Oracleデータベースを使用したEMC Symmetrix DMX-4

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Oracle データベースを使用した EMC Symmetrix DMX-4 フラッシュ ドライブの導入 高度なテクノロジー US ホワイトペーパー翻訳版 要約 このホワイト ペーパーでは Oracle データベースをエンタープライズ フラッシュ ドライブに配置した場合と従来のハード ディスク ドライブに配置した場合のパフォーマンスの考慮事項について考察します また データベース ファイルの物理的な配置について説明します 2008 年 12 月

Copyright 2008 EMC Corporation. 不許複製 EMC Corporation は この資料に記載される情報が 発効日時点で正確であるとみなしています この情報は 予告なく変更されることがあります この資料に記載される情報は 現状有姿 の条件で提供されています EMC Corporation は この資料に記載される情報に関する どのような内容についても表明保証条項を設けず 特に 商品性や特定の目的に対する適応性に対する黙示の保証はいたしません この資料に記載される いかなる EMC ソフトウェアの使用 複製 頒布も 当該ソフトウェア ライセンスが必要です 最新の EMC 製品名については EMC.com で EMC Corporation の商標を参照してください 他のすべての名称ならびに製品についての商標は それぞれの所有者の商標または登録商標です パーツ番号 H5699.2-J 高度なテクノロジー 1

目次 エグゼクティブ サマリー...3 概要...3 対象読者... 4 テクノロジーの概要...5 Symmetrix DMX-4 の概要... 5 エンタープライズ フラッシュ ドライブ... 5 エンタープライズ フラッシュ ドライブに最適なデータベース ワークロード...6 ランダム読み取りのワークロード... 6 DSS と BI のワークロード... 6 書き込みのワークロード... 7 レーテンシーの重要なワークロード... 7 EFD( エンタープライズ フラッシュ ドライブ ) 戦略の概要... 8 フラッシュ ドライブに配置する適切なデータベース コンポーネント...9 Oracle AWR レポートの確認... 9 負荷プロファイル... 9 5 つの主要定期イベント... 10 インスタンスの効率性... 10 テーブルスペース I/O 統計とファイル I/O 統計... 11 使用例 1:OLTP データベース全体を EFD に移動することの利点...11 パート I:RAID 5 HDD と RAID 5 EFD のデータベース... 11 パート II:80 RAID 1 HDD と 12 RAID 5 EFD のデータベース... 13 使用例 2: フラッシュへの単一テーブルスペースの移行...14 フラッシュ ドライブと ILM( 情報ライフサイクル管理 ) 戦略...15 結論...16 高度なテクノロジー 2

エグゼクティブ サマリー EMC では エンタープライズ クラスのフラッシュ ドライブを Symmetrix DMX-4 ストレージ アレイに統合するため Symmetrix Enginuity バージョン 5773 の最新リリースを強化しました EMC Symmetrix は この新世代のドライブ テクノロジーを初めてサポートする唯一のエンタープライズ アレイです EMC は この機能を使用して新しい 階層 0 超高性能ストレージ層を作成しました このストレージにより 磁気ディスク ドライブのパフォーマンスの制限がなくなります EMC テクノロジーで最適化されたエンタープライズ クラスのフラッシュ ドライブと Symmetrix の高度な機能を組み合わせることにより どのエンタープライズ ストレージ ベンダーにもなかった新しい階層オプションが利用できます EFD( エンタープライズ フラッシュ ドライブ ) は レーテンシーの影響を受けるアプリケーションのパフォーマンスを飛躍的に向上させます フラッシュ ドライブは SSD( ソリッド ステート ドライブ ) としても知られ 可動部がありません 既存の Symmetrix 管理ツールには標準的なファイバ チャネル ドライブとして認識されるため 管理者は特殊なプロセスやカスタム ツールを用意しなくても階層 0 を管理できます 階層 0 フラッシュ ドライブは 為替システムや電子商取引システム リアルタイムのデータ取得や処理など 高速トランザクションを伴うアプリケーションや 最速のデータ取得およびストレージを必要とするアプリケーションでの使用に理想的です フラッシュ ドライブを使用した Symmetrix DMX-4 は ミリ秒レベルのアプリケーション レスポンス タイムと 従来のファイバ チャネル ハード ディスク ドライブと比べて最大 30 倍の IOPS(1 秒あたりの I/O 動作 ) を達成できます また フラッシュ ドライブには機械部品がないため 従来のディスク ドライブと比べて IOPS あたりの消費電力量は飛躍的に削減されます このホワイト ペーパーでは Oracle データベースのワークロードでエンタープライズ フラッシュ ドライブを使用する例とそのベスト プラクティスをいくつか取り上げて説明します また フラッシュ ドライブの使用によって 1 分あたりのトランザクション レートとトランザクションのレスポンス タイムの両方において データベース アプリケーションのパフォーマンスが 従来のファイバ チャネル ドライブと比べて大きく向上することを示します 概要 データベースのパフォーマンスは長い間 I/O 機能によって制限されてきました また HDD のパフォーマンスは ヘッド シークによる機械自体の遅延や回転待ち時間による制限を受けてきました しかし フラッシュ ドライブには可動部がないため シーク レーテンシーや回転待ち時間による遅延がありません これにより 非常に高い IOPS を維持する機能が大幅に強化され 全体的なレスポンス タイムも非常に短くなっています 図 1 は 従来の HDD の平均シーク時間と平均遅延時間に基づいて実現できる理論上の IOPS レートを フラッシュ ドライブ テクノロジーと比べたものです この 25 年の間に HDD の回転スピードは 3,600 rpm から 15,000 rpm に向上しました IOPS は 4 倍しか向上していません フラッシュ ドライブ テクノロジーを採用すればパフォーマンスが飛躍的に向上し 従来の HDD テクノロジーと比べて 30 倍以上の IOPS を実現できます 高度なテクノロジー 3

FLASH Drive vs. HDD IOPS Flash Explosion 30x IOPS HDD 3600 RPM 5400 RPM 7200 RPM 10K RPM 15K RPM FLASH Disk RPM 図 1: さまざまなドライブ テクノロジーの IOPS の比較 より高速なトランザクションとレスポンス タイムに対するニーズはますます高まっています 業界トップのエンタープライズ フラッシュ ドライブを EMC Symmetrix DMX-4 ディスク アレイに導入することで こうしたニーズに応えることができます 企業は 最速のファイバ チャネル ディスク ドライブを大量に購入する必要はありません その機能の一部を利用するだけで 非常に要求度の高いランダム ワークロードの IOPS パフォーマンス要件を満たすことができます リレーショナル データベースが ビジネス アプリケーションの核となっていることはよくあります ストレージ電力消費量と設置面積を最小限に抑えつつ このリレーショナル データベースのパフォーマンスを向上させることで TCO( 総所有コスト ) が大幅に削減されます また これは データ センターの制約を軽減するのにも役立ちます 階層 0 フラッシュ ドライブを ファイバ チャネルおよび SATA ドライブなどの低速の階層とともにアプリケーション データ レイアウトとして展開すれば ストレージの各階層がホストアプリケーションの I/O リクエストに対応できます 対象読者 このホワイト ペーパーは Oracle データベース環境におけるエンタープライズ フラッシュ ドライブの実装について理解し ビジネス アプリケーションのパフォーマンスの向上を望んでいる Oracle データベース管理者 ストレージの設計者 お客様 EMC のフィールド担当者を対象にしています 高度なテクノロジー 4

テクノロジーの概要 Symmetrix DMX-4 の概要 図 2 および 3 に示す Symmetrix DMX-4 の新システムは ハイエンド エンタープライズ ストレージ市場における EMC のリーダーシップを強化する次世代 DMX シリーズです DMX-4 は フラッシュ ドライブ 高パフォーマンスの 4 Gb/ 秒 FC ドライブ 大容量の SATA II など 最新世代のディスク ドライブ テクノロジーに直ちに対応します DMX-4 は この最新世代のディスク ドライブ テクノロジーすべてをサポートできる 最初で唯一のハイエンド ストレージ システムです 最新の Enginuity 5773 が採用された Symmetrix DMX-4 は パフォーマンスを最大限に高め 階層型ストレージ機能の柔軟性を確保するために最適化されています * 組み合わせについては 構成に基づいて制限される場合があります 図 2:Symmetrix DMX-4: 世界最大のハイエンド ストレージ アレイ 96~2,400 個のディスク 2~12 個のチャネル ディレクタ* 2~8 個の4 Gbディスク ディレクタ * ファイバ チャネル iscsi Gigabit Ethernet FICON ESCON 接続 最大 512(256が有効 )GBグローバル メモリ 32~360 個のディスク 2 または 4 個のフロント エンド / バック エンド ディレクタ FICON ファイバ チャネル iscsi Gigabit Ethernet 接続 最大 128(64 が有効 )GB グローバル メモリ * 組み合わせについては 構成に基づいて制限される場合があります 図 3:Symmetrix DMX-4 950:DMX-4 テクノロジーのエントリー ポイント エンタープライズ フラッシュ ドライブ Enginuity 5773 を採用した Symmetrix DMX-4 の導入により 現在 EMC はエンタープライズ フラッシュ ドライブをサポートしています エンタープライズ クラスの EMC フラッシュ ドライブは不揮発性の NAND 型半導体フラッシュ メモリで構築され 既存の Symmetrix DMX-4 ドライブ アレイ エンクロージャで使用されている標準の 3.5 インチ ディスク ドライブ フォーム ファクタにパッケージ化されています これらのドライブは 一貫して短い読み取り / 書き込みレスポンス タイムを必要とする 低レーテンシーのアプリケーションに特に適しています また 15k rpm HDD テクノロジーによって 30 倍もの IOPS の向上が実現します フラッシュ ドライブは ローカルおよびリモートのレプリケーション キャッシュ パーティション設定 優先度の制御など Symmetrix が提供する高度な機能の利点を得ています 高度なテクノロジー 5

エンタープライズ フラッシュ ドライブに最適なデータベース ワークロード ランダム読み取りのワークロード 読み取り要求時 要求されたデータが最近の読み取り / 書き込みであるため またはシーケンシャル プリフェッチであるために グローバル キャッシュ内に存在する場合 ディスク I/O は追加されずに 直ちに要求に対するサービスが提供されます ディスク アクセスが生じることなくキャッシュからサービスが提供される読み取りをリード ヒットと言います 要求データがグローバル キャッシュ内に存在しない場合 Symmetrix は データをディスクから取得する必要があります これをリード ミスと言います リード ミスは ハード ディスク ドライブ機器固有の遅延によって I/O レスポンス タイムの増加を発生させます Symmetrix キャッシュのリード ヒット レートが高いワークロードについては すでにメモリ アクセス速度でサービスが提供されているため フラッシュ ドライブ テクノロジーに展開しても大きな利点を得られないことがあります Symmetrix キャッシュのリード ヒット レートが低いワークロードで ランダム I/O パターンを示しており さらに I/O リクエストのサイズが小さく ( 最大 16 KB) 高いトランザクション スループットが求められている場合は フラッシュ ドライブの低レーテンシーを最大限に生かせるでしょう DSS と BI のワークロード バッチ処理 レポート またはバックアップ時の処理として Oracle 上でフル テーブル スキャンが実行される場合 規模の大きな I/O によるシーケンシャル読み取り要求が発行されます ( サイズは最大 1 MB) このようなシーケンシャル読み取りの実行には時間がかかり それは最大遅延 (I/O レスポンス タイム ) よりも最大スループット (MB/ 秒 ) に左右されます スループットが高ければ レポート クエリー バックアップはより早く完了します TimeFinder や RMAN インクリメンタル バックアップを使用したバックアップ パフォーマンスの向上については 別の Symmetrix および Oracle 共同ロゴ ベスト プラクティス ドキュメントに記載されています ただし DSS( 意思決定支援システム ) や BI( ビジネス インテリジェンス ) のパフォーマンスの向上は 多くのミッション クリティカルなデータ ウェアハウスや BI システムにとって重要なタスクです Symmetrix がシーケンシャル読み取りストリームを特定した場合 プリフェッチの使用が試行され 要求されたデータは事前にキャッシュに取り込まれます これにより 後続のシーケンシャル読み取り I/O 要求のキャッシュ読み取りヒット レートは増加します ただし シーケンシャル読み取りのワークロードには 2 つの共通した事象が見られます 1 つ目は Oracle が大規模なシーケンシャル読み取り要求を発行した場合でも 一般的に 要求はかなり多くのストライピング層に分割されてしまい (EMC では 3 層以上を推奨していません ) これらの要求がストレージに達するときにはランダムになってしまうことです 2 つ目は 高いユーザーまたはクエリー コンカレンシーにより 要求がストレージへのランダム I/O のように見えることです EMC では 専門的なベスト プラクティスを DSS と BI ワークロードに使用して Symmetrix によるプリフェッチの有効性とスループットの予測可能性を最大にします 回転ハード ディスク ドライブ (HDD) の使用時 (EMC のベスト プラクティスに従い ストライピング層を減少させることにより ) ストレージに到達する I/O ワークロードが実際にシーケンシャルな場合は SATA などの高密度低速ドライブでも 高スループットをサポートできます しかし 前述のように ワークロードがさらにランダムになった場合 これらのスループ 高度なテクノロジー 6

ットを維持する HDD の性能は 50% 未満に減少してしまうので 多くの場合 BI システムでワークロードの要求をサポートするには 15k rpm ドライブが提供されます フラッシュ ドライブはこのような影響を受けにくく また シーケンシャル読み取りを実行する際の HDD の帯域幅は 2 倍になるので 読み取りワークロードがランダムであってもスループットを維持することができます 書き込みのワークロード ホストからのすべての I/O 要求に対して Symmetrix によってグローバル キャッシュからサービスが提供される という点を理解することは重要です 通常の環境下では 書き込み要求は常にキャッシュに書き込まれ 物理ディスク アクセスによる遅延は起きません 書き込みアクティビティのレスポンス タイムが長い場合 通常は I/O サイズが非常に大きいことを示します ( したがって時間も長くかかることが予想されます ) また 接続が不十分なために I/O キューイングが長くなるなどの問題も発生します このような接続の不均衡は ホスト ( ホスト キューイング ) に割り当てられる LUN が十分ではない場合や 使用される HBA ポート (HBA キューイング ) や Symmetrix フロント エンド / バック エンド ポート あるいはディスクが十分ではない場合に起こることがあります したがって 書き込みパフォーマンスの問題は フラッシュ ドライブによって直ちに修正されると想定するのではなく 根本原因の解析によっていかなる接続の不均衡でも直接修正することで 最適に対処されます Oracle のオンライン REDO ログとアーカイブされたログ ファイル アクティビティのほとんどはシーケンシャル書き込みであり 書き込みに対しては Symmetrix キャッシュからサービスが提供されますが ログは必ずしもフラッシュ ドライブに配置するのが最適ということではありません HDD に配置すれば フラッシュ ドライブでは他のファイル用により多くの領域を残すことができます ただし 十分な領域がある場合 ログがフラッシュ ドライブに配置されていると Symmetrix キャッシュへのディスク I/O のサービスをより高速にすることができるので 依然として利点はあります レーテンシーの重要なワークロード データベースやアプリケーション マネージャーは 大幅に高速化させればビジネスの売上増加と生産性向上に直結する ミッション クリティカルなアプリケーションを簡単に特定できます 同様に ストレージ マネージャーは パフォーマンス プランニングのために 多数のショート ストローク ドライブを使用するので これらの同一のアプリケーションを特定できます ショート ストローク ドライブを多く使用すると データは IOPS とレーテンシー要求を満たすために 部分的に使用される多数のディスクに配置されます このようなアプリケーションが特定された場合 フラッシュ ドライブは非常に重要な 2 つの利点を提供することができます まず 多数のショート ストローク ドライブの代わりに 1 台のフラッシュ ドライブを使用し 高速トランザクション (IOPS) を提供できます これにより アプリケーションに必要なドライブ数が少なくなり 多数のディスクを回転させ続ける必要がなくなり 電力の消費を抑え 結果的にはデータ センターのフロア面積が少なくて済むようになります また フラッシュ ドライブでは非常に低いレーテンシーが実現しています したがって 短いレスポンス タイムを予測できることが非常に重要で 必ずしもすべてのデータをホストまたは Symmetrix キャッシュに保持する必要がないアプリケーションは このようなドライブを使用することにより大きな利点を得られます フラッシュ ドライブには 回転メディアがないため その転送速度は非常に高速です ショート ストローク ハード ドライブで達成できるベスト レスポンス タイムよりもはるかに速くデータが提供されます 高度なテクノロジー 7

EFD( エンタープライズ フラッシュ ドライブ ) 戦略の概要 データベースのパフォーマンスがビジネスの収益性に直結する場合 EFD にデータベース全体を配置します ストレージ階層 0 として EFD にデータベースの一部を配置します EMC と Oracle の共同ガイドラインに基づいて EFD からの利点を最大限に受けられるように 最もビジーな部分を注意深く特定してください 例は テーブルスペース 可視化された表示 インデックス 一時ファイルです ILM 戦略によって EFD にアクティブなデータベースのパーティションを配置することを考慮します パーティションがアクティブでなくなるに従って 階層 1 2 3 のストレージにこれらは移行され EFD にアクティブな新しいパーティション用の領域が作られます 一般的に EFD はランダム読み取りのワークロードに最大の利点を与え OLTP アプリケーションに容易に配置できます ただし 多くの DSS ワークロードも EFD から利点を受けます これらは ( ストライピングの多重レイヤーと高度なクエリー コンカレンシーによって ) ストレージに達するまでにランダムになる傾向があるからです ピュア シーケンシャル ワークロードもランダムの場合ほどではありませんが 同様に EFD から利点を受けます デフォルトでは Oracle ASM はデータを至るところでストライプして いずれのワークロードもランダムにします 最もビジーなデータベース コンポーネントのパフォーマンスを向上することにより HDD がビジーでなくなり パフォーマンスが良くなるので データベースの他のパフォーマンスも向上します ディスクがいつもボトルネックになるのではなく パフォーマンス全体の利点が Oracle の I/O への待機時間に比例するのです ただし ほとんどのワークロードは EFD から利点を受けます 新しい階層 0 機能から利点を受けるには 十分な CPU 性能 接続性 I/O コンカレンシーが備わっていることを確認してください 高度なテクノロジー 8

フラッシュ ドライブに配置する適切なデータベース コンポーネント Oracle AWR レポートの確認 データベース全体は可能な限りフラッシュ ドライブに配置できます ただし場合によって フラッシュ ドライブに特定のデータベース コンポーネントのみを配置し ハード ディスク ドライブに領域を残したほうがコスト効率が良いこともあります この項では Oracle の統計を使用して フラッシュ ドライブに最適なワークロードとデータベース コンポーネントを識別することに焦点を当てます ILM ソリューションの一部としてフラッシュ ドライブを使用することの詳細については 後ほど説明します Statspack レポートや AWR(Automatic Workload Repository) レポートを使用して Oracle の統計をレビューできます または 直接 v$sysstat の表示に問い合わせて データベースがフラッシュ ドライブに存在することによる利点があるかどうかを特定できます さらに 統計を使用して 利点を最大限に受けるデータベース コンポーネントを確認できます AWR レポートは レポート間隔 (2 個のポイント イン タイムまたはスナップショット ) の平均データを提供するので ピーク アクティビティ内で妥当な間隔が維持される必要があります 通常 適切な間隔は 1 時間です たとえば Oracle AWR レポートを見ると 以下のような多くの項目に容易に着目できます 負荷プロファイル AWR レポートの始めにある Load Profile( 負荷プロファイル ) セクションで 論理読み取り 物理読み取り 物理書き込みを調べます ほとんどが読み取りのワークロードであり そのうちかなりの数の読み取りが物理的に行われている (Oracle キャッシュではなくストレージから読み取りが実行されている ) 場合は ワークロードがフラッシュ ドライブから多くの利点を受ける可能性があります Load Profile Per Second Per Transaction --------------- --------------- Redo size: 1,522,996.03 8,452.47 Logical reads: 9,716.72 53.93 Block changes: 10,446.35 57.98 Physical reads: 2,702.49 15.00 Physical writes: 1,264.43 7.02......... 図 4 AWR レポート : 負荷プロファイル 高度なテクノロジー 9

5 つの主要定期イベント 次に Top 5 Timed Events(5 つの主要定期イベント ) セクションを調べます db file sequential read イベントを見ると 小さなデータ ブロック読み取りと それによるランダム ワークロード ( 紛らわしい名称ですが ) が示されています これを見つけたら 他と比較してこのイベントで使用される時間の割合 ( 合計コール時間の割合 ) を確認します この割合が高い場合 フラッシュ ドライブがこのワークロードに大きな利点を与えていることを示します ランダム読み取りの双方のレスポンス タイムは大幅に削減でき ディスク I/O の取得によるボトルネックがなくなります ただし db file scattered read や direct path read( 通常 パラレル クエリー スレーブによる PGA メモリへの読み込み ) など シーケンシャル ワークロードを示す待機イベントに高い時間比率が存在する場合は 前述の DSS ワークロードに対するフラッシュ ドライブの利点に関する章を参照してください 前述のように ワークロードが Oracle によってシーケンシャルのように見えても LVM ストライピング (Oracle ASM を含む ) または高いユーザー コンカレンシーのためにストレージ レイヤーでランダムになる場合があります このような場合 フラッシュ ドライブが依然として大きな利点をもたらす場合があります ( ただし 小さなブロックのランダム読み取りと同程度ではありません ) AWR レポート分析を伴うストレージ統計の提供については EMC の担当者に連絡することを強くお勧めします Top 5 Timed Events Avg %Total wait Call Event Waits Time (s) (ms) Time Wait Class ------------------------------ ------------ ----------- ------ ------ ---------- db file sequential read 6,775,585 54,793 8 82.7 User I/O db file parallel read 282,336 5,853 21 8.8 User I/O CPU time 3,948 6.0 db file parallel write 3,144,946 1,308 0 2.0 System I/O log file sync 643,048 846 1 1.3 Commit ------------------------------------------------------------- 図 5 AWR レポート :5 つの主要定期イベント インスタンスの効率性 Instance Efficiency ( インスタンスの効率性 ) セクションで インメモリ ソート率を調べます また direct path read temp と呼ばれる待機イベントを見て 5 つの主要待機イベント リストの上位にあるかを確認します ソートが高い割合でディスク上で行われて 遅延の原因となる場合 TEMP ファイルをフラッシュ ドライブに配置することにより このボトルネックは解消されます Instance Efficiency Percentages (Target 100%) Buffer Nowait %: 100.00 Redo NoWait %: 100.00 Buffer Hit %: 72.19 In-memory Sort %: 100.00 Library Hit %: 99.88 Soft Parse %: 91.89 Execute to Parse %: 99.67 Latch Hit %: 99.95 Parse CPU to Parse Elapsd %: 8.92 % Non-Parse CPU: 99.96 図 6 AWR レポート : インスタンスの効率性 高度なテクノロジー 10

テーブルスペース I/O 統計とファイル I/O 統計 レポートの最後には 2 つの重要なセクションがあります 1 つ目がテーブルスペース I/O 統計で 2 つ目がファイル I/O 統計です まず リストの最上位 ( 最高 I/O レート ) に表示されたテーブルスペースを調べます 平均レスポンス タイム (Av Rd(ms)) の数値が高い場合 ( 注 : 平均の数値では バーストが隠れてしまい サンプル タイム上でピークを減少させてしまうことがあるので 誤って解釈される恐れがあります ) これらのテーブルスペースは フラッシュ ドライブへの移動用の候補にすることができます たとえば データ ファイル 一時ファイル UNDO ファイル インデックスなどがあります これにより データベース全体を移動するための選択肢が提供されます 前述のように 書き込みワークロードはすでに Symmetrix キャッシュから利点を受けているので 書き込み / 秒 (Av Writes/s) が読み取り / 秒 (Av Reads/s) にそれほど強く関係することはありません Tablespace Av Av Av Av Buffer Av Buf Reads Reads/s Rd(ms) Blks/Rd Writes Writes/s Waits Wt(ms) -------------- ------- ------ ------- ------------ -------- ---------- ------ STOK 7,170,800 2,007 5.5 1.1 2,126,034 595 12 835.0 ORDR 650,181 182 8.5 1.1 583,716 163 211 2.0 CUST 652,159 183 8.4 1.1 308,868 86 112 3.2 NORD 207,865 58 5.9 1.2 328,354 92 0 0.0...... 図 7 AWR レポート : テーブルスペース I/O 統計 データ ファイルの I/O 統計のレビューにより より細分化された読み取りの詳細と平均レスポンス タイムが提供されます フラッシュ ドライブへの特定のデータ ファイルだけの移動 および全体ではないテーブルスペースの移動はお勧めしません Oracle によって 特定のテーブルスペースに属するデータ ファイルすべてを網羅するデータ範囲が新しく拡げられるからです この Oracle の統計の簡単な確認によって ワークロードがフラッシュ ドライブからの利点を大きく受けるかどうか およびデータベース全体が移動できない場合 どのデータベース コンポーネントをフラッシュ ドライブに移動すれば最大の利点を受けるか といった情報が提供されます 使用例 1:OLTP データベース全体を EFD に移動することの利点 パート I:RAID 5 HDD と RAID 5 EFD のデータベース エンタープライズ フラッシュ ドライブとハード ディスク ドライブ (HDD) のパフォーマンスの利点を比較するために ASM 上の 2 つの特定の Oracle データベース 11g を 2 つのデュアル コア Linux サーバに配置しました それぞれは 単一の RAID 5(3+1) グループに配置され 高度なテクノロジー 11

1 つは 146 GB フラッシュ ドライブで もう 1 つは 300 GB 1 15k rpm HDD です どちらも データ ファイル用に 8 つに分割された 45 GB の論理ボリューム (LUN) で構成されました データベース ログはフラッシュ ドライブから大きな利点を受けることはないので REDO ログは両方のテストで別の HDD に配置されました 6 対 4 の割合で読み取りと書き込みが行われている業界標準の OLTP ベンチマークを使用して 64 ビットの Linux サーバでこれらの両方のデータベースに対して同じワークロードを生成し アクティビティを推進しました この結果を図 8 に示します 図 8: 分単位のトランザクション レートとレスポンス タイム ( フラッシュ対 HDD) 図 8 は このテスト構成では フラッシュ ドライブが平均 5,100 TPM(1 分あたりのトランザクション数 ) を実現する一方で HDD では約 620 TPM しか維持されていないことを示しています つまり フラッシュ ドライブの TPM は HDD の約 8 倍になっています IOPS(1 秒あたりの I/O) の増加に加えて フラッシュ ドライブのレスポンス タイムは HDD の 10 分の 1 でした この使用例は 構成内のディスクのみを変更することで IOPS とレスポンス タイムを大幅に向上させることができるという重要な事実を示しています ただし いかなる変更を加えた場合でも システムの分析を行うことで 新しい機能のために確実にシステムのバランスを保持する必要があります たとえば この場合では ボトルネックはバック エンド ディスク I/O からホストへ移動し HBA での高レベルのキューイングを発生させました HBA の数 ( この場合は 2) は フラッシュ ドライブからの利点を最大限に得るには十分ではありませんでした ここには示されていませんが HBA をさらに増加するか ( サーバ アーキテクチャと CPU がサポートできる場合 ) または Oracle RAC(Real Application Clusters) を使用するなど サーバをさらに増加すれば ホスト I/O の増加が可能となり さらに高いトランザクション レートが実現されたでしょう これらのテストの間 Symmetrix キャッシュではすべての書き込みに対してサービスが提供され 書き込みのパフォーマンスに違いは生じませんでした 1 300 GB 15k rpm と 146 GB 15k rpm のディスクは 同じ速度です 容量による差異が生じないように 同サイズの論理ボリュームをフラッシュ ドライブと HDD に作成し 同数のディスクを比較しました 高度なテクノロジー 12

パート II:80 RAID 1 HDD と 12 RAID 5 EFD のデータベース 次に実施されたテストでは 80 個のディスク (146 GB 15k rpm RAID 1) から RAID 5 構成の 12 個の EFD(146 GB) にデータベース全体を移動する利点を示しました 次に示す環境は 使用するソフトウェアとハードウェア コンポーネントの概要です 表 1: ハードウェアおよびソフトウェア コンポーネント DMX-4 2500 1 台 Dell R900 2 台 Enginuity: 5773.130.90 説明 キャッシュ 64 GB キャッシュ (4 x 32 Gb ミラー キャッシュ ) HDD 80 x 146 GB 15k RPM(RAID 1) EFD オペレーティング システム : CPU HBA 8 x 146 GB EFD(RAID 5)+ 1 つのホット スペア RHEL 5.1 Quad コアを 4 つずつ搭載 Dual Port LP11002 を 2 つずつ搭載 PowerPath 5.1.1 Oracle Enterprise Edition 11g R1 RAC ASM 2 つのノードの RAC と Oracle ASM(DATA の追加 LOG の追加 TEMP の追加 FRA の追加 FLASH の追加用に個別のディスク グループを付属 SGA 各ノードに 11 GB テストの目的は トランザクションの大幅な増加と対応するレスポンス タイムの減少を実証することでした 1 TB のデータベースが 2 つのノードの Oracle RAC データベース 11g と ASM に作成されました 従来のものと類似した OLTP ワークロードが各テストで使用され 両方のクラスタ ノードからトランザクション ワークロードが生成されました 完全に同じワークロードとデータベース構成が HDD と EFD テストに使用されました テスト結果は 図 10 に示すとおり トランザクション レートで 2 倍となり レスポンス タイムは 50 パーセント減少しています これは RAID 1 の 80 個の HDD から RAID 5 のわずか 12 個の EFD への移動によって 大規模な統合が達成されることを示しています ( この使用例では 1 TB のデータベース全体を含むために 12 個の EFD が必要です ) この統合によって データ センターの冷却 エネルギー消費 潜在的なフロア面積の節約がさらに実現されました また レスポンス タイムの減少 ( ユーザー操作の向上 ) とトランザクション レートの 2 倍以上の増加によって EFD で 1 TB のデータベース全体を稼働することの利点も示しています 高度なテクノロジー 13

図 9:Oracle フル データベースの HDD から EFD への移動 使用例 2: フラッシュへの単一テーブルスペースの移行 1 TB のデータベースが 80 個の 146 GB 15k rpm(raid 1) デバイスにわたって分散された 2 つのノードの RAC に作成されました この使用例の目的は データベースの一部をエンタープライズ フラッシュ ドライブ (EFD) に移動する利点を示すことでした この使用例の環境では ディスクから提供される I/O は 25 パーセントだけでした ( 残りは 11 GB の Oracle SGA から提供されました ) 最もビジー ( これらの I/O の 75 パーセント ) と見られた単一のテーブルスペースは 80 個の HDD から 8 つのフラッシュ ドライブに移動されました ( 前述のように ) 標準の OLTP ワークロード ジェネレータを使用して 最も使用負荷の高いコンポーネントが 80 パーセントの使用率で稼働するディスクであることを確認することで ベースラインは達成されました これに関する Oracle AWR レポートでは Oracle バッファ キャッシュが 75 パーセントのヒット レート (I/O の 25 パーセントはディスクから提供 ) であることを示しました また テーブルスペース (STOK) がワークロードの 75 パーセントで稼働していることも示されました したがって STOK のテーブルスペースを RAID 5 構成の 8 つの EFD に移行することが決定されました テーブルスペースの移動後 残りのデータベースは 80 個の HDD で継続して稼働しました しかし 使用率とレスポンス タイムの両方で大幅な減少が見られました 潜在的に多くを取り除くことが可能だったのです テスト結果は 図 10 に示すとおり トランザクション レートで 10 倍となり レスポンス タイムはデータベース全体で 50 パーセント減少しています このことは 単一のテーブルスペースだけを 80 個の HDD から 8 つの EFD に移動したことに対する良好な結果です ここでは データベース トランザクション I/O の 75 パーセントが 実際に Oracle バッファ キャッシュから提 高度なテクノロジー 14

供されました EFD の追加とワークロードの最大 25%(STOK は物理 I/O の 75% だけを実行していたため ) の向上によって トランザクション レートは 2 倍になりました 図 10:Oracle テーブルスペースの HDD から EFD への移動 フラッシュ ドライブと ILM( 情報ライフサイクル管理 ) 戦略 ほとんどのエンタープライズ アプリケーションでは 古いデータに比べて最も新しいデータはレーテンシーに関する要件が最も厳しくなります ILM( 情報ライフサイクル管理 ) 戦略は まず このようにデータを分類することから始まります コスト パフォーマンスに優れたストレージ階層をアプリケーションで実現し そのアプリケーションのワークロードのニーズを満たすには データを分類することが重要です これは各アプリケーションを最適なストレージ階層に配置することで実現できますが 同じアプリケーション内にある複数のストレージ階層を使用して達成することも可能です 一般的には 1 つのデータベースを ファイルの種類ごとに複数の階層にわたって展開します たとえば アーカイブ ログとバックアップ イメージには SATA ドライブを REDO ログとデータ ファイルにはファイバ チャネル HDD を使用できます 前述のように フラッシュ ドライブ テクノロジーを使用した新しいストレージ階層の追加と レーテンシーが重要なデータ ファイル インデックス 一時ファイルのこの階層への配置ができるようになりました ただし データベースが大きいときは ドライブ リソースを最適に使用できるように 頻繁にアクセスされ レーテンシーに関する要件が最も厳しいデータのみをフラッシュ ドライブに置くことをお勧めします データベースの多くは テーブルのパーティションを設定することによってこれを行います このホワイト ペーパーで紹介した分析手法を使用すれば フラッシュ ドライブの機能を生かせる最もアクティブなテーブルスペースとファイルをお客様が判断できます こうしたテーブル 高度なテクノロジー 15

スペースの LUN をフラッシュ ドライブに置けば大きな利点を得られます データベース全体をフラッシュに配置する必要はありません また テーブルのパーティション設定により そのテーブルのサブセットが作成されます 通常 サブセットは日付範囲ごとに作成され さまざまなデータ ファイルに配置できます こうしたデータ ファイルはそれぞれが特定のストレージ階層に属しています テーブルのパーティション設定は 一般的には データ ウェアハウスで使用され インデックスおよびデータ スキャンを強化します ただし ILM 戦略を考慮しているお客様は OLTP アプリケーションでテーブルのパーティション設定を使用する利点を考慮する必要があります パーティションを設定すると 複数のストレージ階層にわたってデータを分散させることができますが ( フラッシュ ドライブを含みます ) これは階層間でのデータ移動には対応していません ストレージ階層間でのデータ移行については このホワイト ペーパーでは扱いません このスペースの問題を解決するには Symmetrix 仮想 LUN テクノロジーである Oracle オンライン再定義機能 またはホスト ボリューム管理機能を使用します 図 11 は テーブルのパーティション設定の使用例を示しています 図 11: 階層型ストレージ レベルを使用したパーティション テーブル 結論 Symmetrix にフラッシュ ドライブを組み込むことにより 非常に低いレーテンシーで高い I/O パフォーマンスを実現できる新しい階層 0 ストレージ レイヤーが提供され OLTP スループットが飛躍的に向上し 非常に短いレスポンス タイムを維持できます 階層 0 は 信頼性とシームレスな相互運用性を確保するために包括的な検証とテストが行われ 高度な管理ツールを有効にする主要な Symmetrix ソフトウェア アプリケーションでサポートされています 磁気ディスク ドライブ テクノロジーは もはやミッション クリティカルなストレージ環境のパフォーマンス境界を定義しません 十分に使用されない大量のディスク ドライブに作業負荷を分散するという 高コストなアプローチは不要になりました Symmetrix は今日 フラッシュ ドライブ テクノロジーのパフォーマンスと電力効率を 従来のディスク ドライブ テクノロジーおよび 1 つのアレイ ( 単一ソフトウェア ツールで管理される ) で組み合わせることで 最先端の機能と超高性能を実現し ストレージ階層オプションを拡張します 高度なテクノロジー 16