Android で広がる通信の可能性 2009 年 11 月 30 日 株式会社 KDDI 研究所 開発センター
1 章 :Android 概要 2 章 : 日本のモバイルマーケット 3 章 :Android を組み込み機器へ 4 章 :KDDI 研究所の取り組み 5 章 : まとめ
Android 携帯電話向けオープンプラットフォーム Open Handset Alliance (OHA) によって開発を推進 無償で提供 Google 社を中心として KDDI 等が参加 Android Market が 2009 年 3 月に開設 自由なアプリ配信 Dalvik VM でアプリケーションが動作 Java をベースとした仮想マシン (VM) オープンソースの各種技術を採用 Linux カーネル SQLite WebKit 3
なぜ Android なのか? なぜ Android が注目されるのか? ソース公開わずか 1 年で 多数の端末がリリース 既存プレーヤ以外も参入 なぜ Android に我々が取り組むのか? 通信事業者 ( 特にモバイルマーケット ) の抱えている問題を解決できる可能性がある 4
Android: 主な特徴 開発言語 Java: 独自 Java 仕様 J2SE に近い ミドルウェア層以下と上位アプリ層を分離 ( 二層構造 ) C:libc は BSD ベース Java Code Native code ライセンス Apache 2.0: ソース公開の義務無し GPL: ソース公開の義務あり Application:Dalvik VM 上で動作し PCと同じ感覚でアプリ作成が可能 Application Framework: 多彩なAPIを提供 Library:libcの他 webkit SQLite 等のオープンソースを利用したリッチなライブラリ Dalvik VM: レジスタマシンアーキテクチャ ARM 用に最適化されており 高速に動作 Linux kernel: 一般的なLinux kernel 2.6をベースにしており 大きな改変はない 5
通信事業を取り巻く環境が 大きく変化してきている!!
1 章 :Android 概要 2 章 : 日本のモバイルマーケット 3 章 :Android を組み込み機器へ 4 章 :KDDI 研究所の取り組み 5 章 : まとめ
日本のモバイルマーケットの発展状況 加入契約数 ( 百万 ) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 81.1 26.9 38.3 47.3 11.7 95~07は年度末のデータ ) 新規市場 ( 法人 自動車など ) 56.8 66.8 74.8 動画静止画テキスト 86.6 ブラウザフォン (1999/2 ~) カメラ付きケータイ (2000/11 ~) GPS ナビ (2001/12 ~) 着うた (2002/12 ~) パケット定額 (2003/11 ~) おサイフケータイ (2004/7 ~) 着うたフル (2004/11 ~) モバイルSuica(2006/1 ~) ワンセグ (2006/4 ~) BCMCS(2006/9 ~) 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 91.5 96.5 101.7 107.3 06 07 108.3 個人市場 放送連携モジュール / マルチメディア 08 (2008.6 末 ) 8 (FY) 8
コンテンツ / アプリの利用パターンの変化 mixi 月間 PV 推移 (2008 年通期決算説明資料より抜粋 ) モバゲー日当り PV 推移 ( 平成 21 年 3 月期決算説明会資料より抜粋 ) 一般サイトへのアクセス数は増加傾向 トップメニュー経由のアクセスから Google 検索などの検索結果やブックマークからのアクセスへ移行 既存プレーヤで全てのコンテンツを用意するのは至難 9
通信ネットワークの変化 1980 s 黎明期 1990 s 成長期 第 1 世代アナログ方式 第 2 世代 2G デジタル方式 第 3 世代 3G IMT-2000 第 4 世代 4G IMT- Advanced 3.5G 3.9G 1985~ ショルダーフォン 1987~ 携帯電話 1992~ デジタル携帯電話 2001~W-CDMA CDMA2000 NTT TACS AMPS PDC GSM cdmaone W-CDMA CDMA2000 2006~HSDPA EV-DO WiMAX LTE LTE 4G を見据えたプラットフォームの必要性 10
変化に対応 常に変化する外部環境 コンテンツ アプリの利用パターン変化 All IP 時代へ突入 コンテンツを同時一斉配信 低コスト化 通信ネットワークの変化 NGN MMD IPv6 ネットワーク LTE 4G も含む複数の通信方式混在 常に変わりうる外部環境 ( ニーズ ) に適応できるプラットフォームの必要性が生じている Android に取り組む理由 Android がこの問題を解決するポテンシャルを秘めている可能性
1 章 :Android 概要 2 章 : 日本のモバイルマーケット 3 章 :Android を組み込み機器へ 4 章 :KDDI 研究所の取り組み 5 章 : まとめ
機能融合が進む組み込み機器 家電機器 自動車機器 携帯電話 ポータル AV 機器 AV 機器 ネットワークによる相互連携が進む 様々な業界を横断する統一プラットフォームへ
KDDI が考える FMC (Fiber Mobile Convergence) サービス提供者にもユーザにも ネットワークが何であるかは重要でない 端末もサービスにアクセスするブラウザに過ぎない サービスコンテンツ クラウド 移動体網 IP 網
STB (Set Top Box) の利用シーン NW STB ひかり回線メタル回線 Ether ケーブル
STB から見た市場動向 Android 市場の拡大 携帯電話 フォトフレーム カーナビ PND STB 開発コストの増大 HD へのシフト FMC 連携 アプリの多様化 Android のSTB 搭載に対する期待大 16
利用シーン HD 動画 映画などのコンテンツファイルを簡単に高速 大容量伝送する必要 満員電車も映画の続きが見れるから我慢!! STB 通勤電車の中でケータイで映画の続きが見れたらなぁ 携帯電話 大容量 高速伝送を実現するデバイスが STB 携帯上にあれば便利
利用イメージ 家族で楽しくリビングで対戦ゲーム 外出時は 1 人で暇つぶしのゲーム Android のアプリなら STB ケータイで共有できる 同じアプリケーションでいつでも どこでも だれとでも遊びたい STB は TV だけではない マルチな BOX である必要がある
AndroidベースSTBの試作 Android をベースとした STB を試作 将来の STB のあるべき姿を模索 追求 STB 携帯アプリ連携 FMC 連携 STB 携帯コンテンツ連携 アプリケーション開発の効率化 携帯電話とのアプリケーションの共通化 Android, Java, Linux の豊富なノウハウを享受 FMC 連携向けプラットフォームとしての可能性 STB 携帯電話間のシームレスな連携の実現 19
1 章 :Android 概要 2 章 : 日本のモバイルマーケット 3 章 :Android を組み込み機器へ 4 章 :KDDI 研究所の取り組み 5 章 : まとめ
Android をベースとした STB を試作 ET2009@ パシフィコ横浜にて初展示 IPTV フォーラム技術仕様準拠 携帯端末とのアプリケーション連携 21
STB 向け Android 拡張 22
期間 コスト削減効果 独自アプリケーション 独自フレームワーク 独自ライブラリ Linux カーネル 従来の STB Java ノウハウの活用 多彩な API オープンプラットフォーム Android アプリケーション Android フレームワーク Dalvik VM ライブラリ Linux カーネル Android Android 導入により開発期間 コストの削減に寄与 23
主な特徴 MIPS Android IPTV TransferJet 24
MIPS Android 米国 MIPS Technologies 社が提供 機能的には携帯電話版と同等 Dalvik アプリはバイナリレベルで互換 アプリ互換ゲームメディアプレーヤアクセサリ ツール 異なるアーキテクチャ間のアプリケーションの相互運用性を実現 組込機器 : MIPS 携帯電話 : ARM 25
STB 携帯電話プラットフォーム共通化 STB アプリケーション フレームワーク Android 搭載携帯端末 アプリケーション フレームワークの共通化 Java のノウハウ Dalvik VM Dalvik VM ライブラリ Linux カーネル MIPS Android ライブラリ Linux カーネル ARM Android Linux のノウハウ ライブラリ ドライバのソースコード共通化 26
IPTV Android 上で IPTV を実現 Dalvik 上で再生アプリが動作 チップの映像処理との繋ぎ込みは Linux ドライバで実現 業界標準 IPTV フォーラム技術仕様準拠 VOD IP マルチキャスト 27
TransferJet STB 携帯電話連携のモデルケースとして Android に TransferJet を実装 検証 HD の大画面で表示 携帯電話のカメラで撮影 STB 試作品 STB でダウンロード 物理層での転送レートは 560Mbps Android Dev Phone 携帯電話で再生 STB 携帯電話共通の Dalvik アプリでファイル交換 Linux 用 TransferJet ドライバでデバイス動作 28
OESF STB WG での取り組み Android をベースとした組込システムの開発 普及促進 STB フレームワークの整備 標準化に寄与 IPTV 対応 Android ベース STB の試作 互換性評価 29
1 章 :Android 概要 2 章 : 日本のモバイルマーケット 3 章 :Android を組み込み機器へ 4 章 :KDDI 研究所の取り組み 5 章 : まとめ
まとめ 世界初 IPTV 対応 Android ベース STB を試作 業界標準 IPTV フォーラム技術仕様準拠 FMC 連携を想定したモデルケースを検証 MIPS Android: 携帯電話 (ARM) の Android アプリも動作 STB 携帯間アプリケーション連携の基盤に TransferJet: STB 携帯間コンテンツ連携を実現 OESF への参加 寄与 STB フレームワークの整備 標準化 31
今後の Android の動向 家庭内 外出先 Wi-Fi Wi-Fi STB Bluetooth TransferJet 携帯電話 Bluetooth TransferJet カーナビ PND フォトフレーム 携帯電話 STB 以外にも様々な家電機器等に Android が搭載 32
ナビゲーションシステム 家庭内 外出先 Wi-Fi 10:03 上野発 Bluetooth STB 仲間と大画面で遊び先を決定 登録する 携帯電話 電車の乗る時間を確認遊び先を決定する カーナビ 登録した観光地へのナビゲーション開始 異なる機器間で同じ情報を無線伝送することで 1 つのナビゲーションアプリをそれぞれのシーンあった使い方をすることができる
Android および Android ロゴは 米国 Google, Inc. の商標または登録商標です TransferJet および TransferJet ロゴは ソニー株式会社の商標です 着うた 及び 着うたフル は株式会社ソニー ミュージックエンタテインメントの登録商標です mixi は 株式会社ミクシィの登録商標です モバゲーは 株式会社ディー エヌ エーの登録商標です モバイル Suica は 東日本旅客鉄道株式会社の登録商標です おサイフケータイは 株式会社エヌ ティ ティ ドコモの登録商標です その他 記載されている会社名 団体名 製品名は 各社の商標または登録商標です