研究論文 20134200 劣化加速試験一年経過時点における報告 * 加地健太郎 1) 田中謙司 2) 秋元博路 3) 張静 4) 今村大地 5) Evaluation Model for Lithium-ion Battery Deterioration - A Report Based on One Year Deterioration Experiment- Kentaro Kaji Kenji Tanaka Hiromichi Akimoto Jing Zhang Daichi Imamura Lithium-ion Batteries (LiB) are increasingly used in automobiles and buildings since around 2010. Although the lifetime of several years is long enough for LiB used in small electronic devices, a life time of more than 10 years will be required for LiB in infrastructures However, many LiB users are reporting uncertainty of the life time of LiB. This is one of the major problems which prevent LiB from spreading to society. Therefore, it is important to predict the degradation of battery performance and the lifetime of LiB based on the present performance. It will decide proper installation place of used battery and how to use them in the future. The authors developed an evaluation model of used LiBs. The model contains two elements: (1) degradation speed database of experiments and (2) the modeling of use pattern and condition of LiB. KEY WORDS: lithium ion battery, state of charge, charge/discharge Evaluation model (A3) 1. まえがき 2000 年代後半より, リチウムイオン電池 (LiB) はその性能の向上により, 民生用途としての利用から車載用途や定置用途といったインフラ用途としての利用へと適用範囲が拡大してきた. しかしインフラ用途に使用する LiB は民生用に比べて長期の使用に耐えることが求められ,LiB がその一部を構成するシステムに対して要求される性能を発揮できなくなるまでの期間を寿命として定義すると, インフラ用途の LiB は民生用途の LiB の 2 年から 3 年の寿命と違って 10 年以上の寿命であることが要請される. しかし, 現在は電池の寿命を予測する手法が未だに確立されていないために, ユーザーが電池の寿命の不確実性を甘受しており, このことがインフラ用途の LiB の普及を妨げる一要因となっている. そのため,LiB の性能を評価し, ユーザーに対して LiB の寿命を保証する手法を確立することが要請されている. *2012 年 10 月 4 日受理.2012 年 10 月 4 日自動車技術会秋季学術講演会において発表. 1) 2) 4) 東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 (113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1 船形試験水槽二階 ) 3) Korea Advanced Institute of Science and Technology (Daehak-ro, Yuseong-gu, Daejeon 305-701, Republic of Korea) 5) ( 一財 ) 日本自動車研究所 FC EV 研究部性能研究グループ (305-0822 茨城県つくば市苅間 2530) LIB の劣化に関しては, 部材ごとに劣化のメカニズムについて考察した研究 (2,3) や劣化要因と放電曲線の関係について考察した研究 (4,5,6) がある. また,LIB の寿命推定に関する研究に関しては恒常的な劣化環境の中で LIB を劣化させた場合の寿命推定モデルを構築した研究がある (7,8). 近年では, 車載用電池や再生エネルギー (RE) の出力変動を平滑化させることを目的とした電池など,LIB の用途別に劣化要因が LIB の残存性能に与える影響を考察した研究がなされている (9). これらの研究は, リチウムイオン電池の劣化の要因と劣化の現象について考察したものであるが, 実用電池について劣化をモデル化し, 寿命推定を行ったうえで, 電池の資産価値を評価する手法を構築した研究はこれまでにない. 本研究では, 電池開発用の精緻なモデルではなくユーザーが LiB を使用するうえで安心して LiB を使えるシステムレベルのマクロな評価モデルを目指す. そのために必要となる LiB の性能をエネルギー密度 E[J] および出力密度 P[W] と定義したうえで,18650 型 LiB の劣化加速試験のデータ解析をもとに LiB の劣化モデルを開発する. 2. リチウムイオン電池の劣化因子と劣化の種類 LiB の性能劣化は仕事量および仕事率 ( 出力 ) の減少として現れるが,LiB の使用条件や環境条件と性能劣化の因果関係は完全には解明されていない (1). 本研究では,LiB の代表的な劣化因子を, 温度, 保存電圧, 使用時の放電レートとし,LiB Vol.44,No.2,March 2013. 429
の劣化メカニズムは主に下記の 3 つの要因に起因するものとした (1). 1リチウムイオンが, 負極電極材料の中に入ったまま出て来ないことにより, 活性リチウムイオンの総量が減少する 2リチウムイオンが, 負極電極表面で還元され ( 電子を得て ), 電解液と反応することにより, 活性リチウムイオンの総量が減少する 3 負極電極表面に, 電解液が反応した樹脂皮膜ができ, リチウムイオンが通りにくくなることにより, 電池の内部抵抗が増加する充放電サイクル数および保存期間が増えるにつれて LiB の内部で劣化が進行すると言われている (1).LiB 内部で生じた劣化には, 容量の減少, 内部抵抗の増加による電圧の低下, そして拡散による電圧降下などがある. 最終的に, 電池の容量および出力密度の減少がシステム側の LiB の性能劣化と考えることができる. 電荷量の減少, 電池電圧の低下, 拡散が LIB の劣化として放電曲線に表されたときの概略図を Fig 1 に示す. 電荷量の減少は, 電池電圧が下限電圧に達した時の放電量の減少として現れ, 放電曲線の終端が劣化によって左側に移動する. また内部抵抗の増加に関する電圧降下によって, 放電曲線が下側に移動する. また, 拡散による劣化は連続放電の末期に電池電圧の低下となって現れる. Fig 1 Change of discharge curve 3. リチウムイオン電池性能保証の定義今村 (1) は,LiB を使用するユーザーにとって重要となる性能指標はエネルギー密度 E[J] および出力密度 P[W] であると提唱した.E は充電一回あたりの LiB の使用量であり,EV の走行可能距離や定置用電池の蓄電可能量に関わる指標である.E によって,LiB がどれだけ長く電気的システムを稼働させられるかが決まる. また,E は式 (1) に示されるように, 放電中の平均放電電圧 V average [V] と放電電荷量 Q[C] の積として表せる. 一方,P は LiB を使用するときのシステムの要求する仕事率であり, 求めるだけの出力を LiB が供給する間はシステムを稼 働することができる. システムとしては, 負荷側の抵抗値を変化させることにより放電電流が制御される. 放電末期に近づくとシステムの要求する電圧の維持が困難となり始め, ついには出力を取り出せなくなるが, これは主な要因として放電末期では LiB 内部のイオン拡散が追従し難くなり内部抵抗が増加すること, そして開放電圧が下がることが挙げられる. 式 (2) に示されるように,P は開放電圧 V 0 [V] から内部抵抗 R[Ω] と電流 I の積を引くことにより表記できる. そのため, ユーザーが LiB の性能を評価するためには,Q および R を把握すればよい. E Pdt P V I ( V 0 ( V Q) V average R I) I (2) Q (1) 本研究では LiB の劣化後の Q および R をユーザーが LiB の性能を評価するために必要な指標として定義し,LiB の使用による Q および R の劣化をモデル化し, 劣化モデルによって予測される Q および R の評価モデルを開発する. 4. 電池性能の劣化のモデル化 4.1. 18650 型リチウムイオン電池の劣化加速試験本節では,LiB の使用条件と劣化進行の相関の有無を得ることを目的として,18650 型 LiB の劣化加速試験の結果についてデータ解析を行う. 実験の設定条件を Table 1 に示す.Table 1 は, 本論文執筆時点における実験セルのサイクル数と経過後日数を記したものである. なお, 本研究でのサイクル数は累積放電量を LiB の定格容量で割ることにより無次元化した値である. 劣化形式として, 充放電を行いながらセルを劣化させるサイクル劣化と, 充放電を行わずに劣化させる保存劣化 ( 経年劣化 ) を設定した. サイクル劣化させたセルは SOC の変動幅を 100% として充放電を行ったセルと,20% として充放電を行ったセルの 2 種類を設定し, さらに,SOC の変動幅を 100% としたセルは Constant Current Constant Voltage (CCCV) および Constant Current (CC) の 2 種類の充電形式を設定した. また,SOC の変動幅を 20% としたセルは 4 段階の SOC 帯域を設定した. サイクル劣化させたセルの充放電レートは 1C である. 保存劣化させたセルは,3 段階の SOC で劣化実験を行った. そして, それぞれの実験を実験温度 25 と 50 の環境下で行った. 430 自動車技術会論文集
Table 1 Degradation conditions of LiB Cycle degradation [cycles] SOC range 25[ ] 50[ ] 100[%](CVCC) 1700 1500 100[%](CC) 1700 1700 5.0-25[%] 880 880 25-45[%] 880 880 45-65[%] 880 880 65-85[%] 880 880 Aging degradation [days] SOC 25[ ] 50[ ] 100[%] 355 355 90[%] 355 355 70[%] 355 355 4.2. 劣化モデルの構築 (1) 容量, 内部抵抗の劣化モデルの構築 C-rate 1C 0 C 本節では容量と内部抵抗の劣化についてそれぞれ本研究に おける暫定的な劣化モデルを構築し, 劣化モデルに基づいて劣化加速試験のデータ解析を行う. 式 (3) に容量劣化 ΔQ のモデルを示す. 本研究では,ΔQ をサイクル劣化による容量減少 ΔQ cycle と保存劣化 ΔQ time の和で表す.ΔQ cycle は LiB の充放電に起因する容量減少であり, 充電率 SOC, 温度 T[ ], 放電レート C[C] 等といった電池使用条件およびサイクル数に支配されるものとする.ΔQ time は経年劣化による容量減少であり電池使用条件によって決まる劣化速度と保存期間 ( 本研究では日数 ) に支配されるものとする.ΔQ other は LiB の充放電にも経年劣化にも起因しない容量減少とする. また式 (4) に示す内部抵抗劣化 ΔR も電池使用条件とサイクル劣化によって求まる内部抵抗の増加分 ΔR cycle, 保存劣化による増加分 ΔR time および ΔR other の和で表す.ΔR cycle はΔQ cycle と同様に充電率 SOC, 温度 T[ ], 放電レート C[C] 等といった電池使用条件およびとサイクル数に起因する内部抵抗増加分であり,ΔR time は電池使用条件によって決まる劣化速度と保存期間に起因する内部抵抗増加分である.ΔR other は LiB の充放電, 経年劣化どちらにも起因しない内部抵抗の増加分である. 保存劣化速度を算出するモデルを構築した. 式 (6) において, K は LiB の劣化度,A は定数,E a はリチウムの活性化エネルギー,R は気体定数,T は絶対温度を表す. 温度 T 0 (=25 ), T 1 (=50 ) において, 劣化度 K 0,K 1 を実験でそれぞれ測定することにより, 同じ保存電圧におけるリチウムの活性化エネルギー E a を求めることが出来る. 式 (7) では式 (6) で導出した E a と基準温度 T 0 における劣化度 K 0 を用いて, 任意の温度 T における劣化度 K を求めることが出来る. 本研究では SOC が 100%, 90%, 70% で保存させた場合の LiB の実験データを以上の手法により補完した. Ea K A* exp( ) (5) RT E a ln( K0) ln( K1) R * 1 1 T T 1 0 (6) Ea 1 1 K exp* * K0 (7) R T0 T Fig 2 にSOC70% で保存劣化させた LiB の180 日後,250 日後, 320 日後における各温度帯域下の電池の劣化速度を示す.Fig 2 は温度が高いほど劣化速度は大きくなり, 経過後日数が長くなるほど劣化速度が小さくなることを示している. 温度が高くなることにより, 活性化エネルギーを超えるリチウムの総量が多くなり反応が促進されることが, 劣化速度増加の原因と考えられる. また, 経過後日数が長くなるほど劣化速度が小さくなっていることに関しては, 反応物質の減少とともに本要因による容量劣化の進行が収束しつつある可能性を示している. これは, 保存劣化が時間の平方根に比例する法則 (10) と整合している. Q Q R R cycle cycle Q R time time Q R other other (4) (3) (2) 劣化モデル化のための実験データの補完法本項では劣化モデル化のための実験データの補完について述べる. 始めに, 時間依存の劣化 ( 以下, 保存劣化 ) に関する劣化の補完法について説明する. 劣化加速試験によって得た 25 と 50 における劣化後容量率と式 (5) に示すアレニウスの式を用いることにより, 実験条件におけるリチウムの活性化エネルギーを導出した. そして,2 点の温度における劣化速度と, 活性化エネルギーをもとに, 任意の温度帯域における Fig 2 Capacity degradation speed また,Table 2 に SOC100%,90%,70% における保存劣化速度の例を示す.25,50 の実験温度下のセルは共に SOC の値 Vol.44,No.2,March 2013. 431
が大きくなるほど劣化速度が大きくなる.SOC の値が大きいほ どリチウムイオンのポテンシャルエネルギー値が大きくなるため, 化学反応が促進されることに起因すると説明できる. 一方で, 同じ SOC 帯域における 50 の温度環境下の保存劣化速度は,25 の温度環境下の保存劣化速度よりも大きい. 温度が高くなるほど劣化速度が大きくなる理由は前述のとおりであるが, 劣化速度に対する温度寄与度は SOC よりも大きいことを示唆している. その理由として, 式 (7) より, 劣化速度は温度が上昇すると指数的に増加するためである. 本研究における実験では, 温度が 8% 増加することにより (T 0 = 298[K], T 1 = 323[K]), 劣化速度がおよそ 5 倍となった. このことは, 長期的に使用することが期待されるインフラ用途の LiB システムを設計するうえで, あらためて温度上昇を防ぐ仕組みが劣化を抑えるために重要であることが確認できる. Table 2 Capacity degradation speed [%/day] (0C, 0 to 320 th day) SOC 25[ ] 50[ ] 100[%] 1.54E-02-90[%] 1.50E-02 5.13E-02 70[%] 1.21E-02 4.84E-02 次に, サイクル数依存の劣化について Fig 3 にサイクル劣化 速度算出の概念図を示す. サイクル数依存の劣化 ( 以下サイクル劣化という ) は, 温度や使用 SOC 帯域, 放電レートなど, サイクル劣化に関係する劣化要因によって決定される劣化速度 f Qc とサイクル数で求まる. 本研究でいうサイクル数とは, 累積放電量のことで, 累積放電量を定格容量で割った値を用いる. サイクル劣化実験によって測定した LiB の容量劣化分には保存劣化分も含まれるため, 本研究ではサイクル劣化させた LiB の容量減少分から保存劣化減少分を差し引くことでサイクル劣化に起因する容量減少分を導出した. 保存劣化分は前述の手法により導出したものである. 簡単のため, 本研究におけるサイクル劣化速度はサイクル数によらず一定の値であるとした. き (20%) の劣化速度と SOC 帯域については, 本論文の執筆時点では相関性が認められなかった. 一方,SOC 変動帯域が大きくなるほど劣化速度も大きくなっており,SOC 変動帯域が 0~100% のときの劣化速度は SOC 変動帯域幅を 20% で劣化させた LiB の劣化速度の 2.6~6.4 倍程度大きい. SOC 変動帯域幅を大きくすることにより活性リチウムイオンの減少や内部抵抗の増加が促進されたことを示唆している. サイクル数は累積放電量と同義であるため,SOC 範囲が違ってもほぼ同じ条件で比べられていると考える. Table 3 Capacity degradation speed (1C) SOC range[%] Cycle degradation speed [%/cycle] 5.0-25 6.27E-03 25-45 4.45E-03 45-65 3.74E-03 65-85 9.06E-03 0-100 2.38E-02 以上の操作で求めた時間依存の劣化速度とサイクル数依存の劣化速度それぞれについて容量減少分を導出し, 両者により容量減少 ΔQ を求める. 保存劣化に関しては温度帯域ごとの SOC 滞在時間比率と保存劣化速度を掛け合わせた値の総和を取ることにより保存劣化寄与の容量減少分を導出する. サイクル劣化に関しては一例として放電レート帯域ごとの放電量と劣化速度を掛け合わせた値の総和をとることにより容量減少分を求める. 内部抵抗増加分 ΔR についても容量劣化 ΔQ と同様に, 保存劣化による内部抵抗の増加速度 f Rt とサイクル劣化による内部抵抗の増加速度 f Rc のデータベースを構築する.Fig 4に内部抵抗増加速度計算の概念図を示す.f Rt および f Rc は使用温度や保存電圧, 放電レートなどの劣化因子によって決定される値である. それぞれサイクル数, 保存期間に基づく変数を掛けることにより, 保存劣化に起因する内部抵抗増加分 ΔR time およびサイクル劣化に起因する内部抵抗増加分 ΔR cycle を求めるものとする. Fig 3 Concept of calculating degradation speed of capacity 一例として, サイクル数が 880 回のときの SOC 変動帯域幅が 20% のセルのサイクル数依存の劣化速度と, サイクル数が 900 回のときの SOC 変動帯域が 0~100% のセルのサイクル数依存の劣化速度を Table 3 に示す. SOC 変動帯域幅が同じと Fig 4 Concept of calculating degradation speed of internal resistance Table 4に 25 でサイクル劣化させた LiB の内部抵抗の増加速度を示す. SOC の値が大きくなるほど, サイクル劣化に寄
与する内部抵抗の増加速度も大きくなる傾向を表しており, このことは SOC と内部抵抗の増加速度に正の相関があることを示唆している. 容量減少におけるメカニズムで説明したように,SOC が大きくなることにより, 負極表面で樹脂被膜が生成される反応に必要な活性化エネルギーを超えるポテンシャルを持つ分子が増加することで, 樹脂被膜生成が促進されたこと, そのためにリチウムイオンが負極表面を通過しにくくなったことが原因である (1). Table 4 Internal resistance degradation speed at 25 SOC range Cycle degradation speed [%/cycle] 5.0-25[%] 1.66E-02 25-45[%] 2.47E-02 45-65[%] 1.83E-02 65-85[%] 2.92E-02 (3) 検証結果 劣化モデルの検証のために, 実験温度 25,SOC 変動帯域 65-85% でサイクル劣化させた LiB について, 経過日数 124 日 目における劣化データを用いて推定した 283 日目における容 量率と実際の測定値の比較を Table 5 に示す. なお, 経過日 数には東日本大震災の影響により劣化加速試験を行っていない期間も含まれている. 容量率に関する推定値と実際の測定値の差は 0.4% であった. 同様に,131 日目におけるデータを用いて推定した 285 日目における内部抵抗率と実際の測定値の比較を Table 6 に示す. 内部抵抗率に関する推定値と実際の測定値の差は 3% であった. 本研究で構築した劣化モデルによる推定は, おおよそ実際の推定値と一致しているといえる. Table 5 Comparison of measured value and forecasted value of capacity ratio day 124 283 Measured value 97.24 91.40 Forecasted value 97.24 91.00 Table 6 Comparison of measured value and forecasted value of internal resistance ratio Day 131 285 Measured value 111 132 Forecasted value 111 135 5. 結論 本研究では,LiB のユーザーにとって性能評価指標として重 要となるエネルギー密度と出力密度について, 性能評価モデルを構築する事ができた. 今後の展望として第一に LiB の実験データを整備し, より高い精度で使用条件と電池の劣化の相関を明らかにすることで, 残存性能評価モデルを向上させていく. 同一の使用条件の LiB の劣化に以前の使用環境が及 ぼす影響などを実験により明らかにする. 第二に, 微小短絡や電極剥離などの例外的な劣化が起きた LiB のデータを収集し, 統計的手法を用いることにより異常劣化の診断手法において容量減少と内部抵抗増加の挙動から評価対象電池の性能を評価する手法を開発する. 第三に, それらの成果を EV 搭載電池等の実際に使用されている電池に適用し, 劣化性能予測法を構築していく. 謝辞本研究における18650 型 LiB の劣化加速試験は財団法人日本自動車研究所 (JARI)FC EV 研究部性能研究グループと共同で実施した. 当研究グループの方々に深謝の意を表する. 参考文献 (1) W.Imamura: Capacity fade model of Lithium-ion batteries for Practical usej. Vetter, P. Novák, M. R. Wagner, C. Veit, K. -C. Möller, J. O. Besen-hard, M. Winter, M. Wohlfahrt-Mehrens, and C. Volger, A. Hammouche : Ageing mechanisms in lithium-ion batteries : Journal of Power Sources, Vol. 147, p. 269-281 (2005). (2) M. Broussely, Ph. Biensan, F. Bonhomme, Ph. Blanchard, S. Herreyre, K. Nechev, and R. J. Staniewicz: Main aging mechanisms in Li ion batteries: Journal of Power Sources, Vol. 147, p. 90-96 (2005). (3) Soo Seok Choi and Hong S. Lim: Factors that affect cycle-life and possible degradation mechanisms of a Li-ion cell based on LiCoO2: Journal of Power Sources, Vol. 111, p. 130-136 (2002). (4) Kazuhiko Takeno, Masahiro Ichimura, Kazuo Takano, and Junichi Ymakai: Influence of cycle capacity deterioration and storage deterioration on Li-ion batteries used in mobile phones: Journal of Power Sources, Vol. 142, p. 298-305 (2005). (5) S. S. Zhang, K. Xu, and T. R. Jow: Charge and discharge characteristics of a commercial LiCoO2-based 18650 Li-ion battery: Journal of Power Sources, Vol. 160, p. 1403-1409 (2006). (6) P. Ramadass, Bala Haran, Ralph White, and Branko N. Popov: Capacity fade of Sony 18650 cells cycled at elevated temperatures Part 1. Cycling performance: Journal of Power Sources, Vol. 112, p. 606-613 (2002) (7) Kazuo Onda, Takamasa Ohshima, Masato Nakayama, Kenichi Fukuda, Takuto Araki: Thermal behavior of small lithium-ion battery during rapid charge and discharge cycles: Journal of Power Sources, Vol. 158, p.535-542 (2006) Vol.44,No.2,March 2013. 433
(8)J. Vetter, P. Novak, M. R. Wagner, C. Veit, K-C. Moller, J. O. Basenhard, M. Winter, M. Wohlfahrt-Mehrens, C.Vogler, A. Hammouche: Aging mechanisms in lithium-ion batteries: Journal of Power Sources Vol.147, p.269-281, (2005) (9) N.terada, T.Yanagi, S.Arai, Yoshikawa, K.Ohta, N.Nakajima,A.Yanai, N.Arai: Development of lithium batteries for energy storage and EV applications: Lithium Battery Energy Storage Technology Research Association(LiBES) (10) 船渡寛人, 三原輝儀, 出口欣高, 初田匡之 : 電気自動車工学 (2010) 森北出版株式会社 434 自動車技術会論文集