OSEM ( Ordered Subsets Expectation Maximization ) OSEM フォルダ内の OSEM.exe を起動する Contribution Ratio ボタンを押すと 逐次近似法における確率分布の計算を行う ( やや時間がかかる場合がある ) Contribution Ratio による処理を行い画像が表示された後 Read Sino ボタンを押し 脳 PET 画像 ファイルを選択する
Slice Number の下のテキストボックスにスライス番号を記載 (35~45 程度が良い ) して Select Slice ボタンを押す
OSEM ボタンを押すと再構成画像が出力される ボタンを押す毎に近似画像が出力される
SPECT( Single Photon Emission CT ) PET( Positron Emission CT ) の原理断層画像を得る方法フィルタ重畳逆投影法 FBP ( Filtered Back Projection ) 逐次近似再構成法 Iterative Reconstruction MLEM ( Maximun Likelihood Expectation Maximization ) OSEM ( Ordered Subsets Expectation Maximization )
逐次近似法 サイノグラム λ[ yi ] [ yj ] 再構成画像 μ[ i ] [ j ] 4 次元の変数に よる繰り返し計算
再構成画像 μ の 画素 [128] [10] に対する サイノグラム λ[ yi ] [ yj ] への寄与率 ( 検出確率 )
再構成画像 μ の 画素 [128] [128] に対する サイノグラム λ[ yi ] [ yj ] への寄与率 ( 検出確率 )
再構成画像 μ の 画素 [ i ] [ j ] に対する サイノグラム λ[ yi ] [ yj ] への寄与率 ( 検出確率 ) は 4 次元配列 C [ i ][ j ][ yi ][ yj ] となる λ=σc μ サイノグラム = Σ( 検出確率 x 再構成画像 ) 正確に記述すると i j λ[ yi ] [ yj ] =ΣΣ C[ i ] [ j ][ yi ][ yj ] μ k [ i ][ j ] μ k [ i ][ j ] は k 番目の繰り返し計算後の画像
測定したサイノグラム λ と再構成画像 μ ( 初期値は 全画素値 1) について λ/(σ C μ) を求める λ/(σ C μ) = 真のサイノグラム / 画像 μ から推定されるサイノグラム 推定画像 μの画素値が 真の値より大きすぎると λ/(σ C μ) は 1 未満になる 推定画像 μの画素値が 真の値より小さすぎると λ/(σ C μ) は 1 以上になる
OSEM は yj ( サイノグラムの角度成分 ) の計算ループを間引いて C (λ/(σ C μ)) / ΣC の値を求めて 次の推定画像 μの画素値を算出 例えば yj が 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8 の 9 方向で subsets を 3 に設定すれば まず yj = 0, 3, 6 の値で μ k を計算する 次に yj = 1, 4, 7 の値で μ k を基に μ k+1 を計算する 更に yj = 2, 5, 8 の値で μ k+1 を基に μ k+2 を計算する 計算量は MLEM の 1 回繰り返しと同量だが MLEM を 3 回繰り返した場合と同等の画像を得られる
平成 27 年国家試験解答 2
そこで まず右方向への透視データの合計を算出 それを断層画像 ( この問題では 2x2 の画素数 ) のすべてに同じ画素値が入っているという初期条件を考える 断層画像の投影データ Pθ の値の合計は どの角度 θ でも だいたい同じ程度の値になるはず 逐次近似法を計算するには 初めに適当な初期値が 断層画像の画素に入っていなければならない
断層画像の画素すべてに画素値 5 が入っているという初期条件で 右方向への透視データを算出する 正しい投影データ Pθ と 初期条件での投影データの差分を算出 その差を 透視した画素の数で割って それぞれ透視した画素の画素値に加える
このように 逐次 投影データと整合する断層画像を計算する方法が 逐次近似画像再構成法 次に 透視の向き θ を下方向にして 同様の計算 正しい下向き投影データ Pθ と 計算途中の断層画像の下向き投影データの差分を算出 その差を 透視した画素の数で割って それぞれ透視した画素の画素値に加える
OSEM 計算結果 Subsets 2 繰り返し計算回数 k k = 0 k = 2 k = 4 k = 10 k = 20 サイノグラム ( 横から測定した全方向からのデータ ) から 確率の高い断面像を逐次推定していく
SPECT projection SPECT_recon.exe を起動し open file から同フォルダ内にあるいずれかの projection ファイルを選択する projection: 投影 max で明るさ可変 それぞれのスライドバーで断面可変 元のデータは左の projection それから右の sinogram を作っている
赤線が何を指しているか理解してください (projection と sinogram の関係を理解する ) 右の赤線の位置での projection 左の赤線の位置での sinogram Recon をクリックすると 再構成が開始され しばらくすると断面像ができる
前処理フィルタを選択フィルタは左下に表示される 表示させるものを選択赤枠は sinogram の赤線に対応 赤線と赤枠の関係を理解してください
Rotate Projection は Sinogram Projection を回転させたもの これらを重ね合わせることで 断面像が得られる Summed image を check すれば断面像が見られる Filter を変えてみて それぞれの画像を確かめてください
projection ファイルを読み込んだ直後に projection 画像をクリックすると その部分の集積を欠損させる SPECT_recon.exe の操作説明は以上です
心筋画像処理 Graphic.exe を起動し Read sino ボタンを押して プログラムフォルダ内の 心臓ファントム ファイルを開く Load Filter ボタンを押し プログラムフォルダ内の RealSheppLogan256_05.txt を選択する Recon ボタンを押し 画像再構成を行う ( やや時間が掛る場合がある )
プログラムフォルダ内の 心臓ファントム ファイルはこのような心筋 肝ファントムの像である
左室心筋の像を切り直す演習 左室の長軸に合わせて切り直した 3 種類の断面像を作成する 短軸断層像長軸矢状断層像長軸水平断層像
Reslice ボタンを押し 画素のピクセルサイズと厚さの調節を行う Set ROIXY ボタンを押し 関心領域 (ROI) の初期化を行う
SliceXY を調整し 心臓軸が把握できる高さに設定する
左上の画像をクリックし 心底部から心尖部にかけてドラッグする 心底部から心尖部へ 間違った場合は再度 Set ROIXY を押しやり直す
ROIXY Xrange ROIXY Yrange を変化させ ROI の大きさを調節する また ROI をドラッグし適切な位置に配置する
再度 SliceXY を変化させて心臓全体が ROI 内に入っている事を確認する
ROI 設定完了後 TrimingXY ボタンを押して断面の切りなおしを行う また Set ROIXZ ボタンを押して ROI の初期化を行う SliceXZ を変化させ 左下の画像において心軸の分かるスライスを探す
左下の画像をクリックし 心底部から心尖部にかけてドラッグする 心底部から心尖部 間違った場合は再度 Set ROIXZ を押しやり直す
ROIXZ Xrange ROIXZ Yrange を変化させ ROI の大きさを調節する また ROI をドラッグし適切な位置に配置する
再度 SliceXZ を変化させて心臓全体が ROI 内に入っている事を確認する
ROI 設定完了後 TrimingXZ ボタンを押して断面の切りなおしを行う vertical horizontal short axis を変化させるとそれぞれの心軸断面が得られる
SPECT の流れ 収集 シンチレーションカメラ 再構成 コンピュータ処理 フィルタの選択 再構成方法の選択 断層像を作ること 表示 フィルム, モニタなど
問 1: 正面 planar 像
問 1 解答 2 正面 planar 像は どの核種を用い た画像でしょうか? 1) 201 TlCl 2) 99m Tc-Tetrofosmin 3) この画像のみでは判断困難
心筋血流製剤の分布状態 201 Tl 99m Tc-Tetrofosmin 5 min. 15 min.
問 2 40 歳代男性 安静時心筋血流 SPECT 99m Tc-Tetrofosmin 740MBq
問 2 解答 2 安静時心筋血流 SPECT 画像の異常所見をどう評価しますか? 1) 右冠動脈病変による下壁心筋梗塞 2) アーチファクトの可能性が大きい 3) 判断は困難
問 2 40 歳代男性 安静時心筋血流 SPECT 99m Tc-Tetrofosmin 740MBq
問 2 Projection data (Ant) FBP 40 歳代男性 安静時心筋血流 SPECT 99m Tc-Tetrofosmin 740MBq
問 2 MLEM FBP MLEM: maximum likelihood-expectation maximization 40 歳代男性安静時心筋血流 SPECT 99m Tc-Tetrofosmin 740MBq
問 3 解答 1 SPECT 画像を2 種類呈示します 180 度収集法と360 度収集法は 左右のいずれでしょうか 1) 左 180 度法 右 360 度法 2) 左 360 度法 右 180 度法 3) 判断は困難
問 3 左側の SPECT 右側の SPECT
180 度法と 360 度収集法の特徴 180 度収集 : コントラストが強調される 360 度収集 : 欠損のコントラストが低下アーチファクトが少ない定量的な評価に適する
問 4 解答 2 安静時心筋血流 SPECT 画像の異常所見をどう評価しますか? 1) 梗塞心筋の可能性が大きい 2) アーチファクトの否定が必要である 3) 判断は困難
問 4 40 歳代男性 安静時心筋血流 SPECT 99m Tc-Tetrofosmin 740MBq
問 4 呈示した SPECT 画像の投影データ 体動補正ソフトウェア 検出器 1 検出器 2 1 pixel= 5.9 mm 40 歳代男性 安静時心筋血流 SPECT 99m Tc-Tetrofosmin 740MBq