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CHAPTER 1 この章では Cisco NX-OS のマルチキャスト機能について説明します この章は 次の内容で構成されています (P.1-1) マルチキャスト機能のライセンス要件 (P.1-10) その他の関連資料 (P.1-11) IP マルチキャストは ネットワーク内の複数のホストに同じ IP パケットセットを転送する機能です IPv4 ネットワークで マルチキャストを使用して 複数の受信者に効率的にデータを送信できます マルチキャストは マルチキャストデータの配信機能と 送信元および受信者の検出機能からなり マルチキャストデータは グループと呼ばれる IP マルチキャストアドレス宛に送信されます 多くの場合 グループおよび送信元 IP アドレスを含むマルチキャストアドレスは チャネルと呼ばれます Internet Assigned Number Authority(IANA) では IPv4 マルチキャストアドレスとして 224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 を割り当てています 詳細については 次の URL を参照してください http://www.iana.org/assignments/multicast-addresses ( 注 ) マルチキャスト関連の RFC の一覧については 付録 A IP マルチキャストに関する IETF RFC を参照してください ネットワーク上のルータは 受信者からのアドバタイズメントを検出して マルチキャストデータの要求対象となるグループを特定します その後 ルータは送信元からのデータを複製して 対象の受信者へと転送します グループ宛のマルチキャストデータが送信されるのは そのデータを要求する受信者を含んだ LAN セグメントだけです 図 1-1 に 1 つの送信元から 2 つの受信者へと マルチキャストデータを送信する場合の例を示します この図で 中央のホストが属する LAN セグメントにはマルチキャストデータを要求する受信者が存在しないため このホストは受信者にデータを転送しません 1-1

図 1-1 1 つの送信元から 2 つの受信者へのマルチキャストトラフィック 183258 ここでは 次の内容について説明します マルチキャスト配信ツリー (P.1-2) マルチキャスト転送 (P.1-4) Cisco NX-OS の PIM (P.1-5) IGMP (P.1-8) IGMP スヌーピング (P.1-8) ドメイン内マルチキャスト (P.1-8) MRIB (P.1-9) マルチキャスト配信ツリー マルチキャスト配信ツリーとは 送信元と受信者を中継するルータ間の マルチキャストデータの伝送パスを表します マルチキャストソフトウェアはサポートするマルチキャスト方式に応じて タイプの異なるツリーを構築します ここでは 次の内容について説明します 送信元ツリー (P.1-2) 共有ツリー (P.1-3) 送信元ツリー 送信元ツリーは ネットワーク経由でマルチキャストトラフィックを伝送する場合の最短パスです 送信元から特定のマルチキャストグループへと送信されたマルチキャストトラフィックが 同じグループにトラフィックを要求する受信者へと転送されます 送信元ツリーは 最短パスとしての特性から Shortest Path Tree(SPT; 最短パスツリー ) と呼ばれることがあります 図 1-2 に ホスト A を起点とし ホスト B および C に接続されているグループ 224.1.1.1 の送信元ツリーを示します 1-2

図 1-2 送信元ツリー A 224.1.1.1 192.0.2.1 A B D F C E 192.0.2.2 192.0.2.3 B C 183259 (S, G) は グループ G の送信元 S から送信されるマルチキャストトラフィックを表します 図 1-2 の SPT は (192.1.1.1, 224.1.1.1) と書き表されます 同じグループの複数の送信元からトラフィックを送信できます 共有ツリー 共有ツリーとは 共有ルート つまり Rendezvous Point(RP; ランデブーポイント ) から各受信者に ネットワーク経由でマルチキャストトラフィックを伝送する共有配信パスを表します (RP は各送信元への SPT を作成します ) 共有ツリーは RP Tree(RPT; RP ツリー ) とも呼ばれます 図 1-3 に ルータ D を RP とする場合の グループ 224.1.1.1 の共有ツリーを示します データはホスト A およびホスト D からルータ D(RP) に送信され そこから受信者ホスト B およびホスト C にトラフィックが転送されます 1-3

図 1-3 共有ツリー A 224.2.2.2 D 192.0.2.1 A B D RP F 192.0.2.4 C E 192.0.2.2 192.0.2.3 B C 183260 (*, G) は グループ G の任意の送信元から送信されるマルチキャストトラフィックを表します 図 1-3 の共有ツリーは (*, 224.2.2.2) と書き表されます マルチキャスト転送 マルチキャストトラフィックは任意のホストを含むグループ宛に送信されるため ルータは Reverse Path Forwarding(RPF) を使用して グループのアクティブな受信者にデータをルーティングします 受信者がグループに加入すると 送信元方向へ向かうパス (SSM モードの場合 ) または RP 方向へ向かうパス (ASM モードの場合 ) が形成されます 送信元から受信者へのパスは 受信者がグループに加入したときに作成されたパスと逆方向になります マルチキャストパケットが着信するたびに ルータは RPF チェックを実行します 送信元に接続されたインターフェイスにパケットが着信した場合は グループの Outgoing Interface(OIF; 発信インターフェイス ) リスト内の各インターフェイスからパケットが転送されます それ以外の場合 パケットはドロップされます 図 1-4 に 異なるインターフェイスから着信したパケットについて RPF チェックを行う場合の例を示します E0 に着信したパケットは RPF チェックに失敗します これは ユニキャストテーブルで 対象の送信元ネットワークがインターフェイス E1 に関連付けられているためです E1 に着信したパケットは RPF チェックに合格します これは ユニキャストルートテーブルで 対象の送信元ネットワークがインターフェイス E1 に関連付けられているためです 1-4

図 1-4 RPF チェックの例 209.165.200.225 RPF 192.0.2.0/24 E0 209.165.200.224/27 E1 E0 E1 209.165.200.225 RPF 183262 Cisco NX-OS の PIM Cisco NX-OS は Protocol Independent Multicast(PIM) スパースモードを使用したマルチキャストをサポートします PIM は IP ルーティングプロトコルに依存せず 使用されているすべてのユニキャストルーティングプロトコルが提供するユニキャストルーティングテーブルを利用できます PIM スパースモードでは ネットワーク上の要求元だけにマルチキャストトラフィックが伝送されます Cisco NX-OS では PIM デンスモードはサポートされません ( 注 ) このマニュアルで PIM という用語は PIM スパースモードバージョン 2 を表します マルチキャストコマンドにアクセスするには PIM 機能をイネーブルにする必要があります ドメイン内の各ルータのインターフェイス上で PIM をイネーブルにしないかぎり マルチキャスト機能はイネーブルになりません PIM は IPv4 ネットワーク用に設定できます デフォルトでは IGMP がシステムで実行されています マルチキャスト対応ルータ間で使用される PIM は マルチキャスト配信ツリーを構築して ルーティングドメイン内にグループメンバシップをアドバタイズします PIM は 複数の送信元からのパケットが転送される共有配信ツリーと 単一の送信元からのパケットが転送される送信元配信ツリーを構築します 配信ツリーは リンク障害またはルータ障害のためにトポロジが変更されると トポロジを反映して自動的に変更されます PIM は マルチキャスト対応の送信元と受信者の両方を動的に追跡します ルータはユニキャストルーティングテーブルおよび RPF ルートを使用して マルチキャストを実行するためのマルチキャストルーティング情報を生成します ( 注 ) このマニュアルでは IPv4 用の PIM という表現は Cisco NX-OS における PIM スパースモードの実装を表します PIM ドメインには IPv4 ネットワークを含めることができます 1-5

図 1-5 に IPv4 ネットワーク内の 2 つの PIM ドメインを示します 図 1-5 IPv4 ネットワーク内の PIM ドメイン D F RP A B RP A DR C DR E D DR B IGMP C IGMP MSDP 183263 次に 図 1-5 で示した PIM の要素について説明します 矢印の付いた直線は ネットワークで伝送されるマルチキャストデータのパスを表します マルチキャストデータは送信元ホストの A および D から発信されます 点線でつながれているルータ B および F は Multicast Source Discovery Protocol(MSDP) ピアです MSDP を使用すると 他の PIM ドメイン内にあるマルチキャスト送信元を検出できます ホスト B およびホスト C ではマルチキャストデータを受信するため Internet Group Management Protocol(IGMP; インターネットグループ管理プロトコル ) プロトコルを使用して マルチキャストグループへの加入要求をアドバタイズします ルータ A C および D は Designated Router(DR; 指定ルータ ) です LAN セグメントに複数のルータが接続されている場合は (C や E など ) PIM ソフトウェアによって DR となるルータが 1 つ選択されます これにより マルチキャストデータの窓口として 1 つのルータだけが使用されます ルータ B とルータ F は それぞれ異なる PIM ドメインの Rendezvous Point(RP; ランデブーポイント ) です RP は 複数の送信元と受信者を接続するため PIM ドメイン内の共通ポイントとして機能します 1-6

PIM は送信元と受信者間の接続に関して 2 つのマルチキャストモードをサポートしています Any Source Multicast(ASM) Source Specific Multicast(SSM) Cisco NX-OS では上記モードを組み合わせて さまざまな範囲のマルチキャストグループに対応することができます マルチキャスト用の RPF ルートを定義することもできます ここでは 次の内容について説明します ASM (P.1-7) SSM (P.1-7) マルチキャスト用 RPF ルート (P.1-7) ASM Any Source Multicast(ASM) は PIM ツリー構築モードの 1 つです 新しい送信元および受信者を検出する場合には共有ツリーを 受信者から送信元への最短パスを形成する場合は送信元ツリーを使用します 共有ツリーでは Rendezvous Point(RP; ランデブーポイント ) と呼ばれるネットワークノードをルートとして使用します 送信元ツリーは第 1 ホップルータをルートとし アクティブな発信元である各送信元に直接接続されています ASM モードでは グループ範囲に対応する RP が必要です RP は静的に設定することもできれば Auto-RP プロトコルまたは Bootstrap Router(BSR; ブートストラップルータ ) プロトコルを使用して グループと RP 間の関連付けを動的に検出することもできます RP を設定する場合 デフォルトモードは ASM モードです ASM の設定方法については ASM の設定 (P.3-15) を参照してください SSM Source-Specific Multicast(SSM) は マルチキャスト送信元への加入要求を受信する LAN セグメント上の指定ルータを起点として 送信元ツリーを構築する PIM モードです 送信元ツリーは PIM 加入メッセージを送信元方向に送信することで構築されます SSM モードでは RP を設定する必要がありません SSM モードの場合 PIM ドメインの外部にある送信元と受信者を接続できます SSM の設定方法については SSM の設定 (P.3-26) を参照してください マルチキャスト用 RPF ルート スタティックマルチキャスト RPF ルートを設定すると ユニキャストルーティングテーブルの定義内容を無効にすることができます この機能は マルチキャストトポロジとユニキャストトポロジが異なる場合に使用されます マルチキャスト用 RPF ルートの設定方法については マルチキャスト用 RPF ルートの設定 (P.3-28) を参照してください 1-7

IGMP デフォルトでは PIM の Internet Group Management Protocol (IGMP; インターネットグループ管理プロトコル ) が システムで実行されています IGMP プロトコルは マルチキャストグループのメンバシップを要求するため マルチキャストデータを受信する必要があるホストで使用されます グループメンバシップが確立されると 対象のグループのマルチキャストデータが要求元ホストの LAN セグメントに転送されます インターフェイスには IGMPv2 または IGMPv3 を設定できます SSM モードをサポートする場合は IGMPv3 を使用するのが一般的です デフォルトでは IGMPv2 がイネーブルになっています IGMP の設定については 第 2 章 IGMP の設定 を参照してください IGMP スヌーピング IGMP スヌーピングは VLAN で既知の受信者に接続された一部のポートだけにマルチキャストトラフィックを転送する機能です 対象ホストからの IGMP メンバシップレポートメッセージを調べる ( スヌーピングする ) ことにより マルチキャストトラフィックは対象ホストが接続された VLAN ポートだけに送信されます システムでは IGMP スヌーピングがデフォルトで稼動しています IGMP スヌーピングの設定方法については 第 4 章 IGMP スヌーピングの設定 を参照してください ドメイン内マルチキャスト SSM MSDP Cisco NX-OS では PIM ドメイン間でマルチキャストトラフィック送信を実行するための方法が提供されます ここでは 次の内容について説明します SSM (P.1-8) MSDP (P.1-8) PIM ソフトウェアは SSM を使用して 受信者の指定ルータから既知の送信元 IP アドレスへの最短パスツリーを構築します この場合 送信元は別の PIM ドメイン内にあってもかまいません ASM モードの場合 別の PIM ドメインから送信元にアクセスするには 別のプロトコルを使用する必要があります ネットワークで PIM をイネーブルにすると SSM を使用し 受信者の指定ルータが IP アドレスを把握している任意のマルチキャスト送信元への接続パスを確立できます SSM の設定方法については SSM の設定 (P.3-26) を参照してください Multicast Source Discovery Protocol(MSDP) は PIM と組み合わせて使用することで 異なる PIM ドメイン内にあるマルチキャスト送信元を検出できるようにするマルチキャストルーティングプロトコルです 1-8

( 注 ) Cisco NX-OS では MSDP 設定が不要な PIM Anycast-RP をサポートしています PIM Anycast-RP の詳細については PIM Anycast-RP セットの設定 (P.3-22) を参照してください MSDP の詳細については 第 5 章 MSDP の設定 を参照してください MRIB Cisco NX-OS IPv4 Multicast Routing Information Base(MRIB) は PIM や IGMP などのマルチキャストプロトコルで生成されるルート情報を格納するためのリポジトリです MRIB はルート情報自体には影響を及ぼしません MRIB は 各 Virtual Routing and Forwarding(VRF; 仮想ルーティングおよびフォワーディング ) インスタンスの独立したルート情報を維持しています 図 1-6 に Cisco NX-OS マルチキャストソフトウェアアーキテクチャのおもなコンポーネントを示します Multicast FIB(MFIB; マルチキャスト FIB) 配信 (MFDM)API は MRIB を含むマルチキャストレイヤ 2 およびレイヤ 3 コントロールプレーンモジュールと プラットフォームフォワーディングプレーン間のインターフェイスを定義します コントロールプレーンモジュールは MFDM API を使用してレイヤ 3 ルートアップデートおよびレイヤ 2 ルックアップ情報を送信します マルチキャスト FIB 配信プロセスは マルチキャスト更新メッセージをスイッチに配信します レイヤ 2 マルチキャストクライアントプロセス : レイヤ 2 マルチキャストハードウェア転送パスを構築します ユニキャストおよびマルチキャスト FIB プロセス : レイヤ 3 ハードウェア転送パスを管理します 1-9

マルチキャスト機能のライセンス要件 図 1-6 Cisco NX-OS マルチキャストソフトウェアのアーキテクチャ IGMP IGMP PIM MDSP MRIB URIB FIB API FIB 2 FIB 239116 マルチキャスト機能のライセンス要件 次に ライセンスを必要とするマルチキャスト機能を示します PIM MSDP 次に ライセンスが不要なマルチキャスト機能を示します IGMP IGMP スヌーピング Cisco NX-OS のライセンス方式の詳細については Cisco NX-OS Licensing Guide を参照してください 1-10

その他の関連資料 その他の関連資料 マルチキャストの実装に関する詳細情報については 次の項目を参照してください 関連資料 (P.1-11) 付録 A IP マルチキャストに関する IETF RFC シスコのテクニカルサポート (P.1-11) 関連資料 関連項目 参照先 CLI コマンド Cisco Nexus 3000 Series Command Reference シスコのテクニカルサポート 説明 Technical Assistance Center(TAC) ホームページ : 多数の技術関連の記事と 製品 テクノロジー ソリューション テクニカルティップス ツールへのリンクを提供する Web サイトです 必要な記事は検索して見つけることができます Cisco.com の登録ユーザであれば ログインしてさらに多くの情報を参照できます リンク http://www.cisco.com/public/support/tac/home.shtml 1-11

その他の関連資料 1-12