Q&A で読み解く 担い手 3 法 改正ポイント 5 月 29 日の衆院本会議で改正公共工事品質確保促進法 ( 公共工事品確法 ) 改正公共工事入札契約適正化法 ( 入契法 ) 改正建設業法の3 法が全会一致で可決 成立した 一連の法改正は インフラの品質確保とその担い手の確保を実現することを大きな

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中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

国土入企第 5 4 号 平成 31 年 2 月 22 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 技能労働者への適切な賃金水準の確保について 技能労働者の確保 育成のためには 適切な賃金水準の確保等による処遇改善が極めて重要です 国土交通省においては これまでの 6 度にわたる公共工事設計労

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アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

A4 経営事項審査の受審状況により確認方法が異なります なお 適用除外は 労働者の就業形態等によって適用除外とならない場合もあることから 元請負人は 年金事務所等に適用除外となる要件を確認した上で判断してください 経営事項審査を受審している場合 有効期間にある経営規模等評価結果通知書総合評定値通知書

ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

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働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

公共工事等における新技術活用システムについて 別添 公共工事等に関する優れた技術は 公共工事等の品質の確保に貢献し 良質な社会資本の整備を通じて 豊かな国民生活の実現及びその安全の確保 環境の保全 良好な環境の創出 自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであり 優れた技術を持続的に創出して

PowerPoint プレゼンテーション

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

宮城県道路公社建設工事総合評価落札方式(簡易型及び標準型)実施要領

Microsoft PowerPoint - 【資料6】業務取り組み

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

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二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

公共工事における予定価格設定時の 歩切り に関する調査の結果について 平成 27 年 4 月 28 日総務省国土交通省 昨年 6 月の公共工事の品質確保の促進に関する法律 ( 平成 17 年法律第 18 号 以下 公共工事品質確保法 という ) の改正により 予定価格の適正な設定が発注者の責務として

●アレルギー疾患対策基本法案

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - ★01H26試行工事.doc

事務連絡 平成 30 年 11 月 9 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 公共工事の円滑な施工確保について 公共工事の適正な入札及び契約を通じて建設業の健全な発達を図るとともに 平成 30 年 7 月豪雨や平成 30 年北海道胆振東部地震等の大規模災害からの復旧 復興の加速

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

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法定福利費の明示について 1 社会保険等未加入対策 建設業者の社会保険等未加入対策として 社会保険等への加入を一層推進していくためには 必要な法定福利費が契約段階でも確保されていることが重要です 建設工事における元請 下請間では 各専門工事業団体が法定福利費を内訳明示した 標準見積書 を作成しており

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円高の是正と経済対策の実施について(要望)

Microsoft Word - 01社会保険等加入対策に係る事務処理要領

財営第   号

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減額の理由H27.5 以降 < 調査事項及び回答の概要 > 1. 歩切りの違法性及び定義等についての理解 リーフレット ( 別添 ) の内容を確認 理解したリーフレット ( 別添 ) の内容を確認 理解していない ( 1) 1,783 団体 5 団体 ( 1) 理解していない とした主な理由 設計書

Microsoft Word - QandA-tyougai

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事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

安全管理規程

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

基本問題小委員会における提言 ( 平成 26 年 1 月 ) 社会保険等未加入対策関係 1. これまでの中央建設業審議会 社会資本整備審議会基本問題小委員会における提言 1 行政 元請企業による加入指導 法定福利費確保に向けた取組等の総合的な対策を推進すべき 2 平成 29 年度を目途に 事業者単位

2 低入札対策の拡充

所において施工する場合 2 施工にあたり相互に調整を要する工事で かつ 工事現場の相互の間隔が 10km 程度の近接した場所において同一の建設業者が施工する場合 ( 別添 建設工事における現場代理人の常駐義務の緩和に係る取扱いについて に示す 参考 第 2 第 1 項第 3 号に定める該当工事 参照

暴力団対策措置要綱

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

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4. 施工者とは 当該工事の受注者をいう ( 品質証明者 ) 5. 品質証明者とは 一定の資格及び実務経験を有し 施工者と品質証明業務について契約した組織又は個人で 以下の要件に該当しないものをいう 1 組織においては 以下のいずれかに該当する者 (1) 当該工事の施工者 (2) 当該工事の施工者と

別記様式 2 地方整備局長 知事 支社支社長 印 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 11 条 社会保険等未加入 業者 の通知について 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 11 条に基づき 弊社の発注工事において社会保険等未加入業者の存在が

工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

I. 担い手の確保 育成 週休 2 日チャレンジサイト を開設し 週休 2 日の確保に取り組む現場や様々な取組の共有を図り 建設業の取り組む 働き方改革 を応援します 新規 1 整備局ホームページ内に 週休 2 日チャレンジサイト を開設し 週休 2 日の確保に取り組む企業 ( 工事 ) を紹介して

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第 2 中小企業者の受注の機会の増大のために講ずる措置に関する事項機構は 中小企業 小規模事業者の受注の機会の増大を図るために 基本方針に即すとともに 次のとおり取り組む 1 東日本大震災の被災地域等の中小企業 小規模事業者に対する配慮 (1) 適正な納期 工期の設定被災地域における工事の発注におけ

業界で躍進する 工事現場 の 要 登録基幹 技能者 登録基幹技能者制度推進協議会 一財 建設業振興基金

岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

建築積算士更新講習

特別の事情 が認められる場合( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しない

一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

2. 提出資料一覧表 落札予定者に求める提出資料は 要請書に示す調査区分 ( 基本調査または重点調査 ) に応じて下表に を付している内容とする なお 調査区分が 基本調査 の場合は 3 頁 ~4 頁に基づき作成すること 調査区分が 重点調査 の場合は 5 頁 ~7 頁に基づき作成すること 様式番号

標準請負契約約款の概要 標準請負契約約款は 請負契約の片務性の是正と契約関係の明確化 適正化のため 当該請負契約における当事者間の具体的な権利義務関係の内容を律するものとして 中央建設業審議会が公正な立場から作成し 当事者にその実施を勧告するもの 建設業法第 34 条第 2 項 建設業法 ( 昭和

福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

建設工事入札参加業者等指名停止要領について

(2) 特定機関からの報告の受理及び聴取に関すること (3) 特定機関に対する監査に関すること (4) 外国人家事支援人材の保護に関すること (5) 特定機関において外国人家事支援人材の雇用の継続が不可能となった場合の措置に関すること (6) その他 本事業の適正かつ確実な実施のために必要なこと 3

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

第三者による品質証明制度について 参考資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

1. 趣旨この基本方針は 市がネーミングライツの付与に関する事業 ( 以下 ネーミングライツ事業 という ) を実施するにあたり 郡山市広告事業実施要綱 ( 平成 27 年 4 月 1 日制定 )( 以下 実施要綱 という ) 第 19 条 ネーミングライツ スポンサーの募集 に基づき ネーミングラ

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メ 札幌市オンブズマン条例 平成 12 年 12 月 12 日条例第 53 号 改正 札幌市オンブズマン条例 平成 15 年 10 月 7 日条例第 33 号 平成 20 年 11 月 7 日条例第 36 号 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 第 4 条 ) 第 2 章責務 ( 第 5 条 第 7

個人情報の保護に関する規程(案)

Microsoft Word - 契約の方針(案)

平成23年度第1回人材確保・育成部会

について < 一般競争入札の導入について > 及びにおいては すべての団体で導入済み においては 1, 25 団体 (7.%) から 1,239 団体 (72.%) に増加 < 総合評価方式の導入について > 及びにおいては すべての団体で導入済み においては 1, 77 団体 (62.5%) から

事務連絡 平成 29 年 10 月 25 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 平成 28 年熊本地震の被災地域での建設工事等における 予定価格の適切な設定等について 公共工事の予定価格の設定については 市場における労務及び資材等の最新の実勢価格を適切に反映させつつ 実際の施工

4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

2 採用する受注者選定方式の検討について廃棄物処理施設整備事業で一般的に採用されている受注者選定方式は表 -2のとおりです 受注者選定方式の検討に際しての論点を下記に整理しましたので 採用する受注者選定方式について審議をお願いいたします 本施設に求められる5つの整備基本方針に合致した施設の整備運営に

1. 休日 適正工期の確保について 働き方改革関連法がいよいよ今年 4 月に施行します そんな中で建設業界でも 大手ゼネコンで組織する日本建設業連合会 ( 日建連 ) が 2019 年度末までに 4 週 6 閉所以上を実現することを中間目標とし 2021 年度末までにすべての事業所で週休二日 ( 土

( 指名停止の期間の特例 ) 第 4 条有資格者が一の事案により別表各号の措置要件の二以上に該当したときは 当該措置要件ごとに規定する短期及び長期の最も長いものをもってそれぞれ指名停止の期間の短期及び長期とする 2 有資格者が次の各号の一に該当することとなった場合における指名停止の期間の短期は それ

- 2 - 引き起こす可能性がある このような状況の中で 我が国における国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するためには 管理組合によるマンションの適正な管理が行われることが重要である この指針は このような認識の下に 管理組合によるマンションの管理の適正化を推進するため 必要な事項を定め

等により明示するように努めるものとする ( 就業規則の作成の手続 ) 第 7 条事業主は 短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し 又は変更しようとするときは 当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする ( 短時間労働者の待遇の原

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農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

下請契約からの社会保険等未加入建設業者の排除等に係る Q&A Q1 社会保険等とはなんですか A1: 雇用保険 健康保険 厚生年金保険の 3 保険のことをいいます Q2 社会保険等に未加入 というのはどういう場合か A2: 社会保険等に未加入 とは 社会保険等の適用を受ける事業所でありながら 各保険

特別の事情 が認められる場合 ( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しな

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女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

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恵庭市競争入札参加資格者指名停止措置要領 恵庭市競争入札参加資格者指名停止措置要領 ( 平成 7 年 4 月 1 日実施 ) の全部を改正する 平成 21 年 1 月 15 日 ( 趣旨 ) 第 1 条市が発注する工事又は製造の請負 物件の購入その他に係る指名競争入札に参加する資格を有する者 ( 以

社会保険等未加入業者との下請契約 (1 次 ) 禁止にかかる事務手続フロー 施工体制台帳により加入状況を確認 工事監督員 添付された加入を証明する書類にて確認します 未加入 加入 適用除外 契約担当に報告するとともに, 受注者に対し, 書面にて当該下請契約を締結した具体的な理由を記載した書面を提出す

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- 2 - り 又は知り得る状態であったと認められる場合には この限りでない 2~7 略 (保険料を控除した事実に係る判断)第一条の二前条第一項に規定する機関は 厚生年金保険制度及び国民年金制度により生活の安定が図られる国民の立場に立って同項に規定する事実がある者が不利益を被ることがないようにする観

504 特定事業等に係る外国人の入国 在留諸申請優先処理事業 1. 特例を設ける趣旨外国人研究者等海外からの頭脳流入の拡大により経済活性化を図る地域において 当該地域における特定事業等に係る外国人の受入れにあたり 当該外国人の入国 在留諸申請を優先的に処理する措置を講じることにより 当該地域における

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案に対する附帯決議

懸念事項

Transcription:

Q&A で読み解く 担い手 3 法 改正ポイント 5 月 29 日の衆院本会議で改正公共工事品質確保促進法 ( 公共工事品確法 ) 改正公共工事入札契約適正化法 ( 入契法 ) 改正建設業法の3 法が全会一致で可決 成立した 一連の法改正は インフラの品質確保とその担い手の確保を実現することを大きな目的としており 三位一体改正 や 担い手 3 法 などとも呼ばれる 法改正の趣旨や具体的内容を10のQ&Aにまとめて解説する Q1 今回 担い手確保を大きな狙いとして3 法が改正されることとなった背景を教えてください A1 建設投資の急激な減少や受注競争の激化に伴い いわゆるダンピング受注が横行し それが下請などにしわ寄せされ 現場の技能労働者の処遇の悪化を招いてきました 将来の見通しが立たず 魅力もないことなどを理由に建設業界への若者の入職も減少しています 一方 東日本大震災の復興 防災 減災 インフラの老朽化対策や維持管理 耐震化などの担い手として建設業が果たす役割はますます増大しています 建設業に期待されるこうした役割を発揮してもらうことを目的に これまで業界の疲弊を招く原因にもなったダンピング受注を防止し 現在だけでなく 将来にわたって公共工事の品質が確保されるよう 担い手の確保 を新たな目的に据えた公共工事品確法を中心に それと密接に関連する建設業法 入契法をセットにした法改正が行われることになりました このうち公共工事品確法の改正は 国会議員の発議による議員立法 建設業法と入契法は 国土交通省を中心とする関係省庁が連携した政府提出の法改正となりました それぞれ成り立ちが異なる法律ですが 同じ目的を持った法改正のため 総称して 三位一体改正 や 担い手 3 法 などと表現されています Q2 公共工事品確法の改正について ポイントを教えてください A2 05 年 4 月に施行された当初の法律は 公共工事の 品質確保 の重要性を世の中に問い掛けるという大きな意義がありました それまでの公共工事の発注は 価格のみの競争 が主体でした この法律では 価格と品質 の両面で競争するという大きな転換が図られ それまで試行的に進められてきた総合評価方式が本格的に導入されることになりました それでも 長く続いた公共投資の減少の影響もあり 安値受注の横行に歯止めが掛からず 業界の疲弊を招く結果となりました 今回の法改正では 公共工事の品質が 現在だけでなく 将来にわたって確保できるように それに携わる 担い手 を確保することを大きな眼目として法律の目的や基本理念が見直されました それらを実現するために 発注者の責務 も明らかにされました さらに 一般競争入札と総合評価方式による画一的で硬直的と指摘された入札契約方式に多様性を持たせ 事業の特性や地域特性に応じて選択できる 多様な入札契約方式 の導入 活用が法律に位置付けられました Q3 改正法に明記された 発注者の責務 とはどのようなものでしょうか A3 公共工事を発注する国や都道府県 市町村などがそれぞれ 改正法の目的や基本理念に沿った発注を行えるよう 明確化したのが 発注者の責務 です 具体的には 公共工事を施工する建設業者が 適正な利潤 を確保できるようにするため 建設市場での労務

や資材などの取引価格 施工の実情を的確に反映した予定価格を適正に設定することとしています そのほか 昨今相次いで発生している入札不調 不落に対応し 再度行われる入札でできる限り早期に契約を締結するよう努めるとも定めています そのために 不調 不落となった入札に参加する業者から見積もりを取るなどして 実勢を反映させた予定価格を設定することを求めています ダンピング受注を防止する観点から 低入札価格調査基準や最低制限価格を設定することも発注者の責務となります さらに 業界から要望の強い発注の平準化に取り組めるよう 計画的な発注や適切な工期の設定に努め 当初予想できなかった施工上の事態にも速やかに対応できるよう 円滑な設計変更を行うことも明記されました これらの責務規定に基づいて発注関係事務を実施できるよう 国や地方自治体などの発注者が連携することも定めています Q4 多様な入札 契約方式の導入 活用とは具体的にどのようなものを指すのでしょうか A4 改正法では さまざまな工事の性格や地域の実情を踏まえ 多様な方式の中から適切なものを選択したり あるいは組み合わせたりして入札 契約を実施すると規定しています 例えば 発注者だけでは仕様を確定できず 民間事業者の技術やノウハウを生かすべき工事に適した方法として 技術提案交渉方式 があります 公募で技術提案を審査し 選定された業者と工法や価格などを交渉することを認めるものです この方式では 予定価格は交渉を踏まえて設定することになるので 実際に必要とされる価格での契約が可能になります 技術提案を求める総合評価方式では 競争参加者が多数見込まれる場合を想定し 受発注者双方の事務負担の軽減を目的とした 段階的選抜方式 が有効となります 一定の技術水準を持った業者に絞り込んだ上で 落札者を決めるやり方です 採算が取りにくく 敬遠されがちな地域の維持管理のための工事などでは 地元の事情に明るい中小業者が安定した受注をしやすくなるよう 複数年契約 複数工事一括発注 共同受注方式 といった方法を活用することが想定されます これらの方式によって発注ロットが大きくなれば 採算性が向上する可能性が高くなります 改正法の条文に盛り込まれたこれらの方法以外にも有効なものがあると想定されており 各発注者が工夫した新たな方法も採用するなどして これまでの行き過ぎた価格競争を是正し 施工者が適正な利潤を確保できるようになることが期待されます 国土交通省では 新たな入札契約方式を活用しようとする地方自治体の取り組みを後押しすることを目的に本年度 多様な入札契約方式モデル事業 を実施することにしています モデル事業の対象となった自治体には 入札契約の専門家を派遣するなどの支援を実施し そこから得られた成果を基に発注者向けのマニュアルを作成することになっています

Q5 多様な入札契約方式の導入 活用をはじめ改正法に定められた発注事務が 発注者ごとにばらばらに運用されることが心配です A5 改正公共工事品確法では 発注者を支援する目的で発注者共通のルールとなる 運用指針 を国が作ることになっています 多様な入札契約方法をどのような工事にどのような手続きで適用するか さらにその際の留意点などを指針で規定することになります 運用指針の策定に当たっては 地方自治体 学識経験者 民間事業者など公共工事関係者の意見を聴くことを前提としています 国交省では 国や自治体の担当者が参加するブロック監理課長等会議や発注者協議会 地方公共工事契約業務連絡協議会 ( 地方公契連 ) といった会議や 別途開催する改正法の説明会などの場で 各発注者の意見やアイデアを丁寧に聴くことにしています 民間事業者にも 例えば毎年秋に開催する全国建設業協会 ( 全建 ) のブロック会議なども活用して意見を聴取するようです 国交省は こうした各主体との意見交換など プロセス を重視しながら 年内をめどに運用指針づくりを進めることにしています 各発注者や事業者団体などが地域の実情を踏まえた意見や提案を出すことが 改正法を運用する上でも重要な意味を持つことになりそうです Q6 公共工事の品質を確保する上では 工事の前段階で行われる調査 設計も重要だと思います 改正公共工事品確法ではそのことは考慮していないのでしょうか A6 改正法では 調査 設計についても 工事に準じて品質の確保に努めることが明記されました 調査 設計業務の段階で品質を確保するために それぞれの業務内容に応じて必要とされる知識 技術を持つ者の能力を資格などで評価し 活用することとしています これに関連して国交省は現在 インフラの点検 診断に従事する技術者を評価する一環として 一定の技術水準を確保した既存の民間資格を大臣認定するための検討を行っています 国交省告示に基づく資格の認定を14

年度中に始められるよう 今後準備が進められるようです Q7 公共工事品確法と併せて入契法と建設業法も改正されました その経緯とポイントを教えてください A7 インフラの品質とその担い手を確保する公共工事品確法を公共工事の基本と位置付け その基本理念を実現するために 密接に関連する入契法と建設業法の改正で具体的措置を導入することが考えられました 改正で柱となった事項は ダンピング対策の強化 契約の適正な履行の確保 建設工事の担い手の育成 確保 適正な施工体制確保の徹底 です 公共工事品確法と建設業法 入契法等の一体的改正の概要 Q8 改正入契法では具体的にどのようなことが規定されたのですか A8 公共工事の入札契約適正化のために 受発注者が講じるべき措置を定めました その柱が ダンピング防止 です 具体的な措置として 入札参加者に応札額の内訳の提出を求め それを発注者が確認することにしました これにより 見積もり能力のない業者が積算もせずに入札に参加し 最低制限価格で落札するような事態を排除することができるようになります 契約の適正な履行の確保では 公共工事の受注者が作成 提出する施工体制台帳を小規模工事にも拡大します 公共工事では従来 下請金額が3000 万円 ( 建築は4500 万円 ) 以上の工事の受注者に施工体制台帳の提出を求めていました 改正法では インフラの維持修繕など 比較的規模の小さい工事の増加が見込まれることから それらの施工体制を的確に把握し 手抜き工事や丸投げのような不正行為を防止するために 規模の大小にかかわらず すべての工事で台帳の作成 提出を義務付けることになりました Q9 建設業法はどのように改正されたのですか A9 建設業者や団体による担い手の確保 育成が責務として新たに規定され それらを国土交通省が支援することも追加されました 担い手の確保 育成の取り組みとして想定されるのは 技能労働者や技術者に対する講習 研修の実施といった人材育成 技能労働者などへの適切な賃金の支払いや社会保険加入の徹底といった就労環境の整備 下請契約における請負代金の適切な設定や適切な代金の支払いといった元下取引の一層の適正化 広報などによる

若年者や女性の入職促進 などがあります 事業者団体がこれらに取り組む場合は国交省に届け出てもらい 優良な事例を広めたり 必要に応じて団体間 の調整を行ったりする支援策が検討されています Q10 改正建設業法では 建設業許可についても一部見直しが行われたと聞いています A10 まず 許可業種区分を43 年ぶりに見直し 29 業種目となる 解体工事業 が新設されました これは維持更新の時代に対応して今後増加が見込まれる解体工事の適正な施工を確保することが狙いです 現在の とび 土工 コンクリート工事 から工作物の解体を分離独立させるもので 今後 解体工事業として許可を与えるのに必要となる技術者資格などが検討され 公布から2 年以内に許可申請の受け付けが開始されます 施行後 3 年間は経過措置として とび 土工工事業でも解体工事業を営むことができることになっています さらに今回 建設業法と関連する浄化槽法 建設リサイクル法も改正され それぞれの法律で新たに暴力団排除条項が整備されました 建設業からの暴力団の排除を徹底するため 役員 ( 取締役 執行役 ) が 暴力団員 または 暴力団員でなくなった日から5 年を経過しない者 であることが許可の欠格要件や取り消し事由となる範囲が拡大されました 具体的には 取締役などと同等以上の支配力を持つ相談役や顧問が暴力団員等である場合も 同様の取り扱いになります 加えて 当該企業に多額の出資を行い 事実上のオーナーとして事業活動を支配するような者が暴力団員等であった場合も 同様に欠格要件や取り消し事由になります

公共工事品質確保促進法 ( 改正後 ) 目次第一章総則 ( 第一条 第八条 ) 第二章基本方針等 ( 第九条 第十一条 ) 第三章多様な入札および契約の方法等第一節競争参加者の技術的能力の審査等 ( 第十二条 第十三条 ) 第二節多様な入札および契約の方法 ( 第十四条 第二十条 ) 第三節発注関係事務を適切に実施することができる者の活用および発注者に対する支援等 ( 第二十一条 第二十四条 ) 付則 第一章総則 目的 第一条この法律は 公共工事の品質確保が 良質な社会資本の整備を通じて 豊かな国民生活の実現およびその安全の確保 環境の保全 ( 良好な環境の創出を含む ) 自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであるとともに 現在および将来の世代にわたる国民の利益であることにかんがみ 公共工事の品質確保に関する基本理念 国等の責務 基本方針の策定等その担い手の中長期的な育成および確保の促進その他の公共工事の品質確保の促進に関する基本的事項を定めることにより 現在および将来の公共工事の品質確保の促進を図り もって国民の福祉の向上および国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする ~ 略 ~ 基本理念 第三条公共工事の品質は 公共工事が現在および将来における国民生活および経済活動の基盤となる社会資本を整備するものとして社会経済上重要な意義を有することにかんがみ 国および地方公共団体並びに公共工事の発注者および受注者がそれぞれの役割を果たすことにより 現在および将来の国民のために確保されなければならない 2 公共工事の品質は 建設工事が 目的物が使用されて初めてその品質を確認できること その品質が受注者の技術的能力に負うところが大きいこと 個別の工事により条件が異なること等の特性を有することにかんがみ 経済性に配慮しつつ価格以外の多様な要素をも考慮し 価格および品質が総合的に優れた内容の契約がなされることにより 確保されなければならない 3 公共工事の品質は 施工技術の維持向上が図られ 並びにそれを有する者等が公共工事の品質確保の担い手として中長期的に育成され および確保されることにより 将来にわたり確保されなければならない 4 公共工事の品質は 公共工事の発注者 ( 第二十四条を除き 以下 発注者 という ) の能力および体制を考慮しつつ 工事の性格 地域の実情等に応じて多様な入札および契約の方法の中から適切な方法が選択されることにより 確保されなければならない 5 公共工事の品質は これを確保する上で工事の効率性 安全性 環境への影響等が重要な意義を有することにかんがみ より適切な技術または工夫により 確保されなければならない 6 公共工事の品質は 完成後の適切な点検 診断 維持 修繕その他の維持管理より 将来にわたり確保されなければならない 7 公共工事の品質は 地域において災害時における対応を含む社会資本の維持管理が適切に行われるよう 地域の実情を踏まえ地域における公共工事の品質確保の担い手の育成および確保について配慮がなされることにより 将来にわたり確保されなければならない

8 公共工事の品質確保に当たっては 入札および契約の過程並びに契約の内容の透明性および競争の公正性が確保されること 談合 入札談合等関与行為その他の不正行為の排除が徹底されること その請負代金の額によっては公共工事の適正な施工が通常見込まれない契約の締結が防止されること並びに契約された公共工事の適正な施工が確保されることにより 受注者としての適格性を有しない建設業者が排除されること等の入札および契約の適正化が図られるように配慮されなければならない 9 公共工事の品質確保に当たっては 民間事業者の能力が適切に評価され 並びに入札および契約に適切に反映されること 民間事業者の積極的な技術提案 ( 公共工事に関する技術または工夫についての提案をいう 以下同じ ) および創意工夫が活用されること等により民間事業者の能力が活用されるように配慮されなければならない 10 公共工事の品質確保に当たっては 公共工事の受注者のみならず下請負人およびこれらの者に使用される技術者 技能労働者等がそれぞれ公共工事の品質確保において重要な役割を果たすことにかんがみ 公共工事における請負契約 ( 下請契約を含む ) の当事者がおのおのの対等な立場における合意に基づいて公正な契約を適正な額の請負代金で締結し その請負代金をできる限り速やかに支払う等信義に従って誠実にこれを履行するとともに 公共工事に従事する者の賃金その他の労働条件 安全衛生その他の労働環境が改善されるように配慮されなければならない 11 公共工事の品質確保に当たっては 公共工事に関する調査 ( 点検および診断を含む 以下同じ ) および設計の品質が公共工事の品質確保を図る上で重要な役割を果たすものであることにかんがみ 前各項の趣旨を踏まえ 公共工事に準じ その業務の内容に応じて必要な知識または技術を有する者の能力がその者の有する資格等により適切に評価され およびそれらの者が十分に活用されること等により 公共工事に関する調査および設計の品質が確保されるようにしなければならない ~ 略 ~ 地方公共団体の責務 第五条地方公共団体は 基本理念にのっとり その地域の実情を踏まえ 公共工事の品質確保の促進に関する施策を策定し および実施する責務を有する 国および地方公共団体の連携および協力 第六条国および地方公共団体は 公共工事の品質確保の促進に関する施策の策定および実施に当たっては 基本理念の実現を図るため 相互に緊密な連携を図りながら協力しなければならない 発注者の責務 第七条発注者は 基本理念にのっとり 現在および将来の公共工事の品質が確保されるよう 公共工事の品質確保の担い手の中長期的な育成および確保に配慮しつつ 仕様書および設計書の作成 予定価格の作成 入札および契約の方法の選択 契約の相手方の決定 工事の監督および検査並びに工事中および完成時の施工状況の確認および評価その他の事務 ( 以下 発注関係事務 という ) を 次に定めるところによる等適切に実施しなければならない 一公共工事を施工する者が 公共工事の品質確保の担い手が中長期的に育成されおよび確保されるための適正な利潤を確保することができるよう 適切に作成された仕様書および設計書に基づき 経済社会情勢の変化を勘案し 市場における労務および資材等の取引価格 施工の実態等を的確に反映した積算を行うことにより 予定価格を適正に定めること 二入札に付しても定められた予定価格に起因して入札者または落札者がなかったと認める場合においてさらに入札に付するときその他必要があると認めるときは 当該入札に参加する者から当該入札に係る工事の全部または一部の見積書を徴することその他の方法により積算を行うことにより 適正な予定価格を定め できる限

り速やかに契約を締結するよう努めること 三その請負代金の額によっては公共工事の適正な施工が通常見込まれない契約の締結を防止するため その入札金額によっては当該公共工事の適正な施工が通常見込まれない契約となるおそれがあると認められる場合の基準または最低制限価格の設定その他の必要な措置を講ずること 四計画的に発注を行うとともに 適切な工期を設定するよう努めること 五設計図書 ( 仕様書 設計書および図面をいう 以下この号において同じ ) に適切な施工条件を明示するとともに 設計図書に示された施工条件と実際の工事現場の状態が一致しない場合 設計図書に示されていない施工条件について予期することができない特別な状態が生じた場合その他の場合において必要があると認められるときは 適切に設計図書の変更およびこれに伴い必要となる請負代金の額または工期の変更を行うこと 六必要に応じて完成後の一定期間を経過した後において施工状況の確認および評価を実施するよう努めること 2 発注者は 公共工事の施工状況の評価に関する資料その他の資料が将来における自らの発注に および発注者間においてその発注に相互に 有効に活用されるよう その評価の標準化のための措置並びにこれらの資料の保存のためのデータベースの整備および更新その他の必要な措置を講じなければならない 3 発注者は 発注関係事務を適切に実施するため 必要な職員の配置その他の体制の整備に努めるとともに 他の発注者と情報交換を行うこと等により連携を図るように努めなければならない 受注者の責務 第八条公共工事の受注者は 基本理念にのっとり 契約された公共工事を適正に実施し 下請契約を締結するときは 適正な額の請負代金での下請契約の締結に努めなければならない 2 公共工事の受注者 ( 受注者となろうとする者を含む ) は 契約されたまたは将来施工することになる公共工事の適正な実施のために必要な技術的能力の向上並びに技術者 技能労働者等の育成および確保並びにこれらの者に係る賃金その他の労働条件 安全衛生その他の労働環境の改善に努めなければならない 第二章基本方針等 基本方針 第九条 ~ 略 ~ 基本方針に基づく責務 第十条 ~ 略 ~ 関係行政機関の協力体制 第十一条 ~ 略 ~ 第三章多様な入札および契約の方法等第一節競争参加者の技術的能力の審査等 競争参加者の技術的能力の審査 第十二条 ~ 略 ~ 競争参加者の中長期的な技術的能力の確保に関する審査等 第十三条発注者は その発注に係る公共工事の契約につき競争に付するときは 当該公共工事の性格 地域の実情等に応じ 競争に参加する者 ( 競争に参加しようとする者を含む 以下同じ ) について 若年の技術者 技能労働者等の育成および確保の状況 建設機械の保有の状況 災害時における工事の実施体制の確保の状況等に関する事項を適切に審査し または評価するよう努めなければならない

第二節多様な入札および契約の方法 多様な入札および契約の方法の中から適切な方法の選択 第十四条発注者は 入札および契約の方法の決定に当たっては その発注に係る公共工事の性格 地域の実情等に応じ この節に定める方式その他の多様な方法の中から適切な方法を選択し またはこれらの組み合わせによることができる 競争参加者の技術提案を求める方式 第十五条発注者は 競争に参加する者に対し 技術提案を求めるよう努めなければならない ただし 発注者が 当該公共工事の内容に照らし その必要がないと認めるときは この限りではない 2 発注者は 前項の規定により技術提案を求めるに当たっては 競争に参加する者の技術提案に係る負担に配慮しなければならない 3 発注者は 競争に付された公共工事につき技術提案がなされたときは これを適切に審査し および評価しなければならない この場合において 発注者は 中立かつ公正な審査および評価が行われるようこれらに関する当事者からの苦情を適切に処理することその他の必要な措置を講ずるものとする 4 5 ~ 略 ~ 段階的選抜方式 第十六条発注者は 競争に参加する者に対し技術提案を求める方式による場合において競争に参加する者の数が多数であると見込まれるときその他必要があると認めるときは 当該公共工事に係る技術的能力に関する事項を評価すること等により一定の技術水準に達した者を選抜した上で これらの者の中から落札者を決定することができる 技術提案の改善 第十七条 ~ 略 ~ 2 第十五条第五項ただし書の規定は 技術提案の改善に係る過程の概要の公表について準用する 技術提案の審査および価格等の交渉による方式 第十八条発注者は 当該公共工事の性格等により当該工事の仕様の確定が困難である場合において自らの発注の実績等を踏まえ必要があると認めるときは 技術提案を公募の上 その審査の結果を踏まえて選定した者と工法 価格等の交渉を行うことにより仕様を確定した上で契約することができる この場合において 発注者は 技術提案の審査および交渉の結果を踏まえ 予定価格を定めるものとする 2 発注者は 前項の技術提案の審査に当たり 中立かつ公正な審査が行われるよう 中立の立場で公正な判断をすることができる学識経験者の意見を聴くとともに 当該審査に関する当事者からの苦情を適切に処理することその他の必要な措置を講ずるものとする 3 発注者は 第一項の技術提案の審査の結果並びに審査および交渉の過程の概要を公表しなければならない この場合において 第十五条第五項ただし書の規定を準用する 高度な技術等を含む技術提案を求めた場合の予定価格 第十九条発注者は 前条第一項の場合を除くほか 高度な技術または優れた工夫を含む技術提案を求めたときは 当該技術提案の審査の結果を踏まえて 予定価格を定めることができる この場合において 発注者は 当該技術提案の審査に当たり 中立の立場で公正な判断をすることができる学識経験者の意見を聴くものとする

地域における社会資本の維持管理に資する方式 第二十条発注者は 公共工事の発注に当たり 地域における社会資本の維持管理の効率的かつ持続的な実施のために必要があると認めるときは 地域の実情に応じ 次に掲げる方式等を活用するものとする 一工期が複数年度にわたる公共工事を一の契約により発注する方式二複数の公共工事を一の契約により発注する方式三複数の建設業者により構成される組合その他の事業体が競争に参加することができることとする方式 第三節発注関係事務を適切に実施することができる者の活用および発注者の支援等 発注関係事務を適切に実施することができる者の活用 第二十一条 ~ 略 ~ 2 ~ 略 ~ 3 第一項の規定により 契約により発注関係事務の全部または一部を行う者は 基本理念にのっとり 発注関係事務を適切に実施しなければならない 4 国および都道府県は 発注者を支援するため 専門的な知識または技術を必要とする発注関係事務を適切に実施することができる者の育成およびその活用の促進 発注関係事務を公正に行うことができる条件を備えた者の適切な評価および選定に関する協力 発注者間の連携体制の整備その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない 発注関係事務の運用に関する指針 第二十二条国は 基本理念にのっとり 発注者を支援するため 地方公共団体 学識経験者 民間事業者その他の関係者の意見を聴いて 公共工事の性格 地域の実情等に応じた入札および契約の方法の選択その他の発注関係事務の適切な実施に係る制度の運用に関する指針を定めるものとする 国の援助 第二十三条国は 第二十一条第四項および前条に規定するもののほか 地方公共団体が講ずる公共工事の品質確保の担い手の中長期的な育成および確保の促進その他の公共工事の品質確保の促進に関する施策に関し 必要な助言その他の援助を行うよう努めなければならない 公共工事に関する調査および設計の品質確保 第二十四条公共工事に関する調査設計または設計の発注者は その発注に当たり 公共工事に準じ 競争に参加しようとする者について調査または設計の業務の経験 当該業務に配置が予定される技術者の経験または有する資格その他技術的能力に関する事項を審査すること 受注者となろうとする者に調査または設計に関する技術または工夫についての提案を求めることその他の当該業務の性格 地域の実情等に応じた入札および契約の方法を選択すること等により その品質を確保するよう努めなければならない 2 公共工事に関する調査または設計の発注者は 公共工事に準じ 業務状況の評価の標準化並びに調査または設計の成果および評価に関する資料その他の資料の保存に関し 必要な措置を講ずるよう努めなければならない 3 国は 公共工事に関する調査および設計に関し その業務の内容に応じて必要な知識または技術を有する者の能力がその者の有する資格等により適切に評価され およびそれらの者が十分に活用されるようにするため これらに係る資格等の評価の在り方等について検討を加え その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする

付則 施行期日 1 この法律は 公布の日から施行する 検討 2 政府は この法律の施行後五年を目途として この法律による改正後の公共工事の品質確保の促進に関する法律の施行の状況等について検討を加え 必要があると認めるときは その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする 改正公共工事品確法 改正建設業法等 / 国会における付帯決議 参議院国土交通委員会の付帯決議 公共工事品確法 1 発注者の予定価格の設定に当たっては 経済社会情勢の変化の反映 公共工事の従事する者の労働環境の改善 公共工事の品質確保の担い手が中長期的に育成されおよび確保されるための適正な利潤の確保という目的を超えた不当な引き上げが行われないよう 関係機関にその趣旨を徹底すること 2 多様な入札および契約の方法の導入に当たっては 談合などの弊害が生ずることのないよう その防止について十分配慮するとともに 入札契約における透明性 公正性 必要かつ十分な競争性を確保するなど必要な措置を講ずること 3 段階的選抜方式の実施に当たっては 恣意 ( しい ) 的な選抜が行われることのないよう 案件ごとに事前明示された基準にのっとり 透明性をもって選抜を行うこと等その運用について十分な配慮を行うこと 4 発注者を含む関係者が連携し 公共工事の受注者が適正な額の請負代金での下請契約の締結 公共工事の適正な実施のために必要な技術的能力の向上 技術者 技能労働者等の育成および確保 これらの者に係る賃金その他の労働条件 安全衛生その他の労働環境の改善に努めるよう適切な措置が講じられること 建設業法等 1 公共工事設計労務単価の引き上げが1 次下請以下のすべての建設労働者の賃金の支払いに確実に反映されるよう 賃金の支払い状況の把握に努めるとともに 所要の対策を講ずること 2 公共工事における施工体制台帳の作成 提出の義務付けに当たっては 1 次下請以下の施工体制の的確な把握により 手抜き工事や不当な中間搾取などの防止 安全な労働環境の確保などの適切な施工体制の確立を図ること 3 建設労働者の社会保険の加入が早急かつ確実に実施されるよう指導監督を強化するとともに 所要の対策を講ずること 衆議院国土交通委員会の付帯決議 公共工事品確法 1 発注者の予定価格の設定に当たっては 経済社会情勢の変化の反映 公共工事に従事する者の労働環境の改善 公共工事の品質確保の担い手が中長期的に育成されおよび確保されるための適正な利潤の確保という目的を超えた不当な引き上げが行われないよう 関係機関にその趣旨を徹底すること 2 公共工事の入札不調等の発生の増加にかんがみ 予定価格と実勢価格のかい離の対策として 本法に基づく見積徴収方式が発注者において活用されるよう促進するとともに 見積価格の妥当性を適切に確認し 適正な予定価格の設定を図ること

3 多様な入札および契約の方法の導入に当たっては 談合などの弊害が生ずることのないよう その防止に十分配慮するとともに 入札契約における透明性 公正性 必要かつ十分な競争性を確保するなど必要な措置を講ずること 4 段階的選抜方式の実施に当たっては 恣意 ( しい ) 的な選抜が行われることのないよう 案件ごとに事前明示された基準にのっとり 透明性をもって選抜を行うこと等その運用について十分な配慮を行うこと 5 発注者を含む関係者が連携し 公共工事の受注者が 適正な額の請負代金での下請契約の締結 公共工事の適正な実施のために必要な技術的能力の向上 技術者 技能労働者等の育成および確保 これらの者に係る賃金その他の労働条件 安全衛生その他の労働環境の改善に努めるよう適切な措置が講じられること 建設業法等 1 建設工事の適正な施工とその中長期的担い手確保を図るため 低入札価格調査制度などの導入が進んでいない市町村において導入を促進することなどのダンピング受注対策の更なる強化を図ること 2 公共工事設計労務単価の引き上げが1 次下請以下のすべての建設労働者の賃金上昇につながるよう 賃金の支払い状況の把握を含め所要の対策を講ずるとともに 最近の技能労働者の不足等の市場実態を反映した公共工事設計労務単価の適宜適切な見直しを行うこと 3 建設業許可に係る業種区分の見直しによって新設される解体工事業の許可に当たっては 混乱のないように円滑な施行に努めるとともに 解体工事に伴う重大事故が絶えないことにかんがみ 公衆災害の防止に万全を期すこと 4 公共工事における施工体制台帳の作成および提出の義務付けに当たっては 1 次下請以下の施工体制の的確な把握により 手抜き工事や不当な中間搾取などの防止 安全な労働環境の確保などの適切な施工体制の確立を図ること 5 建設労働者の社会保険の加入が早急かつ確実に実施されるよう 適正な額の請負代金での下請契約の締結を含め指導監督を強化するとともに 所要の対策を講ずること 日刊建設工業新聞 2014 年 6 月 20 日 8 9 面に掲載しています