4 社会保障給付費の構造をみる 社会保障の給付と負担の現状 資料 : 国立社会保障 人口問題研究所 平成 22 年度社会保障費用統計 2012 年度 ( 予算ベース ) は厚生労働省推計 [ 出典 ] 厚生労働省ホームページ (http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/09.pdf) 健康日本 21( 第二次 ) では 全ての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現し その結果 社会保障制度が持続可能なものとなることを目指しています 社会保障費給付費の総額は 社会保障制度の整備や人口高齢化の進行等を反映して 充実 増大し 2012 年度予算ベースで 109.5 兆円であり そのうち 年金 及び 医療 で約 80% です 社会保障給付費を賄う財源の構成をみると 保険料負担 ( 被保険者が支払う保険料及び企業等が支払う事業主負担 ) が約 60% 税負担 ( 国及び地方公共団体が税収を財源として支払う負担 ) が約 40% となっています あなたの自治体で健康 栄養施策の推進にあたって視野に入れるべき社会保障の仕組は
参考 社会保障財源の全体像 ( イメージ ) 日本の社会保障支出の内訳は 公的年金や医療保険等の社会保険の占める割合が高くなっています 社会保険の財源は 加入者や事業主が払う保険料中心ですが 国 地方自治体や利用者も一部負担しています [ 出典 ] 厚生労働省 平成 24 年版厚生労働白書 p40 社会保障給付費の推移 社会保障給付費は年々増加しています ( 兆円 ) 120 ( 万円 ) 100 110 90 100 90 80 70 60 50 年金医療福祉その他 1 人当たり社会保障給付費 一人当たり社会保障給付費 ( 右目盛 ) 47.2 78.1 年金 103.5 80 70 60 50 40 40 30 20 24.8 医療 30 20 10 0 0.1 1950 ( 昭和 25) 0.7 1960 ( 昭和 35) 3.5 1970 ( 昭和 45) 1980 ( 昭和 55) 1990 ( 平成 2) 資料 : 国立社会保障 人口問題研究所 平成 22 年度社会保障費用統計 2011 年度,2012 年度 ( 予算ベース ) は厚生労働省推計 2012 年度の国民所得額は 平成 24 年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度 ( 平成 24 年 1 月 24 日閣議決定 ) ( 注 ) 図中の数値は 1950,1960,1970,1980,1990,2000 及び 2010 並びに 2012 年度 ( 予算ベース ) の社会保障給付費 ( 兆円 ) である [ 出典 ] 厚生労働省 :http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/05.pdf 2000 ( 平成 12) 福祉その他 2012 ( 予算ヘ ース ) 10 0
日本では 人口構造が急速に変化していきます 現在は 1 人の高齢者を 2.6 人で支えている社会構造になっています 少子高齢化が一層進行する 2060 年には 1 人の高齢者を 1.2 人で支える社会構造になると想定されています 今後の人口構造の急速な変化 社会構造の姿をとらえてみる [ 出典 ] 厚生労働省 :http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/03.pdf 人口ピラミッドの変化 (1990~2060 年 ) [ 出典 ] 厚生労働省 :http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/08.pdf あなたの自治体では 10 年後は 1 人の高齢者を人で支える社会構造になると想定される
参考 ライフサイクルでみた社会保険及び保育 教育等サービスの給付と負担のイメージ 日本の社会保障への支出規模は他の先進国に比べて小さく 少子化対策が進展せず 家族給付が少なかった結果 その支出の多くは企業等を退職した高齢者のための医療 介護や年金に向けられていました 資料 : 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室作成 ( 注 ) 平成 21 年度 ( データが無い場合は可能な限り直近 ) の実績をベースに 1 人当たりの額を計算している ただし 公共事業 + 防衛 + その田 については 平成 22 年度予算ベース [ 出典 ] 厚生労働省 平成 24 年版厚生労働白書 p16 国民生活を生涯にわたって支える社会保障制度 [ 出典 ] 厚生労働省 平成 24 年版厚生労働白書 p34
医療費の推移と 1 人当たりの医療費をみてみる 国民医療費は 平成 22 年で 37 兆 4,202 億円にまでのぼっています 1 人当たりの国民医療費は 29 万 2,200 円です ( 兆円 ) 50 国民医療費の動向 11% 国民医療費の対国民所得比 10% 40 ( 参考 ) 総保健医療支出の対 GDP 比 37.4 38.6 9% 8% 30 20 16.0 国民医療費の対 GDP 比 医療費の対象年齢の引き上げ 70 歳以上 75 歳以上 (~H14.9) (H19.10~) 国民医療費 ( 兆円 ) 7% 6% 5% 4% 3% 10 2% 後期高齢者 ( 老人 ) 医療費 ( 兆円 ) 1% 0 0% 1985 1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 ( 実績見込み )( 年度 ) 2011 年度の国民医療費及び後期高齢者医療費は実績見込みであり 前年度の国民医療費及び後期高齢者医療費に当該年度の概算医療費の伸び率をそれぞれ乗じることにより 推計している [ 出典 ] 厚生労働省 :http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html 都道府県別 1 人当たりの国民医療費 ( 円 ) 都道府県 1 人当たりの国民医療費 都道府県 1 人当たりの国民医療費 都道府県 1 人当たりの国民医療費 都道府県 1 人当たりの国民医療費 高知県 361,000 和歌山県 311,000 兵庫県 280,000 宮城県 257,000 長崎県 344,000 秋田県 310,000 山形県 279,000 長野県 257,000 鹿児島県 336,000 広島県 308,000 福島県 277,000 三重県 257,000 山口県 329,000 愛媛県 306,000 富山県 275,000 東京都 254,000 徳島県 328,000 岡山県 305,000 岩手県 274,000 栃木県 248,000 大分県 327,000 宮崎県 303,000 全国 292,200 愛知県 247,000 北海道 326,000 石川県 291,000 奈良県 269,000 茨城県 245,000 佐賀県 326,000 大阪府 291,000 新潟県 265,000 静岡県 244,000 香川県 320,000 鳥取県 287,000 山梨県 265,000 滋賀県 241,000 熊本県 320,000 青森県 283,000 岐阜県 262,000 神奈川県 236,000 福岡県 315,000 福井県 280,000 群馬県 258,000 埼玉県 231,000 島根県 314,000 京都府 280,000 沖縄県 258,000 千葉県 228,000 [ 資料 ] 厚生労働省 平成 20 年度国民医療費 全国のみ 平成 22 年度国民医療費 あなたの自治体の 1 人当たりの国民医療費とその順位は 円 位 その背景として考えられることは
参考 国民医療費の構造 ( 平成 22 年度 ) [ 出典 ] 厚生労働省 :http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html 各保険者の比較 [ 出典 ] 厚生労働省 : http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html
埼玉県 千葉県 茨城県 愛知県 静岡県 栃木県 神奈川県 山梨県 岐阜県 滋賀県 群馬県 要介護認定者の状況をみてみる 奈良県 東京都 長野県 福井県 全国計 宮城県 宮崎県 富山県 岩手県 福島県 三重県 山形県 石川県 北海道 兵庫県 山口県 新潟県 京都府 青森県 沖縄県 福岡県 香川県 佐賀県 大阪府 高知県 鳥取県 広島県 大分県 秋田県 熊本県 岡山県 愛媛県 鹿児島県 島根県 徳島県 和歌山県 長崎県 要介護認定を受けている者は 平成 24 年 4 月末現在で533 万人となっており 制度開始時から約 315 万人 (144%) 増加しています 第 1 号被保険者に占める認定者の割合は 全国平均で17.3% となっており 都道府県別にみると 長崎県 和歌山県 徳島県などが高く 埼玉県 千葉県 茨城県などが低くなっています 要介護度別認定者数の推移 [ 出典 ] 社会保障制度改革国民会議 ( 第 10 回 ) ( 平成 25 年 4 月 22 日開催 ) (%) 25.0 都道府県別第 1 号被保険者に占める要介護認定者の割合 20.0 17.3 15.0 10.0 5.0 0.0 要支援 1 要支援 2 要介護 1 要介護 2 要介護 3 要介護 4 要介護 5 [ 資料 ] 厚生労働省 介護保険事業報告の概要 ( 平成 24 年 4 月暫定版 ) あなたの自治体の 要介護認定者の数は 人 第 1 号被保険者に占める要介護認定者の割合とその順位は % 位
介護給付費の推移と 1 人当たりの費用額をみてみる 介護給付費は 要介護 ( 要支援 ) 認定者数に伴い増加し 平成 24 年 4 月で 610,700 百万円となっています 給付費について 施設サービスが高いのか 居宅 + 地域密着型サービスが高いのか 都道府県で異なります 介護給付費の推移 ( 月間 サービス種別 ) ( 百万円 ) 各年 4 月サービス分 700,000 600,000 500,000 400,000 318,677 365,800 396,540 444,709 471,130 441,146 468,684 468,684 524,058 555,084 578,739 610,700 300,000 200,000 201,875 100,000 0 平成 14 年平成 15 年平成 16 年平成 15 年平成 16 年平成 17 年平成 18 年平成 19 年平成 20 年平成 21 年平成 22 年平成 23 年平成 24 年 居宅サービス ( 介護予防を含む ) 地域密着型サービス ( 介護予防を含む ) 施設サービス [ 資料 ] 厚生労働省 介護保険事業状況報告 ( 円 ) 都道府県別第 1 号被保険者 1 人あたり保険給付費 A 居宅 + 地域密着型サービス保険給付費 16,000 15,000 14,000 13,000 12,000 11,000 10,000 沖縄県青森県長崎県和歌山県全国平均愛媛県 (A 7,298 B 12,493) 岡山県島根県秋田県鳥取県広島県佐賀県大阪府宮崎県鹿児島県大分県三重県香川県新潟県福岡県石川県徳島県東京都宮城県山形県滋賀県長野県福井県兵庫県熊本県山梨県群馬県福島県京都府高知県岐阜県岩手県神奈川県富山県愛知県静岡県奈良県北海道山口県栃木県千葉県 埼玉県 茨城県 9,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 B 第 1 号被保険者 1 人あたり施設サービス保険給付費 ( 円 ) [ 出典 ] 厚生労働省 介護保険事業報告の概要 ( 平成 24 年 4 月暫定版 )p2 あなたの自治体の保険給付費の特徴について 施設サービスの給付費は 円 居宅 + 地域密着型サービスの給付費は 円
参考 他国に類をみないスピードで進む少子高齢化と社会保障給付費の推移 医療の進歩等により平均寿命が伸びる一方で晩婚化や価値観の多様化等により出生率の低下が進んだ結果 社会保障の支出は増え続ける一方です [ 出典 ] 厚生労働省 平成 24 年版厚生労働白書 p17 社会保障給付費と財政の関係 毎年 1 兆円規模の社会保障の自然増が不可避となっています 今や国の予算の一般歳出に占める社会保障関係費の割合は 5 割を超えており 税収が歳出の半分すら賄えておらず 国債の発行による財源調達に依存している現状に照らせば 社会保障関係費の相当部分を将来世代の負担に先送りしていることになります 資料 : 厚生労働省政策統括官付政策評価室作成 [ 出典 ] 厚生労働省 平成 24 年版厚生労働白書 p161