社団法人日本臓器移植ネットワーク

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平成27年度事業計画書

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平成 29 年度定期監査 ( 第 1 回 ) の結果報告に基づき講じた措置内容等 墨田区長 監査委員意見について 監 査 結 果 の 内 容 措 置 内 容 (1) 事務処理の適正化について今回の監査では指摘事項に該当する事例はなかったものの 指導 注意事項の事例については これまでの重ねての指摘に

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2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

OTEMON GAKUIN

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

報道関係各位

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別紙 ( 国内における臓器等移植について ) Q1 一般の移送費の支給と同様に 国内での臓器移植を受ける患者が 療養の給付を受けるため 病院又は診療所に移送されたときは 移送費の支給を行うこととなるのか 平成 6 年 9 月 9 日付け通知の 健康保険の移送費の支給の取扱いについて ( 保険発第 1

3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

また 営業秘密の取扱いについても 社内の規程を整備することが秘密情報の流出時に法的保護を受ける上で重要であることから 今回の職務発明規程の整備に併せて 同期間 IN PITでは 営業秘密管理規程を含む企業の秘密情報管理体制の構築に関する情報提供や周知活動も積極的に行っていきます ( 本発表資料のお問

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

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( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

第3章 指導・監査等の実施

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

監査の結果に基づき講じた措置

施策吊

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

Ⅱ. 主な内容 第 1 部公益法人の概況 1. 法人数 平成 29 年 12 月 1 日の公益法人は 9,493 法人 ( 前年比 +35) である 公益法人数の変動は 公益認定又は移行認定により増加し 法人の解散 公益認定の取消し及び合併に伴う減少がある ( 注 ) 公益認定 : 一般法人で公益認

児童虐待防止対策体制総合強化プラン 平成 30 年 12 月 18 日 児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡会議決定 1. 目的 2016 年 5 月に全会一致で成立した児童福祉法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 63 号 以下 平成 28 年改正法 という ) においては 子ども

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

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三鷹市健康福祉総合計画2022

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寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院医療に係る安全管理のための指針 第 1 趣旨本指針は 医療法第 6 条の10の規定に基づく医療法施行規則第 1 条の11 の規定を踏まえ 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 ( 以下 センター病院 という ) における医療事故防止について組織的に

資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

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移植治療による効果と危険性について説明し 書面にて移植の同意を得なければならない 意識のない患者においては代諾者の同意を得るものとする 6 レシピエントが未成年者の場合には 親権者からインフォームド コンセントを得る ただし 可能なかぎり未成年者のレシピエント本人にも分かりやすい説明を行い 可能であ

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

平成22 年 11月 15日

岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

平成 29 年度事業計画書 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで 特定非営利活動法人全国ストップ ザ ロコモ協議会 1. 事業実施の方針平成 29 年度も 平成 28 年度と同様に運動器症候群 ( 以下 ロコモ という ) の医学的知識及び臨床経験に基づき ITを活

も少なくありません こうした状況に鑑み 舞鶴市は 言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図ることにより 全ての市民が障害の有無によって分け隔てられることなく 自分らしく安心して暮らすことができる地域社会を実現するため この条例を制定するものです 2. 条例の

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アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

公益目的支出計画実施報告

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

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個人情報の保護に関する規程(案)

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平成 20 年 9 月 29 日 平成 21 年度介護報酬改定に向けた提言 社会福祉法人東京都社会福祉協議会 はじめに センター部会長代行今裕司 東京都社会福祉協議会センター部会は 東京都内の地域包括支援センター 在宅介護支援センター デイサービスセンターの 664 箇所が加入している団体です 平成

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(3) その他 全日制高校進学率の向上を図るため 更に公私で全体として進学率が向上するよう工夫する そのための基本的な考え方として 定員協議における公私の役割 を次のとおり確認する 公立 の役割: 生徒一人ひとりの希望と適性に応じて 多様な選択ができるよう 幅広い進路先としての役割を担い 県民ニーズ

01 【北海道】

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平成22年2月●日

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平成 26 年 3 月 6 日千葉医療センター 地域医療連携ネットワーク運用管理規定 (Ver.8) 千葉医療センター地域医療連携ネットワーク運用管理規定 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この運用管理規定は 千葉医療センター地域医療連携ネットワーク ( 以下 千葉医療ネットワーク ) に参加

金融円滑化に対する当金庫の取組状況 平成 27 年 11 月 13 日 高岡信用金庫

Transcription:

平成 28 年度 事業計画書 平成 28 年 4 月 1 日から 平成 29 年 3 月 31 日まで 公益社団法人日本臓器移植ネットワーク

平成 28 年度事業計画書 はじめに 臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律 ( 平成 21 年法律第 83 号 ) が施行されてから 6 年が経過した 平成 27 年度は 平成 26 年度に発生したあっせん誤りに対する是正措置に向け 第三者委員会による原因分析 再発防止に向けた提言に基づいて 理事長以下役員が刷新され 社団管理運営体制が大きく変動した年度であった 新たな理事会の下では改革推進委員会が設置され 同委員会によって定められた改革方針を基に 平成 28 年度を組織体制の再編と信頼される社団体制の構築にまい進する改革元年とする この改革は まずは今まで是正できなかった地域によるルールや手続きの違いを改め 全国を統一した適正なあっせんを確実に行うことから始め 同時に臓器提供数の増加を中心とする収入増強及び経費の圧縮により慢性的な赤字体質から脱却して健全な財政基盤の構築を目指すものである これにより 骨太な組織運営体制を確立し 国民の信頼の早期回復を実現する 一方 平成 27 年度は 法改正後減少していた臓器提供数が増加に転じた年度でもある 平成 28 年度は 病院啓発と一般啓発の両面からの活動を行うと共に 5 類型施設の院内体制を整備する地域支援事業を軸とする地域単位の移植医療体制の整備をさらに充実 強化しながら 新たに 5 類型施設における選択肢提示への支援事業にも取り組み 約 14,000 名を超える移植希望登録者のために 関係機関とともに一層の移植医療の体制整備を図る 加えて 国民に対し臓器提供意思表示の重要性を広く伝える普及啓発活動を展開する 公益目的事業 1. あっせん業務関係事業 (1) 臓器のあっせんを行うに当たっては 業務基準書 ( 登録 更新 移植検査 あっせん事例対応 ) に基づきあっせんを行う 業務基準書は適宜改定し 気づきの報告から発信に至 る情報の共有化に向けた仕組みを整え コーディネーター全員が遵守できるようにする さらに 業務基準書の形式に沿った教育用のテキストを作成し 教育 研修に活用する (2) コーディネーター及びチーフコーディネーターの適正配置に努め 臓器提供事例発生時 の連絡調整活動を行う (3) ドナー適応評価や管理 ドナー家族の心理的ケア 小児臓器提供の体制構築などについて 助言 指導等を行う小児科や精神科医師などの医療専門職の機能を充実させ 円滑な あっせん業務を行う (4) 臓器移植に関する情報の管理 分析 レシピエント情報の登録 更新 臓器提供事例におけるレシピエント候補者の検索等の業務の精度向上 適正化を図る (5) 臓器提供事例発生時 常時移植検査を行える体制の整備のため 24 時間ドナー検査対応が可能な移植検査センターにおける HLA 検査技師の設置に必要な経費の助成を行う (6) 臓器のあっせんに必要な移植検査 ( ウエストナイルウイルス抗体検査 ) を円滑に実施す

るために 必要な経費の助成を行う (7) 公平 公正な臓器移植を円滑に遂行するため 再構築したレシピエント検索システムの並行運用を行い 秋頃から新システムへの一本化を行い適切な運営管理を行う さらに ドナーデータ管理及び臓器提供意思登録に関するシステムの改修に着手し 人的ミスを防ぐためのコンピューターシステムの構築を図る 2. あっせん事業体制整備事業 (1) 都道府県あっせん体制整備支援事業ア. 地域支援事業都道府県内における臓器移植に関するあっせん業務を公平 公正 適切かつ安定的に実施する体制を構築するため コーディネーターが都道府県等と行う事業の企画 実行を支援し 必要な経費に対して助成を行い 臓器移植対策の円滑な推進を図る また 厚生労働省 静岡県との共催で 10 月の臓器移植推進月間に 臓器移植推進国 民大会 を静岡県にて開催する イ. 全国あっせん事業体制整備推進会議各都道府県内における地域支援事業について全国規模で情報共有 情報交換及び目標 進捗 課題 改善策 成果の確認を行い より効率的 効果的な体制整備の推進を図る (2) 臓器提供意思登録事業 国民が臓器提供に関する意思表示をするための適正な知識 情報の発信及び理解に役立つパンフレット類の作成 配布により 意思表示 ( 登録 ) 促進を図る また 臓器提供に重要な意思表示がインターネットや書面で簡易にできる体制の整備を行う (3) 臓器移植研修事業ア. 連絡調整者 ( コーディネーター ) 研修事業臓器の移植に関する法律に基づく臓器あっせん業務の適正かつ円滑な実施を図るた め 社団のコーディネーターおよび都道府県臓器移植コーディネーターを対象に コーディネーターの養成及び資質の向上を目的として 移植医療に関する最新の知見 コーディネーターの実務など必要な事項についての研修会を開催する また コーディネーター及びチーフコーディネーターのための研修会と試験を実施し コーディネーター職の質の向上を図る 研修内容については 基準の法的根拠 裏付け レシピエントに関する意思確認 検査内容 過去 ( 失敗 ) 例に基づく事例研究等の内容も盛り込んでい く イ. 提供施設技術研修事業 1 脳死下臓器提供施設研修会 提供施設が抱える脳死下臓器提供の問題点や課題を解決でき 適正な臓器提供体制整備ができるような情報提供 技術向上の機会を提供する 臓器移植法の規定による脳死判定のための脳波測定等の適正かつ円滑な実施を図るため 臓器提供施設の医師等 の養成及び資質の向上を目的として 移植医療に関する必要な事項について研修を実施する 2 脳死患者対応セミナー臓器移植法の規定による脳死判定のための脳波測定等の適正かつ円滑な実施を図り 提供施設スタッフ ( 医師 看護師 検査技師 院内コーディネーター ) の脳死下臓器提供に関する理解を深める 臓器提供施設のスタッフが適切かつ円滑に法的脳死判定を

実施し 臓器提供者家族への関わりができるよう 研修の機会を提供する (4) 院内体制整備支援事業地域支援事業を積極的に推進する都道府県において 臓器提供施設となりうる医療機関を選定し 都道府県民の意思をより確実に生かすことができるような院内体制を整備するための事業の企画 実行の支援を行う (5) 臓器提供施設における選択肢提示支援事業臓器提供施設において 終末期医療の説明の中で臓器提供に関する選択肢を提示す ることに関する実態等を把握するとともに問題点や課題を検討し 患者家族の心情にも配慮した対応方法を医療機関において整備することへの支援を行う (6) ドナー家族に対する心理的ケア事業ドナーファミリー専用ダイヤル 専用電子メールアドレスの設置 ドナーファミリー分かちあいの会 の開催 ドナーファミリーの集い の開催 コーディネーター対象の家族支援研修会の開催 ドナー家族支援担当者設置など ドナー家族の心理的支援 体制の構築を行う 3. 普及啓発事業 (1) 一般普及啓発臓器移植に関する知識と理解を深め 社団の活動への支援を広げるために 資料集 手記 ポスター グッズ 映像等適切かつ有効な資材を作成 配布し 都道府県と連携 し 幅広く活用する (2) グリーンリボンキャンペーンの実施グリーンリボンキャンペーンの活動を支援する企業と連携し 臓器移植への理解を広めるための積極的なアプローチを展開し グリーンリボンキャンペーンを実施する また キャンペーンを支援する企業の拡大に努める 4. 運営管理等事業新体制の元 各種委員会を抜本的に見直し 理事会で必要性が認められた委員会を適宜設置する (1) 中央評価委員会 ( 国庫補助金対象事業 ) 脳死下および心停止下臓器提供事例の検証を行うため 中央評価委員会を開催する なお 資料作成や進行方法を見直し 大幅に遅れている事例検証を迅速に進める (2) 移植検査委員会 ( 国庫補助金対象事業 ) あっせん時における適切かつ円滑な検査体制整備のため 移植検査委員会を開催す る (3) 改革推進委員会平成 27 年度に策定した 改革の方針 の実践及び検証と更なる改善策の検討を行 い 改革を強力に推進するため 改革推進委員会を開催する (4) 他 理事会で必要性が認められた委員会を設置 開催する 5. 費用配分事業臓器移植費用配分規程に基づき 臓器摘出 臓器移植にかかる費用を臓器提供施設 HLA 検査施設 臓器移植施設に配分し 円滑に臓器あっせんを実施するための経費を徴する

この費用は 臓器移植に至らなかった場合の摘出費用 あっせんに係る国庫補助外の手当や 旅費 医学的適応判断のために派遣されるメディカルコンサルタントの費用 臓器提供者の検体搬送費 関連するソフトウェアや機器の保守料 通信費 臓器搬送のための緊急車両の費用等に当てる 平成 28 年度は 脳死下臓器提供件数 72 件 心停止下臓器提供件数 48 件 合計 120 件を想定する 6. 臓器移植法施行 20 周年記念事業平成 29 年 10 月 16 日の臓器移植法施行 20 周年に向けて これを契機として移植医療のさらなる発展に寄与すべく 記念式典 公開フォーラム スポーツイベント等の記念事業を検討し 実施するための企画と準備を行う 平成 28 年度は これを目的とした 臓器移植法施行 20 周年記念特別事業募金 の募集を開始する 法人管理事業 1. 管理事業 (1) 社団運営のために必要な理事会 社員総会を効率的に開催する (2) 執行体制を強化するため 執行役員会議を定期的に開催する (3) 改革の方針に基づき組織体制を再編し 安全かつ着実に改革を実行する 1 安全管理推進室の新規設置 2 あっせん対策部の廃止 あっせん対応本部の設置これまであっせん事例対応を行う常設の組織として設置されていたあっせん対策部を廃止し 臓器提供事例発生毎に あっせん対応本部 で 班 を構成し あっせん事例に対応する 3 事務局組織の再編事務局を大きく 2 つの部門 ( 管理運営本部 事業推進本部 ) に再編し 管理運営本部には 総務部 と システム管理部 を設置し 事業推進本部には あっせん事業部 と 広報 啓発事業部 を設置し 2 本部 4 部体制とする 4 あっせん機能の一元化本部で対応していた脳死下臓器提供事例と支部で対応していた心停止後臓器提供事例 を全てあっせん対応本部で一元的に対応する 5 社団組織体制の一本化 地域オフィスの設置本部と支部を統合し 事務局組織を一本化する 地域普及啓発とあっせん事例発生時の 初動対応の重要性を考慮し 札幌 名古屋 大阪 福岡に地域オフィスを置き 職員を適正人数配置する (4) 規程 規則の抜本的な見直し 改訂を行い 新組織体制における管理 運営の基盤を強 化する