ライブカメラによる夜間照明変化の様子 2010.01.04 越智信彰 ( 米子高専一般科目 ) 1. はじめに ウェブ上には ライブカメラ として全国各地の風景を 24 時間ライブ中継しているサイトがあります 都市部の夜景を撮影しているカメラでは 屋外照明 看板照明などの点灯 消灯の様子がよくわかり 光害の現状を端的に表していると言えます ここでは いくつかのサイトから集めた画像を並べてみました みなさんも身近な地域のライブカメラがあれば 一度光害の観点から夜景を眺めてみてはいかがでしょうか 2. 札幌大通公園 さっぽろテレビ塔に設置されたカメラからの 大通公園の様子です 2009 年 8 月 17 日 18 時 ~18 日 5 時の画像です ( これらの画像は さっぽろテレビ塔ホームページのものを使用させていただきました ) 18 時 19 時 20 時 21 時
22 時 23 時 0 時 1 時 2 時 3 時
4 時 5 時 19 時 ~20 時が明るさのピークであり 21 時になるとオフィスビルの窓明かりが多く消えています 22 時になると公園内の多くの照明が消され オフィスビルの窓明かりもより少なくなり 看板照明もいくつか消されています 0 時で公園内は完全に消灯され 看板照明もほとんど消されていますが まだ一部明るく光を放っているものもあります 2 時で最後の看板照明 ( 左奥 ) が消されています 一方で 左手前に強烈な光源が現れ 明け方まで明るく輝いています ( 地下駐車場の入口と 工事の明かりのように見えます ) 夜明け間近の 4 時には一部の街灯が消え これらの写真の中で最も暗い状態になっています 中央で横に並んでいるオレンジ色の街灯が 他の街灯と比べて際立って光量が多く 上方光束も多いこと ( すなわち夜空を明るく照らしていること ) がよくわかります この街灯は 夕方 18 時や夜明け後 5 時の段階でも点灯しており エネルギーの無駄になっています ちなみに テレビ塔の電光時計は 00:10~5:00 の間 消灯されているそうです 3. 藻岩山からの札幌市街 藻岩山山頂 ( 標高 531m) 付近の展望台からの札幌市街の眺めです 2009 年 5 月 24 日 19 時 ~25 日 4 時 の画像です ( これらの画像は 札幌テレビ放送ホームページのものを使用させていただきました ) 19 時 20 時
21 時 22 時 23 時 0 時 1 時 2 時
3 時 4 時 一晩中 同じように明るく輝いて見えますが 21 時以降少しずつ明かりが消えていっていることがわかります 道路に沿って並んで点いているのが街灯 街灯よりも明るく白っぽく輝いている光が看板照明だと思われます 4. 甲州盆地 ( 甲州市街 ) 山梨県甲州盆地 ( 甲州市街 ) の様子です 甲州市は人口約 3 万 6 千人と大きな都市ではありませんが 光害により空が明るく照らされている様子がわかります 2009 年 8 月 17 日 18 時 ~18 日 5 時の画像で す ( これらの画像は 甲州市役所ホームページのものを使用させていただきました ) 18 時 19 時
20 時 21 時 22 時 23 時 0 時 1 時
2 時 3 時 4 時 5 時 21 時までは強い光源がいくつかありますが 23 時までに順次消されていき それ以降はほとんど変化していないように見えます 左手前に 集合住宅の通路照明が 一晩中点灯しているのが見えます 全国どこにでもある風景ですが 人感センサー式にしたほうが 省エネの面からも 防犯上も有効であると思われます 下の写真は 20 時と 4 時の中央 ( 地平線 ) 付近の拡大図です 20 時には 市街地の照明により空がボーっと明るく照らされている様子がわかります 星空の見え方や夜行性の鳥などに影響があると考えられます 空に逃げた光は エネルギーの無駄にもなっています 20 時 4 時
5. 鬼怒川温泉駅前 栃木県日光市にある東武鉄道鬼怒川温泉駅前の様子です 光害対策のされていない照明器具の典型です ( 残念ながら 同様の照明器具は全国どこにでも見ることができます ) 2009 年 10 月 4 日 17 時 ~5 日 6 時の画像です ( これらの画像は 鬼怒川 川治温泉観光協会ホームページのものを使用させていただきました ) 17 時 18 時 19 時 22 時 23 時 0 時
1 時 4 時 5 時 6 時 20 時 21 時は 19 時 22 時とほとんど変化がないため 省略しました 同様に 2 時 3 時も省略しました 広場内の照明は 23 時で消灯 駅の照明は 0 時で消灯されています この写真からは 広場内の照明はなくても必要な路面照度は得られているように見えます ( 実際のところは 現場に行かなければわかりませんが ) 歩行者の数もさほど多くないように見えます 点灯していないときの写真を見ればよくわかりますが この街灯は下方向だけでなく上方向にも同程度に光を放つ形状をしており 上方向への光は全て無駄になっています さらに 光源が直接目に入ることにより 眩しさ ( グレア ) を引き起こしており 歩行者やドライバーに不快なものとなっているはずです 同様の照明器具は全国どこにでも見ることができます 光害の面からも エネルギーの面からも もっと優良な照明器具をメーカーはたくさん商品化しています 左奥には 線路を跨ぐ連絡通路が見えていますが 一晩中照明が点灯しています 夜中にどのくらい利用者があるのでしょうか 人感センサーを導入すれば エネルギーの削減になりそうです 6. ニューヨーク マンハッタン 最後に ニューヨーク マンハッタンのビル街の様子です エンパイア ステート ビルから南側を
撮影しています 日付は不明で 写真に付した時刻もおおよそのものです ( これらの画像は EarthCam のホームページのものを使用させていただきました ) 16 時 17 時 18 時 22 時 23 時 0 時
1 時 3 時 4 時 5 時 6 時 7 時 19 時 ~21 時は 18 時 22 時とほとんど変化がないため 省略しました 同様に 2 時も省略しました 22 時まではほとんど変化ありませんが 23 時以降順次照明が消されているのがわかります しかし いくつかのビルは 一晩中多くの窓明かり ライトアップがついたままになっています ストリートの街灯 川の対岸の街灯 ( 地平線に沿って横に延びている光 ) のオレンジ色の明かりが 一晩中とても明るくついており 莫大なエネルギーを消費していることがわかります
参考 HP さっぽろテレビ塔 http://www.tv-tower.co.jp/ 札幌テレビ放送 http://www.stv.ne.jp/ 甲州市役所 http://www.city.koshu.yamanashi.jp/ 鬼怒川 川治温泉観光協会 http://www.kinugawa-kawaji.com/ EarthCam http://www.earthcam/