2017応用理工学類0701.indd

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各学科 課程 専攻別開設授業科目 ( 教職関係 ) 総合情報学科 ( 昼間コース ) 中学校教諭 1 種免許状 ( 数学 ) 高等学校教諭 1 種免許状 ( 数学 ) 代数学 線形代数学第一 2 線形代数学第二 2 離散数学 2 応用代数学 2 オペレーションズ リサーチ基礎 2 数論アルゴリズム

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Chapter 1

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別表 3-1 教科に関する科目一覧表 中学校教諭 理科本課程に開設する対応科目及び単位数 応用生物学課程 は必修科目を示す 高等学校教諭理科 本課程に開設する対応科目及び単位数 物理学 基礎力学 () 基礎力学 () 物理学 基礎電磁気学 () 基礎電磁気学 () 物理学実験 物理学基礎実験 A()

互作用によって強磁性が誘起されるとともに 半導体中の上向きスピンをもつ電子と下向きスピンをもつ電子のエネルギー帯が大きく分裂することが期待されます しかし 実際にはこれまで電子のエネルギー帯のスピン分裂が実測された強磁性半導体は非常に稀で II-VI 族である (Cd,Mn)Te において極低温 (

住環境テ サ イン学科 建築環境工学住居 建築デザイン 准教授または講師教授または准教授 住環境設備 住環境工学 環境工学演習 環境計画演習ほか住居計画 住環境デザイン概論 設計演習ほか 博士 ( または Ph.D) の学位を有する方 もしくは取得を目指して研究を進めている方 博士 ( または Ph

PRESS RELEASE (2015/10/23) 北海道大学総務企画部広報課 札幌市北区北 8 条西 5 丁目 TEL FAX URL:

< 表 4 > 工業 の教科又は教職に関する科目 教育職員免許状の種類授業科目最低単位数 高一種免 工業 < 表 5 > 工業 の教科に関する科目 ( 授業科目 ) 機械工学科, 電気電子工学科, 環境建設工学科及び機能材料工学科 で開設する専門教育科目 表 5 機械工学科電気電子工学科環境建設工学

Ⅳ 電気電子工学科 1 教育研究上の目的電気電子技術に関して社会貢献できる能力と物事を総合的に判断し得る能力を養うと共に, 課題解決のためのチームワーク力と論理的思考力を身に付けることによって, 今後の社会環境の変化により生じる新たな要望に対して良識ある倫理観をもって対応でき, かつ国際的視野に立っ

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3. 教科に関する科目の単位の修得方法 ( 教科又は教職に関する科目の単位数を含む ) 免許法に定める教科に関する科目の, 理工学部における単位の修得方法については, 各学科ごとに, 次表に定める科目の単位を修得しなければなりません ( 第 2 表の 1) 数物科学科 ( 数理科学コース, 応用計算

重点的に推進すべき取組について(素案)

l. 職業以外の幅広い知識 教養を身につけたいから m. 転職したいから n. 国際的な研究をしたかったから o. その他 ( 具体的に : ) 6.( 修士課程の学生への設問 ) 修士課程進学を決めた時期はいつですか a. 大学入学前 b. 学部 1 年 c. 学部 2 年 d. 学部 3 年 e

背景と経緯 現代の電子機器は電流により動作しています しかし電子の電気的性質 ( 電荷 ) の流れである電流を利用した場合 ジュール熱 ( 注 3) による巨大なエネルギー損失を避けることが原理的に不可能です このため近年は素子の発熱 高電力化が深刻な問題となり この状況を打開する新しい電子技術の開

Taro-14工業.jtd

材料科学専攻 500 結晶制御工学特論 材料ナノ表面解析特論 組織設計学特論 強度設計学特論 高温腐食防食学特論 溶液腐食防食学特論 環境材料学特論 エコプロセス特論 * ノーベルプロセシング工学特論 2

率 九州 ( 工 -エネルギー科学) 新潟 ( 工 - 力学 ) 神戸 ( 海事科学 ) 60.0 ( 工 - 化学材料 ) 岡山 ( 工 - 機械システム系 ) 北海道 ( 総合理系 - 化学重点 ) 57.5 名古屋工業 ( 工 - 電気 機械工 ) 首都大学東京

茨城大学大学院理工学研究科博士前期課程の改組について 茨城大学では 平成 28 年 4 月より 大学院理工学研究科博士前期課程の理学専攻 物質工学専攻 応用粒子線科学専攻を改組し 理工融合の量子線科学専攻を設置します 工学系 6 専攻 ( 機械工学専攻 電気電子工学専攻 メディア通信工学専攻 情報工

理学研究科 ( 生命理学専攻の大学院生には開放科目の対象外 ) 生命理学特別講義 0 大学院開講科目 生命理学特別講義 大学院開講科目 生命理学特別講義 大学院開講科目 生命理学特別講義 3 大学院開講科目 生命理学特別講義 4 大学院開講科目 生命理学特別講義 5 大学院開講科目 生命理学特別講義

研究の背景有機薄膜太陽電池は フレキシブル 低コストで環境に優しいことから 次世代太陽電池として着目されています 最近では エネルギー変換効率が % を超える報告もあり 実用化が期待されています 有機薄膜太陽電池デバイスの内部では 図 に示すように (I) 励起子の生成 (II) 分子界面での電荷生


論文の内容の要旨

Physics Chemistry Bioscience Informatics 01

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数学(中学校一種 高等学校一種) 以上次配当の必修科目すべての修得を含む) 以上 以上 教科に関する科目 理学部数理 物理学科 (0 年度入学者から適用 ) 免許法に規定された科目 年次 年次 年次 年次 注 単 要件 代数学 集合論 線形代数 Ⅲ 代数学 Ⅰ 代数学 Ⅱ 代数学応用 位 (0 以上

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氏 名 田 尻 恭 之 学 位 の 種 類 博 学 位 記 番 号 工博甲第240号 学位与の日付 平成18年3月23日 学位与の要件 学位規則第4条第1項該当 学 位 論 文 題 目 La1-x Sr x MnO 3 ナノスケール結晶における新奇な磁気サイズ 士 工学 効果の研究 論 文 審 査

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CAMPUS COMMUNICATION April No.83

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記者発表資料

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平成20年度AO入試基本方針(案)

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報道関係者各位 平成 24 年 4 月 13 日 筑波大学 ナノ材料で Cs( セシウム ) イオンを結晶中に捕獲 研究成果のポイント : 放射性セシウム除染の切り札になりうる成果セシウムイオンを効率的にナノ空間 ナノの檻にぴったり収容して捕獲 除去 国立大学法人筑波大学 学長山田信博 ( 以下 筑

体状態を保持したまま 電気伝導の獲得という電荷が担う性質の劇的な変化が起こる すなわ ち電荷とスピンが分離して振る舞うことを示しています そして このような状況で実現して いる金属が通常とは異なる特異な金属であることが 電気伝導度の温度依存性から明らかにされました もともと電子が持っていた電荷やスピ

5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論

マスコミへの訃報送信における注意事項

令和元年 6 月 1 3 日 科学技術振興機構 (JST) 日本原子力研究開発機構東北大学金属材料研究所東北大学材料科学高等研究所 (AIMR) 理化学研究所東京大学大学院工学系研究科 スピン流が機械的な動力を運ぶことを実証 ミクロな量子力学からマクロな機械運動を生み出す新手法 ポイント スピン流が

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支援財団研究活動助成 生体超分子を利用利用した 3 次元メモリデバイスメモリデバイスの研究 奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科小原孝介

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

目   次

Microsoft PowerPoint - AR1(理科森田) [互換モード]

マスコミへの訃報送信における注意事項

ナノテク新素材の至高の目標 ~ グラフェンの従兄弟 プランベン の発見に成功!~ この度 名古屋大学大学院工学研究科の柚原淳司准教授 賀邦傑 (M2) 松波 紀明非常勤研究員らは エクス - マルセイユ大学 ( 仏 ) のギー ルレイ名誉教授らとの 日仏国際共同研究で ナノマテリアルの新素材として注

と呼ばれる普通の電子とは全く異なる仮説的な粒子が出現することが予言されており その特異な統計性を利用した新機能デバイスへの応用も期待されています 今回研究グループは パラジウム (Pd) とビスマス (Bi) で構成される新規超伝導体 PdBi2 がトポロジカルな性質をもつ物質であることを明らかにし

教科 大学入試センター試験の利用教科 科目名個別学力検査等 科目名等教科等科目名等 前期国国語国現代文 古典人文学類地歴世 A, 世 B, 日 A, 日 B, 地理 A, 地理 B 地歴世 B, 日 B, 地理 B 人文 文化公民現社, 倫, 政経, 倫 政経公民倫 学 群 数 数 Ⅰ 数 A 外

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度科学技術者養成のための教育研究を行う (3) 機械工学専攻は 学部教育で養った機械技術及び機械システムとその関連分野及び周辺分野に関する基礎から応用までの総合的な知識と技術をさらに発展 進化させ 機械工学分野における研究能力及び高度の専門性を有する人材を養成することを目的とする すなわち 機械工学

研究成果報告書

コバルトとパラジウムから成る薄膜界面にて磁化を膜垂直方向に揃える界面電子軌道の形が明らかに -スピン軌道工学に道 1. 発表者 : 岡林潤 ( 東京大学大学院理学系研究科附属スペクトル化学研究センター准教授 ) 三浦良雄 ( 物質材料研究機構磁性 スピントロニクス材料研究拠点独立研究者 ) 宗片比呂

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

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産総研 MEMS スキルアップコース 中長期 集中型 先端集積化 MEMS の研究開発を推進している産総研 N-MEMS ファウンドリ ( ウェハ径 200/300mm) において 三次元加工技術 フォトリソグラフィー技術 極小微細加工技術等 MEMS 分野における種々の要素技術を習得する 研究開発

TSRマネジメントレポート2014表紙

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From Farm to Table 農学を志す君たちへ Graduate School of Agricultural Science Kobe University History 農学部 農学研究科の沿革 1949年 4月 兵庫県立農科大学開学 現 兵庫県篠山市 農学は 自然科学に加えて社会科

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中性子関連技術解説書 1. はじめに 中性子利用技術名 ; 粉末中性子線回折解説書作成者 ; 技術士氏名伊東亮一 粉末中性子線回折は試料に中性子を当て 散乱される中性子線を測定して試料中の原 子構造を調べる分析法です 粉末のままで結晶構造解析ができます 2. 概要 2.1 粉末中性子線回折従来 結晶

報道発表資料 2008 年 1 月 31 日 独立行政法人理化学研究所 酸化物半導体の謎 伝導電子が伝導しない? 機構を解明 - 金属の原子軌道と酸素の原子軌道の結合が そのメカニズムだった - ポイント チタン酸ストロンチウムに存在する 伝導しない伝導電子 の謎が明らかに 高精度の軟 X 線共鳴光

酸化グラフェンのバンドギャップをその場で自在に制御

H30全国HP

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必修科目については全科目を修得しなければならない 選択科目については所定科目をそれぞれ履修して, 成績の評価を受けなければならない また (3) に示す 生産デザイン工学 プログラムに定める必修科目と選択科目についても同様である 最終的に各専攻で表 1の単位数以上を修得しなければならない 表 1 専

八戸高専だより第148号

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マスコミへの訃報送信における注意事項

大学と学生第549号広島大学におけるアクセシビリティ支援と人材育成プログラム_広島大学(岡田 菜穂子)-JASSO

ポイント 太陽電池用の高性能な酸化チタン極薄膜の詳細な構造が解明できていなかったため 高性能化への指針が不十分であった 非常に微小な領域が観察できる顕微鏡と化学的な結合の状態を調査可能な解析手法を組み合わせることにより 太陽電池応用に有望な酸化チタンの詳細構造を明らかにした 詳細な構造の解明により

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配信先 : 東北大学 宮城県政記者会 東北電力記者クラブ科学技術振興機構 文部科学記者会 科学記者会配付日時 : 平成 30 年 5 月 25 日午後 2 時 ( 日本時間 ) 解禁日時 : 平成 30 年 5 月 29 日午前 0 時 ( 日本時間 ) 報道機関各位 平成 30 年 5 月 25

高集積化が可能な低電流スピントロニクス素子の開発に成功 ~ 固体電解質を用いたイオン移動で実現低電流 大容量メモリの実現へ前進 ~ 配布日時 : 平成 28 年 1 月 12 日 14 時国立研究開発法人物質 材料研究機構東京理科大学概要 1. 国立研究開発法人物質 材料研究機構国際ナノアーキテクト

研究成果東京工業大学理学院の那須譲治助教と東京大学大学院工学系研究科の求幸年教授は 英国ケンブリッジ大学の Johannes Knolle 研究員 Dmitry Kovrizhin 研究員 ドイツマックスプランク研究所の Roderich Moessner 教授と共同で 絶対零度で量子スピン液体を示

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採用時期 :2020 年 4 月 1 日応募期限 :2019 年 5 月 9 日 ( 木 ) 学部学科等専攻分野等 摂南大学教員公募内容一覧 職階人数担当授業科目等 応募資格等 生命科学科 生体高分子分野 特任助教任期 5 年 1 生物基礎実習 生命科学理科教育演習 生化学実習ほか 1 博士の学位

2. 募集人員 学部学科 課程入学定員 国際教養学部 工学部 園芸学部 薬学部 国際教養学科 90 文学部 人文学科 170 法政経学部 法政経学科 370 教育学部 学校教員養成課程 390 数学 情報数理学科 44 物理学科 39 理学部 化学科 39 生物学科 39 地球科学科 39 計 20

e - カーボンブラック Pt 触媒 プロトン導電膜 H 2 厚さ = 数 10μm H + O 2 H 2 O 拡散層 触媒層 高分子 電解質 触媒層 拡散層 マイクロポーラス層 マイクロポーラス層 ガス拡散電極バイポーラープレート ガス拡散電極バイポーラープレート 1 1~ 50nm 0.1~1

科目一覧 準学士課程 一般科目 平成 26 年度シラバス 5 学年外 国 語 V A 外 国 語 V B 健 康 学 A 哲 学 A 日 本 史 学 A 社 会 経 済 学 A 健 康 学 B 哲 学 B 日 本 史 学 B 社 会 経 済 学 B 生 物 学 地 球 科 学 総 合 科 目 A 長

~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

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う特性に起因する固有の量子論的効果が多数現れるため 基礎学理の観点からも大きく注目されています しかし 特にゼロ質量電子系における電子相関効果については未だ十分な検証がなされておらず 実験的な解明が待たれていました 東北大学金属材料研究所の平田倫啓助教 東京大学大学院工学系研究科の石川恭平大学院生

電子情報工学科カリキュラム

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Microsoft Word - プレリリース参考資料_ver8青柳(最終版)

Transcription:

College of Engineering Sciences School of Science and Engineering University of Tsukuba 2017-2018 http://www.oyoriko.tsukuba.ac.jp/

応用理工学類では 自然科学の様々な成果を基礎にして 社会に有益な新技術の開拓や問題解決ができる創造力豊かな人材を養成します 筑波大学応用理工学類とは 社会を支える新しい技術は 物質科学や自然現象の原理原則の理解を基礎として発展しています 自然や環境と技術の調和など社会からの要求がますます複雑かつ高度化していく将来の技術開発において より柔軟に対応できる能力が技術者や研究者に必須となってきています そのためには 物理学 化学 生物学などの自然科学の学習を通して物事の本質を見抜く力を身に付け 様々な分野の成果を横断的に適用する能力を習得し 既存の狭い範囲に捕らわれていると解決が困難な問題にも対応できる応用力や創造力を養うことが重要です 応用理工学類では このように要求が複雑かつ高度化する工学分野の状況を踏まえ 自然科学の成果を社会に有益な形で還元することを目的として 物質 材料 デバイス 計測分野等の工学を支える基礎から応用までを学ぶことができます 応用理工学類では 1, 2 年生までは物事の本質を見抜く力を養成するために 自然科学に関する基礎的科目を主体として学習します 3 年生になると さまざまな先端的研究分野のなかから自分に合った専門 ( 主専攻 ) を選びます すなわち 物理的な原理原則をもとにして計測技術などへの応用を学ぶ 応用物理 電子の振る舞いを理解して将来のエレクトロニクス ナノテクノロジーについて学ぶ 電子 量子工学 物質の機能を実験的 理論的に探求することで新しいマテリアル ( 材料 ) について学ぶ 物性工学 分子の立場から物質の構造 機能を理解することで新物質の創製について学ぶ 物質 分子工学 の4 主専攻分野に分かれて より専門的な内容を学習するとともに先端科学技術に関する卒業研究を行います 応用理工学類では 理学や工学 物理や化学や生物などといった従来の枠にとらわれない分野横断的な教育により 今後ますます工学分野の技術者や研究者に要求される 応用力や創造力 柔軟に対応できる能力を養成します 01

筑波大学理工学群における応用理工学類及び他大学工学部との比較 理 工学分野には 自然の真理を探究する領域と社会に貢献する技術へと導く領域の二面性がありますが その境界は明確ではありません 今日の理学分野での基礎研究には社会生活に具体的な形で貢献する部分が少なからずあります また工学分野では 複雑かつ多様化する社会の要求に応えるため 従来の分野や学科の枠を超えて協奏するだけでなく 理学的な基礎の視点からも検討することで より総合的な対応が望まれています そこで 2007 年 基礎から応用まで幅広い学問領域を含む包括的な理工学教育組織として 理学系の数学類 物理学類 化学類 及び工学系の応用理工学類 工学システム学類 社会工学類の計 6 学類から構成される理工学群が筑波大学に誕生しました ( 下図左側参照 ) 理工学群の工学系学類の特徴は 激しく変化する社会情勢に対応するために 分野別に学科が対応している一般的な大学の理 工学部とは異なり 下図右側で示すような未来を見据えた分野横断的な構成となっていることです その中で 応用理工学類は自然科学の成果を技術に反映させることを目的として 物理や化学の応用としての材料科学 計測 制御 エレクトロニクス 生命科学などの分野において特徴を出しています 一方 工学システム学類は 様々な要素をシステム化することによって技術を完成させる事を目的に ロボットなどの制御 建築 土木などの社会基盤工学 エネルギーなどの分野をカバーしてます 社会工学類は人間の関わる社会現象を分析し 工学の立場から問題解決を提案 実践することを目的にしています ノーベル賞受賞白川名誉教授 白川英樹博士 Dr. Hideki SHIRAKAWA 1936-1994 ~ 1997 筑波大学第三学群長 2000 筑波大学名誉教授 ノーベル化学賞 (2000 年 ) 導電性ポリマーの発見と開発 Nobel Prize in Chemistry 2000 for the discovery and development of conductive polymer 化学と物理 理学と工学の融合 = 導電性高分子の発見 発展 20 00 年度ノーベル化学賞を受賞された白川英樹先生は応用理工学類の前身である工学基礎学類と基礎工学類におい て研究を進めてこられました 先生の業績は プラスチックは電気を通さないという従来の常識を覆し 高分子科学に先例のない 導電性高分子 という新しい領域を開拓されたことです 先生の主な業績は以下の 4 つに大別されます 1) 薄膜状ポリアセチレンの合成 2) ケミカルドーピングによる導電性発現の発見 3) 液晶を溶媒とするアセチレン重合の開発 4) 共役系高分子液晶の創成以上の先駆的業績により 先生はノーべル化学賞だけでなく 高分子学会賞や高分子科学功績賞も受賞されています 電気を通す高分子の作製は 薄膜状ポリアセチレンの合成という化学の成果に電導性向上のためのドーピングという物理的手法を組み合わせることにより初めて実現されました すなわち 導電性高分子は 化学と物理の融合による賜物 と言えます また 導電性高分子は現在の我々の生活においてポリマーバッテリーや有機発光デバイス ( 有機 EL ディスプレイ ) などとしてすでに利用されており さらには プラスチックエレクトロニクス や 分子エレクトロニクス への発展が期待されています その意味では 導電性高分子は 理学の成果が工学に生かされた理工融合の端的な例 とも言えます 筑波大学の学群 学類 ( 学士課程 ) 筑波大学理工学群工学系学類と他大学工学部との比較 02

カリキュラム 応用理工学類の人材育成の目的 われわれの社会を今後も維持 発展させ続けるた 工融合の理念のもとに基礎教育を充実させています めには 自然科学を深く理解するとともに正しく応用 3年生以降は応用物理主専攻 電子 量子工学主 することにより 技術を進展させる事が必要です 応 専攻 物性工学主専攻 物質 分子工学主専攻のいず 用理工学類では 工学を支える様々な科学と技術を学 れかを選択して主専攻ごとに分かれますが いずれに ぶことにより 急速に変化し続ける技術を理解し ま おいても共通となる5つのコア科目 量子力学 統計 た発展させることができる創造力豊かな技術者 研究 力学 化学 III 固体物理学Ⅰ 生命科学 が設定され 者を養成します ています 応用理工学類では これらコア科目はさま ざまな専門分野でも根幹をなすものであり 将来の新 Education Objectives & Curriculum After Graduation Plan 応用理工学類は 自然科学の成果の技術分野への応 技術を開拓するために必須であると考えています そ 用を第一とし マテリアルサイエンスから計測技術ま して より専門的な学習としてさまざまな専門科目 各 での分野をカバーしています 上記に掲げる人材育成 主専攻紹介ページ参照 の授業を受けるとともに 卒 に向けて 応用理工学類の1 2年生では基礎となる 業研究を通して最先端科学技術の開発 例えばパワー 自然科学 数学 物理学 化学 生物学 を広く学ん エレクトロニクス スーパーコンピュータ 極限計測 で物事の本質を見抜く力を身に付けます 例えば 自 シミュレーション技術 未来の自然エネルギー源 バ 然現象を理解するために必要な微分方程式などの数学 イオ 医工学に関して学ぶ事ができます また 現代 を物理の教科の中に取り入れ また豊富な例題と共に の技術者には必須道具ともいえるコンピュータに関す 学ぶことで 異なる専門分野に進んでも応用できる基 る教育も重視しています さらに研究学園都市である 礎的な学力を養います 加えて 3年生以降の専門分 つくばには 産業技術総合研究所 高エネルギー加速 野の選択がスムーズとなるように導入教育も分野横断 器研究機構 物質材料研究機構を始めとした研究機関 的に受けられます さらに 40 60 名程度の少人数 が多く存在し これら機関との交流や共同研究も行わ クラスでの教育により徹底した理解を図るなどし 理 れています 卒業研究 3,4年次 電子 量子工学主専攻 専門科目 物性工学主専攻 専門科目 物質 分子工学主専攻 専門科目 専門英語 専門コア科目 固体物理学 量子力学 統計力学 化学 生命科学 1,2年次 先端科学 工学概論 生物工学概論など 専門導入科目 専門基礎科目 基礎科目 03 応用物理主専攻 専門科目 解析学 線形代数 力学 電磁気学 化学 物理学実験 化学実験 応用理工学実験 総合科目 外国語 体育など 熱力学

卒業後の進路 応用理工学類では 特定の専門分野にとらわれない より広い視野での教育方針により 科学原理の基礎と視野の広さと柔軟さを兼ね備えた 未来志向の研究者 技術者の養成を目指しています その結果 現代の多様化する科学技術に適応する人材が育ち 本学類の前身である基礎工学類と工学基礎学類の 3,500 人以上に及ぶ卒業生のほとんどは 様々な業種の大企業 国立の研究所 大学等で 研究者やエンジニアとして活躍しています 卒業生の就職先は 電子 半導体 電気 通信 精密機器 計測 鉄鋼 金属 運輸 自動車 機械 電力 医学診断機器 高分子材料 化学 ゴム 食品 出版 サービス 官公庁 教職など 広い分野に渡っています また 学類を卒業すると 大学院へ進学する道が開かれています 最近の科学技術の高度化に対応して 卒業生の約 90% が大学院に進学します 現代の社会を支える科学技術は ますます複雑化そして多様化しています それに対応するためには工学を支えている基礎的な学問とともに先端技術への高度な対応能力と経験が必要とされます 応用理工学類から進学する本学の大学院として 数理物質科学研究科があります 数理物質科学研究科では筑波研究学園都市に集まっている国立 民間研究機関と協力して教育 研究に当たる連携大学院方式を実施しています 筑波大学および近隣の研究機関における研究成果は国際的な水準にあり このような環境の中で学ぶことにより 次の世代を担って立つ研究者 教育者への道が開かれています 主な就職先 オムロン 京セラ シャープソニー TDK 東京エレクトロン東芝日本ア イ ビー エム 日本電気 日本電産 日本電子パナソニック 浜松ホトニ クス 半導体エネルギー研究所 日立製作所富士電機 富士通 古河電気工 業 三菱電機 村田製作所横河電機 ルネサスエレクトロニクス いすゞ自動車キヤノンクリタ工業コニカミノルタスズキセイコーエプ ソン 大亜真空 デンソー トヨタ自動車 日揮 日産自動車 ニコン 日立 造船 富士重工業 富士ゼロックスブリヂストン本田技研工業三菱自動車 リコー味の素 出光興産 伊藤園 キリンビール 大日本印刷テルモ凸版印刷 ファンケル 日立化成工業 富士フイルム 三菱化学 ライオンロッテ 神戸製鋼所 JFE スチール 新日鉄 住友金属工業 フジクラ 三菱アル ミニウム YKK NTT NTT データ 日立電子サービス ネットワンシステムズ JR 東海 JR 西日本 九州電力 中部電力 東京電力 東北電力 東京ガス 教員 地方公務員 工学基礎学類 基礎工学類卒業生 ( 大学院修了後の就職先を含む ) 学類卒業後の進路 大学院修士課程卒業後の進路 応用理工学類 2014 年 3 月卒業生 応用理工学類対応大学院 ( 数理物質科学研究科 ) 2014 年 3 月修了生 内閣府新成長戦略の一つとして つくばナノテク世界拠点化プロジェクト (TIA-nano) が 筑波大学 産業技術総合研究所 物質 材料研究機構 高エネルギー加速器研究機構 及び東京大学の連携のもと 文科省及び経産省の協力下で推進されています そして 応用理工学類の多数の教員がこの TIA-nano 研究プロジェクトに参画しています また TIA-nano での人材育成コアプログラムの中核的役割を果たしているのが 数理物質科学研究科での つくばナノテク拠点産学独連携人材育成プログラム です 応用理工学類から当該研究科への進学者数名がこのプログラムで博士号取得を目指しています 04

応用物理主専攻 物理学を基礎として光 電磁波 粒子線を用いた最新の計測技術やフォトニクス技術を学びます タンデトロン加速器実験 応用物理主専攻について Applied Physics Major 現在の科学技術の多くが物理学に基礎を置いています 応用物理は今後の高度産業社会を支える基盤技術の研究開発を行う学問分野です この主専攻では 先端的な計測技術をはじめ 工学の基盤となるさまざまな物理的手法に関する教育が行われます 例えば 医学や生物学への応用に向けた新たな物理計測法や磁気共鳴映像法 (MRI) また レーザー工学や光情報処理 X 線工学などのフォトニクス技術 各種粒子線や放射線を駆使した新たな計測法 プラズマ核融合や原子核工学などエネルギーと環境に関する技術といった今後の社会で必要とされる先端的工学分野に進むための教育がなされます この様な未踏の領域を開拓するには 確固たる基礎に立脚しつつ 他方では予期しない難問にも対処し得る能力と 柔軟な発想が要求されます 応用物理主専攻では 基本的な専門科目を重視しつつ先端的な専門科目を取り入れて この様な分野で力が発揮できる 既存の専門分野にとらわれない 創造性あふれた人材を育成することを目的としています 主専攻で重要な授業科目 ( 専門科目 ) 応用数学 計測 制御工学 物理計測 応用原子物理 医用生体計測 プラズマ工学 レーザー光学 計算機実習 表面 界面工学 固体物理学 Applied Mathematics Basis of Measurement & Control Theory Basis of Experimental Physics Applied Atomic Physics Medical Imaging Technology Plasma Science and Technology Laser Optics Programming Laboratory Surface and Interface Engineering Solid State Physics 応用物理専攻実験 Applied Physics Laboratories 統計力学 量子力学 卒業研究など Statistical Mechanics Quantum Mechanics Graduation Research etc. 05 より詳しくは http://www.oyoriko.tsukuba.ac.jp/outline/major/major_01/

応用物理主専攻 研究室紹介 プラズマ研究センター ( 片沼 江角研究室 ) 准教授片沼伊佐夫准教授江角直道タンデムミラー型磁場閉じ込め装置ガンマ 10 を用いた 核融合の基礎研究 核融合プラズマの物理過程の実験的及び理論的研究を行なっている 応用光学研究室 NMR イメージング研究室 計算物性物理学研究室 ( 伊藤 渡邉研究室 ) ( 巨瀬 寺田研究室 ) ( 小林伸彦研究室 ) 教授 伊藤雅英 教授 巨瀬勝美 准教授 小林伸彦 講師 渡邉紀生 准教授 寺田康彦 光計測 画像処理を中心とした光学の応用技術 光コヒーレンストモグラフィー 計測光学 機能性光デバイス ホログラフィーなどの研究をし 切らずに中身が良く分かる MRI( 磁気共鳴イメージング ) の研究 医学診断用の小型 MRI や 小さな試料のための MR マイクロスコープの開発 量子論に基づくコンピュータシミュレーションによる物質設計 原子細線 分子 有機半導体などナノスケール構造体の電子状態理論 電荷 ス ています ピン 熱伝導の理論 表面科学研究室 ( 佐々木 山田研究室 ) ( 白木研究室 ) 教授 佐々木正洋 教授 白木賢太郎 講師 山田洋一 走査トンネル顕微鏡 超音速分子線 電界放射顕微鏡などの顕微鏡を使って 有機エレクトロニクス材料や水素テクノロジー材料のナノレベルの物理化学を研究しています 蛋白質学研究室 ポリペプチド凝集のテクノロジーを研究しています タンパク質やペプチドの凝集形成を制御する方法を開発し バイオテクノロジーやナノテクノロジーに利用しています 水素量子アトミクス研究室 ( 関場研究室 ) 講師関場大一郎水素吸蔵合金など 水素と金属がかかわる物質について 放射光 イオンビーム分析などを用いて電子状態や原子構造を調べています 最も軽い元素である水素の不思議な振舞いを研究します 医療イメージング研究室 ( 安野研究室 ) 教授 安野嘉晃 光計測を核技術として 光コヒーレンストモグラフィー 医療トモグラフィーの研究をしています 応用原子物理研究室 ( 冨田研究室 ) 准教授 冨田成夫 原子 分子 原子クラスターなどのイオンビームを用いた応用原子物理学の研究および新規物理計測法の開発 宇宙線による地球環境への影響の機構の解明 軟 X 線極微細加工研究室 ( 牧村研究室 ) 准教授 牧村哲也 レーザーにより発生した軟 X 線と物質との相互作用およびそれを応用したマイクロ ナノ加工 超高速光物性研究室 ( 長谷研究室 ) 教授長谷宗明 超短パルスレーザーを用いた半導体 誘電体等の光物性 特に電子や格子の動きを 1000 兆分の 1 秒単位で捉える研究 また 光デバイス創成への応用 非線形フォトニクス研究室 人工ナノ構造物性研究室 ( 服部 加納 游研究室 ) ( 藤田 伊藤研究室 ) 教授 服部利明 准教授 加納英明 助教 游博文 テラヘルツ波による分光研究 イメージング 新しい計測法の開発 非線形ラマン分光を用いた新しい分子イメージング法の開発と生命科学 医学への応用 教授准教授 藤田淳一伊藤良一 グラフェン カーボンナノチューブなど炭素系ナノ材料の合成 物性評価及び電子デバイス応用の研究を行っています また 電子顕微鏡 走査プローブ顕微鏡を用いた高感度計測技術の開発も行っています 先進研究の具体例 :NMR イメージング研究室 ( 巨瀬 寺田研究室 ) 磁気共鳴イメージング (MRI) 装置は 磁場と電波を使って体の中を画像化する装置で 現在 国内では 6000 台くらいが病院で医療診断に使われています 磁気共鳴イメージング研究室では MRI に関連した技術を研究すると同時に さまざまな目的に使用するための 小型 MRI を開発しています 小型 MRI は 永久磁石を使い 制御装置を小型 一体化することにより どのような場所にも設置でき ( 病院用の MRI の設置には教室くらいのスペースが必要ですが 小型 MRI は 2 ~ 3 m2の場所にも設置できます ) また病院用の装置と異なり 移動できるため さまざまな目的の計測ができるという特長を持っています 当研究室では このような小型 MRI を世界に先駆けて開発し これまで 骨密度計測用 MRI マウス用 MRI 小児骨年齢計測用 MRI 樹木 果実計測用 MRI などを開発してきました 左の写真に示すのは 電動モバイル型果実計測用 MRI で 屋外における果実の計測に使用しています 06

電子 量子工学主専攻 電子の関わる物理を基礎として 量子効果 微細加工を応用する新しいエレクトロニクスを学びます 低速陽電子ビームによる結晶欠陥の評価実験 電子 量子工学主専攻について Quantum and Electronic Engineering Major エレクトロニクスとそれを支える固体物理の融合した世界では 原子 分子の配置を制御し 固体の性質をデザインするナノテクノロジーが重要な役割を果たしています そこでは 新しい物理現象の発見や新しい原理で動く電子素子 さらに それらを支える時空間の極限計測技術をめぐり 世界規模で競争が繰り広げられています 今日の情報化社会は 超 LSI に代表される半導体素子や 磁気素子により支えられています 今後は これらの役割に加えて 安全 安心な社会を実現するために 太陽電池やパワー半導体も重要になって来ると考えられます 太陽電池や燃料電池で発電した電気 ( 直流 ) を使える形 ( 交流 ) に電力変換するとき さらに 電気自動車 エアコン 電車等の制御にパワー半導体が欠かせません このように 将来も半導体および磁気素子が高度情報化社会を支え エネルギー問題を解決するための主役であると考えられます 本主専攻では 固体物理や電子工学 ( トランジスタ 半導体レーザー 太陽電池 集積回路 磁気抵抗素子など ) 等のナノテクノロジーの基礎を学ぶことにより 広い視野で物事を把握しながら 新しい電子素子やエレクトロニクス分野を自在に開拓できる技術者 研究者を育成することを目標としています 主専攻で重要な授業科目 ( 専門科目 ) グリーンエレクトロニクス Green Electronics 光エレクトロニクス Optoelectronics 半導体電子工学 集積回路工学 磁性体工学 計測 制御工学 計算機実習 Semiconductor Devices Integrated Circuit Technology Engineering of Magnetic Materials Measurement & Control Theory Programming Laboratory 電子 量子工学専攻実験 Electronic and Quantum Effect Engineering Laboratories 統計力学 量子力学 卒業研究など Statistical Mechanics Quantum Mechanics Graduation Research etc. 07 より詳しくは http://www.oyoriko.tsukuba.ac.jp/outline/major/major_02/

電子 量子工学主専攻 研究室紹介 陽電子消滅研究室 ( 上殿 Selvakuma 研究室 ) 教授 上殿明良 助教 Sellaiyan Selvakumar 電子の反物質である陽電子を用いた材料評価方法の開発と, これを用いたグリーン, バイオテクノロジー材料 ( 金属, 半導体, 高分子, 酸化物, 生体材料等 ) の物性評価 電子スピン共鳴分光研究室 ( 梅田研究室 ) 准教授梅田享英 パワー半導体 集積回路 ナノエレクトロニクス材料の欠陥個所を超高感度電子スピン共鳴分光を駆使して調べています 他に 量子センシング の研究 化合物半導体研究室 半導体量子ナノ構造研究室 ( 大井川研究室 ) ( 大野研究室 ) 講師大井川治宏教授大野裕三 無機有機に拘わらず 金属 半導体 絶縁体等の広範な電子材料に関する 表面界面およびバルクの構造物性解明と新 / 多機能電子 量子素子への応用 半導体量子ナノ構造の電子 光 スピン物性の解明 量子情報 低消費電力技術へ向けた半導体量子ナノ構造におけるスピンコヒーレンスの研究 磁気機能工学研究室 光半導体材料研究室 デバイス物理研究室 ( 柳原 Sharmin 研究室 ) ( 櫻井研究室 ) ( 佐野 植田研究室 ) 准教授 柳原英人 准教授 櫻井岳暁 教授 佐野伸行 助教 Sonia Sharmin 助教 植田暁子 金属や酸化物のナノ構造体 ( 薄膜 ナノ粒子 ) を用いた新しい磁性 電子材料の開発 エネルギー消費の少ない磁気エレクトロニクスの基礎物性研究 無機 有機半導体材料の作製と光物性の研究および光デバイス 太陽エネルギー利用技術 光メモリへの応用 近未来のナノスケール半導体素子のコンピュータを用いたシミュレーションとそのための半導体物理の理論研究 極限計測 ナノテクノロジー研究室 ( 重川 武内 吉田研究室 ) 教授重川秀実准教授武内修助教吉田昭二ナノスケールの極微な世界をフェムト秒の超高速現象まで含めて観測する新しい顕微鏡を開発し 新物質の創成や新奇機能材料開発のための研究を行っています 環境半導体 磁性体研究室 ナノ構造制御研究室 ( 末益 都甲研究室 ) ( 蓮沼研究室 ) 教授 末益崇 准教授 蓮沼隆 助教 都甲薫 資源が豊富な元素で構成される新しい半導体 強磁性体を作製し 1 μ m 程度の厚さで非常に効率の高い太陽電池や 電子のスピンを利用する素子の実現を目指しています 結晶表面の原子ステップやテラスを使って 絶縁膜や金属ワイヤや半導体などの構造を原子レベルで制御し 優れた電気的特性や信頼性を実現する技術の基礎的研究 パワーエレクトロニクス研究室 ( 只野 磯部研究室 )( 岩室 矢野研究室 ) 教授 只野博 教授 岩室憲幸 准教授 磯部高範 准教授 矢野裕司 電気のエネルギーを無駄なく使うため SiC 等のワイドバンドギャップ半導体材料による高性能パワー半導体の研究と 先進研究の具体例 : 環境半導体 磁性体研究室 ( 末益 都甲研究室 ) Si, Al, Fe など ありふれた元素で構成される材料は 人体にも優しい材料が多いと感じています そのような元素で構成される半導体や磁性体の中には 非常に面白い性質を示すものが たくさんあります そのような材料を結晶成長して これまでに実現できていない機能をもつ太陽電池や磁石を作ろうと研究を進めています 研究テーマの 1 つが究極の薄膜太陽電池を作ることです 現在 世の中で使われている太陽電池の大部分は 結晶シリコン (Si) から作られていますが 光を吸収する能力が弱いため 50 μ m メートル以上の厚さが必要です これに対して BaSi ₂ を用いると 光を吸収する能力が格段に優れているため 僅か 2 μ m の厚さでもエネルギー変換効率が 25% を超えるような太陽電池が実現できると考えられています このような太陽電池が ありふれた元素で実現できる点が 研究の醍醐味です また フレキシブル エレクトロニクスを目指し プラスチック上に結晶性の半導体やナノワイヤ グラフェンを形成する技術も培っており この分野でも世界をけん引しています さらに 強磁性体にも興味を持ち研究しています 遷移金属と窒素の化合物である X4N(X=Fe, Co, Ni, Mn) には 負のスピン分極率をもち 垂直磁気異方性をもつなど 特異な性質があります このような磁性体を使い 究極のメモリーを目指し 磁壁を電流で動かす研究にも取り組んでいます 研究成果は直ちに英語の論文にして 国内 国外を問わず 積極的に発信しています ( 左上 ) 太陽電池用新材料 BaSi2 を堆積する装置 ( 右上 )BaSi2 の結晶構造と太陽電池を測定している様子 ( 左下 ) Fe4N 細線の磁壁が動く様子 ( 右下 ) プラスチック上に形成した Ge ナノワイヤ 08

物性工学主専攻 物質の性質を物理の視点から捉え 新しい機能を持った物質の開発手法を学びます 溶液中半導体ナノ粒子のレーザー蛍光分光実験 物性工学主専攻について Applied Condensed Matter Physics Major 物性工学主専攻では物質のミクロな性質 ( 物性 ) を物理学の視点からとらえ 実社会への還元を考えます コンピュータ 自動車 通信機器 人工衛星など現在の先端的工業製品には金属 半導体 絶縁体の機能が巧みに利用されています たとえば トランジスタ メモリ 固体レーザや 光 磁気記録 環境に対する各種センサー 形状記憶素子などがあり 省エネルギー材料として期待される高温超伝導体の発見とともに物性工学の研究成果といえます 将来の科学技術の基盤となる物質の機能を充実させるためには 超伝導 磁性体 半導体 誘電体 金属などを対象に 物質のミクロな科学を基礎として理解を深める必要があります また 人工格子 アモルファス ナノ結晶など 従来の物質形態を超えた人工構造によって新機能を実現することもでき 研究開発の重要な手法となっています これらをふまえ 将来の科学技術を支える物質の新しい機能を引き出し 応用に導く技術者 研究者を養成するのが物性工学主専攻の教育目的です 主専攻で重要な授業科目 ( 専門科目 ) 固体物理学 Solid State Physics 超伝導 電子物性 Superconductivity in Solid State Physics 凝縮系物理 金属物性工学 光物性工学 磁性体工学誘電体工学 無機材料工学 回折結晶学 Condensed Matter Physics Metal Physics and Engineering Optical Properties of Materials Engineering of Magnetic Materials Introduction to Dielectrics Inorganic Materials Engineering Diffraction Crystallography 物性工学専攻実験 Applied Condensed Matter Physics Laboratories 統計力学 量子力学 卒業研究など Statistical Mechanics Quantum Mechanics Graduation Research etc. 09 より詳しくは http://www.oyoriko.tsukuba.ac.jp/outline/major/major_03/

物性工学主専攻 研究室紹介 低温物性工学研究室 ( 池田研究室 ) 超伝導物性工学研究室 ( 門脇 柏木研究室 ) 原子テクノロジー研究室 ( 木塚研究室 ) スピントロニクス研究室 ( 黒田研究室 ) 准教授 池田博 教授講師 門脇和男柏木隆成 教授 木塚徳志 教授助教 黒田眞司金澤研 マイナス 269 における低温工学および環境に配慮した冷凍機に使用する酸化物蓄冷材の開発 新しい高温超伝導体の探索および単結晶育成とナノテクノロジーなどを用いた物性測定による高温超伝導の物理現象の解明 ナノデバイスを電子顕微鏡で直接観察し 原子を目の前で操り 新物質を創成する原子テクノロジーの開発 金の原子を 1 つずつ 1 列に並べた原子ワイヤーを作製し 電気伝導と強度を測定 電子のスピンを利用した新しいエレクトロニクス ( スピントロニクス ) の創製を目指した研究 原子の磁石を埋め込んだ新しい半導体材料の探索 物性研究 量子物性分子理論研究室 ( 小泉研究室 ) 准教授 小泉裕康 銅酸化物高温超伝導の超伝導機構解明と室温で超伝導現象を示す物質の開発のための理論研究 また 超伝導体を利用した量子コンピューター実現への理論研究 鉄鋼材料研究室 理論物質科学研究室 ( 古谷野研究室 ) ( 鈴木修吾研究室 ) 准教授古谷野有准教授鈴木修吾 ニッケルアレルギーを起こさない錆びない鉄である窒素鋼の焼き入れ (= マルテンサイト変態 ) と磁気特性そして製造法に関する基礎研究をしています 高精度計算による物質の構造と電子状態の理論的解析および新機能性物質の理論的探索 特に ウランなどの重い元素を含む物質の磁気的性質に関する理論的研究 無機系エネルギー 環境材料研究室 ( 鈴木義和研究室 ) 准教授鈴木義和太陽電池向けナノ材料やディーゼル粒子除去フィルターなどエネルギー 環境応用に向けた新しい無機材料 ( ファインセラミックス ) を開発しています 結晶物理研究室 ( 高橋研究室 ) 講師高橋美和子 X 線 電子線 放射光および中性子散乱法を用いた磁性合金 低次元物質等の構造と物性の関連性についての研究 ナノ金属材料研究室 量子物性理論研究室 ( 谷本研究室 ) ( 竹森研究室 ) ( 日野 前島研究室 ) 准教授 谷本久典 教授 竹森直 教授 日野健一 講師 前島展也 10-9 m のスケールで原子の配列状態を制御した金属系ナノ構造材料 ( アモルファス合金 超薄膜 ナノ結晶 超微粒子など ) の作製や特性について研究しています 計算機シミュレーションなどの理論的手法を用いた物質の性質の理解と応用 例えば分子 電子 光の間の相互作用に基づいた生体分子機能の解明 光物性理論研究室 光と物質 ( 半導体ナノ構造や分子性結晶など ) の相互作用により誘起される新奇な物理現象の理論的研究 特に レーザー光による物質相の制御や超高速ダイナミクス 固体光物性工学研究室 ( 松石研究室 ) 教授松石清人 有機半導体物性工学研究室 ( 丸本研究室 ) 准教授丸本一弘 固体伝導 光物性研究室 ( 南研究室 ) 講師 南英俊 機能性金属材料研究室 ( 金研究室 ) 教授金熙榮 光を使った半導体関連物質の物性研究と応用 特に ナノ構造体などの光誘起現象 構造変化 超高圧下の物性の研究と新光機能性物質の開発 新しい機能性物質の開拓 物性研究およびデバイスへの応用研究 特に 導電性高分子などを用いた有機半導体デバイスの開発と物性評価および特性制御 高温超伝導体を使ったテラヘルツ発光素子の開発 ( 門脇研究室との共同研究 ) と 高い誘電率をもつ物質が示す特異な電気伝導現象の研究を進めています 形状記憶合金の開発 (Ti-Ni 合金 形状記憶薄膜 マイクロアクチュエータ素子 生体材料 ) と物性研究 ( 相変態 形状記憶効果 超弾性 ) 超伝導量子デバイス工学研究室 ( 辻本研究室 ) 助教辻本学 超高速 高感度 位相敏感計測を実現する量子デバイスの開発を行う 微細加工技術と極低温実験技術を駆使して量子物性の学理究明と応用を目指す 先進研究の具体例 : 原子テクノロジー研究室 ( 木塚研究室 ) クリントン大統領のナノテクノロジー宣言から早 16 年 今や この技術はあらゆる分野に浸透し 我々の生活を一変させました ユビキタス コンピューティングによる情報 通信や マイクロチップを利用した製品管理は すっかり身近なものになりました こうしたナノテクノロジーは その名前に冠せられた ナノ という大きさ つまり ナノメートルサイズの電子素子と構造素子によってもたらされています 図書館の情報を角砂糖一つほどの素子に詰め込むような情報記憶は トランジスタやダイオードなど素子 配線 それらをつなぐ接合部全てを小さくして可能になります そしてナノ固有の機能をもたらす 量子効果 は この微細化によって露わになるのです これからの科学の発展は さらに小さな より特殊な機能を発現する素子とその集積化技術の開発にかかっています その最終目標の一つは 分子一個だけの素子や原子が一個ずつ並ぶ金属配線を実現することです 金原子を 1 こずつ並べて作った最も細い配線の電子顕微鏡写真 下の図に示したように 原子の数は 10 こ 10

物質 分子工学主専攻 化学や物理を基礎に分子の概念 高分子や生物の機能を理解し 新しい物質科学を学びます 試料の分離と精製 物質 分子工学主専攻について Materials and Molecular Engineering Major 私たちが出会う興味ある現象の多くは 分子の性質によって理解できます 本主専攻では 分子の概念を基礎に 物質の性質を理解し それを私たちの生活に役立てることを目指します 具体的には 半導体 誘電体 磁性体などの特性や光機能性を持つ有機 高分子や金属錯体などの新規物質開発 環境やエネルギーの問題解決に貢献する触媒の開発 酵素などの高度生体機能を利用した薬剤合成やバイオセンサー バイオ燃料電池への応用 バイオマテリアルの設計と評価 光合成のメカニズムの解明 フェムト秒範囲物質性能の制御方法の探索などを学びます 分子から高分子 さらに分子固体や生体へと続く物質の流れは おもに化学を基礎とする学問により扱われます しかし 分子は原子と電子から成り立っているので それを取り扱う量子物理学も物性を基礎から理解する上で不可欠です 基礎により裏打ちされた物質 分子像に関する教育により 工学から理学にわたる広い分野に柔軟に対応できる人材を育てます 主専攻で重要な授業科目 ( 専門科目 ) 有機化学 無機材料工学 生物工学 電気化学 触媒 工業化学 高分子化学 原子分子論 有機電子論 Organic Chemistry Inorganic Materials Technology Bioengineering Electrochemistry Catalytic and Industrial Chemistry Polymer Chemistry Physics of Atoms and Molecules Organic Electron Theory 物質 分子工学専攻実験 Materials and Molecular Engineering Laboratories 生命科学 機器分光分析 量子力学 統計力学 卒業研究など Life Science Instrumental Analysis using Spectroscopy Quantum Mechanics Statistical Mechanics Graduation Research etc. 11 より詳しくは http://www.oyoriko.tsukuba.ac.jp/outline/major/major_04/

物質 分子工学主専攻 研究室紹介 生物物理 化学物理研究室 ( 岡田研究室 ) 機能性高分子設計研究室 ( 神原 桑原研究室 ) 機能性有機物質開発研究室 ( 木島 川島研究室 ) テラヘルツ帯分光研究室 ( 森研究室 ) 講師 岡田朗 教授講師 神原貴樹桑原純平 教授助教 木島正志川島英久 助教 森龍也 電子移動反応 光学過程 化学反応などの素過程理論 生体中の反応 ナノマテリアル中の電子移動反応などを物理学に基づいて理論的に調べています 有機金属化学 錯体化学の観点から 新しい光機能 電子材料並びに触媒として注目される機能性高分子 錯体の創製とその展開研究を行っています バイオプラスチックや共役系高分子の合成とその機能材料化に関する研究 発光性高分子材料や機能性炭素材料の設計合成と評価 テラヘルツ帯の赤外 ラマン分光装置を主軸とし 凝縮系の物性研究を行っています 最近は ガラスにおいてテラヘルツ帯に普遍的に現われるボソンピーク研究に力を注いでいます ポリマー合成研究室 光合成 光治療研究室 化学 バイオマイクロシステム研究室 ( 後藤研究室 ) ( 小林正美研究室 ) ( 鈴木 横川研究室 ) 准教授 後藤博正 准教授 小林正美 教授 鈴木博章 助教 横川雅俊 液晶を用いた光学活性な導電性高分子の合成に関する研究 電気伝導性 発光性および 旋光性をもつポリマーの合成 評価を行っている 葉緑素の中心金属は, 細菌から高等植物まで全て Mg だと思われていましたが, ある種の植物では Zn であることを発見 また 葉緑素による光治療にも挑戦! マイクロマシーニング技術を応用した マイクロバイオセンサ 化学センサを含む新規な生物 化学デバイスに関する研究 生物電気化学研究室 ( 辻村研究室 ) 准教授辻村清也 いつでもどこでも電気を得ることができる未来の発電装置の開発を目指し ナノ電極材料や電極上での酵素反応に関する研究を行っています 原子分子光理論研究室 ( 仝研究室 ) 准教授仝暁民 第一原理に基づく大規模な数値計算で強レーザーにおける原子分子動的な過程の理解と強レーザーでの量子状態制御方法の探索を行っています バイオマテリアルズ研究室 触媒表面化学研究室 ( 長崎 大石研究室 ) ( 中村 近藤研究室 ) 教授 長崎幸夫 教授 中村潤児 講師 大石基 准教授 近藤剛弘 生体環境下で機能するバイオマテリアルの設計と評価 特にナノバイオマテリアルによるドラッグデリバリーシステムやナノ診断材料の設計と評価 カーボンナノチューブやグラフェンなどの新しい炭素材料を用いて二酸化炭素からメタノールを室温で変換する触媒の開発や固体高分子形燃料電池の白金代 替触媒の開発に挑戦しています 分子集積ナノマテリアル研究室 ( 山本研究室 ) 准教授山本洋平 パイ共役分子 ( 有機低分子 高分子 ) や生体分子からなる分子集積材料の構築と光 電子機能 エネルギー変換機能の発現に関する研究を行っています 先端機能性物質研究室 ( 所研究室 ) 准教授所裕子 光などの外部刺激に応答して 光学的 磁気的 電気的特性が変化するような材料の開発を行っています 金属錯体や金属酸化物が主な研究対象物質です アデノシン 3 リン酸 (ATP) 濃度を測定し 魚肉の鮮度を迅速に測定するバイオチップ 先進研究の具体例 : 化学 バイオマイクロシステム研究室 ( 鈴木 横川研究室 ) 鈴木研究室では 生物機能を調べ 模倣し 応用する研究を進めています 半導体チップのように 生化学の分析装置や実験室の機能を微小化 集積化するバイオチップの研究はその一つです バイオチップは人間の体内や細菌の中に存在する DNA やタンパク質等の物質濃度を高感度 高効率でセンシングすることができ 医療 環境 食品等の分野での活躍が期待されています バイオチップは 細胞機能を調べたり 細胞操作を高効率に行うこともできます ところで 生物体内には無数のナノマシンが存在し 細胞機能を実現しています これを模倣し 化学物質をエネルギー源として自発的に運動し 将来的には病気の治療にも使えるようなナノロボットの研究も進めています さらに 細胞工学の研究も進めています 再生医療への応用を目指して細胞シートを作製したり 人工的に血管網を作製する試みを行っています 12

学生生活 Message from Current and Graduate Students 研究学園都市 恵まれた自然環境の中に 南北 4km 東西 800m 総面積 246 万m2の広大な敷地をもつ筑波大学は 頭脳都市ー筑波研究学園都市ーの中核施設として 都市や周辺地域に対して開放されています 2005 年 8 月につくばエクスプレスが開通し 秋葉原まで最短 45 分でアクセス可能となりました 筑波大学では日本国内のみならず世界中から学生が集まっており 約 2,300 人の留学生を加えた総数約 16,000 人の学生が 整った教育施設 最先端研究施設で学び 豊かな緑に囲まれた学生宿舎や大学近辺の民間学生用アパートで生活しています キャンパス内の施設はペデストリアン ( 歩行者 自転車専用道路 ) と学内ループ ( 環状道路 ) で機能的に結ばれており 自転車はもちろんのこと 学内とつくばエクスプレス駅の間を頻繁に結ぶ循環バスが利用できます 学内からつくば駅まで利用できる年間定期券 (8,600 円 書籍部で販売 ) を購入すると 早朝から深夜までこのバスが利用できて大変便利です 住環境 新入生が優先的に入居できる学生宿舎は 約 4,000 人を収容でき 早期に大学生活に慣れ 異なる世界観 人生観を持つ友人や先輩との語らいの中から一人ひとりの自己課題を見出す手助けとなります 学生宿舎の使用料は 月額約 14,000 円 ( 共益費含む ) です 居室は個室 ( 一部 2 人部屋 ) で全室にベッド 机 椅子 洗面台などが備えられています 各室に備えられている情報コンセントからコンピュータネットワークにアクセス可能です 各フロアー毎に共同のキッチンや洗濯室があり 宿舎近くの共用棟には 食堂や売店 理容室 美容室 娯楽室などが完備されています なお 大学周辺には多くの民間学生用アパートがあり 都心に比べて住居費は半分程度ですみます 日本学生支援機構の他 各種団体の奨学金 授業料免除など経済的援助もあります 課外活動 本学では 現在約 250 の学生団体が設立許可を受け その内 145 の団体が課外活動団体 ( 文化系サークル 37 体育系サークル 75 芸術系サークル 33) として認定され 活発に活動しております 筑波大学では筑波地区以外にもいくつかの教育研究施設や 山中共同研修所 ( 山梨県山中湖村 ) 館山研修所 ( 千葉県館山市 ) などの研修施設をもっており 様々な機会に利用することができます 中井 彬恵 開智高等学校出身応用理工学類 2 年 より詳しい学生生活に関しては次のページをご覧ください http://www.tsukuba.ac.jp/campuslife/ 13

在校生 卒業生からのメッセージ 下山 雄人 桐生第一高等学校卒 2017 年度応用理工学類卒現在数理物質科学研究科 応用理工学類の特徴は 物理を基盤として 化学 バイオ分野を含めた幅広い分野へ学生の興味に応じて 学びを広げていくことができる自由度の高さにあります そのため 興味のある分野がはっきりと定まっていなくとも 入学後に自ら学ぶ中でより興味を感じた分野を深く学び 研究することができます また一方で 興味のある分野がある人は入学当初からその分野を深めていくことも可能です 私は入学以前より大まかに進みたい分野が決まっていたため 先導的研究者体験プログラム (ARE) という制度を利用して 2 年次より自主研究を行っていました この制度では 通常 4 年次より配属される研究室に 1-3 年次の頃から出向き 予算をもらいながら自主研究を行うことができます ARE では 年度末に学内で成果報告会を実施していますが 私はそれに加えてサイエンス インカレという 全国の自主研究を行っている学生が発表する大会でも成果を発表しました これらの経験を通じて ARE に参加していた他学類の学生やサイエンス インカレに参加していた全国各地の学生と交流し刺激を受けることができたと感じています これらの自主活動に 学類の講義と並行して無理なく取り組めたことは 応用理工学類の自由度の高さがあってこそのことでした 自主研究のほかにも クラス代表や専攻代表 また ARE の後輩指導 Jamboree という学生の研究交流会の運営など様々なことに挑戦してきました 現在は 大学院に進み研究に取り組んでいますが 学類時代に学んだこと 取り組んだことが活きていると実感しています 目標や興味のあることを見つけ 自ら取り組めば それに答えてくれる環境が応用理工学類には揃っています これを読んでいる皆さんにも是非 このような環境で充実した日々を送ってほしいと思います 細見友香 国立小山工業高等専門学校出身 2014 年度応用理工学類卒業現在数理物質科学研究科 私が応用理工学類を志望した一番の理由は 興味がある授業がそろっていたからです 私は 高専からの 3 年次編入で 元々専攻は化学類に近かったのですが 物理や数学などの論理的思考力が身につく科目をもっと受講したいと思い また 様々な分野を幅広く学んで将来自分は何をやりたいか明確にしたいと希望して当学類を受験しました 実際の大学の授業では 特に物理に関して毎回の授業が刺激的で高校物理とは見える世界が全く違うものでした だから今物理につまづいてる人や数学 化学は得意だけど物理が苦手と思ってる人に是非あきらめないで応用理工学類で楽しさを見つけてほしいです また 3 年生の専門的な授業を学ぶ中で自分はどんな分野なら没頭できるか見えてくると思います もっとそれを知りたいという気持ちがあれば その分野のスペシャリストの先生達が揃っていて気軽に教えてくださるし 総合大学のためいくらでも他学類の授業を見に行き受講することができます 加えて 他大学 高専から 3 年次編入した時点で 4 つの主専攻のどれかに所属するのですが 4 年生の研究室配属の際に別の主専攻の研究室を希望することも可能です このような環境は 将来の夢や本当に好きなことがまだはっきり見えていない人に最適な環境だと思います また 大学と高校 ( 高専 ) では全く世界が違います 高校の時点で苦手だからといって自分の可能性を狭めるのではなく 様々な学問 ( 主に数学 物理 化学 ) を知って 興味があることを全力で取り組めば 自ずと進みたい方向が見えてくると思います 常に目標を持って勉強 研究に励んでください 最後に 筑波大学は遊びもサークルもバイトもみんな全力で楽しめる素晴らしい場所です! 私は大学受験時に 将来は生命科学系の研究をやりたいと考えていました そのため研究者の育成を積極的に行っていて かつ自分が興味を持っていた研究をしている先生がいらっしゃった筑波大学を受験しました しかし応用理工学類で物理 化学 数学 生物などを学んでいくと自分がもともと興味を持っていたこと以外にも様々なことを学び 自然現象に対する興味が深まってきました そしてそれを深めていく機会が筑波大学にはたくさんあります 具体的には他学類の授業を受けることができたり 研究室にお邪魔して論文の輪読に参加したりというものです このように応用理工学類では 周囲の方々に助けてもらいながら充実した 濃い日常を送ることができています 将来やりたいことが決まっている人も まだこれからやりたいことが決まっていない人も私たちと楽しい大学生活を送りませんか? 高嶋泰帆 東京都立立川国際中等教育学校卒応用理工学類 2 年 中井 彬恵 開智高等学校出身応用理工学類 3 年 応用理工学類が 数学 物理 化学 生物すべてを学ぶことができるということを知っている方は多いと思います それだけではなく 総合大学である筑波大学では時間割の都合がつく限り他学類の授業を自由に受けることができ 単位も認定されることは知っていましたか?? これを利用して 様々な知識や教養を持ったうえで自らの研究を深めれば 特定の専門に特化するよりも異なった視点で物事を観ることができ 将来より必要とされる人材になることができます 大学では 高校と違って 自ら行動を起こしていかなければ あっという間に無味乾燥の時間が流れてしまいます 逆に言えば 積極的に様々なことにチャレンジしていけば かけがえのない経験や教養を身につけることができるということです そんな時間は大学が最後です 私自身 大学生になって以降 初めてボランティア活動をしたり 学園祭実行委員として企画を自分で作り上げたり 韓国語を勉強したり 興味のある化学類の授業を履修したり と 自由な筑波大学にいるからこそできることを思う存分行い 濃い毎日を送っています 皆さんも是非筑波大学の環境を利用して充実したキャンパスライフを送ってほしいと思います!! 14