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スライド 1

Transcription:

脳計測技術を応用した安全運転制御や社会環境構築の可能性 東北大学加齢医学研究所 川島隆太

東北大学加齢医学研究所のシーズ 脳機能イメージング技術 研究専用 3TMRI 装置 200 チャンネル MEG 装置 192 チャンネル EEG 装置 多チャンネル NIRS 動物用 7TMRI 装置 ラット用 EEG 装置 簡易 EEG 携帯型 NIRS 小型 2 チャンネル NIRS 一つのラボでほぼ全ての脳機能イメージング装置をそろえている例は世界でも希

機能的 MRI 装置 (fmri) 研究専用超高磁場 (3T)MRI 装置の稼働 精緻な解剖情報取得 神経線維連絡の解析 個人の脳活動の評価が可能に

スクリーン fmri 実験環境 課題映像 フットペダル アクセル ブレーキ

実験課題 危険度多条件 危険度少条件 * 被験者は自分が運転しているつもりで課題映像を見る * 課題開始後はアクセルを踏み 状況に応じてペダル操作を行うよう教示 * 予知郎 ( 太田 2004) を使用 コントロール条件

結果 : コントロール条件との比較 危険度多条件 危険度少条件 共通領域

結果 : 危険予測特性との相関

脳磁計測装置 (MEG) 脳波計測装置 160 チャンネル MEG 192 チャンネル EEG

近赤外計測装置 (NIRS) より自由度の増したウエアラブルタイプの導入 日立基礎研究所試作機 従来型 NIRS +

これまで行ってきた産学連携研究 脳を鍛える方法の開発

前頭前野の機能 背内側前頭前野 (DMPFC) - 社会的認知 背外側前頭前野 (DLPFC) - 認知制御 : 記憶 学習 理解 推理 推測 抑制 意図 注意 眼窩前頭部 (PFC) - 報酬 判断 腹外側前頭前野 (VLPFC) - 言語 非言語情報処理

脳の機能の加齢変化 知識 ( 語彙 ) を問うテストの成績 背外側前頭前野の働きを必要とするテストの成績 Park et al. 2002; Salthouse 2006 より改編

作動記憶トレーニング 理解 学習 推論など認知的課題の遂行中に情報を一時的に保持し操作するためのシステム 学習効果 作動記憶のトレーニング作動記憶力アップ! 転移効果 流動性知能アップ! 論理的に考える新しい問題を解決する方法を見つけ出す さまざまな認知力アップ!

作動記憶トレーニング 41 名の若年健常被験者 ( 平均年齢 20.9 歳 )+ 対照群 20 名 ( 平均年齢 21.4 歳 ) 認知機能検査脳画像検査 作動記憶トレーニング (1 カ月 ) 1 日 20~60 分毎日 認知機能検査脳画像検査 訓練していないさまざまな認知課題の成績の向上 ( 作動記憶課題 一般知能 抑制課題 創造性課題 ) 1 か月間のトレーニングによって大脳皮質の体積が増加した領域 ( 対照群と比較して 1 ヵ月後に統計的に有意に増加した領域 ) 安静時血流増加 Takeuchi et al., Cortex 2012

スケルトン競技成績が向上 冬季オリンピックの正式採用競技 スケルトンはソリに加速を与え ソリに頭部から乗り込み 頭を前にしたうつ伏せの姿勢で滑走する 標高差 100~140m 全長 1200~1500mの氷壁のコースの滑走タイムを競い 最高時速は130km/hにも達する 59 ベス 58 ト 57 タイ y = -0.56x + 62.71 56 ム R 2 = 0.8174 (55 r=0.9041 P<0.01 秒)54 8 9 10 11 12 13 14 空間記憶トレーニング達成レベル 未経験者 09 年度 08 年度 03~06 年度 n=4 n=5 n=17 WMトレーニング実施群 WMトレーニング非実施群 *(P<0.05) 56 57 58 59 60 平均タイム ( 秒 ) * *

ちょっとだけ宣伝

日本自動車工業会高齢者交通安 全教育推進委員会での研究成果 危険予測トレーニングと脳トレによる安全運転能力向上の実証実験 平成 17 年 10 月 ~ 平成 18 年 1 月 宮城県仙台市奥羽自動車学校 同塩釜市塩釜中央自動車学校 55 名の高齢者ボランティア ( うち女性 7 名 ) 平均年齢 74.7 歳 :69~85 歳 RCT(Randomized Controlled Trial) 介入群 26 名 ( 平均年齢 75.3 歳 ) 対照群 29 名 ( 平均年齢 74.1 歳 )

実験内容 介入 交通安全教育 : 概ね週に 1 回計 6 回 危険予測トレーニング計 4 回 : 教室による座学 ミラーリング法による自己理解 1 回 実走行録画観察による自己理解 1 回 脳トレ 週に 1 回自動車学校にて 週に 4 回自宅にて 評価 実走行中の運転行動の指導員による評価 (5 段階 ) 他

結果 運転行動評価 30 29 全般的認知機能 MMSE 検査 介入群 5 P < 0.01 28 p < 0.05 4 27 p < 0.05 3 26 対照群 2 25 介入前 介入後 1 15.0 前頭前野認知機能 FAB 検査 介入群 p < 0.05 0 対照前対照後介入前介入後 14.5 14.0 13.5 対照群 n.s. 13.0 介入前 介入後

結果 ( 参考データ ) 5 別地域での実験 ( 介入単独の効果検証 ) 非 RCT 年齢層はほぼ同じ 4 * 3 * * 2 1 0 脳トレ + 交通安全運転教育が最も交通安全に結びつく可能性が高い

新たなる産学連携研究の提案 共感脳 ~ コミュニケーション活動の定量化 ~ こころの絆の科学

こころの 絆 とは? こころ と こころ の結びつき こころ と こころ が結びつくためには 相手の こころ を理解する 自分の こころ を相手に伝える 互いの こころ を互いに理解しあう 要は コミュニケーション が絆の元特に大切なのが ( )

こころの絆 の もうひとつのキーワード こころの絆を感じますか? こころの絆を感じますか? フェース ツー フェース

相手のこころを理解する脳の働き 心の理論

チンパンジーは 心の理論 を持っているか Premack & Woodruff 1978 心の理論 (ToM) 他者が自分とは異なった信念 意図を持っていることを理解する能力 一般に誤信念課題で測定される 発達 :3~4 歳 自閉症 ( 特にアスペルガー症候群 ) の社会性の障害の説明に用いられることがある

心の理論に関わる脳のネットワーク (Vollem et al., 2005)

相手のこころを理解した上で 他者に話しかける時

相手とは関係なく 言葉を操作する時の脳の働き 話す 聞く 聞く 話す 単語 文章 話す 聞く 左脳のみを表示

ビデオを見せる 話しかけ課題 と 叙述課題 の比較 上手ですね 何の曲を弾いているのですか? 髭を生やした男性がギターを弾いています 話しかけ課題 叙述課題 心の理論 回路が全て活動 Sassa et al. Neuroimage 2007

相手のこころを理解した上で 他者と会話をする時

実際の会話 と バーチャルな会話 の比較 光トポグラフィー計測実験 バーチャルな会話 実際の会話

フェース ツー フェイスの会話 電話による会話 顔を見ての会話 電話での会話

前頭前野内側面の機能を計測すれば こころの絆を可視化できるかも? 背内側前頭前野 (DMPFC) - 社会的認知 背外側前頭前野 (DLPFC) - 認知制御 眼窩前頭部 (PFC) - 報酬 判断 腹外側前頭前野 (VLPFC) - 言語 非言語情報処理

こころの絆 の可視化へのチャレンジ 脳機能計測機器の開発 JST 先端計測分析技術 機器開発事業 機器開発プログラム 平成 21 年度 ~23 年度

超小型 NIRS を ( 株 ) 日立製作所と共同開発 非拘束 超軽量 ( 総重量約 100g) 無線伝送式現状で 20 名までの同時計測が可能

脳活動のみを計測する新技術 脳血流と 頭皮血流等の雑音成分を分離して計測し 脳血流成分のみを抽出 => NIRS を使った BMI には必須の技術脈拍数などのデータも同時取得 => 自律神経系データ利用可能

複雑な実環境下で作業する集団の脳活動計測

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複雑な実環境下で作業する集団の脳活動計測 脳活動パターンの ゆらぎ の相関係数を計算すると A B C D A - 0.031 0.019 0.049 B 0.031-0.016 0.028 C 0.019 0.016-0.005 D 0.049 0.028 0.005 - 前頭前野内側面の脳活動パターンは個人ごとに異なる 指揮命令者 A の脳活動の ゆらぎ は 操作者 B D の二人と強い相関を持つ : 脳活動パターンが同期している操作者 C の脳活動パターンは 他の 3 人とほとんど同期していない ( 操作者 C は うまくチーム作業ができていない!?)

集団で知的作業を行っている時の脳活動計測 個別に頭の中でしりとりを長く続ける 全員で協力してできるだけ長くしりとりを続ける ( 誰が答えても良い ) 2@g0 AK/&% 仲間 A 仲間 D =!$%$ #!lr& 仲間 C 仲間 B

集団で知的作業を行っている時の脳活動計測 それぞれが別々に考えている時 A B C D A - 0.026 0.009 0.007 B 0.026-0.038 0.071 C 0.009 0.038-0.078 D 0.007 0.071 0.078 - 脳活動パターンはばらばら 共同作業が順調に進みだすと A B C D A - 0.001 0.527 0.262 B 0.001-0.170 0.129 C 0.527 0.170-0.002 D 0.262 0.129 0.002 - 脳活動の同期が始まる

心の絆をリアルタイムで計測できるか 大学院工学研究科高橋信教授との共同研究

コミュニケーションを可視化 定量化し共生社会を創生する シーズ超小型近赤外分光計測装置 実生活環境下での脳活動計測 複数人の脳活動の同時計測 コミュニケーション をキーワードとした産業 建設業 食料品 電気機器 輸送用機器 精密機器 情報通信 小売 サービス業 医療福祉 教育他 解決すべき社会的課題 少子化超高齢社会 社会的孤立無縁社会 円滑なコミュニケーション時に脳活動が同期する現象を発見 共通理念相互に扶助をすることを可能とする共生社会の再創生 異世代間 ( 例えば高齢者と青年 ) において より質 量ともに優れたコミュニケーションを生み出しやすくする環境や共生社会システムを提案 対人コミュニケーションの質の定量化の可能性 教育学研究科 工学研究科 文学研究科 加齢医学研究所 医工学研究科 情報科学研究科 生命科学研究科災害科学国際研究所東北メディカルメガバンク機構新しい総合人間科学としてのコミュニケーション研究領域の確立 科学倫理の検討 具体的な社会の出口 ( 産業化 ) の例 1 家族のコミュニケーションを豊かにし 次世代を担う子ども達の心を豊かに育む住環境 2 ブレインストーミングが頻繁に生じる超生産的な会議システム 3 教師と生徒 生徒間の共感を強める教育環境と教育方法 4 医師と患者のこころが共鳴しあう遠隔医療システム 5 異なった世代や異なった文化的背景を持つ人と人の間でも こころとこころが通じあうソーシャルネットワークサービスなど