2011 年 10 月 13 日 IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース今井恵一 ( 社団法人テレコムサービス協会 ) (NEC プラットフォームマーケティング戦略本部 )
IPv4 アドレス枯渇の現状 インターネットは IPv6/IPv4 デュアル構造に IPv6 は普及するのか? 1
IPv4 アドレスの在庫が枯渇!! IANA プールに続いてアジア太平洋地域の在庫も枯渇 RIPE NCC IANA 欧州 APNIC アジア太平洋 ARIN 北米 AfriNIC アフリカ CNNIC KRNIC JPNIC LACNIC ISP IANA: Internet Assigned Numbers Authority RIR: Regional Internet Registry ARIN: American Registry for Internet Numbers RIPE NCC: Resource IP Europeans Network Coordination Centre LACNIC: Latin American and Caribbean Internet Address Registry AfriNIC: African Network Information Centre データセンター ユーザ 中南米 APNIC: Asia Pacific Network Information Center JPNIC: Japan KRNIC: Korea CNNIC: China 2
最近のアジア地区における IPv4 アドレス取得の状況 これまで 年間 1 億個以上を消費してきたアジア地区で 今後の供給がゼロになる!! 百万個 900 800 700 600 500 400 300 200 100 アジア太平洋地域における IPv4 アドレス取得数推移 その他台湾韓国日本中国オーストラリア 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 年 枯渇 後に申請できる IPv4 アドレス APNIC では ちょっとだけ ( 約 1,700 万個 ) IP アドレスを残しており 1 事業者当たり 1,024 個に限り申請できる 3
IP アドレスの市場取引? IP アドレスは売買するものではなかった これまで APNIC/JPNICなどから割り当てを受けたIPアドレスの売買 譲渡は不可 勝手に別のISPなどに渡ると 不正アドレス と見なされ 使えなくなる 市場での取引が解禁 IPv4アドレス枯渇を受け ヤミで出回ることを避けるため 正規の取引を認める 今のところ APNICなどの地区内のみ 地区をまたがる取引は難しそう では IP アドレスの価格は? 価格の規定はなく まさに 市場 で決まる 希少価値が出てくるIPv4アドレスの価格は 今後は当然高騰するだろう 4
ISP が持つ IPv4 アドレスの在庫はいつまで持つのか? ISP はどのくらい在庫を持っている? これまでは 半年 ~1 年分の需要に基づき申請 2011 年 5 月の1 年後にはISPの在庫も枯渇する?? 今年に入って 800 万個 400 万個のIPv4アドレスを取得した国内のISPあり IANA APNIC JPNIC ISP 日本国内よりアジア地域が問題? インターネットユーザが爆発的に増えている中国やインドなどのアジア地域の方が問題は深刻!! 2012 年には在庫が枯渇するISPも出てくるだろう ユーザ 5
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IPv4 アドレスが枯渇すると ISP は ISP は IPv6/IPv4 デュアルのサービスへ移行 在庫枯渇後は IPv6 アドレス +IPv4 プライベートアドレスを割り当てる サーバ どうしても IPv4 のみのサーバが残る サーバ 多くのサーバは IPv6 /IPv4 デュアルへ サーバ CGN NAT NAT NAT NAT CGN: Carrier Grade NAT(Network Address Translator) 7
しかし 制約がある CGN 経由のアクセス 以下のような制約あり IPv4 アドレスを共有するユーザ間で同時接続セッション数に制限 サーバ側では IP アドレスだけでは通信相手を識別できない サーバ サーバ 通信ログに IP アドレス + ポート番号を格納する必要あり CGN NAT NAT NAT CGN: Carrier Grade NAT(Network Address Translator) 8
IPv4 アドレスが枯渇するとデータセンターは IPv6 対応は必須だが IPv4 アドレスの確保も必要 コンシューマにIPv6でアクセスするユーザが現れ IPv6 対応は必須 IPv4だけのユーザも残るため 新規のサーバにIPv4アドレスを配布できないデータセンター事業者は淘汰される データセンター サーバサーバサーバ 9
IPv4 アドレスが枯渇すると企業網は 企業の公開サーバと DMZ の IPv6 対応は必要 コンシューマを中心にインターネットから IPv6 でアクセスするユーザが出現 コンシューマ 企業網 DMZ インターネット SW FW LB 公開サーバ群 NGN LTE イントラネット DMZ: DeMilitarized Zone SW: L2/L3 Switch 企業 拠点 拠点 FW: Firewall LB: Load Balancer 拠点 拠点 10
イントラは本当に IPv4 のままでいいのか? 現状では 本来 IPv6 導入によるメリットとしては M&Aなどによるネットワークの統合時に プライベートアドレスの競合を避ける イントラ内で自由にIPマルチキャストによる放送 映像配信が可能 イントラ内で自由に (TV 会議などの )PtoP 通信が可能 11
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既に始まっている IPv6 サービス KDDI では KDDI au ひかり で IPv6 アドレス配布を開始 関東エリアで 2011 年 4 月以降に IPv6 アドレスの配布を開始し 既に完了 http://www.auhikari.jp/news/110418.html 13
既に始まっている IPv6 サービス NTT 東西では NTT 東西の NGN 上でも IPv6 インターネット接続サービスを開始 NTT 東西の フレッツ光ネクスト 上で2011 年 6 月以降 順次サービスを開始 2012 年以降には BフレッツのNGNへの統合も開始される IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会 ( 第 12 回 :2011 年 6 月 15 日 ) におけるNTT 東日本の資料より http://www.soumu.go.jp/main_content/000119425.pdf 14
既に始まっている IPv6 サービス NTT ドコモでは NTT ドコモの LTE( サービス名 :Xi( クロッシィ )) でも IPv6 アドレスを配布 2011 年 6 月から LTE 端末には IPv6 アドレスと IPv4 アドレスの両方を配布 IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会 ( 第 13 回 :2011 年 6 月 22 日 ) におけるNTTドコモの資料より http://www.soumu.go.jp/main_content/000119408.pdf 15
IPv6 は いつ普及するのか? アジア地区では 2012 年中にも IPv6? アジアでは IPv4 アドレスの在庫が枯渇する ISP が現れる ( 最初は インドか?) それに対して 国内では 国内の ISP では IPv4 アドレス枯渇については かなり粘るかも NGN の影響は 2012 年以降 NGN 東西のBフレッツのNGNへの統合が始まる それに伴って IPv6ユーザも徐々に増えることになる LTE の影響は 2012 年には ドコモだけでなくKDDIやSoftbankもLTEのサービス開始へ 今後のスマートフォンは LTEで かつIPv6か? 16
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