(別添)新たな貸付制度の会計処理に関する基本的な考え方について

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2 事業活動収支計算書 ( 旧消費収支計算書 ) 関係 (1) 従前の 消費収支計算書 の名称が 事業活動収支計算書 に変更され 収支を経常的収支及び臨時的収支に区分して それぞれの収支状況を把握できるようになりました 第 15 条関係 別添資料 p2 9 41~46 82 参照 消費収入 消費支出

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法人単位貸借対照表 平成 29 年 3 月 31 日現在 第三号第一様式 ( 第二十七条第四項関係 ) 法人名 : 社会福祉法人水巻みなみ保育所 資産の部当年度末前年度末 増減 負債の部当年度末前年度末 流動資産 23,113,482 23,430, ,370 流動負債 5,252,27

決算書目次 1 収支計算書 (1) 収支計算書総括表 1 (2) 一般会計収支計算書 2 (3) 基金特別会計収支計算書 4 2 正味財産増減計算書 (1) 正味財産増減計算書総括表 6 (2) 一般会計正味財産増減計算書 7 (3) 基金特別会計正味財産増減計算書 8 3 賃借対照表 (1) 賃借

資金収支計算書 平成 30 年度の収支状況を資金収支計算書の流れでみると 収入額は平成 31 年度新入生の入学時納付金の前受金等を含め 195 億 5,975 万 4 千円となり 前年度より繰越された 40 億 5,576 万 3 千円を加えると 収入合計は 236 億 1,551 万 7 千円とな

社会福祉法人名社会福祉法人井栗福祉会 第一号第四様式 ( 第十七条第四項関係 ) ふじの木保育園拠点区分資金収支計算書 ( 自 ) 平成 29 年 4 月 1 日 ( 至 ) 平成 3 年 3 月 31 日 ( 単位 : 円 ) 支出保健衛生費支出 65, 648,383 1,617 勘定科目 予算

財務の概要 (2012 年度決算の状況 ) 1. 資金収支計算書の概要 資金収支計算書は 当該会計年度の教育研究活動に対応するすべての資金の収入 支出の内容を明らかにし かつ 当該会計年度における支払資金の収入 支出の顛末を明らかにするものです 資金収支計算書 2012 年 4 月 1 日 ~201

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社会福祉法人心愛会 貸借対照表平成 26 年 3 月 31 日現在 第 5 号様式 社会福祉法人心愛会 ( 単位 : 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 勘 定 科 目 当年度末 前年度末 増 減 勘 定 科 目 当年度末 前年度末 増 減 流動資産 915,233, ,793,73

学校法人加計学園平成 28 年度財務の概要 貸借対照表 ( 表 1) 資産の部 科 目 平成 29 年 3 月 31 日 ( 単位 : 円 ) 本年度末前年度末増減 固 定 資 産 有 形 固 定 資 産 土 地 建 物 その他の有形固定資産 特 定 資 産 そ の 他 の 固 定 資 産 流動資産

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新しい地方公会計制度 これまで南阿蘇村では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 南阿蘇村がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表など 今までの決算書では把握できなか


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社会福祉法人指導監査基準 ( 財務管理 措置費 ) 1 経理規程 着眼点根拠法令等備考 (1) 経理規程は, 適正に作成されているか 留意事項 1(4), 定款例 34, 規程 (2) 内部牽制組織が確立されているか 留意事項 1, 平 12 児発 471 号 1 会計責任者及び出納職員は, 理事長

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事業活動計算書 第 2 号の 様式 サービス活動増減の部益費用収サービス活動外増減の部益費用至平成 26 年月 3 3 日収( 自 ) 平成 25 年 月 6 日 7 )( 勘 定 科 目 当年度決算 (A) 前年度決算 (B) 増減 (A)-(B ) 介護保険事業収益 95,62, ,

12 70, , , , , , , , , , , , , ,0

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資金収支計算書 : 当該会計年度の学校法人全体の諸活動の収入及び支出の内容と 支払資金 ( 現金及びいつでも引き出すことができる預貯金 ) の収入及び支出のてん末を明らかにしたものです 本法人の平成 29 年度の資金収入総額 762,413 千円に前年度繰越支払資金 590,765 千円を加えた資金

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第6期決算公告

 資 料 2 

WWFジャパン 2007年度(平成19年度 第37期)決算報告書

つばめ保育園サービス区分貸借対照表 平成 27 年 3 月 31 日現在 資 産 の 部 負 債 の 部 当年前年当年前年増減度末度末度末度末 流動資産 35,328,927 流動負債 8,366,092 現金預金 31,069,025 事業未払金 2,777,912 現 金 0 その他の未払金 6

Ⅰ 平成 24 年度高鍋町財務書類の公表について 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデル

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貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 円 ) 科目 当年度 前年度 増減 Ⅰ 資産の部 1. 流動資産現金 普通預金 34,426,784 48,558,060 14,131,276 定期預金 1,500,000 1,500,000 0 未収金 76,321,3

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平成30年度収支予算

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会計名 : 一般会計 平成 26 年度当初予算 ( 会計別収支予算書 ) ( 平成 26 年 4 月 1 日 ~ 平成 27 年 3 月 31 日 ) 当初予算額 前年度予算額 増減 1 基本財産運用収入 7,021 7,021 0 基本財産利息収入 7,021 7,021 0 基本財産 (417,

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

平成13年度大阪府水道事業会計決算概要

法人単位資金収支計算書 ( 自 ) 平成 28 年 4 月 1 日 ( 至 ) 平成 29 年 3 月 31 日 第一号第一様式 事業活動による収支 収入 支出 会費収入 810, ,500 10,500 寄附金収入 1,300,000 1,136, ,397 経常経費補助金

平成29年度「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」報告書

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

平成16年度

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国家公務員共済組合連合会 民間企業仮定貸借対照表 旧令長期経理 平成 26 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 円 ) 科目 金額 ( 資産の部 ) Ⅰ 流動資産 現金 預金 311,585,825 未収金 8,790,209 貸倒引当金 7,091,757 1,698,452 流動資産合計 3

財産目録の概要 資産の部では 基本財産が前年度末に比べて 8 億 6,711 万 7,226 円減の 208 億 9,949 万 9,939 円となり 運用財産が前年度末に比べて 9 億 8,029 万 2,610 円増の 211 億 2,209 万 88 円となりました 資産の部合計は 420 億

最上町バランスシートを読むにあたって

3 貸借対照表 当該年度末時点での資産 負債 基本金の状況を表し 財政状態を明らかにするものです 資金収支計算書と事業活動収支計算書は単年度の収支状況を表すもので 貸借対照表は今までの財政活動における積み重ねの結果を表すものです 貸借対照表は学校法人会計基準第 4 章に掲げられており 基本的には企業

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綿貫財団会計

財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

新規文書1

平成 27 年度資金収支決算書 ( 平成 27 年 4 月 1 日 ~ 平成 28 年 3 月 31 日 ) ( 単位 : 円 ) 社会福祉事業 月次資金収支計算書 a 予算 (A) b 補正 c 流用 充用 d(a+b+c) 予算現額 e 決算 f(d-e) 差異 科目 100 会費収入 2,70

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第4期 決算報告書

科 目 貸借対照表平成 30 年 3 月 31 日現在 当年度前年度増減 ( 単位 : 円 ) Ⅰ 資産の部 1. 流動資産 現金預金 28,313,776 24,804,212 3,509,564 未 収 金 5,810,958 5,810,958 0 流動資産合計 34,124,734 30,6

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貸借対照表内訳表 第三号第二様式 ( 第二十七条第四項関係 ) 平成 30 年 3 月 31 日現在 勘定科目 社会福祉事業 公益事業 収益事業 合計 内部取引消去 法人合計 資産の部流動資産 178,500,670 7,595, ,095, ,095,778 現金預

回答作成様式

科目当年度前年度増減 [ 負債の部 ] 流動負債未払金 3,44,15,654 3,486,316,11-46,3,357 給付金未払金 3,137,757,265 3,192,611,196-54,853,931 年金未払金 287,13, ,91,778 7,228,646 その他未

7. 貸借対照表平成 29 年 3 月 31 日 資産の部 科目本年度末前年度末増減 ( 単位円 ) 固定資産 193,510,269, ,879,922,182 1,630,347,244 有形固定資産 149,448,403, ,593,555,535 3,145,151

Ⅰ Ⅱ Ⅲ 科 資産の部 1 流動資産 ( 単位 : 円 ) 当年度 前年度 増減 現金 23,619 21,658 1,961 普通預金 4,172,694 3,367, ,875 未収金 5,502,757 3,111,142 2,391,615 流動資産合計 9,699,070 6

2018( 平成 30) 年度 12 月補正予算の概要 ページ Ⅰ.2018( 平成 30) 年度 12 月補正予算の内容 1 Ⅱ.2018( 平成 30) 年度 12 月補正予算書の概要 3

第 4 貸付期間及び貸付額 1 保育士修学資金貸付の貸付期間は 養成施設に在学する期間とし 2 年間を限度とする 2 貸付額は以下のとおりとする (1) 保育士修学資金貸付月額 50,000 円以内とする ただし 貸付けの初回に入学準備金として 200,000 円以内を 卒業時に就職準備金として 2

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第4期電子公告(東京)

平成 28 年度社会福祉法人七施会 財務諸表に対する注記 ( 法人全体用 ) 1. 継続事業の前提に関する注記該当なし 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価方法 1 満期保有目的の債券以外の有価証券原価法 (2) 固定資産の減価償却方法 1 有形固定資産定額法 2 無形固定資産定額法 3リー

財務諸表 金融商品取引法第 193 条の 2 第 1 項の規定に基づき 当社の貸借対照表 損益計算書 株主資本等変動計算書及び附属明細表については 有限責任あずさ監査法人の監査証明を受けております 貸借対照表 科目 ( 資産の部 ) 流動資産 平成 27 年度末平成 28 年 3 月 31 日現在

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財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

資金収支内訳表 第一号第二様式 ( 第十七条第四項関係 ) 社会福祉事業 公益事業 収益事業 合計 内部取引 消去 法人合計 介護保険事業 97,352, ,352,644 97,352,644 借入金利息補助金 事収経常経費寄附金 業入受取

①別紙様式第13号 貸借対照表

平成 28 年度貸借対照表 平成 29 年 3 月 31 日現在 公益財団法人神奈川県下水道公社

立及び運営のための資産を取得するのです 2) 私立学校を創立するためには 校地 校舎 機器備品 運営資金が必要です これらの元手 ( 財産 資金 ) は 個人または多数人による財産の寄付により準備されます この寄附された財産の取得価額が基本金となります それゆえ 第 1 号基本金は校地 校舎 機器備

そのほかの設定値は変更しないでください FlgH 21~59= 資金収支との連携科目 100= 製造原価計算に関係 ( 変更しないでください ) 上記以外にもシステムの処理で使う属性がありますが 既定値は変更しないでください また 資金収支科目において # や で始まる科目は変更しないで下さい 3.


平成29年度_事業活動計算書(第二号第一様式).xlsx

科目 2015 年度活動計算書 2015 年 4 月 1 日から 2016 年 3 月 31 日まで 特定非営利活動に係る事業 特定非営利活動法人 POSSE ( 単位 : 円 ) その他の事業合計 Ⅰ 経常収益 1. 受取会費正会員受取会費 952, ,000 賛助会員受取会費 1,0

新規文書1

医療法人における事業報告書等の様式について ( 平成 19 年 3 月 30 日医政指発第 号 ) の一部改正 改正後様式 3-1 様式 3-1 改正前 別添 1 ( 下線の部分は改正部分 ) 法人名所在地 医療法人整理番号 法人名所在地 医療法人整理番号 貸 借 対 照 表 貸 借

資金収支内訳表 第一号第二様式 勘定科目社会福祉事業公益事業収益事業合計内部取引消去法人合計 介護保険事業 386,515,649 72,527, ,043, ,043,312 医療事業 6,093,073 6,093,073 6,093,073 事収経常経費寄附金 675,

勘定科目の設定について 学校法人会計はあらかじめ設定してある標準の科目ので運用できますので 特に変更が必要のない場合は そのまま運用してください ただし 現金預金 の下にある小科目は 〇〇銀行 のようにわかりやすい科目名に変更して運用し手ください 編集が終わったら 閉じる ボタンを押してください 1

土地改良区会計基準(案)

Taro-中期計画(別紙)

科目 2016 年度活動計算書 2016 年 4 月 1 日から 2017 年 3 月 31 日まで 特定非営利活動に係る事業 特定非営利活動法人 POSSE ( 単位 : 円 ) その他の事業合計 Ⅰ 経常収益 1. 受取会費正会員受取会費 1,052,000 1,052,000 賛助会員受取会費

決算書 平成 29 年度 自 至 平成 29 年 4 月 1 日 平成 30 年 3 月 31 日 社会福祉法人明真会

Transcription:

( 別添 ) 新たな貸付制度の会計処理に関する基本的な考え方について 平成 29 年 5 月 26 日 全社協民生部 1. 会計処理における基本的考え方 新たな貸付事業は 都道府県社協の本体会計の一部として処理するものであることから 基本的に社会福祉法人会計基準に即して処理する 〇ただし 貸付原資が全額公費 ( 補助金 ) であり その総額が一定規模であること また単年度で費消されるものではなく 貸付 償還 免除の一連の処理が一定期間にわたり継続すること等を勘案し 以下の考え方を示すものとする 2. 会計処理に関する留意事項 (1) 会計の区分について 1 本貸付事業は 厚生労働省が 公益事業 に該当する旨を示していることから 都道府県社協の本体会計の 公益事業区分 に貸付金の種類ごとにサービス区分を設定することとする 2 サービス区分は 貸付金種類 ( 実施要綱 ) を単位に設定することとし 実施要綱に記載された貸付金の名称を付した区分とする ( サービス区分一覧 ) 等貸付事業保育士修学資金貸付等事業ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業 3 各貸付金事業の 実施要綱 において 複数の貸付資金の種類が設けられている場合 ( 例 : 介護福祉士就学資金等貸付事業では 介護福祉士実務者研修受講資金 離職した介護人材の再就職準備金 社会福祉士就学資金 の 4 種類 ) には 貸付金 ( 支出 ) や 償還金収入 等の科目に 資金種類ごとの名称を付した中区分もしくはの科目を設定することで サービス区分内で管理する ( 理由 ) 貸付原資は これらの資金全体で一元的に交付されていること また人件費を含む事務経費を資金種類ごとに按分計上することは困難かつ合理的とは考えられないため 1

(2) 貸付原資の受け入れ 管理について 1 貸付原資は 複数年にわたって使用するものであること また社協の他の財産とは明確に分別管理する必要があることから 貸付金制度ごとに預金口座を設定し 貸付金名称を付して管理する ( 貸付件数 ( その総額 ) に年度の上限がないこと また取り崩して事務費に充当することから流動資産として設定する ) 2 交付された貸付原資は 複数年にわたって使用するものであり 当該事業に係る国および地方自治体からの拠出金の性格を有することから 事業活動計算書の 特別増減の部 において受け入れ 貸借対照表の純資産の部に 立金 として計上する 3 純資産の部に計上する 立金 は 1 毎年度の事務経費 ( 人件費 事務費 減価償却費 ) への充当額 2 免除要件に基づく償還免除額 について 毎年度 サービス活動増減の部において 取崩額 を計上する ( これにより毎年度 残高が減少する ) (3) 貸付金の計上 1 各サービス区分内で複数の貸付資金種類がある場合には 中区分科目として資金名称を付した 〇〇〇貸付金 を設定し 資金種類ごとの内訳を管理する 例 ) 介護福祉士就学資金等貸付事業 ( サービス区分 ) の中区分科目貸付金実務者研修受講資金貸付金再就職準備金貸付金社会福祉士修学資金貸付金 (4) 借受人に償還請求を行うこととなった場合の取り扱い 1 借受人が償還免除要件を満たさず 請求処理を行う場合 毎年度 償還 ( 返還 ) されるべき額を 未収金 として計上することはせず 償還金が入金された時点で 償還金収入 を計上する (5) 延滞利子の取り扱い 1 (4) で借受人が償還対象となり かつ償還期限までに償還が完了しない場合 延滞利子が発生することとなる ただし この延滞利子については未収金として計上せず 償還があった時点で利子収入として計上するものとする (6) 指定都市からの委託がある場合の取り扱い 1 等貸付事業 および 児童養護施設退所者等に関する自立支援資金貸付事業 は 実施主体が都道府県のみであるが 保育士修学資金貸付等 2

事業 および ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業 は指定都市も実施主 体となっている 2 都道府県社協において 指定都市からこれら貸付事業を受託する場合 それぞれに交付される原資に基づき事業を実施することとなる この場合 原資 貸付金および免除額 償還金について 都道府県分 指定都市分を分別管理し 年度ごとにそれぞれに実績報告を行なうことが必要になると考えられる 3 これらを勘案すると 同一の貸付事業であっても 都道府県分 指定都市分 それぞれにサービス区分を設けて管理することが望ましいと考えられる ただし 貸付事務にかかる事務費 人件費等に充当する原資の取り崩しは 都道府県の補助金においてのみ可能とされていることから 指定都市分を含め 事務費 人件費はその全額を都道府県分のサービス区分で計上することとなる 4 都道府県分 指定都市分を 1 つのサービス区分内で管理する場合には 貸付金 免除額 償還金 立金等 それぞれに中区分もしくは科 目を設ける等により 都道府県 指定都市分の残高を管理する必要がある 指定都市からの委託がある場合の取り扱いについては 都道府県 指定都市の行 政と確認のうえ 対応を決定することが適当 3

3. 仕訳処理について ( 等貸付事業を例に特徴的なもの ) 1 貸付原資の受入 ( 原資交付 ) 都道府県より 貸付事業の原資を受け入れた 仕訳 1) 原資 ( 補助金 ) 受け入れ 借方 貸方 借方 貸方 区分 資産 特別収益 資産 その他の活動収入 大区分 流動資産 その他の特別収益 流動資産 その他の活動による収入 中区分 現金預金 都道府県補助金収益 現金預金 都道府県補助金収入 等貸付事業補助金収 益 等貸付事業補助金収 入 仕訳 2) 原資 ( 補助金 ) 受け入れに伴う積立金の積立 区分特別費用純資産 大区分 仕訳なし 立金積立額 立金 中区分 立金積立額 ( 介護修学 立金 ( 介護修学貸付 ) 貸付 ) 2 借入申込者に対する貸付金の送金 の借受人に 貸付金を送金した 仕訳 ) 貸付金を送金 区分資産資産事業活動支出資産 大区分 固定資産 その他の固定資産 流動資産事業費支出流動資産 中区分 現金預金 現金預金 貸付金 貸付金支出 4

3 担当職員の給与の支払い 担当職員の〇月分の給与を支払った 仕訳 ) 原資から職員給与を支払い 借方 貸方 借方 貸方 区分 サービス活動費用 資産 事業活動支出 資産 大区分 人件費 流動資産 人件費支出 流動資産 中区分 職員給与 現金預金 職員給与支出 現金預金 注 )1 人の職員が 複数の貸付業務を担当している場合には その人件費は貸付件数 に基づく按分等により それぞれのサービス区分で計上する 4 貸付業務用の固定資産の購入 貸付業務専用のコンピュータソフトを購入した 仕訳 ) 固定資産 ( ソフトウェア ) の購入 区分資産資産または負債施設整備等支出資産または負債 大区分 固定資産 流動資産または 固定資産取得支出 流動資産または その他の固定資産 流動負債 流動負債 中区分ソフトウェア現金預金または 未払金 ソフトウェア取得支 出 現金預金または 未払金 注 ) 耐用年数 1 年以上 かつ取得価額 10 万円以上の器具及び備品 ソフトウェア等を購入した場合は固定資産に計上する 1 台 10 万円以上のパソコンは 器具及び備品 に該当 また 固定資産については 毎年度 減価償却費を計上する 5

5 貸付金の償還免除 の借受人が 5 年間就業の当然免除要件を満たしたことから 償還免除を決定した 仕訳 ) 償還免除額の計上 ( 当然免除分 ) 区分サービス活動費用資産 大区分事業費固定資産 仕訳なし その他の固定資産 中区分 償還免除額 貸付金 当然免除額 注 ) 新たな貸付制度は 生活福祉資金とは異なり 一定期間の就労に基づく償還免除を前提としていることから 中区分の費用科目に 償還免除額 を設定することが適当と考えられる 償還免除については当然免除と裁量免除の 2 種類があり とくに裁量免除については借受人の死亡 また長期行方不明等による場合も含めることから 科目として当然免除額と裁量免除額を分けて表示することが望ましい 6 借受人からの償還金の入金 免除要件を満たさず 償還請求を行った借受人から償還金が入金された 仕訳 ) 償還金の受入 区分資産資産資産事業活動収入 大区分 流動資産 固定資産その他の固定資産 中区分 現金預金 貸付金 流動資産 現金預金 その他の収入 償還金収入 6

7 借受人からの延滞利子の受入 償還期限までに償還を完了できなかった借受人から 償還金に合わせて延滞利子が 入金された 仕訳 ) 延滞利子の計上 区分資産サービス活動収益資産事業活動収入 大区分流動資産その他の収益流動資産その他の収入 中区分現金預金 貸付金利子収益 現金預金 貸付金利子収入 延滞利子収益延滞利子収入 注 ) 新たな貸付事業のうち ひとり親家庭高等職業訓練促進資金 については 連帯保証人がない場合は有利子となる (1%) この場合の貸付金利子受け入れの仕訳は 上記仕訳の貸方中区分及び科目が以下のとおりとなる 事業活動計算書 ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付金利子収益 資金収支計算書 ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付金利子収入 8 貸付原資に係る預金利息の受入 貸付金口座に 預金利息が入金された 仕訳 ) 受取利息の計上 借方 貸方 借方 貸方 区分 資産 サービス活動外収益 資産 事業活動収入 大区分 流動資産 受取利息配当金収益 流動資産 受取利息配当金収入 中区分 現金預金 受取利息配当金収益 現金預金 受取利息配当金収入 注 ) 貸付原資に係る預金利息については 事務費の一部に充当されるべきものである 預金利息については 立金に積み立てる必要はない 7

9 立金の取り崩し 当年度中の人件費 事務費 減価償却費 償還免除額に相当する額を原資受入時に 計上した積立金から取り崩し 仕訳 ) 立金 の取り崩し 区分純資産サービス活動費用 大区分 仕訳なし 立金 立金取崩額 中区分 立金 ( 介護修学貸付 ) 立金取崩額 ( 介護修学 貸付 ) 注 ) 1 立金の取り崩しについては 毎年度のそれぞれの費用の額が固まった後 期末処理として計上することで問題ない 2 とくに コンピュータソフト等の固定資産については その取得時には立金の取り崩しを行わないことから 毎年度 減価償却費に相当する額の取り崩しを行うことに留意する 3 なお 償還免除額については 当然免除額 裁量免除額の合計額を立金から取り崩すものとする 以上は 新たな貸付事業の性格に基づき 特徴的な仕訳例を示したものである 8