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Transcription:

Chapter 3. 空気調和設備の評価 1. 仕様を入力する空気調和設備の範囲 仕様を入力する空気調和設備の範囲は 図 3.1.1 に示すように 計算対象建物用途内に設置 されるすべての空気調和設備とする 図 3.1.1 仕様を入力する空気調和設備の範囲 ( 事務所等の例 ) 37

2. 評価の流れ モデル建物法入力支援ツールの入力項目と選択肢一覧を表 3.2.1 に示す また モデル建物法入力支援ツールの入力画面を図 3.2.1 入力手順を図 3.2.2 に示す 空気調和設備のモデル建物法入力支援ツールによる評価は 次の STEP0 ~ STEP3 の手順で行う STEP0 空気調和設備の評価の有無 ( 入力項目 )AC0: 空気調和設備の評価 STEP1 熱源システムの種類の選択 ( 入力項目 )AC1: 熱源システムの種類 STEP2 熱源機器 ( 冷房 暖房 ) の仕様の入力 ( 入力項目 )AC2: 熱源機種 ( 冷房 ) AC3: 熱源効率 ( 冷房 ) の入力方法 AC4: 冷房平均 COP( 一次エネルギー換算 ) AC5: 熱源機種 ( 暖房 ) AC6: 熱源効率 ( 暖房 ) の入力方法 AC7: 暖房平均 COP( 一次エネルギー換算 ) STEP3 外気処理に関わる制御の有無 ( 入力項目 )AC8: 全熱交換器の有無 AC9: 予熱時外気取入れ停止の有無 表 3.2.1 モデル建物法入力支援ツールの入力項目と選択肢一覧 ( 空気調和設備 ) 38

図 3.2.1 モデル建物法入力支援ツールの入力画面 ( 空気調和設備 ) 39

40 図 3.2.2 モデル建物法入力支援ツールでの入力手順 ( 空気調和設備 )

3. モデル建物法入力支援ツールによる評価の手順 準備設計図面の情報整理 空調設備設計図面( 機器表 系統図 平面図 自動制御図等 ) より 熱源機器 ( 冷房 暖房 ) の仕様 外気処理制御の有無を明らかにする STEP0 空気調和設備の評価の有無 空気調和設備の評価を行うかどうかを表 3.3.1 から選択して AC0: 空気調和設備の評価 に入力する 評価しない を選択した場合は 空気調和設備の一次エネルギー消費量は 基準値も設計値も 0 となる 表 3.3.1 AC0: 空気調和設備の評価 の選択肢選択肢評価しない評価する STEP1 熱源システムの種類の選択 STEP1 1: AC1: 熱源システムの種類 の選択 熱源システムの種類を表 3.3.2 より選択して AC1: 熱源システムの種類 に入力する 表 3.3.2 AC1: 熱源システム種類 の選択肢選択肢個別分散方式 ( 冷房のみ ) 個別分散方式 ( 暖房のみ ) 個別分散方式 ( 冷房および暖房 ) STEP2 熱源機器 ( 冷房 暖房 ) の仕様の入力 STEP2-1: 熱源機種 ( 冷房 ) の選択 STEP1 において 個別分散方式 ( 冷房のみ ) もしくは 個別分散方式( 冷房および暖房 ) を選択した場合は 熱源機種 ( 冷房 ) を表 3.3.3 の選択肢から選択して AC2: 熱源機種 ( 冷房 ) に入力する 複数の機種が混在する場合は 冷房定格能力を機種ごとに合計し その合計値が最大となる機種を選択する パッケージ型エアコンディショナ には 1 台の屋外機に複数台の室内機が接続されて個別に制御できる ビル用マルチエアコン も含むものとする 41

選択肢 表 3.3.3 AC2: 熱源機種 ( 冷房 ) の選択肢 パッケージ型エアコンディショナ ( 電気式 ) JIS B8616 で規定されたパッケージエアコンディショナ ( ただし 容量に制限はないものとする ) 等パッケージ型エアコンディショナ ( ガス式 ) JIS B8627 で規定されたガスヒートポンプ冷 ( 暖 ) 房機 ( ただし 容量に関する制限はないものとする ) 等ルームエアコン 適用 STEP2-2: AC3: 熱源効率 ( 冷房 ) の入力方法 の選択 熱源効率( 冷房 ) の入力方法を表 3.3.4 より選択して AC3: 熱源効率 ( 冷房 ) の入力方法 に入力する 導入される機器の仕様が未定である場合など 熱源効率が不明である場合は 指定しない を選択する 表 3.3.4 AC3: 熱源効率 ( 冷房 ) の入力方法 の選択肢選択肢指定しない数値を入力する STEP2-3: AC4: 冷房平均 COP( 一次エネルギー換算 ) の入力 STEP2-2 で 数値を入力する を選択した場合は 計算対象建物用途内のすべての熱源機器の冷房平均 COP( 一次エネルギー換算値 ) を算出し AC4: 冷房平均 COP( 一次エネルギー換算 ) に入力する 単位は無次元である 具体的な算出方法については Chapter 3. 空気調和設備の評価 4. 選択肢の判断方法 の 集計表 ( 空調 1: 冷房平均 COP 暖房平均 COP の算出 ) を参照すること STEP2-4: AC5: 熱源機種 ( 暖房 ) の選択 STEP1 において 個別分散方式 ( 暖房のみ ) もしくは 個別分散方式( 冷房及び暖房 ) を選択した場合は 熱源機種 ( 暖房 ) を表 3.3.5 から選択して AC5: 熱源機種 ( 暖房 ) に入力する 複数の機種が存在する場合やビル用マルチエアコンの扱いは STEP2-1 と同様とする 42

選択肢 表 3.3.5 AC5: 熱源機種 ( 暖房 ) の選択肢 パッケージ型エアコンディショナ ( 電気式 ) JIS B8616 で規定されたパッケージエアコンディショナ ( ただし 容量に制限はないものとする ) 等パッケージ型エアコンディショナ ( ガス式 ) JIS B8627 で規定されたガスヒートポンプ ( 冷 ) 暖房機 ( ただし 容量に制限はないものとする ) 等ルームエアコン FF 式暖房機すべての燃料 ( ガス 灯油等 ) を対象 適用 STEP2-5: AC6: 熱源効率 ( 暖房 ) の入力方法 の選択 STEP2-2 と同様に 熱源効率 ( 暖房 ) の入力方法を表 3.3.6 より選択して AC6: 熱源 効率 ( 暖房 ) の入力方法 に入力する 表 3.3.6 AC6: 熱源効率 ( 暖房 ) の入力方法 の選択肢選択肢指定しない数値を入力する STEP2-6: AC7: 暖房平均 COP( 一次エネルギー換算 ) の入力 STEP2-5 で 数値を入力する を選択した場合は STEP2-3 と同様に 計算対象建物用途内のすべての熱源機器の暖房平均 COP( 一次エネルギー換算値 ) を算出し AC7: 暖房平均 COP( 一次エネルギー換算 ) に入力する 単位は無次元である 具体的な算出方法については Chapter 3. 空気調和設備の評価 4. 選択肢の判断方法 の 集計表 ( 空調 1: 冷房平均 COP 暖房平均 COP の算出 ) を参照すること STEP3 外気処理に係わる制御の有無 STEP3 1: AC8: 全熱交換器の有無 の選択 全熱交換器の有無を表 3.3.7 の選択肢から選択し AC8: 全熱交換器の有無 に入力する 有無を判断するためには 表 3.3.7 の 適用 欄に示された取入れ外気量及び熱交換効率の条件に適合しているかを確認する必要がある 具体的な判断方法は Chapter 3. 空気調和設備の評価 4. 選択肢の判断方法 の 集計表 ( 空調 2: 外気処理に関わる制御の採用率の算出 ) を参照すること 43

選択肢 無 表 3.3.7 AC8: 全熱交換器の有無 の選択肢 適用 設置なしの場合 または下記条件を満たさない場合 有 ( バイパス制御なし ) 建物全体の取入外気量の 50% 以上に対して 熱交換効率が 50% 以上の全熱交換器を採用 有 ( 高効率かつバイパス制御あり ) 建物全体の取入外気量の 90% 以上に対して 熱交換効率が 70% 以上の全熱交換器及びバイパス制御 を採用 バイパス制御 とは 外気温度と室内温度の関係 外気温湿度と室内温湿度の関係 外気 エンタルヒ ーと室内空気エンタルヒ ーの関係等から 全熱交換をせす に直接外気を取り入れ た方が空調負荷が削減できると判断された場合に 自動的に直接外気を室内に取り込む制御 のこと STEP3 2: AC9: 予熱時外気取入れ停止の有無 の選択 予熱時外気取入れ停止の有無を表 3.3.8 から選択し AC9: 予熱時外気取入れ停止の有無 に入力する 予熱時外気取入れ停止 とは 空調の立ち上がり時で室内に人がいない場合に自動的に外気導入を停止して外気負荷削減を図る制御 ( ウォーミンク アップ制御ともいう ) のことである 有無を判断するためには 表 3.3.8 の 適用 欄に示された取入れ外気割合の条件に適合しているかを確認する必要がある 具体的な判断方法は Chapter 3. 空気調和設備の評価 4. 選択肢の判断方法 の 集計表 ( 空調 2: 外気処理に関わる制御の採用率の算出 ) を参照すること 表 3.3.8 AC9: 予熱時外気取入れ停止の有無 の選択肢 選択肢無 有 適用設置なしの場合 または下記条件を満たさない場合建物全体の取入外気量の 50% 以上に対して 予熱時外気取入れ停止を採用 44

4. 選択肢の判断方法 1) 集計表 ( 空調 1: 冷房平均 COP 暖房平均 COP の算出 ) 熱源機器の冷房平均 COP 暖房平均 COP を表 3.4.1 に示す集計表を用いて算出する方法を 示す なお 文中の丸数字は表 3.4.1 の最上部及び表中にある丸数字と対応している 関連する入力項目 AC4: 冷房平均 COP( 一次エネルギー換算 ) AC7: 暖房平均 COP( 一次エネルギー換算 ) 表 3.4.1 集計表 ( 空調 1: 冷房平均 COP 暖房平均 COP の算出 ) STEP1 仕様等の記入 STEP1 1: 熱源機器の仕様の記入 空調設備設計図面より 空調熱源機器の仕様を読み取り 1 機器名称 2 台数 3 一台当たりの定格能力 4 一台当たりの定格消費電力 5 一台当たりの定格燃料消費量 を記入する 1 機器名称 は任意の文字列で記入する 45

STEP1 2: 熱源効率の算出 各機器の一次エネルギー換算 COP を次式で算出し 6 COP( 一次エネルギー換算 ) に 記入する 6 COP( 一次エネルギー換算 ) = 3 定格能力 {( 4 定格消費電力 9760 3600)+ 5 定格燃料消費量 } STEP2 仕様の集計 STEP2-1: 熱源能力等の算出 各機器について 3 一台当たりの定格能力 に 2 台数 をかけた値を 7 定格能力 に 7 定格能力 に 6 COP をかけた値を 8 定格能力 COP に入力する これらは次の STEP において各機器の能力で重み付けした平均熱源効率を求めるために必要となる値である STEP2 2: 定格能力の集計 各機器の 7 定格能力 を合計して 9 合計 に値を記入する STEP2 3: 定格能力 COP の集計 各機器の 8 定格能力 COP を合計して 10 合計 に値を記入する STEP2 4: 冷房平均 COP 及び暖房平均 COP の算出 冷房平均 COP 暖房平均 COP は 各機器の COP を定格能力で重み付けして平均した値 とし 次式で算出して 11 冷房 ( 暖房 ) 平均 COP に記入する 11 冷房 ( 暖房 ) 平均 COP = 10 定格能力 COP の合計 9 定格能力の合計 46

2) 集計表 ( 空調 2: 外気処理に関わる制御の採用率の算出 ) 外気処理に関わる制御の採用率を表 3.4.2 に示す集計表を用いて算出する方法を示す なお 文中の丸数字は表 3.4.2 の最上部及び表中にある丸数字と対応している 関連する入力項目 AC8: 全熱交換器の有無 AC9: 予熱時外気取入れ停止の有無 表 3.4.2 集計表 ( 空調 2: 外気処理に関わる制御の採用率の算出 ) STEP1 仕様等の記入 STEP1 1: 外気取入用給排気送風機の仕様の記入 新鮮外気取入用の給排気送風機について 各機器の名称( 機器記号等 ) を 1 機器名称 に 台数を 2 台数 に記入する また 第 1 種換気または第 2 種換気の場合は 機器表の給気送風機の風量を 3 給気風量 に 第 3 種換気の場合は機器表の排気送風機の風量を 4 排気風量 に記入する STEP1 2: 全熱交換器の仕様の記入 全熱交換器について 各機器の名称( 機器記号等 ) を 1 機器名称 に 台数を 2 台数 に記入する また 全熱交換器の給気風量を 3 給気風量 に 排気風量を 4 排気風量 に記入する 47

STEP1 3: 全熱交換効率の記入 全熱交換器の冷房時と暖房時の全熱交換効率 ( エンタルヒ ー交換効率 ) を機器表またはメ ーカーカタロク から読み取り それぞれ 5 全熱交換器効率 効率暖房時 に記入する 冷房時 と 6 全熱交換器 STEP1 4: 全熱交換器のバイパス制御の有無の記入 全熱交換器におけるバイパス制御の有無を設計図面より読み取り 9 バイパス制御 に 無 または 有 を記入する STEP1 5: 予熱時外気取り入れ停止の有無の記入 予熱時外気取り入れ停止の有無を設計図面より読み取り 10 予熱時外気取り入れ停止 に 無 または 有 を記入する STEP2 仕様の集計 STEP2 1: 全熱交換器の熱交換効率の算出 全熱交換器の冷暖房時平均効率を算出し 7 全熱交換器効率冷暖房平均 に記入する 全熱交換器の冷暖房平均効率は冷房時と暖房時の効率の単純平均値であるとし 次式で算出する 7 全熱交換器効率冷暖房平均 =( 5 冷房時効率 + 6 暖房時効率 ) 2 全熱交換効率は給気風量と排気風量の風量比率で変化するため 次式で算出して 8 熱交 換効率 に記入する a) 3 給気風量 > 4 排気風量 の場合 8 熱交換効率 = 7 全熱交換器効率冷暖房平均 4 排気風量 3 給気風量 b) 3 給気風量 4 排気風量 の場合 8 熱交換効率 = 7 全熱交換器効率冷暖房平均 算出例 表 3.4.2 の HEX-1 の場合 給気風量が 500m3 /h であり排気風量 380m3 /h より大きいため 熱交換効率は 50.5%(= 全熱交換器の冷暖房平均効率 66.5% ( 排気風量 380m3 /h 給気風量 500m3 /h) となる 48

STEP2 2: 取入外気量合計の算出 取入外気量の合計を算出し 11 取入外気量合計 に記入する 取入外気量は第 1 種 第 2 種換気の場合は 次式で求める 11 取入外気量合計 = 3 給気風量 2 台数 第 3 種換気の場合の取入外気量は 次式で求める 11 取入外気量合計 = 4 排気風量 2 台数 各給排気送風機及び全熱交換器の取入外気量の合計を算出し その合計値を 11 取入外気 量合計 の最下行 13 合計 に記入する STEP2 3: 取入外気割合の算出 取入外気割合を算出し 12 取入外気割合 に記入する 各機器の取入外気割合は次式で算 出する 12 取入外気割合 = 11 取入外気量合計 13 計算対象建物の取入外気量合計 100 判断の例 表 3.4.2 の記載例では 熱交換効率が 70% 以上の全熱交換器はなく 建物全体の取入外気量の 84.3% で熱交換効率が 50% 以上の全熱交換器を採用していることから 表 3.3.7 より AC8: 全熱交換器の有無 は 有 ( バイパス機能なし ) とする また 新鮮外気導入のための機器 ( 全熱交換器 給気送風機 ) すべてにおいて予熱時外気取入れ停止を採用していることから 表 3.3.8 より AC9: 予熱時外気取入れ停止の有無 は 有 とする 49