 東京都港区赤坂 4-1-24 TEL 03-5770-1571) 審議部会 : 日本工業標準調査会標準部会 ( 部会長稲葉敦 ) この規格についての意見又は質問は, 上記原案作成協力者又は経済産業省産業技術環境局基準認証ユニット基準認証政策課 ( 100-8901 東京都千代田区霞が関 1-3-1 E-mail : jisc@meti.go.jp 又は FAX 03-3580-8625) にご連絡ください なお, 日本工業規格は, 工業標準化法第 15 条の規定によって, 少なくとも 5 年を経過する日までに日本工業標準調査会の審議に付され, 速やかに, 確認, 改正又は廃止されます

Z 26000:2012 (ISO 26000:2010) 目次 ページ序文 1 1 適用範囲 6 2 用語及び定義 7 3 社会的責任の理解 11 3.1 組織の社会的責任 : 歴史的背景 11 3.2 社会的責任の最近の動向 11 3.3 社会的責任の特徴 12 3.4 国家と社会的責任 15 4 社会的責任の原則 16 4.1 一般 16 4.2 説明責任 16 4.3 透明性 16 4.4 倫理的な行動 17 4.5 ステークホルダーの利害の尊重 18 4.6 法の支配の尊重 18 4.7 国際行動規範の尊重 18 4.8 人権の尊重 19 5 社会的責任の認識及びステークホルダーエンゲージメント 19 5.1 一般 19 5.2 社会的責任の認識 20 5.3 ステークホルダーの特定及びステークホルダーエンゲージメント 22 6 社会的責任の中核主題に関する手引 25 6.1 一般 25 6.2 組織統治 27 6.3 人権 28 6.4 労働慣行 38 6.5 環境 45 6.6 公正な事業慣行 52 6.7 消費者課題 55 6.8 コミュニティへの参画及びコミュニティの発展 64 7 組織全体に社会的責任を統合するための手引 72 7.1 一般 72 7.2 組織の特性と社会的責任との関係 72 7.3 組織の社会的責任の理解 73 7.4 組織全体に社会的責任を統合するための実践 76 (1)

Z 26000:2012 (ISO 26000:2010) 目次 ページ 7.5 社会的責任に関するコミュニケーション 78 7.6 社会的責任に関する信頼性の向上 81 7.7 社会的責任に関する組織の行動及び慣行の確認及び改善 83 7.8 社会的責任に関する自主的なイニシアチブ 85 附属書 A( 参考 ) 社会的責任に関する自主的なイニシアチブ及びツールの例 89 附属書 B( 参考 ) 略語 101 附属書 JA( 参考 ) 社会的責任に関する追加的なイニシアチブ及びツールの例 102 参考文献 104 解説 110 図図 1-この規格の図式による概要 4 図 2- 組織, そのステークホルダーと社会との関係 20 図 3- 七つの中核主題 26 図 4- 社会的責任の組織全体への統合 72 ボックスボックス 1 - この規格の利用者のための要約情報 5 ボックス 2 - 男女の平等と社会的責任 13 ボックス 3 - この規格と中小規模の組織 (SMO) 14 ボックス 4 - 加担 を理解する 19 ボックス 5 - 組織にとっての社会的責任の利点 26 ボックス 6 - 国際人権章典及び主要な人権関連文書 28 ボックス 7 - 児童労働 37 ボックス 8 - 国際労働機関 38 ボックス 9 - 労使合同安全衛生委員会 44 ボックス 10 - 気候変動への適応行動の例 51 ボックス 11 - 国連消費者保護ガイドライン 56 ボックス 12 - 消費者紛争解決 61 ボックス 13 - ミレニアム開発目標 65 ボックス 14 - 組織の中核活動を通したコミュニティの発展への貢献 66 ボックス 15 - 社会的責任に関する報告 80 ボックス 16 - 認証可能なイニシアチブ, 及び商業的又は経済的利害に関係するイニシアチブ 87 ボックス 17 - この規格はイニシアチブを是認しているわけではない 90 (2)

Z 26000:2012 (ISO 26000:2010) まえがき この規格は, 工業標準化法に基づき, 日本工業標準調査会の審議を経て, 経済産業大臣が制定した日本工業規格である この規格は, 著作権法で保護対象となっている著作物である この規格の一部が, 特許権, 出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意を喚起する 経済産業大臣及び日本工業標準調査会は, このような特許権, 出願公開後の特許出願及び実用新案権に関わる確認について, 責任はもたない (3)

Z 26000:2012 (ISO 26000:2010) 目次 白 紙 (4)

日本工業規格 JIS Z 26000:2012 (ISO 26000:2010) 社会的責任に関する手引 Guidance on social responsibility 序文この規格は,2010 年に第 1 版として発行された ISO 26000 を基に, 技術的内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格である なお, この規格で点線の下線を施してある参考事項及び附属書 JA は, 対応国際規格にはない事項である 世界中の組織及びそのステークホルダーは, 社会的に責任ある行動の必要性, 及び社会的に責任ある行動による利益をますます強く認識するようになっている 社会的責任の目的は, 持続可能な発展に貢献することである 組織が活動する社会, 及び組織が環境に与える影響と関係する組織のパフォーマンスは, その組織の全体的なパフォーマンス及び効果的に活動を続ける能力を測定する上で不可欠な部分となっている これは, 一つには, 健全な生態系, 社会的平等及び組織統治の確保の必要性に対する認識の高まりを反映するものである 長い目で見れば, 全ての組織の活動は世界の生態系の健全性に依存している 組織は様々なステークホルダーによるこれまで以上に厳しい監視の下に置かれている 社会的責任に関する組織のパフォーマンスの認識及び現状は, 特に次の事項に影響力を及ぼす可能性がある - 組織の競争上の優位性 - 組織の評判 - 労働者若しくは構成員, 顧客, 依頼主又は利用者を引き付け, とどめておく組織の能力 - 従業員のモラル, コミットメント及び生産性の維持 - 投資家, 所有者, 資金寄与者, スポンサー及び金融界の見解 - 組織と, 会社, 政府, メディア, 供給者, 同業者, 顧客及び組織が活動するコミュニティとの関係 この規格は, 社会的責任の原則, 社会的責任の認識及びステークホルダーエンゲージメント, 社会的責任に関係する中核主題及び課題 ( 表 2 参照 ), 並びに組織に社会的に責任ある行動を統合する方法 ( 図 1 参照 ) に関する手引を提供する この規格では, 結果の重要性及び社会的責任に関するパフォーマンスの改善を重要視している この規格は, 組織の大小を問わず, 先進国, 途上国のどちらで活動するかを問わず, 民間, 公的及び非営利のあらゆる種類の組織に役立つように意図している この規格の全ての部分が全ての種類の組織に対して同等に用いられるわけではないだろうが, 中核主題は全て, あらゆる組織と関連性をもつ 中核主題は全て, 数多くの課題から成っており, その組織が取り組むにふさわしい関連性及び重要性をもつ課題が何であるかを, 独自の検討及びステークホルダーとの対話を通じ特定することは, 個々の組織の責任である