MSX 用拡張スロットボックス よんすろっと 説明書 1. はじめに このたびは よんすろっと をお買い上げ頂き 誠に有難うございます 本機は 1 台で MSX の拡張スロットを 4 つ増設できる拡張スロットボックスです 2. 概要 よんすろっと は 下記(1)~(4) から構成されます (1) 拡張スロットボックス本体 (2) フラットケーブル約 50cm (3) バッファカートリッジ (4) 電源アダプタ 12V/2A 本体 バッファ カートリッジ フラット ケーブル 電源アダプタ 3. 準備 さっそく MSX 本体と よんすろっと を接続して 使い始めましょう (1) 新品でお買い上げ時には 梱包の都合上 フラットケーブルとバッファカートリッジとが接続され ていない場合があります コネクタの突起方向を合わせて そっと差し込みます バッファカートリッジ 内の基板が歪まないように 力の加減には注意して下さい (2)MSX 本体の電源が OFF であることを必ず確認し バッファカートリッジを MSX の拡張スロットに差 し込みます (3) 電源アダプタをコンセントに差し込み DC 側のケーブルを本体の DC ジャックに差し込みます DC ジャックは本体の左側面にあります (4) 使用したいカートリッジを よんすろっと に差し込みます (5)MSX 本体の電源スイッチを ON にすると それに連動して よんすろっと も電源 ON となり 青 LED が点灯します 1
4. 詳細な説明 4.1 USB 端子 本体背面に 2 ポートあります 電源出力用として 電圧 DC5V 最大 2A(2 ポート合計 ) まで使用可能です 但し Apple 社などの認定を受けたものではありません 自己責任でご使用下さい MSX に外付けの FDD を接続する場合など 5V 電源ならば ここから取り出す事ができます スマホの充電や 夏は USB 扇風機 冬は USB カップウォーマーや USB 電気毛布? 用としても活用できるでしょう しかし MSX 本体の電源を OFF にすると USB 端子も OFF になりますのでご注意下さい 4.2 拡張用コネクタ 拡張スロットを 外部へ引き出す為のコネクタです ストレートのボックスヘッダ 50 ピンです このコネクタに別のフラットケーブルを接続し オプションの エクステンション基板 MPC-FC50P4 を 接続します ケーブル長は極力短くして下さい 長いと 動作不安定になることがあります 第 3 スロット ( 一番奥のスロット ) と 拡張用コネクタの /SLTSL3 は共通になっていることに ご注意下さい たとえば 第 3 スロットと外部に引き出したスロットの両方に ROM や RAM カートリッジ (/SLTSL 信号を使用 ) を装着すると お互いに信号がぶつかり 誤作動や故障の原因になります いずれか片方のスロットを未使用にするか 拡張用コネクタに接続したエクステンション基板の方の切 2
り離しスイッチで切り離す必要があります I/O のみのカートリッジならば (I/O アドレスの競合さえ無ければ ) 両方に装着しても共存できます MSX-Audio などの大きいカートリッジは よんすろっと本体に装着すると隣のスロットまでふさがり そのスロットは使用できず不便なので 外部に接続したエクステンション基板とエクステンションボック スを利用する方法があります 4.3 サウンド出力端子 本体正面 左側にある φ3.5 ステレオジャックです 信号はモノラルで L/R 信号は内部でひとつに接続 されています ここに 4 つのスロットのサウンド信号をミキシングした信号が出力されています なお MSX 本体の音 源とはミキシングされていません イヤホンを差しても 小さい音しか聞こえません スピーカを鳴らすには アンプが必要です 4.4 アクセス LED と スロット接続 / 切断スイッチ LED は 各スロットの /SLTSL 信号を示し アクセス中に赤く点灯します スイッチは 各スロットを任意に接続 / 切断 スロットと LED 及びスイッチの並び順は同じです 接続 切断 3 2 1 0 カートリッジを差したままで スイッチにより 切断 することができます いわゆる 後差しと同じことが簡単に行えます そのカートリッジを差し スイッチを 切断 にします 電源 ON MSX 本体の起動後 スイッチを 接続 にします 内部では 各スロットの /SLTSL 信号をゲートに通し スイッチで制御することにより 本機能を実現し 3
ています 4.5 バッファカートリッジの LED バッファカートリッジは 3 つの LED を備えています 上から順に 電源 5V( 青 ) /SLTSL( 赤 ) /IORQ ( 緑 ) を示します 赤は このバッファカートリッジに対するアクセス ( メモリ空間の読み書き ) を示します 緑は 単純に /IORQ の状態を示すものであり 必ずしも このバッファカートリッジに対するアクセス を示すものではありません 5. 注意事項 MSX 本体や よんすろっと の故障を避けるために必要な注意事項です 必ず守って下さい (1) 長期間使用しない場合は 電源アダプタをコンセントから抜いて下さい コンセントに差し込んで いるだけで わずかですが電力を消費します (2) カートリッジの抜き差しは 必ず MSX 本体の電源を OFF にしてから行って下さい (3) さんすろっと と MSX 本体との接続または取り外しは 必ず電源を OFF にしてから行って下さい (4) 拡張スロットボックスのスロットから さらに拡張スロットボックスを接続することはできません これは MSX の仕様です (5) 内部にゴミや異物が入らないようにして下さい 使用しない時はカバーをかけて下さい (6) バッファカートリッジの代わりに カードエッジ基板 MPC-EX50 を接続することはできません もし接続した場合 故障の原因となります その理由は バッファの方向制御を行っている事と MSX 側との接続信号の一部を独自にアレンジしている為です たとえば ±12V は拡張スロットボックス側で作っている為 MSX 側からの ±12V の線は不要なので GND を補強する為 GND に変更しています つまり ±12V の配線は よんすろっと 側で GND に接続されています もし MSX 本体の拡張スロッ 4
トからカードエッジ基板で信号を引き出し よんすろっと に接続しますと ±12V を GND にショートすることになります そのほか NC( 無接続 ) ピン 2 本も GND に接続されています 通常は空きピンなので支障ないと思いますが ご注意下さい (7) フラットケーブルコネクタの抜き方斜めに力がかかると ピンが曲がったり プラスチックが欠けるおそれがあります 全体的にまっすぐに引き抜くように ご注意下さい コネクタの根元に手を添えて ゆっくりと 引き抜く力をかけます ( この方法を言葉でうまく説明するのは難しいです ) 6. 故障ではない症状 6.1 カートリッジを差し込んでも起動しない 動作しない場合そのほとんどは 端子の接触不良が原因です 古い MSX のカートリッジは 接点が汚れたり磨耗したりして 接触が悪くなっている事が多いようです 綿棒にアルコール (IPA を推奨します 好きでも焼酎はダメです ) をしみこませ カートリッジの接点 ( 金端子 ) を丁寧にこすり 清掃します 続けて 別の乾いた綿棒 ( 両端に綿が付いている綿棒なら反対側 ) を使い から拭きします 綿棒の汚れ具合を見て 汚れがひどいようであれば 再度同じようにして清掃して下さい よく乾かしてから カートリッジを拡張スロットに差し込んで下さい 絶対に 紙ヤスリや 砂消しゴムで金端子をこすってはいけません メッキが剥がれます 6.2 電源 OFF 時にモニタから雑音が聞こえることがある 特に 1chipMSX との組み合わせ使用において この症状が発生することがあります 雑音は 電源 OFF 後 数秒でおさまります 大音量ではないので 支障は無いと考えております よんすろっと の電源が MSX 本体に連動して OFF になっても 電源のコンデンサが放電するまでの間 回路は動作します その時に雑音が発生しているものです さらに 1chipMSX のサウンドミキシング回路は オペアンプなどの能動素子を使用せず 単純にコンデンサのみで構成されている為 1chipMSX が電源 OFF 状態でもサウンド信号は通過します その結果 モニタ ( テレビ ) のスピーカから音が聞こえるわけです 6.3 特定のカートリッジが動作しない 例 : MegaFlashROM SCC+SD そのカートリッジ内部でスロットを拡張しているものは 拡張スロットボックス上では原理的に動作しません 必ず MSX 本体のスロットでご使用下さい 作成 2015/06/10 M.A.D. 前田 Copyright (c)2015 by Naoyuki Maeda / M.A.D. Inc. 5