技術的条件集別表 35 IP トランスポート仕様

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技術的条件集別表 35 IP トランスポート仕様

参照規格一覧 [1] TTC JF-IETF-RFC4566 (03/2007): SDP: セッション記述プロトコル [2] IETF RFC2474 (12/1998): Definition of the Differentiated Services Field (DS Field) in the IPv4 and IPv6 Headers [3] TTC JF-IETF-RFC3261 (06/2005): SIP: セッション開始プロトコル [4] 3GPP TS 29.208 V6.6.1 (03/2006): End-to-end Quality of Service (QoS) signalling flows [5] ITU-T Recommendation Y.1221 (03/2002):Traffic control and congestion control in IP-based networks [6] IETF RFC768 (10/1980): User Datagram Protocol [7] IETF RFC791 (09/1981): Internet Protocol [8] IETF RFC792 (09/1981): Internet Control Message Protocol [9] IETF RFC793 (09/1981): Transmission Control Protocol [10] IETF RFC894 (04/1984): A Standard for the Transmission of IP Datagrams over Ethernet Networks [11] IETF RFC2460 (12/1998): Internet Protocol, Version 6 (IPv6) Specification [12] IETF RFC2461 (12/1998): Neighbor Discovery for IP Version 6 (IPv6) [13] IETF RFC4443 (03/2006): Internet Control Message Protocol (ICMPv6) for the Internet Protocol Version 6 (IPv6) Specification [14] IETF RFC1771 (03/1995): A Border Gateway Protocol 4 (BGP-4) [15] IETF RFC2545 (03/1999): Use of BGP-4 Multiprotocol Extensions for IPv6 Inter-Domain Routing [16] IETF RFC2385 (08/1998):Protection of BGP Sessions via the TCP MD5 Signature Option 技別 35-1

1. 規定範囲 本別表では 当社の IP 通信網と直接協定事業者の網における IP トランスポートに係わる相互接続インタフェース条件について規定するものである なお IP 通信網間接続装置におけるフィルタ設定条件等の保守運用に係る具体的事項については 当社と直接協定事業者間の協議にて決定し 別に定めることとする また UNI を含む IP 通信網のサービス毎の上位レイヤに係わる接続条件は 本別表の規定範囲外とする また 転送品質クラスに係わる規定を本別表の付属資料 a で規定する 技別 35-2

2. インタフェース仕様 2.1 レイヤ 3 仕様 IPv4 を用いる場合は ICMPv4 を IPv6 を用いる場合は ICMPv6 をサポートする レイヤ 3 ヘッダ情報 (DSCP パケット長またはペイロード長 フラグ フラグメントオフセット TTL またはホップリミット ヘッダチェックサム 送信元 IP アドレス 宛先 IP アドレス ) については IP 通信網内で書き換えて転送制御に利用することがある 1) ルーティング制御方式ルーティング制御方式はスタティックルーティングまたはダイナミックルーティングを用いる ダイナミックルーティングを適用する場合は プロトコルとして BGP4/BGP4+ を用いることとし 基本的な接続条件は以下とするが スタティックルーティングおよびダイナミックルーティングの設定内容等の細目については 当社と直接協定事業者間の協議にて決定し 別に定めることとする なお 相互接続にて使用する IP アドレスについてはグローバルアドレスとし 当社及び 直接協定事業者の自網で利用しているアドレス空間 AS 番号のみを広告対象とする BGP4/BGP4+ 仕様 BGP4/BGP4+ の仕様については RFC1771/RFC2545 を参照のこと グローバル AS 番号及び 次の BGP アトリビュートを利用可能とする BGP4 アトリビュート :AS path Origin Nexthop(MED はオプションとして利用可能 ) BGP4+ アトリビュート :AS path Origin MP Reach NLRI Nexthop(MED はオプションとして利用可能 ) MD5 認証 BGP/BGP4+ の TCP MD5 認証 (RFC2385) を必須とする 2POI で相互接続する場合 BGP4/BGP4+ での冗長化 ( 経路分散 ) を可能とする ただし セッション制御通信については冗長化 ( 経路分散 ) を行わな い 2)IPv4 プロトコルレイヤ 3 プロトコルの 1 つとして 当社の IP 通信網は IPv4 をサポートする サポートする IPv4 は RFC791 の規定に従う 3)ICMPv4 プロトコル IPv4 をサポートする直接協定事業者の網は ICMPv4 をサポートしなければならない なお 以下に該当しないデータパケットは 廃棄されることがある SA/DA が POI のリンクアドレスの Echo Reply/Echo Request 4)IPv6 プロトコルレイヤ 3 プロトコルの 1 つとして 当社の IP 通信網は IPv6 をサポートする サポートする IPv6 は RFC2460 の規定に従う リンクローカルスコープを除き マルチキャストはサポートしない 5)ICMPv6 プロトコル IPv6 をサポートする直接協定事業者の網は ICMPv6 をサポートしなければならない なお 以下に該当しないデータパケットは廃棄されることがある NS/NA Packet_Too_Big 疎通 SA/DA が POI のリンクアドレスの Echo Reply/Echo Request 6)NDP プロトコル IPv6 をサポートするノードは Neighbor Discovery 手順 (NDP) をサポートする 詳細は RFC2461 参照のこと 7)IP パケットフォーマット IP パケットヘッダにおける IPv6 オプションヘッダは 使用しないこととする 使用した場合はその転送処理を保証しない 直接協定事業者の網が送出する IP パケットの IP ヘッダを含んだ Ethernet MTU 長は 特に上位サービスで規定されない限り 1,500 オクテット以内であることとする また フラグメントされた IP パケットについては ベストエフォートクラスとして扱われるか またはパケットが廃棄される場合がある ( 受信時の動作は不定 ) 2.2 レイヤ 4 仕様 レイヤ 4 プロトコルとしては 直接協定事業者の網は上位サービスで使用するプロトコルに応じて UDP または TCP またはその両方をサポートする 技別 35-3

レイヤ 4 ヘッダ情報については その一部 ( ポート番号 チェックサム ) を当社の IP 通信網内で書き換えて転送制御に用いることがある 1)UDP プロトコル上位サービスで使用するプロトコルに応じ レイヤ 4 プロトコルとして UDP を使用する 2)TCP プロトコル上位サービスで使用するプロトコルに応じ レイヤ 4 プロトコルとして TCP を使用する 技別 35-4

付属資料 a 転送品質クラス a.1. 用語の定義 IP パケットの転送品質に着目した 以下の 4 つのクラスを定義する 1) 最優先クラス 2) 高優先クラス 3) 優先クラス 4) ベストエフォートクラス IP 通信網内における IP パケット転送処理の優先順位は 最優先クラス 高優先クラス 優先クラス ベストエフォートクラスの順序とする a.2. 転送品質クラスの指定 データパケットの転送品質クラスについては 当社及び直接協定事業者それぞれの網内で指定する 他網から流入するデータパケットは 自網のポリシーに従いリマークを行うこととし 他網へ流出するデータパケットについては 自網内のポリシーに従った転送品質クラスの設定で送信する なお 当社の網の転送品質条件は以下のとおりとする (1) 転送品質クラス指定 セッション制御通信における転送品質クラスの指定は RFC2327 で規定されている SDP を用いる 具体的には SDP の m= 行の media-type と a= 行の組み合わせで転送品質クラスを指定する (3GPP TS 29.208 参照 ) また 帯域指定については コーデック種別 或いは b= 行によって指定する なお RTCP パケットの転送品質クラスは 下記の指定方法によらず RTP パケットの転送品質クラスと同じとする (3GPP TS 29.208 参照 ) 表 a-1:sdp による転送品質クラス指定 SDP の m= 行 /a= 行 最優先クラス以下の (1)~(2) のいずれかの場合 : (1)media-type=video かつ a=sendrecv (2)media-type=audio かつ a=sendrecv 高優先クラス以下の (1)~(2) のいずれかの場合 : (1)media-type=application (2)media-type=image (2) データパケットの転送優先度識別子 ネットワークは 各々のデータパケットにおける下記のフィールドに転送品質クラスに対応した値 ( 最優先クラス :101110 高優先クラス :100000 ベストエフォートクラス :000000) を設定して転送する 但し 呼の接続 / 切断に関わる制御信号 (IETF RFC3261 に規定される SIP) のパケットに対しては 一律 最優先クラスに対応する転送優先度識別子を設定し転送する 1IPv4 の場合 2IPv6 の場合 ToS(Type of Service) Differentiated Service Field a.3. IP 通信網と直接協定事業者網間におけるトラヒック条件 セッション制御通信における POI のトラヒック条件を 以下のように規定する 詳細条件については 当社と直接協定事業者間の協議にて決定し 別に定めることとする 技別 35-5

(1) ネットワークでは POI からの流入トラヒックをトークンバケットポリサー (ITU-T 勧告 Y.1221 Appendix 1 参照 ) で監視する ポリサーの監視条件を違反したパケットは ネットワーク内で廃棄される (2) トークンバケットポリサーの監視パラメータは レートと最大バケットサイズである 最大バケットサイズについては 各転送品質クラスに応じた値をネットワーク側で用意することとする (3) 特定のコーデックについては SDP の b= 行の指定にかかわらず当社で決定したデフォルトのトークン補充レート (R) と最大バケットサイズ (b) を使用する その他のコーデックについては SDP の b= 行の設定値によりトークン補充レート (R) と最大バケットサイズ (b) を決定する なお セッション制御通信では RTP と RTCP のトラヒックは 合わせて一つのポリサーにて監視する 技別 35-6