資料 31-2 固定電話網の移 概要と 今後の通信ネットワークについて 平成 28 年 12 13 日本電信電話株式会社東日本電信電話株式会社 本電信電話株式会社
固定電話網の移 に関する基本的な考え 2016/4/14 第 12 回電話網移 円滑化委員会資料より 固定電話 * は今後とも縮小していく中 NTT 東 としては 現在ご利 いただいている 固定電話 を逐次 IP 網へ移 することにより 責任を持って維持していく考え *PSTN( 公衆交換電話網 :Public Switched Telephone Network) により提供する加入電話及び INS ネット ( 音声 ) そのためには IP 網の特性を活かし お客様にできる限り負担をおかけしないよう 基本的な音声サービスを実現していくことが必要 また IP 網への移 は NTT 東 だけでなく全事業者共通の課題であり 各事業者間でシンプルにつなぐ仕組みを検討することが必要 1
参考 音声通信を取り巻く環境変化 2016/4/14 第 12 回電話網移 円滑化委員会資料より モバイル ブロードバンドの進展により コミュニケーション手段が多様化 ( ソーシャルメディアの急速な普及等 ) し 固定電話 の利 は きく減少 2000 年度末 2014 年度末 ソーシャルメディア ネット通話等 1 日あたりのあたりの平均利用時間 (2014 年度 平日 ) Twitter Facebook 26 分 LINE Skype 20 分 * 図中で使用しているマークおよびロゴは 各社の登録商標です メール メール 固定電話 6,200 万 モバイル ( 携帯電話 +PHS) 6,700 万 固定電話 2,400 万 0AB-J IP 電話 2,800 万 固定ブロードバンド 3,700 万 モバイル ( 携帯電話 +PHS+BWA) 1 億 5,700 万 6.5 分 2.5 分 1.7 分 携帯電話 固定電話 ネット 通話 ソーシャルメディア メール ( 出典 ) 総務省 平成 26 年情報通信メディアの利 時間と情報 動に関する調査報告書 2
PSTN から IP 網への移 2025 年に中継 / の維持限界を迎える中 加入者交換機をメタル収容装置として活用し メタル電話で提供していたユーザ宅内の環境を最 限維持したメタル IP 電話サービスを提供 現状 PSTN PSTN 接続 IP 網 サーバ * IP 網への移 後 中継 / を IP 化 メタルケーブルを継続利 加入者交換機をメタル収容装置として活用 とは IP で接続 IP 接続 IP 網 サーバ * 相互接続ルータ 加入者交換機 メタル収容装置 メタル 光 メタル 光 メタル電話 ( 加入電話 INS ネット ( 音声 )) メタル IP 電話 ( 基本的な音声サービス ) * IP 網における電話サービスの管理 制御を なうサーバ (: Session Initiation Protocol) 3
NGN における通信確保の考え方 (1/2) これまでは 音声を中心とした専用回線 ( メタル ) 光回線の導入により 同一回線でインターネットをはじめ 音声 映像サービスなどをまとめて提供することが可能 ベストエフォート通信と優先通信を分ける事で 優先される通信 ( 電話等 ) をこれまでの専用回線と同等に伝送することが可能 メタル回線 光回線 (NGN) 進化 加入電話 ISDN 音声 電話 音声 + FAX 電話データ通信 (64k) ADSL+ 加入電話 電話 音声 + インターネット データ通信 (47M フレッツ ADSL の場合 ) 進化 加入電話等の約 1.5 万倍 (64kbps 1Gbps) 優先 ベストエフォート 音声 + インターネット + 映像 + (1G フレッツ光ネクストの場合 ) 電話映像配信高品質データ通信データ通信 4
NGN における通信確保の考え方 (2/2) PSTN は 電話サービスに特化した 交換機 ( 回線交換 ) によるネットワーク 通話の都度 発信回線と着信回線との間の通話路を設定し 通話している間 その通話路を占有して保持 NGN は パケットによる通信のため 通話路を占有する という概念がなく 効率良く伝送することが可能 ( 優先する通信については 制御サーバ等を用いて必要帯域を動的に確保する ) 回線交換 (PSTN) の伝送イメージ ユーザ毎に通話路 ( 固定帯域 ) を専有 Aユーザ Bユーザ 優先 NGN の伝送イメージ 音声 映像 データ等をパケット化してネットワークを共用 X ユーザ ベストエフォート 制御サーバ等で管理されていない優先トラヒックが 量に流された場合は 様々なサービスの品質が低下する懸念がある 5
信頼性を考慮した NGN アーキテクチャ NGN は PSTN の信頼性設計に基づき 大規模ネットワークを想定したネットワークアーキテクチャを採用 1 キャリアグレードの 容量 信頼の装置を使 2 通信回線や通信装置の冗 化 3 特定のエリアに通信が集中した際のトラヒックコントロール 4 重要通信の確保 5 制御系装置を複数地域へ分散設置など により ユーザにとって信頼性の高いネットワークを提供 5 制御系装置を複数地域へ分散設置 制御サーバ ( サーバ ) 2 通信装置や通信回線の冗 化 加入者収容面 中継面 1 キャリアグレードの 容量 高信頼の装置 トラヒック制御システム 制御サーバ ( サーバ ) 一般ユーサ ( 輻輳時には発信規制 ) 重要ユーサ ( 輻輳時でも通信を確保 ) ( エッシ ノート ) 4 災害時等における重要通信の確保 3 特定のエリアに通信が集中した際のトラヒックコントロール 6
輻輳制御と重要通信の確保 東日本大震災では 全国から被災地への通話は平常時の約 9 倍に増加 トラヒック分散等 重要通信を確保 NGN においても輻輳制御機能等を活 し 同等の機能を実現 トラヒックイメージ ( 宮城県の例 ) 2 宮城県 全国からの電話トラヒック ( 宮城県の例 ) 加わった呼数 平常時の約 9 倍 1 1: 岩手県 福島県ともに約 8 倍 1 平常時最繁トラヒック 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 22:00 23:00 00:00 PSTN のトラヒック規制実施 ( 例 ) 交換機交換機規制 規制 交換機 般電話の通信量を適切に規制することで 交換機のパンクを回避し輻輳状態を軽減するとともに 重要通信の疎通を確保 一般電話 被災地外 被災地 一般電話被災地外 重要通信 緊急通報 災害時優先電話 公衆電話 一般電話のトラヒック 重要通信のトラヒック 7
メタル電話 メタル IP 電話 の違い メタル IP 電話は メタル電話 と同レベルの通信品質確保 災害対策を う メタル電話 ( 加入電話 INS ネット ( 音声 )) メタル IP 電話 基盤設備 ( ビル 電柱 マンホール等 ) 共通 NTT ビル間の伝送設備 共通 加入者収容装置加入者交換機メタル収容装置 OLT アクセス回線 ( お客様宅までの設備 ) メタル線メタル線光ファイバ 通信品質の確保 回線交換による帯域確保 優先転送 ( メタル電話と同等の品質 ) 優先転送 ( メタル電話と同等の品質 ) 災害対策 輻輳制御機能有り有り有り 災害時優先電話有り有り有り 局給電 有り有り 無し ( バッテリー等で給電 ) 接続する電話機が商 電源を必要とする場合 停電時には利 不可 8
IP 網移 後の事業者間相互接続 IP 網へ移 後も 発着 2 者間でシンプルに直接接続することにより 事業者をまたがる通話を引き続き接続 現状 各事業者は 都道府県ごとに接続する NTT 東 の交換機を介して 他の事業者との接続を実現 IP 網へ移 後 を用いる IP 電話は 発着 2 者間でシンプルに直接接続 中継事業者 中継事業者 サーハ 直収事業者 サーハ 直収事業者 サーハ サーハ 交換機交換機交換機交換機交換機都道府県ごと NTT 東 地域限定事業者 IP 接続 地域限定事業者 サーハ サーハ 地域限定事業者 全国事業者 携帯事業者 地域限定事業者 全国事業者 サーハ 携帯事業者 NTT 東 東京 大阪の 2POI を基本とし 当該 POI ビル内の具体的な構成 および各事業者の サーバ等による接続方式を つなぐ機能 として事業者間で検討中 9
IP 相互接続の設備構成イメージ 現状 メタル電話 は PSTN 経由で相互接続を実施 IP 網へ移 後 メタル IP 電話 は NGN を経由した IP 接続により相互接続を実施 現状 IP 網へ移 後 STM-POI STM-POI IP-POI PSTN NGN サーバ NGN サーバ 相互接続ルータ 加入者交換機 メタル収容装置 NGN 経由で相互接続 メタル電話 ( 加入電話 INS ネット ( 音声 )) メタル IP 電話 ( 基本的な音声サービス ) 10
メタル IP 電話の設備構成イメージ メタル IP 電話の設備構成は メタル電話で現在ご利 中の端末を最 限継続利 できるよう考慮 1 メタル収容装置 ユーザ端末間は 現 メタル電話と同一の接続構成 2 メタル収容装置を NGN に接続するの機能は 現 の宅内端末 (HGW) と同等の STM/IP 変換 3 事業者間の IP 接続にあたっては セキュリティや輻輳制御等を含めた十分な安全 信頼性の確保が必要 STM-POI 網 STM-POI 網 2 サーバ IP 網 IP-POI 相互接続ルータ 3 IP 接続にあたっては セキュリティや輻輳制御等の 分な安全 信頼性の確保が必要 サーバ NGN 加入者交換機 現在ご利 中の端末を継続利 できることが必要 メタル収容装置 1 HGW HGW メタル電話 ( 加入電話 INSネット ( 音声 )) メタル IP 電話 参考 品質基準に係る現 規定 ( 音声品質等 ) 通話品質 ( ラウドネス定格 ) ネットワーク品質 (UNI-NNI) ネットワーク品質 (UNI-UNI) 総合品質 (End-to-End) 品質測定 法についても 現 およびメタル電話と同様に実施することを基本として検討 11
PSTN から IP 網への移 程 IP 網への移 には きく以下の 3 つの工程が必要 ( 今後 具体的な IP 網への移 手順等について事業者間で検討 ) 1 全事業者と順次 IP 接続 2 全国の加入者交換機すべてを IP 網に接続 3 1 2 の完了後 メタル電話の通話を IP 接続経由へ切替 ( 等を撤去 ) 1 全事業者と順次 IP 接続 2 加入者交換機を IP 網に接続 3 メタル電話の通話を IP 網経由へ PSTN 接続 IP 接続 IP 接続開始 PSTN 接続 IP 接続 PSTN 接続 IP 接続 PSTN IP 網 サーバ 相互接続ルータ PSTN IP 網 サーバ 相互接続ルータ PSTN IP 網 サーバ 相互接続ルータ 加入者交換機 加入者交換機 IP 網と接続 メタル収容装置 IP 網経由へ切替 メタル電話 ( 加入電話 INS ネット ( 音声 )) メタル電話 ( 加入電話 INS ネット ( 音声 )) メタル IP 電話 12
IP 網への移 スケジュール PSTN から IP 網への移 程には相応の期間が必要であり 2025 年頃に中継 / の維持限界を迎える中 2020 年頃までには 移 に向けた開発 検証を完了させておくことが必要 2016 年 2020 年 今後 具体的な移 順等について事業者間で検討 2025 年頃 相互接続サービス 主な機能の方向性検討 ( 継続 / 終了 ) 終了するサービス 継続するサービス 一定の方向性夏頃目途に 詳細仕様検討 標準化 1 年程度 NTT 東 開発 検証 少なくとも 2 3 年程度 NTT 東 ユーザ周知 代替サービスの提案 との IP 接続 ユーザ周知 NTT 東 加入者交換機を IP 網に接続 NTT 東 代替サービスの利 IP 網経由へ移行メタル電話の通話を サービス終了 サービス切替 NTT 東 IP 網で継続 中継 / 維持限界 サービスの終了 切替時期については お客様や関係事業者との対応を踏まえて決定 13