Prowise Business Forum 第 51 回 ~ 教訓から学ぶ 事業継続計画のあり方 ~ 今求められるディザスタリカバリとは ~ 事業継続のためのシステム構成最適化 ~ 2011/7/21 株式会社日立ソリューションズ流通ソリューション事業部 AP ソリューション本部インフラソリューション部川西敏幸 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved.
本セッションの該当範囲 災害前後の流れ 通常時 災害発生 初動対応 業務継続 ~ 復旧 復旧 ヒト ( 初動 業務継続のための人員確保手段及び管理 ) モノ ( 業務継続に必要な設備 拠点 社外との関係確保 ) カネ ( 事業継続に必要な資金 ) 情報 ( 災害前後の情報共有 発信 ) (A) BCP 1 事業継続計画策定及び運用 事業継続体制整備策定 運 事業継続計画策定 訓練 演習用 改善事業継続計画の策定 対策 訓練 改善をお客様と共に進めます 災害発生前後での事業継続 初動対応に関する 0 正確な情報の収集 共有 発信正確な情報を一元管理し 発信する仕組みをご提供いたします 2災害対策本部設置3 要員確保 社員の安否 / 位置確認 (B) リソース管理 初動対応 業務継続のための体制構築 4 被災状況確認 管理 社内外の設備 関係企業の状況確認 管理 被災時の安否確認等の人材管理 設備状況の管理をします 5 二次被害防止 6 業務継続のための安お客様がご準備された安全な拠点確保全な拠点で 普段と同じ業務環境を実現いたします 7 事業継続に必要な資金の確保 (E) 情報共有 発信 事業継続に必要な重要システムを別サイトに準備し システム被災時の切替を実現します 8 業務継続プロジェクト管理 体制及びスケジューリング (C) ITシステム切替 復旧 9IT システムの切替 復旧 ディザスタリカバリサイトの利用 バックアップデータのリストア等 (D) 分散環境での業務遂行 10 安全な拠点での業務実行 情報システムへのリモートアクセス 事業継続計画書等の復旧や事業継続に必要な文書参照 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 1
企業価値の向上顧客満足度 本セッションの該当範囲 災害に強い企業の目指すべき状態 普段から自然災害の知識が備わっている 緊急時の事業継続に必要な人員確保の手段と IT システムの備えが必要です 災害時にも整然と活動できる規律 体制が整っている 緊急時に必要な情報を得る仕組みが整っている 事業を止めないための基盤が整っている の維持 従業員の雇用の維持 社会貢献の維持 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 2
Prowise Business Forum 第 51 回 ~ 教訓から学ぶ 事業継続計画のあり方 ~ 今求められるディザスタリカバリとは ~ 事業継続のためのシステム構成最適化 ~ Contents 1 章事業継続でのディザスタリカバリ 2 章ディザスタリカバリの検討 3 章ディザスタリカバリサイト構築事例 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 3
Prowise Business Forum 第 51 回 ~ 教訓から学ぶ 事業継続計画のあり方 ~ 今求められるディザスタリカバリとは 1 章事業継続でのディザスタリカバリ Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 4
1-1 事業継続管理とは 事業継続管理 (BCM) とは 事業継続を阻むリスクの洗い出しと対策 行動方法をまとめた計画 ( 事業継続計画 :BCP) を策定し 導入 訓練 見直し 改善を通じてリスクに対する対応力や復旧力を向上させること 操業レベル 100% この面積が損失 この面積を小さくするために 事業継続活動 をする 最低限業務継続できるサービスレベル 災害発生 復旧力の向上 : 事業継続活動をしていた場合 : 事業継続活動をしていない場合 想定される災害にて落ち込むサービスレベル 対応力の向上 時間 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 5
1-2 事業復旧に関する指標 どのくらいの操業レベルまで (RLO) 復旧させるかどの時点のデータで (RPO) 復旧させるかどのくらいの時間内に (RTO) 復旧させるかをシステムごとに考える 何を指標としてレベルを設定するか計画しておく例 ) 生産量など 操業レベル 100% 業務継続の目標とするサービスレベル RPO 目標復旧時点 1 週前 1 日前 1 時間前 災害発生 データの重要性 回復性等からどの時点の状態に戻すかの決定 RTO 目標復旧時間 RLO : Recovery Level Objective RPO : Recovery Point Objective RTO : Recovery Time Objective 事業の性質 顧客要件 仕入先との関係等から復旧時間を決定 会社の目標等から 早急に復旧したい操業レベルを決定 最低限 業務再開できるサービスレベル 災害の発生により落ち込むサービスレベル RLO 目標復旧レベル 時間 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 6
1-3 DR 構築のためのシステム重要度 復旧が必要なシステムの重要度 ( 例 ) 利用部門とともに各システムの停止時間 (RTO) を整理 被災後の事業継続計画から 平常時の備えへの要件を設定 コスト 高 安 システム重要度 重要度 5 重要度 4 RTO RPO DR 要件 数時間 数秒 ~ 数分ホットスタンバイ : 専用機で自動切替え 半日数分コールドスタンバイ : 専用機で手動起動 重要度 3 1 日 1 日前 重要度 2 3 日 ~4 日 1 日前 重要度 1 1 週間以上数日前 重要度 コールドスタンバイ : テスト機流用して起動 システムに精通しないオペレータが手順通り起動 レプリケーション : テスト機流用して構築 精通した技術者が移動 構築して起動 バックアップ別地保管 : サーバ構築 精通した技術者が他サーバなどを流用して構築 0 1ヶ月数日前 センタの回復を待つことが可能なシステムクラウド環境でデータ保管 サーバイメージ保管 仮想サーバを待機 常時稼動するようなDRサイトを準備することで 運用工数や保守コスト削減が可能な場合がある Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 7
Prowise Business Forum 第 51 回 ~ 教訓から学ぶ 事業継続計画のあり方 ~ 今求められるディザスタリカバリとは 2 章ディザスタリカバリの検討 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 8
分析 計画 (BCP 策定 ) 導入評価改善組織系IT系2-1 ディザスタリカバリサイト構築の進め方 ディザスタリカバリサイト構築の検討フロー BCP 策定での DR 導入プロセス 緊急時の業務の流れの整理 基本方針策定 リスク想定 ディザスタリカバリ方針検討 事業継続プロセス計画 体制構築 教育 災害訓練 BCP 評価 DR によるリスク対策の方針検討 情報システム計画 DR サイト構築 DR サイト運用 見直し 改善点分析 POINT 人の動きを考慮したシステムの検討 DR サイトの構成と運用手順の検討 本番システム変更に伴う DR サイトの追従と利用訓練 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 9
2-2 ディザスタリカバリ方針検討 ディザスタリカバリ方針検討 影響度分析発生災害による各業務システムの影響度 ( 停止による損害 ) の分析 復旧目標設定 対象となる各業務システムの復旧レベルの分類 各システムのRTO/RPO/RLOの目標設定 人の稼動検討発生災害による従業員 組織への影響度検討と組織としての稼動必要性の検討 予算レヘ ル検討 各業務システムでの復旧レベルに応じた DR システム予算の概算見積り 人の対応方針 従業員 業務プロセスの応急措置 / 復旧措置の方針決定 (DR システムと人の分担指針 ) DR 要件決定予算に基づいた各業務システムの構成 運用等の概要要件の検討 事業継続プロセス計画 情報システム計画 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 10
2-3 ディザスタリカバリ計画 ディザスタリカバリ方針検討 事業継続プロセス計画 発動フロー 災害シナリオと BCP 発動フローの決定 初動計画 災害発生時の初動対応の実施計画策定 安否 状況確認 連絡体制 手段の確立 二次災害防止等のための行動計画 復旧計画初動対応後の復旧措置の実施計画策定 災害レベルに応じた復旧モデルの確立 DRシステムの運用 人手での運用等 運用 訓練計画 初動対応や復旧措置等の実施計画に基づく平常時の運用 訓練等に関する計画の策定 情報システム計画 システム構成立地 基盤含めたDRシステム構成の決定 使用する環境( 通信環境含 ) 対照データの特定と反映方式 アプリの範囲と他システムの関連 切り替えを含めた監視方式 システムの利用者環境 システム運用メインシステムを含めた運用の決定 通常稼動時の運用 災害時の運用と切り戻し運用 訓練 変更対応災害発生に備えた訓練計画の決定メインサイトの変更に伴う反映方式の決定 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 11
2-4 DR サイト検討の流れ 業務継続に向けては 費用対効果を意識して DR サイトを計画する必要がございます そのために考えておかなければならないこと 現行サイト 災害発生によりデータセンタ破壊 DR サイト起動確認 利用訓練と改善点の洗出 DR サイトの運用体制 手順 DR サイト 緊急時も必要な業務の RTO を実現する IT システム RPO を実現するデータ反映手段 現行サイトの更新に追従 LAN 緊急時も必要な業務とそのレベル 現行サイト復旧後の切戻し手順 ネットワーク機器ルータ DNS F/W ユーザ DR サイトの IT システムを利用する業務フロー DR サイトで動かさないシステムの代替手段 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 12
Prowise Business Forum 第 51 回 ~ 教訓から学ぶ 事業継続計画のあり方 ~ 今求められるディザスタリカバリとは 3 章ディザスタリカバリサイト構築事例 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 13
3-1 ディザスタリカバリサイト構築事例 要件 : 現行サイト構築後 4 年経過したシステムに対して 1 年以内に低コストで DR システムを構築する < 検討事項 > (1) 購入可能な HW/SW と現行サイトとのバージョン不一致 現行サイトが古いため DR サイトの OS/ ミドルウェアのバージョンが現行サイトと異なり 互換性のある最新版を採用 ( 購入製品の制約 ) 異バージョンを意識したデータ同期ソフト (SharePlex) を選定した コスト削減のため開発機 / テスト機の流用を検討した (2) 予算以内に収めた上で データ転送性能を確保現行サイトと DR サイトの通信費の低減検討 ( 大阪 東京 ) ストレージコピー機能を使用した場合 回線速度で 1GBPS 必要 DB で必要なデータに絞ってコピーすれば 回線 100MBPS で十分 必要なデータを絞る方式としたが回線遅延等があるため お客様と協議して RPO は数分だが RTO として 1 日を許容していただいた さらにデータ量削減のため対象システムを絞込み (RLO の低減 ) Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 14
3-1 ディザスタリカバリサイト構築事例 < 検討事項 > (3)DR サイトはサーバ台数を最低限としコスト削減 DR サイトは シングル構成 ( 冗長性の排除 ) に絞る AP/ バッチサーバ台数も業務で必要最低限の台数に制限した (4) 現行サイトと DR サイトの初期同期方法検討 ( 多量データ ) データベース容量が数 TB あるため 初期同期の時間を短縮する NAS を利用して 人手による搬送方式を選択した 初期データの同期完了までに時間がかかることを想定して 現行サイトに更新ログを格納する領域を確保した DR の切り替え訓練を実施時に データ同期の影響を局所化するために データ同期サーバを独立化させた (5) 現行サイトと DR サイトの切替え方式検討 DR 発動時に 現行サイトに誤った更新が発生しないように現行のサーバ側を確実に停止する運用とした DR 発動時のクライアント側での切替え方式を複数検討した DNS を利用している利用者は DNS を利用して切り替え DNS を使用していない利用者には 別のアイコンを用意して提供 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 15
3-1 ディザスタリカバリサイト構築事例 現行サイト DR サイト AP サーバ バッチサーバ 初期データは人手で搬送 AP サーバ バッチサーバ DB DB サーバ クラスタ構成 SharePlex を使い現行側から DB の更新ログを同期 データ同期サーバ DB サーバ DB WAN DB モデム モデム 監視サーバ ジョブ管理サーバ 監視サーバ ジョブ管理サーバ 支店 営業店 運用ルーム Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 16
3-2 日立ソリューションズが提供する DR 現行サイトの構成から重要度 コストを基に日立ソリューションズのソリューションを 最大限活かした DR サイトを構築します 現行サイト 現状を整理して 既存環境にあわせて 最適な製品を用いた DR サイトを構築 DR サイト マルチベンダー対応! ワンストップでご提供! F/W 最適な環境に 最適な基盤 最適なサーバ状態 必要なシステムを LAN 出前クラウド ネットワーク機器ルータ DNS F/W 最適なデータ保全 転送 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 17
最後に DR システムは作っただけで終わりではありません BCP 全体に言えることですが 運用を含めた体制を準備し 運用者 利用者を含めて定期的に各種訓練を実施して 評価を行い 改善プロセスを繰り返すことが必要です 弊社では ディザスターリカバリ計画の策定 システムの構築から保守 運用までワンストップで対応させていただきますので ぜひご相談いただけますようお願いいたします Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 18
END 今求められるディザスタリカバリとは ~ 事業継続のためのシステム構成最適化 ~ 2011/7/21 株式会社日立ソリューションズ流通ソリューション事業部 AP ソリューション本部インフラソリューション部川西敏幸 Hitachi Solutions, Ltd. 2011. All rights reserved. 19
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