国民健康保険志雄病院経営健全化計画 ( 改革プラン ) 実施状況 平成 26 年 11 月 国民健康保険志雄病院
目 次 Ⅰ 国民健康保険志雄病院経営健全化計画 ( 改革プラン ) の概要 1 Ⅱ 病院が果たすべき役割及び一般会計負担の考え方 1 Ⅲ 経営の効率化 1 目的達成に向けた主な取り組み内容 2 2 経営指標に係る数値目標の設定 3 Ⅳ 公立病院の再編 ネットワーク化 4 Ⅴ 経営形態の見直し 4 Ⅵ 経営健全化計画 ( 改革プラン ) の評価と見直し 4 Ⅶ 別紙 ( 収支計画 ) 5
Ⅰ 国民健康保険志雄病院経営健全化計画 ( 改革プラン ) の概要 1 志雄病院の現状と病院を取り巻く環境国民健康保険志雄病院 ( 以下 志雄病院 という ) を取り巻く環境は 国の医療費抑制政策による診療報酬のマイナス改定や全国的な医師不足等の影響に加え 国の三位一体の改革に伴う地方交付税の大幅削減 将来の人口減少問題等により大変厳しい状況にある 中でも 医師の臨床研修制度の改正により地方の大学病院医局所属医師の減少となり 志雄病院の常勤医師数も平成 16 年度の 8 人を境に減少し続け 現在は内科医師 3 人 外科医師 1 人 整形外科医師 1 人及び歯科医師 1 人の 6 人となっており この不足分を非常勤医師で補うことで診療体制を確保している現状にある しかし このような状況の中にあっても 院長を先頭に職員一丸となって経営改善に取り組んだ結果志雄病院の経営収支は平成 14 年度から平成 25 年度までの 12 年間にわたって黒字決算となり 平成 14 年度に 3 億 2 千 2 百万円余りあった累積欠損金は 平成 24 年度で解消され 平成 25 年度決算では利益剰余金が 7 千 6 百万円余りとなった 今後も現状の黒字経営の維持継続を目指すものであるが 平成 28 年度早期の開院に向けた新病院建設基本構想を現実化するために さらなる経営健全化に向けた施策を推進しなければならない 診療報酬 医療保険から病院等の医療機関に支払われる治療費のこと 臨床研修制度 大学卒後に実施される医師の資質を向上させるための義務的研修で 期間は 2 年間 2 経営健全化計画 ( 改革プラン ) の要点志雄病院は 地域医療の確保のため自らに期待される役割を明確にし 必要な見直しを図ったうえで 安定的かつ自律的な経営の下で良質な医療を継続して提供できる体制づくりが求められる そのような中 次の事項について計画を推進する 病院が果たすべき役割及び一般会計負担の考え方 経営の効率化 公立病院の再編 ネットワーク化 経営形態の見直し 経営健全化計画の評価と見直し 3 経営健全化計画 ( 改革プラン ) の期間 経営の効率化に関する事項 4 箇年 ( 平成 24 年度 ~ 平成 27 年度 ) 公立病院の再編 ネットワーク化に関する事項 4 箇年 ( 平成 24 年度 ~ 平成 27 年度 ) 経営形態の見直しに関する事項 4 箇年 ( 平成 24 年度 ~ 平成 27 年度 ) Ⅱ 病院が果たすべき役割及び一般会計負担の考え方 1 志雄病院が果たすべき役割国保直診病院である志雄病院は 地域に密着した病院として地域住民の健康と医療の確保のために果たすべき役割を今後も継続して提供することが求められている 特に医療 保健 福祉 ( 介護 ) の連携については 体制を強化し 地域包括医療 ケア の更なる構築を図る必要がある また 当町の医療費が特に高額であることから 町の保健部門と連携して医療費の抑制策にも取り組むものとし 特定健康診査 特定保健指導事業を積極的に実施するものとする 国保直診病院 地方自治法第 244 条の 公の施設 であり かつ 国民健康保険法第 82 条の 保健事業 の一環として 予防と診療の一体的提供 を行うために設置された病院をいう 1
地域包括医療 ケア 治療のみならず保健事業 ( 健康づくり ) 在宅ケア リハビリテーション 福祉 介護サービスのすべてを包括するもので 施設ケアと在宅ケアとの連携及び住民参加のもとに 地域ぐるみの生活 ノーマライゼーションを視野に入れた全人的医療 ケアをいう 特定健康診査 特定保健指導 メタボリックシンドローム ( 内臓脂肪症候群 ) の予防 改善のため 医療保険者に実施が義務づけられた 2 一般会計における経費負担の考え方一般会計から病院事業への経費負担は 総務省自治財務局長通知の繰出し基準を基本とし 現在の適用は次のとおりである 1 病院の建設改良に要する経費 2 企業債償還元利に要する経費 3 救急医療の確保に要する経費 4 高度医療に要する経費 5 経営基盤強化対策に要する経費ア不採算地区病院の運営に要する経費イ医師及び看護師等の研究研修に要する経費ウ病院事業会計に係る共済費用の負担に要する経費エ医師の派遣に要する経費一般会計の実負担額については 繰出基準額 地方交付税の算定基準等を参考に決定する Ⅲ 経営の効率化 1 目標達成に向けた主な取り組み状況 (1) 民間的経営手法の導入 1 業務委託の拡大 受付業務の民間委託 (2) 事業規模 形態の見直し 1 医療スタッフの確保 取組内容及び進捗状況 年度から委託 取組内容及び進捗状況 大学病院医局への訪問 臨床実習生の受入( 毎年 1~2 名 ) 看護師確保のリクルーティング活動( 県主催会合 広報 看護協会 養成施設など ) 看護学生の修学資金貸与制度( 年度から実施 ) 契約者 1 名 (H26 年度 ) H26 年度 2 名勤務 2 施設の老朽化等による規模 形態の検討 取組内容及び進捗状況 患者の環境に配慮のうえ最小限の修繕 維持に努めている 移転新築を計画 ( 平成 28 年度の早期に開院 ) (3) 経費削減 抑制対策 1 薬品 診療材料の共同購入 ( 単位 : 千円 ) 区分年度 ( 実績 ) ( 実績 ) ( 実績 ) ( 実績 ) 医薬品の共同購入 ( 近隣病院等 ) 富来病院 河北中央病院 診療材料管理 (SPD) の効率化 0.5% 縮減 ( 430) 7.0% 縮減 ( 1,350) 2 0.5% 縮減 ( 430) 3.0% 縮減 ( 600) ( 注 )( ) 内は対前年度縮減額とする 0.2% 縮減 ( 200) 0.8% 縮減 ( 160) 0.2% 縮減 ( 200) 0.5% 縮減 ( 100)
(4) 収入増加 確保対策 1 患者の確保 取組内容及び進捗状況 診療科目の確保内科 外科 整形外科 眼科 皮膚科 リハビリテーション科 歯科 職員研修の実施接遇研修 (.10) 医療マネジメント研究発表会 (.11) その他研修年間 19 回 医療機器の新規導入及び更新 外来患者の待時間の縮減一部予約制の導入 紹介患者の積極的な受入など 2 診療報酬請求の適正化 取組内容及び進捗状況 医師事務作業補助体制加算の取得() 年度 2,267 千円 運動器リハビリテーション(Ⅱ) 初期加算の取得 () 年度 670 千円 3 未収金対策 取組内容及び進捗状況 未納者へ定期的に請求書の発行 多額の未納者には自宅訪問及び連帯保証人への督促( 重点期間 :8 月 12 月 ) 支払能力に問題がある者への分割納入 [ 過年度未収金の推移 ] H20( 実績 ) 3,410 千円 ( 実績 ) 2,402 千円 H21( 実績 ) 2,780 千円 ( 実績 ) 2,220 千円 ( 実績 ) 2,491 千円 ( 実績 ) 1,988 千円 4ベットコントロール 取組内容及び進捗状況 退院支援 ( 患者 家族等へのカンファレンスなど ) 介護施設等との密接な連携 訪問診療など 2 経営指標に係る数値目標の設定 (1) 財務内容の改善に係る数値目標 1 経常収支比率経常的な経営活動から生ずる経常収益で経常費用を賄うことができているかを示す指標 107.8% 104.6% 103.8% 103.8% 104.8% 2 職員給与比率医業収益に対する職員給与費の割合 62.2% 66.6% 67.2% 67.4% 67.1% 3 病床利用率 病床数に対する延入院患者数の割合で病院の入院状況を示す指標 86.7% 79.8% 78.1% 80.0% 81.8% 3
4 医業収益対材料費比率医業収益に対する医薬品 診療材料費等の割合 14.9% 13.8% 13.6% 14.8% 12.5% 51 日平均患者数 1 日当たりの平均患者数 入 院 86.7 人 79.8 人 78.1 人 80.0 人 81.8 人 外 来 174.6 人 173.1 人 162.9 人 170.0 人 163.2 人 Ⅳ Ⅴ Ⅵ 公立病院の再編 ネットワーク化公立病院の再編 ネットワーク化の背景には 医師不足をはじめとする医療環境の厳しい現実を踏まえ 医師確保や医療機能等を個々の病院で対応するのではなく 医療圏 ( 能登中部医療圏 ) でネットワーク形成により地域医療の確保を図ることが根底にある 平成 23 年度に策定された石川県の 再編 ネットワーク化構想 を勘案のうえ 石川県医療計画推進委員会 及び 宝達志水町議会病院運営特別委員会 において検討 協議する 経営形態の見直し現在の経営形態は 地方公営企業法の一部適用団体で 地方公営企業法のうち財務規程のみ適用している 経営形態として考えられる選択肢としては 地方公営企業の全部適用 地方独立行政法人 指定管理者制度があるが 現行の一部適用を当面継続する 経営健全化計画 ( 改革プラン ) の評価と見直し計画の実施状況は 年 1 回点検 評価を行うこととなっている 具体的な方法は 経営健全化計画の進捗状況 目標が達成されなかった場合の要因 及び 今後の改革の進め方 等について点検しながら その妥当性を検証していきます これらに基づき 平成 26 年 11 月 11 日 町議会病院運営特別委員会 を開催し 平成 25 年度の経営健全化計画の点検 評価を受けました 本委員会での点検結果 おおむね目標値に達しており 平成 26 年度以降も 引き続き現状の経営健全化計画を推進すべきとの評価を得ました 4
別紙 ( 単位 : 千円 ) 科 目 ( 実績 ) 目標 決算 H26 H27 総収益 1,067,979 1,086,944 1,069,937 1,086,130 1,085,818 1 医業収益 960,147 979,766 963,215 979,766 979,766 (1) 入院収益 633,717 636,560 636,828 636,560 636,560 (2) 外来収益 250,012 267,206 247,334 267,206 267,206 (3) その他医業収益 76,418 76,000 79,053 76,000 76,000 うち他会計負担金 34,597 34,597 34,597 34,597 34,597 2 医業外収益 107,832 107,178 106,722 106,364 106,052 (1) 受取利息及び配当金 312 500 282 500 500 (2) 他会計負担金 100,152 100,328 99,536 99,514 99,202 (3) 国県補助金 448 150 199 150 150 (4) 患者外給食収益 1,985 1,700 1,946 1,700 1,700 (5) その他医業外収益 4,935 4,500 4,759 4,500 4,500 3 特別利益 0 0 0 0 0 (1) 過年度損益修正益 0 0 0 0 0 総費用 1,028,737 1,046,777 1,021,018 1,043,137 1,031,335 4 医業費用 1,009,887 1,026,323 999,436 1,023,219 1,011,943 (1) 給与費 645,214 660,000 646,114 660,000 660,000 (2) 材料費 130,900 145,000 120,749 145,000 145,000 (3) 経費 181,326 175,000 184,242 175,000 175,000 (4) 減価償却費 48,661 42,323 44,937 39,219 27,943 (5) 資産減耗費 713 1,000 771 1,000 1,000 (6) 研究研修費 3,073 3,000 2,623 3,000 3,000 5 医業外費用 18,849 20,454 21,582 19,918 19,392 (1) 支払利息 3,009 2,454 2,466 1,918 1,392 (2) 雑支出 15,840 18,000 19,116 18,000 18,000 6 特別損失 1 0 0 0 0 (1) 過年度損益修正損 1 0 0 0 0 (2) 固定資産除却損 0 0 0 0 0 当年度純利益 39,242 40,167 48,919 42,993 54,483 繰越利益剰余金 ( 累積欠損金 ) 26,123 55,429 75,042 98,422 152,905 7 資本的収入 44,782 104,314 109,925 46,059 2,531,234 (1) 企業債 12,000 67,500 36,000 21,000 2,246,000 (2) 一般会計繰入金 29,767 31,564 58,853 25,059 111,234 (3) 国保会計繰入金 2415 1,435 132,000 (4) 国県補助金 0 5,250 12937 0 42,000 (5) 寄付金 600 300 (6) その他 400 8 資本的支出 70,305 129,619 146,549 68,156 2,623,848 (1) 建設改良費 16,833 75,600 93,781 21,000 2,574,000 (2) 企業債償還金 51,912 51,499 51,488 45,596 49,848 (3) 長期貸付金 1,560 2,520 1,280 1,560 収支差引 25,523 25,305 36,624 22,097 92,614 現金預金残高 769,620 791,574 837,370 852,689 843,501 年延患者数 ( 人 ) 28,504 29,200 29,859 29,200 29,200 入院 1 日平均患者数 ( 人 ) 78.1 80.0 81.8 80.0 80.0 1 人 1 日当たり収益 ( 円 ) 22,233 21,800 21,328 21,800 21,800 年延患者数 ( 人 ) 44,155 46,070 44,217 46,070 46,070 業外 1 日平均患者数 ( 人 ) 162.9 170 163.2 170 170 務来概 1 人 1 日当たり収益 ( 円 ) 5,662 5,800 5,594 5,800 5,800 況一般会計繰入金 ( 千円 ) 164,516 166,489 192,986 159,170 245,033 経常収支比率 (%) 103.8 103.8 104.8 104.1 105.3 指数対医業収益給与費比率 (%) 67.2 67.4 67.1 67.4 67.4 対医業収益材料費比率 (%) 13.6 14.8 12.5 14.8 14.8 病床利用率 (%) 78.1 80.0 81.8 80.0 80.0 5