AP-RZA-1A (RZ/A1H CPU BOARD) RTX サンプルプログラム (DS-5) 解説 3 版 2018 年 4 月 18 日 1. 概要... 2 1.1 概要... 2 1.2 RTX について... 2 1.3 動作モード... 2 1.4 開発環境について... 4 1.5 ワークスペースについて... 4 2. サンプルプログラムの構成... 5 2.1 フォルダ構成... 5 2.2 ファイル構成... 6 3. AP-RZA-1A サンプルプログラム... 11 3.1 ビルド デバッグ方法... 11 3.1.1 プロジェクトのインポート... 11 3.1.2 プロジェクトのビルド... 14 3.1.3 RAM 上でのデバッグ... 17 3.1.4 ROM 上でのデバッグ... 22 3.2 動作説明... 27 3.2.1 ブート処理... 27 3.2.2 サンプルプログラム概要... 28 3.2.3 モニタプログラム概要... 29 3.2.4 モニタプログラムコマンド一覧... 31 3.3 RAM 動作時のメモリマップ... 34 3.4 ROM 動作時のメモリマップ... 35
1. 概要 1.1 概要 本アプリケーションノートでは AP-RZA-1A に付属するサンプルプログラムについて解説します 本サンプルプログラムの概要を以下に記します サンプルプログラム 動作内容 RTX サンプルプログラム RTX シリアル通信 タイマ割り込み CMOS カメラ入力 LCD 出力 1.2 RTX について RTX は Arm 社によって提供される無料の RTOS です ロイヤリティフリーであり タイマ セマフォ シグナル管理 ミューテックス メモリプール メールボックスなどの機能を備えています 1.3 動作モード 本サンプルプログラムは AP-RZA-1A で動作します CPU 動作モードは下記のようになっています モードの設定方法等につきましては AP-RZA-1A ハードウェアマニュアル をご覧下さい なお 下記条件以外で動作させる場合には ソースファイルやコンパイラオプションなどを変更する必要があります ブートモード : シリアル FlashROM からブート
JSW1 CPU ボードの設定を製品出荷時の設定とし 使用方法に合わせて以下の各スイッチの設定を行ってください JSW1 <JSW1 設定 > ブートモード : シリアル FlashROM からブート JSW1
1.4 開発環境について 本サンプルプログラムは統合開発環境 Arm Development Studio 5 TM (DS-5 TM ) を用いて開発されています サンプルプログラムに対応する開発環境 コンパイラのバージョンは次のようになります 開発環境バージョンコンパイラ名バージョン備考 Arm Development Studio 5 5.19.1 Arm Compiler 5.04 update 2 DS-5 Renesas RZEdition 1.5 ワークスペースについて 本サンプルプログラムの統合開発環境 Arm Development Studio 5 ワークスペースは次のフォルダに格納されています サンプルプログラム フォルダ RTX サンプルプログラム プロジェクトフォルダ \sample\ap_rza_1a_rtx
2. サンプルプログラムの構成 2.1 フォルダ構成 サンプルプログラムは下記のようなフォルダ構成になっています sample ap_rza_1a_rtx BAT Debug FW Include Release RTX SCAT SRC ap_rza_1a boot ceu cmoscam eeprom gpio lcdkit monitor riic rspi scif sflash vdc5 common.h main.c retarget.c RTX サンプルプログラムプロジェクトフォルダバイナリ生成用バッチファイルフォルダ RAM 動作用ワークフォルダ Flash 書き込み用ファイルフォルダ RTX インクルードフォルダ ROM 動作用ワークフォルダ RTX フォルダスキャッタローディングファイルフォルダソースファイルフォルダボード依存部ソースフォルダブート処理フォルダ CEU ドライバフォルダ CMOS カメラドライバフォルダ EEPROM ドライバフォルダ GPIO ドライバフォルダ LCDKIT ドライバフォルダモニタ用テストプログラムフォルダ RIIC ドライバフォルダ RSPI ドライバフォルダ SCIF ドライバフォルダシリアルフラッシュドライバフォルダビデオディスプレイコントローラドライバ共通ヘッダファイルメインソースファイル出力再定義ファイル
2.2 ファイル構成 サンプルプログラムは以下のファイルで構成されています <\sample フォルダ内 > ap_rza_1a_rtx AP-RZA-1ARTX サンプルプログラムプロジェクトフォルダ <\sample\ap_rza_1a_rtx フォルダ内 >.cproject CPROJECT ファイル.project PROJECT ファイル Makefile メイクファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\bat フォルダ内 > make_bin.bat バイナリファイル生成用バッチファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\debug フォルダ内 > ap_rza_1a_rtx.axf サンプルプログラム RAM 動作用オブジェクトファイル ap_rza_1a_rtx.bin サンプルプログラム RAM 動作用バイナリファイル ap_rza_1a_rtx.mot サンプルプログラム RAM 動作用モトローラファイルコンパイル後は SRC フォルダが生成され SRC フォルダ下にオブジェクトファイル等が生成されます <\sample\ap_rza_1a_rtx\fw フォルダ内 > BIN 書き込みバイナリファイル格納フォルダ FlashWriter.ds フラッシュ書き込み用デバッグスクリプトファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\fw\bin フォルダ内 > ap_rza_1a_rtx.bin 書き込み用バイナリファイル \sample\rza_1a_rtx\release フォルダ下にある同一名称 のファイルと同じものとなります
<\sample\ap_rza_1a_rtx\include フォルダ内 > arm_common_tables.h コモンテーブルヘッダファイル arm_math.h DSP 共通ヘッダファイル core_ca_mmu.h MMU スタートアップファイル core_ca9.h ペリフェラルアクセスレイヤヘッダファイル core_cafunc.h コアファンクションアクセスヘッダファイル core_cainstr.h コアペリフェラルアクセスヘッダファイル core_cm0.h Cortex-M0 コアペリフェラルアクセスヘッダファイル core_cm0plus.h Cortex-M0+ コアペリフェラルアクセスヘッダファイル core_cm3.h Cortex-M3 コアペリフェラルアクセスヘッダファイル core_cm4.h Cortex-M4 コアペリフェラルアクセスヘッダファイル core_cm4_simd.h Cortex-M4 SIMD ヘッダファイル core_cmfunc.h Cortex-M コアファンクションアクセスヘッダファイル core_cminstr.h Cortex-M コア命令アクセスヘッダファイル core_sc000.h SC000 コアペリフェラルアクセスレイヤヘッダファイル core_sc300.h SC300 コアペリフェラルアクセスレイヤヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\release フォルダ内 > ap_rza_1a_rtx.axf サンプルプログラム ROM 動作用オブジェクトファイル ap_rza_1a_rtx.bin サンプルプログラム ROM 動作用バイナリファイル ap_rza_1a_rtx.mot サンプルプログラム ROM 動作用モトローラファイルコンパイル後は SRC フォルダが生成され SRC フォルダ下にオブジェクトファイル等が生成されます <\sample\ap_rza_1a_rtx\rtx フォルダ内 > INC RTX インクルードフォルダ LIB RTX ライブラリフォルダ <\sample\ap_rza_1a_rtx\rtx\inc フォルダ内 > cmsis_os.h RTX テンプレートヘッダファイル RTX_CM_lib.h RTX カーネルコンフィグレーションファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\rtx\lib フォルダ内 > ARM Arm 用ライブラリフォルダ
<\sample\ap_rza_1a_rtx\rtx\lib\arm フォルダ内 > RTX_CA9_L.lib Cortex-A9 用ライブラリファイル RTX_CM0.lib Cortex-M0 用ライブラリファイル RTX_CM0_B.lib Cortex-M0 用ライブラリファイル RTX_CM3.lib Cortex-M3 用ライブラリファイル RTX_CM3_B.lib Cortex-M3 用ライブラリファイル RTX_CM4.lib Cortex-M4 用ライブラリファイル RTX_CM4_B.lib Cortex-M4 用ライブラリファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\scat フォルダ内 > ap_rza_1a_rtx_ram.scat サンプルプログラム RAM 動作用スキャッタローディングファイル ap_rza_1a_rtx_rom.scat サンプルプログラム ROM 動作用スキャッタローディングファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src フォルダ内 > common.h 共通インクルードヘッダファイル main.c メイン処理 retarget.c C ライブラリ用再実装 <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\ap_rza_1a フォルダ内 > ARM Arm 処理フォルダ iodefine RZ 内部レジスタ定義ヘッダファイルフォルダ gic.c GIC ファンクション処理 gic.h GIC ファンクションヘッダファイル iodefine.h 内部レジスタ定義ファイル mmu_renesas_rz_a1.c MMU スタートアップ処理 pl310.c PL310 処理 pl310.h PL310 処理ヘッダファイル r_typedefs.h 型宣言ファイル Renesas_RZ_A1.h ペリフェラルアクセスヘッダファイル RTX_Conf_CM.c RTX コンフィグレーションファイル system_renesas_rz_a1.c RTX デバイス処理 system_renesas_rz_a1.h RTX デバイス処理ヘッダファイル typedefine.h 型宣言ファイル
<\sample\ap_rza_1a_rtx\src\boot フォルダ内 > boot.c ブート処理 boot.h ブート処理ヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\ceu フォルダ内 > ceu.c キャプチャエンジンユニットドライバ ceu.h キャプチャエンジンユニットドライバヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\cmoscam フォルダ内 > cmoscam.c CMOS カメラ (VS-CAM-01) ドライバ cmoscam.h CMOS カメラ (VS-CAM-01) ドライバヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\eeprom フォルダ内 > 24lc01b.c EEPROM ドライバ 24lc01b.h EEPROM ドライバヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\gpio フォルダ内 > gpio.c GPIO ドライバ gpio.h GPIO ドライバヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\lcdkit フォルダ内 > lcdkit_b01 LCD-KIT-B01 ドライバフォルダ lcdkit_d02 LCD-KIT-D02 ドライバフォルダ lcdkit.c LCD-KIT ドライバファイル lcdkit.h LCD-KIT ドライバヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\lcdkit\lcdkit_b01 フォルダ内 > lcdkit_b01.c LCD-KIT-B01 ドライバファイル lcdkit_b01.h LCD-KIT-B01 ドライバヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\lcdkit\lcdkit_d02 フォルダ内 > lcdkit_d02.c LCD-KIT-D02 ドライバファイル lcdkit_d02.h LCD-KIT-D02 ドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a_rtx\src\monitor フォルダ内 > ascii.h アスキーコード定義ファイル mon_cam.c CMOS カメラサンプル処理 mon_cam.h CMOS カメラサンプル処理ヘッダファイル mon_eeprom.c EEPROM サンプル処理 mon_eeprom.h EEPROM サンプル処理ヘッダファイル mon_serial.c シリアルサンプル処理 mon_serial.h シリアルサンプル処理ヘッダファイル monitor.c サンプルメイン処理 monitor.h サンプルメイン処理ヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\riic フォルダ内 > riic.c RIIC ドライバ riic.h RIIC ドライバヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\rspi フォルダ内 > rspi.c RSPI ドライバ rspi.h RSPI ドライバヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\scif フォルダ内 > scif.c シリアル通信ドライバ scif.h シリアル通信ドライバヘッダファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\sflash フォルダ内 > sflash.c シリアル FlashROM ドライバファイル sflash.h シリアル FlashROM ヘッダファイル MX25L3235E.h シリアル FlashROM コマンド定義ファイル <\sample\ap_rza_1a_rtx\src\vdc5 フォルダ内 > vdc5.c ビデオディスプレイコントローラ 5 ドライバファイル vdc5.h ビデオディスプレイコントローラ 5 ドライバヘッダファイル
アプリケーションノート 3. AN1606 AP-RZA-1A サンプルプログラム 3.1 ビルド デバッグ方法 3.1.1 プロジェクトのインポート ① DS-5 を起動し メニューバーの[ファイル] [インポート]を選択します ② [既存のプロジェクトをワークスペースへ]を選択し[次へ]を選択します AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
3 [ ルート ディレクトリーの選択 ] を選択し [ 参照 ] からサンプルプログラムのフォルダを選択します 4 [ 終了 ] を選択します
5 ナビゲータウィンドウにサンプルプログラムのプロジェクトが追加されていることを確認します
3.1.2 プロジェクトのビルド 1 ツールバーからビルドアイコンを選択します アイコン横の矢印をクリックすることでコンフィグレーションごとのビルドが可能です 構成が Debug の場合 \Debug ワークフォルダに RAM 動作用のオブジェクトファイルが Release の場合 \Release ワークフォルダ内に ROM 動作用のオブジェクトファイルが生成されます DS-5 の詳細な使用方法に関しては DS-5 のマニュアルを参照してください ご使用の DS-5 の環境が 1.4 開発環境について で示されたバージョンと異なる場合 プロジェクトをインポートしたときにビルド設定の最適化レベルが 弊社で設定した値から変わることがあります ( Debug ビルドの最適化レベルは 最小 (-O0) Release ビルドの最適化レベルは 最大 (-O3) です ) 本サンプルプログラムをユーザがビルドしたあとに正常に動作しなくなる場合は 次の手順に従い ビルド構成の設定を見直してください
アプリケーションノート AN1606 ① メニューバーから [プロジェクト] [プロパティ]を選択します ② [C/C++ ビルド] [設定]を選び [ツール設定]タブ [ARM C コンパイラ]の[最適化]を選択します AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート AN1606 ③ 設定するビルド構成を選択します 下画面はビルド構成が Release の場合です ④ 最適化レベルを設定して [OK]ボタンを選択します 最適化レベルはそれぞれ Debug では 最小 -O0 Release では 最大 -O3 に設定します ⑤ 設定を行ったビルド構成でビルドを行います AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート 3.1.3 AN1606 RAM 上でのデバッグ ① [ DS-5 デバッグ パースペクティブ]をクリックし DS-5 のデバッグ画面へ移行します ② メニューバーから[実行] [デバッグコンフィグレーション]を選択します AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート AN1606 ③ [DS-5 デバッガ]を選択した後 [新規作成]を選択します ④ [接続]タブを開き [名前]に [ap_rza_1a_rtx_ram_sample]と入力し ターゲットの選択に [Renesas RZ/A1H R7S721001 BereMetal Debug Debug Cortex-A9]を選択します AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート ⑤ AN1606 [ターゲット接続]を [ULINK2]に設定し [接続]の [参照...]を選択して ホスト PC に接続しているデバッガ ULINK2 を選択します AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート ⑥ AN1606 [ファイル]タブを選択し [ワークスペース]からビルドした Debug フォルダ内のオブジェクトファイル ap_rza_1a_rtx.axf を選択します AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート ⑦ AN1606 [OS の認識機能]タブを開き プルダウンメニューから [Keil CMSIS-RTOS RTX]を選択し [適用]を選択してから [閉じる]を選択します ⑧ [ターゲットに接続]アイコンを選択します ⑨ デバッガがターゲットに接続された後 デバッグを行います AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート 3.1.4 AN1606 ROM 上でのデバッグ ROM デバッグを行う際には 事前にアプリケーションノート AN1608 AP-RZA-1A (RZ/A1H CPU BOARD)シリアル FlashROM の書き込み方法 を参考に ボード上のシリアルフラッシュに ROM デバッグ用サンプルプログラムを書き込む必要がございます ① [ DS-5 デバッグ パースペクティブ]をクリックし DS-5 のデバッグ画面へ移行します ② メニューバーから[実行] [デバッグコンフィグレーション]を選択します AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート AN1606 ③ [DS-5 デバッガ]を選択した後 [新規作成]を選択します ④ [接続]タブを選択し [名前]に [ap_rza_1a_rtx_rom_sample]と入力し ターゲットの選択に [Renesas RZ/A1H R7S721001 BereMetal Debug Debug Cortex-A9]を選択します AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート ⑤ AN1606 [ターゲット接続]を [ULINK2]に設定し [接続]の [参照...]を選択して ホスト PC に接続しているデバッガ ULINK2 を選択します AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート ⑥ AN1606 [ファイル]タブを選択し [ワークスペース]からビルドした Release フォルダ内のオブジェクトファイル ap_rza_1a_rtx.axf を選択します AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
アプリケーションノート ⑦ AN1606 [OS の認識機能]タブを開き プルダウンメニューから [Keil CMSIS-RTOS RTX]を選択し [適用]を選択してから [閉じる]を選択します ⑧ [ターゲットに接続]アイコンを選択します ⑨ デバッガがターゲットに接続された後 デバッグを行います AN1606 AP-RZA-1A RTX サンプルプログラム(DS-5)解説
3.2 動作説明 3.2.1 ブート処理 AP-RZA-1A のブートモードがブートモード3( シリアルフラッシュブート ) に設定されている場合 パワーオンリセット解除後に CPU は 0xFFFF0000( 内蔵 ROM) に格納されているブートプログラムを実行します このブートプログラムにより SPI マルチ I/O バスコントローラが外部アドレス空間リードモードに設定され 基板上に実装されたシリアルフラッシュに対し直接データの読み出しが可能になります (SPI マルチ I/O バス空間 :0x18000000~) ブートプログラムの終了後 CPU は 0x18000000 に分岐します そのため 本サンプルプログラムでは例外処理ベクタテーブルを 0x18000000 に配置しブートプログラムの終了後にシリアルフラッシュに書き込まれたリセットハンドラ処理に分岐するようにしています リセットハンドラ処理ではベクタベースアドレスの設定 スタックの初期化 内蔵 RAM 書き込みの許可 MMU キャッシュの初期化 クロック周波数の設定やボードの初期化を行い 最後に Arm 統合開発環境 DS-5 のコンパイラツールチェーンによって提供される C 標準ライブラリ関数 main に分岐します main 関数内ではスキャッタローディングファイルを利用したセクションの初期化やデータのコピーなどが行われ $Sub$main 関数を経た上で $Super$main 関数がコールされ main 関数に分岐します CPU のブートモードとブートモードに依存するそれぞれのブート処理に関しての詳細は下記資料を参考にしてください RZ/A1H グループユーザーズマニュアルハードウェア編 RZ/A1H グループ初期設定例 これらの資料は下記 URL から入手が可能です https://www.renesas.com/ja-jp/products/microcontrollers-microprocessors/rz/rza/rza1h.html
3.2.2 サンプルプログラム概要 サンプルプログラムは 下記の動作を行います SCIF5 でエコーバックを行います ( 送受信割り込み使用 ) SCIF5 から受信した値をそのまま SCIF5 へ送信します COM ポートの設定は 115200bps ビット長 8 パリティなし ストップビット1 フロー制御なしです 動作確認は ホスト PC 上のターミナルソフト ( ハイパーターミナルなど ) を使用して行ってください ただし ETX コード (0x03) に関しては後述するモニタプログラムを開始させるコマンドのため エコーバックを行いません プログラム起動後に SCIF5 より ETX コード (0x03) を受信すると以降はモニタプログラムが動作します LD1( 緑の LED) を 1000msec 周期で ON/OFF します (RTXOS タイマ使用 ) 拡張 I/O ポートより方形波を出力します 周期とピン番号を下記の表に示します タイミングの生成は RTXOS のタイマ機能を使用します 上記を実行するためのスレッドとタイマを作成します 各スレッド タイマの設定については下記を参照してください 方形波出力端子一覧 ピン番号ピン名周期備考 CN1.31 CN2.21 CN2.22 P8_15/A23/SPBIO11_0/SPBIO10_1/ TIOC2B/SSL20/PWM1H/RxD4 P5_7/TXOUT0M/LCD1_DATA7/LCD0_DATA23/ DV1_DATA7/RxD6/TIOC0D/SPDIF_OUT/DV0_DATA15 P5_6/TXOUT0P/LCD1_DATA6/LCD0_DATA22/ DV1_DATA6/TxD6/IRQ6/SPDIF_IN/DV0_DATA14 10msec 10msec 10msec RTXOS スレッド タイマ一覧 種類内容優先度備考 スレッド メインスレッド RTXOS の初期化にて生成 通常の main() のように扱われる Normal スレッド LED 点滅用スレッド LED の点滅管理を行う Normal スレッドモニタスレッド モニタプログラムの実行を行う Normal タイマ 1ms タイマ Normal
3.2.3 モニタプログラム概要 モニタプログラムは シリアルコンソールを使用して AP-RZA-1A の動作を制御するプログラムです モニタプログラムはシリアルコンソールから別途定められたコマンドを受信することで動作を行います AP-RZA-1A とホスト PC モニタプログラム間の接続とコマンドのフォーマットを以下に記します USB ポートに接続 DC+5V USB ケーブル AP-RZA-1A ホストコンピュータ 機種 :PC/AT 互換機 OS :Windows 7,8 PC-USB-04 など USB シリアル変換アダプタ CN10 CN7 MONITOR_CMD (ARG0) ARG1...<CR><LF> MONITOR_CMD はコマンドを示します (ARG0) ARG1... はコマンドの引数を示します コマンドによって有効な引数の数は変化します 複数の引数を指定する場合はそれぞれの引数を半角スペースで区切ってください (ARG0) のように括弧で囲われている場合 その引数は省略することが可能です <CR><LF> はコマンドの終端を通知します この 2byte の受信を待ってモニタプログラムは1つのコマンドと認識します
また モニタプログラムにはディレクトリの概念が存在します 全てのコマンドが常に実行可能ではなく それぞれの機能を動作させるコマンドを実行するには該当するディレクトリに移動する必要があります モニタプログラムが動作を開始した際 ディレクトリは root( 最上位 ) に位置します 以下にディレクトリの構成と各ディレクトリで実行可能なコマンドを記します ディレクトリ構成コマンド動作内容 root EEPROM<CR><LF> EEPROM ディレクトリに移動します SERIAL<CR><LF> CAMERA<CR><LF>..<CR><LF> HELP<CR><LF> SERIAL ディレクトリに移動します CAMERA ディレクトリに移動します root ディレクトリに移動します ( 実行後に変化はありません ) root ディレクトリで実行可能なコマンドを表示します EEPROM READ ADDR SIZE<CR><LF> EEPROM からデータを読み出します..<CR><LF> HELP<CR><LF> root ディレクトリに移動します EEPROM ディレクトリで実行可能なコマンドを表 示します SERIAL - (SERIAL ディレクトリにコマンドはありません ) CAMERA BACKLIGHT LX <CR><LF> LCD-KIT のバックライトを変更します TOUCH<CR><LF>..<CR><LF> HELP<CR><LF> LCD-KIT のタッチパネル機能を使用したプログラムを実行します root ディレクトリに移動します CAMERA ディレクトリで実行可能なコマンドを表示します
3.2.4 モニタプログラムコマンド一覧 モニタプログラムで使用可能なコマンドの一覧を以下に記します 3.2.4.1 root ディレクトリコマンド一覧 コマンド 説明 EEPROM<CR><LF> root ディレクトリから EEPROM ディレクトリに移動する コマンドです コマンド 説明 SERIAL<CR><LF> root ディレクトリから SERIAL ディレクトリに移動し シリアルエコーバック動作を行うコマンドです root ディレクトリからのみ実行可能です 終了する場合 シリアルコンソールから ETX コード (0x03) を送信してください 終了後 自動的に root ディレクトリに戻ります SERIAL ディレクトリ内にコマンドはありません コマンド 説明 CAMERA<CR><LF> root ディレクトリから CAMERA ディレクトリに移動するコマンドです 一度 CAMERA ディレクトリに移動した後は LCD-KIT には カメラモジュールから入力されるデータを表示し続けます カメラモジュールが最初に出力するデータはキャプチャ画像です 3.2.4.2 EEPROM ディレクトリコマンド一覧 EEPROM ディレクトリ内でのみ実行可能なコマンドを以下に記します コマンド 説明 READ ADDR SIZE<CR><LF> EEPROM のデータを読み出しシリアルコンソールに表示するコマンドです ADDR は読み出し開始アドレスを数値で指定します SIZE は読み出しデータサイズを数値で指定します
3.2.4.3 CAMERA ディレクトリコマンド一覧 CAMERA ディレクトリ内でのみ実行可能なコマンドを以下に記します CAMERA コマンドディレクトリ内でのコマンドの実行には LCD-KIT-B01 LCD-KIT-C01 LCD-KIT-D01 LCD-KIT-D02 のいずれか 及び VS-CAM-01 が必要です LCD に表示するカメラデータの画像は LCD-KIT-B01 及び LCD-KIT-B01 では 640 480 LCD-KIT-D01 及び LCD-KIT-D02 では 480 272 サイズです コマンド 説明 BACKLIGHT LX<CR><LF> LCD-KIT のバックライトを調整するコマンドです LX には明るさを 0 から 100 の値で指定します コマンド 説明 TOUCH<CR><LF> LCD-KIT のタッチパネルを使用した動作を行います LCD をなぞるとその軌跡に赤色の線が引かれます LCD を一度タップすると 次から描く線の色が緑 青 白 黒 赤の順に変わります LCD を二度続けてタップすると 現在描かれている線が全て消去されます カメラモジュールが出力するデータはキャプチャ画像とテストパターン画像の二種類あります LCD を右あるいは左にフリックする (*1) と カメラモジュールの出力がキャプチャ画像とテストパターン画像とで交互に切り替わります 本アプリケーションで表示するテストパターン画像は グラデーションなしのカラーバー静止画です 動作を終了するにはシリアルコンソールから ETX コード (0x03) を 送信します *1. フリック動作とは 弾くように擦る動作を指します
AP-RZA-1A に LCD-KIT-B01 もしくは LCD-KIT-D02 と VS-CAM-01 をするときの接続例の図を以下に示します LCD-KIT-B01 or LCD-KIT-D02 VS-CAM-01 CN8 CN4 AP-RZA-1A 3.2.4.4 共通コマンド一覧 全てのディレクトリで実行可能なコマンドの一覧を以下に記します コマンド 説明..<CR><LF> 1つ上位のディレクトリに移動するコマンドです 全てのディレクトリから実行可能です root ディレクトリから実行した場合 何も行いません コマンド 説明 HELP<CR><LF> 現在のディレクトリで実行可能なコマンドの一覧をシリアル コンソールに表示するコマンドです
3.3 RAM 動作時のメモリマップ メモリマップを以下に示します
3.4 ROM 動作時のメモリマップ メモリマップを以下に示します
ご注意 本文書の著作権は株式会社アルファプロジェクトが保有します 本文書の内容を無断で転載することは一切禁止します 本文書に記載されている内容についての質問等のサポートは一切受け付けておりませんのでご了承ください 本文書の内容については 万全を期して作成いたしましたが 万一ご不審な点 誤りなどお気付きの点がありましたら弊社までご連絡下さい 本サンプルプログラムに関して Arm 社およびルネサスエレクトロニクス社への問い合わせはご遠慮ください 本文書の内容に基づき アプリケーションを運用した結果 万一損害が発生しても 弊社では一切責任を負いませんのでご了承下さい 本文書の内容は 将来予告なしに変更されることがあります 商標について Arm Development Studio 5 TM (DS-5 TM ) は Arm 社の登録商標 商標または商品名称です RZ および RZ/A1H は ルネサスエレクトロニクス株式会社の登録商標 商標または商品名称です その他の会社名 製品名は 各社の登録商標または商標です 431-3114 静岡県浜松市東区積志町 834 E-MAIL : query@apnet.co.jp