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数 値 地 形 データを 用 いた 微 地 形 図 の 作 成 方 法 目 次 - 1.はじめに 2. 方 法 2.1 微 地 形 図 作 成 の 基 本 方 針 2.2 微 地 形 図 の 作 成 方 法 (1) ArcView へデータをインポート (2) ラスタへ 変 換 (3) 標 高 レイヤの 作 成 (4) 傾 斜 レイヤの 作 成 (5) 曲 率 レイヤの 作 成 a. 平 滑 化 b. 曲 率 計 算 (6) 立 体 図 の 作 成 (7) 曲 率 図 の 作 成 (8) 等 高 線 の 作 成 (9) 微 地 形 図 の 完 成 3.おわりに

1. はじめに 山 地 災 害 による 被 害 を 減 らすためには 適 切 な 森 林 管 理 を 行 ったうえで 必 要 に 応 じて 治 山 施 設 等 を 設 置 することが 効 果 的 です しかし 広 大 な 森 林 の 中 から 土 砂 災 害 が 発 生 する 危 険 地 を 予 測 するのは 困 難 な 作 業 です 従 来 危 険 地 予 測 の 方 法 は 地 形 図 や 航 空 写 真 などを 用 いて 地 形 判 読 する 手 法 がとられてきましたが この 手 法 では 地 形 判 読 者 に 経 験 と 高 度 な 技 術 が 要 求 されます また 既 存 の 地 形 図 には 表 現 されていない 微 地 形 が 存 在 することも あります 一 方 近 年 の 航 空 レーザ 測 量 技 術 の 発 達 により 上 空 から 樹 木 の 下 の 詳 細 な 地 表 の 形 状 を 高 精 度 に 測 量 することが 可 能 になりました 航 空 レーザ 測 量 は 国 や 都 道 府 県 をはじめとする 様 々な 機 関 により 全 国 各 地 で 実 施 され ており 測 量 成 果 は 発 注 機 関 に 申 請 することで 容 易 に 入 手 することができま す そこで 航 空 レーザ 測 量 により 得 られた 高 精 度 の 数 値 地 形 データ( 以 下 DEM: Digital Elevation Model)を 加 工 し 危 険 地 を 予 測 するために 有 効 な 微 地 形 図 の 開 発 を 試 みました 2. 方 法 2.1 微 地 形 図 作 成 の 基 本 方 針 微 地 形 図 の 開 発 に 当 たっては 以 下 の3 点 に 留 意 しました 1 地 形 判 読 が 容 易 であること 危 険 地 予 測 のための 微 地 形 図 の 開 発 であるため 地 形 判 読 しやすいとい う 点 が 最 も 重 要 であると 考 え 地 形 の 凹 凸 が 強 調 される 表 現 方 法 としまし た また DEM を 用 いた 既 存 の 地 形 表 現 方 法 として 陰 影 起 伏 図 や 鳥 瞰 図 等 が ありますが これらの 図 法 では 光 源 や 視 点 の 位 置 を 変 えることによって 見 え 方 が 変 わってしまうという 欠 点 があります 開 発 する 図 法 では 光 源 や 視 点 の 位 置 に 影 響 されない 図 法 としました 2 立 体 的 に 見 えること 地 形 を 把 握 するためには 立 体 的 に 見 えるということも 重 要 な 要 素 です 3Dモニターなどの 特 殊 な 装 置 を 使 用 せず 紙 に 印 刷 した 状 態 で 立 体 的 に 見 えることを 心 掛 けました 3 誰 でも 容 易 に 作 成 できること 開 発 した 手 法 が 広 く 活 用 されるように 汎 用 の GIS ソフトを 使 用 するこ ととしました 微 地 形 図 の 作 成 には ( 米 )ESRI 社 製 ArcView10 Spatial Analyst( 以 下 SA)を 使 用 しました

2.2 微 地 形 図 の 作 成 方 法 下 図 は 微 地 形 図 作 成 手 順 を 流 れ 図 です 次 ページ 以 降 に 各 工 程 の 解 説 と ArcView10 上 でのコマンドを 記 したので 実 務 で 活 用 してください 航 空 レーザ 測 量 データ (x,y,z 形 式 1mグリッド DEM) (1)ArcViewへインポート (2)ラスタへ 変 換 ラスタデータ (1mメッシュ) a. 平 滑 化 処 理 コンター 計 算 傾 斜 角 計 算 b. 曲 率 計 算 (3) 標 高 レイヤ (4) 傾 斜 レイヤ (5) 曲 率 レイヤ (a) 青 赤 透 過 率 0% (b) 白 黒 透 過 率 50% (ア) 白 黒 透 過 率 0% (イ) 白 茶 透 過 率 50% (ウ) 白 紺 透 過 率 50% (ア)+(イ)+(ウ)= (a)+(b)= (6) 立 体 図 (7) 曲 率 図 (8) 等 高 線 (i) 透 過 率 0% (ii) 透 過 率 50% (iii) 透 過 率 0% (i)+(ii)+(iii)= (9) 微 地 形 図 (1) ArcView へデータをインポート ( ファイル - データの 追 加 - XY データ 追 加 ) 航 空 レーザ 測 量 による DEM の 多 くは 東 西 1m 間 隔 に 並 んだ x y z 形 式 の 点 群 の 標 高 値 で 入 手 できます この DEM を ArcView10 にインポートします ファ イル 形 式 座 標 系 などは 発 注 時 の 仕 様 により 異 なるため データ 作 成 元 等 に 確 認 する 必 要 があります 国 土 交 通 省 等 で 行 われている 河 川 レーザ 測 量 では 番 号,x,y,z,フラグ の 順 に 並 んだテキストデータで 入 手 できます テキストエディタ 等 で 先 頭 行 に FID,x,y,z,f と 付 加 すると ArcView10 にインポートが 可 能 になります

XY データ 追 加 ウィンドウでは イ ンポートするファイル 名 X Y Z 座 標 のフィールド 座 標 系 の 指 定 をします 河 川 レーザのデータの 座 標 系 は 日 本 測 地 系 (Tokyo) 平 面 直 角 座 標 系 第 8 系 ( 長 野 県 )です 先 頭 行 に このように 付 け 加 える

(2) ラスタへ 変 換 ( 変 換 ツール - ラスタへ 変 換 - ポイント ラスタ ) ポイント 形 式 のデータを 計 算 処 理 が 容 易 なラスタ 形 式 に 変 換 します ArcToolbox の 変 換 ツール - ラスタへ 変 換 - ポイント ラスタ により 変 換 します セルサイズは1(DEM のメッシュ 幅 )とします 微 地 形 図 を 作 成 したい 範 囲 が 複 数 の 図 郭 にまたがる 場 合 は ラスタ 形 式 に 変 換 した 後 にファイルを 結 合 します ( SA - データ 管 理 ツール - ラスタ - ラスタデータセット - 新 規 ラスタにモザイク ) ピクセルタイプは 32_BIT_FLOAT を 選 択 します

(3) 標 高 レイヤの 作 成 ( レイヤプロパティ - シンボル ) ラスタデータを 標 高 により 低 い: 黒 高 い: 白 となるように 彩 色 します

(4) 傾 斜 レイヤの 作 成 ( SA - サーフェス - 傾 斜 角 ) ラスタデータを 用 いて 傾 斜 角 の 計 算 を 行 います 入 力 ラスタは(3)で 作 成 した ラスタファイル 出 力 ラスタは 任 意 と 出 力 単 位 は DEGREE とします 作 成 された 傾 斜 レイヤは レイヤプロパティ - シンボル で 緩 傾 斜 を 白 く 急 傾 斜 を 茶 に 彩 色 します

(5) 曲 率 レイヤの 作 成 a. 平 滑 化 ( SA - 近 傍 解 析 - フォーカル 統 計 ) 1m 間 隔 のラスタデータを 無 処 理 のまま 曲 率 計 算 すると 凹 凸 が 細 かすぎる ためにかえって 地 形 を 把 握 しにくくなります 尾 根 谷 や 水 の 流 れを 把 握 しや すい 図 を 作 るためには 適 当 な 範 囲 で 平 滑 化 を 行 います ( 試 行 錯 誤 の 結 果 平 滑 化 の 範 囲 を 10m 程 度 に 設 定 して 良 好 な 結 果 を 得 ています ) 簡 便 な 方 法 ( 単 純 平 均 ) 最 も 簡 便 な 平 滑 化 の 方 法 としては 中 心 のセルから 近 傍 半 径 10 セルの 平 均 値 です 入 力 ラスタは(3)で 作 成 したラスタファイル 出 力 ラスタは 任 意 に 近 傍 オプションは 円 形 に 指 定 し 半 径 10 セル 統 計 情 報 の 種 類 は MEAN とします より 滑 らかに 行 う 方 法 ( 加 重 平 均 ) 単 純 平 均 による 簡 便 な 方 法 では 処 理 時 間 は 短 いものの 細 かな 地 形 の 凹 凸 が 消 えてしま う 欠 点 があります よ り 滑 らかに 平 滑 化 を 行 いたい 場 合 は ガウス 関 数 等 を 用 いて 中 心 に 近 いほどウェイトが 高 くなるような 重 み 付 け ファイルを 用 意 し 加 重 平 均 を 行 います 近 傍 オプションをウェイ トに 指 定 し 予 め 用 意 したカーネルファイル を 指 定 します

Microsoft Excel の NORMDIST 関 数 ( 標 準 偏 差 = 3.0)で 作 成 したカーネルファ イルは 下 からダウンロードできます ダウンロード---> ガウス 2503.csv b. 曲 率 計 算 ( SA - サーフェス - 曲 率 ) ArcView には 曲 率 という 計 算 コマンドが 用 意 されています 曲 率 とは 中 心 の セルとその 周 辺 の8つのセルで 構 成 される 面 の 凹 凸 を 表 し 傾 斜 角 の 傾 斜 角 で す 面 が 凸 ならプラス 凹 ならマイナスとなり 平 衡 斜 面 では0となります 曲 面 が 鋭 角 なほど 曲 率 の 絶 対 値 は 大 きくなります このコマンドを 使 用 して 平 滑 化 済 みのラスタデータにより 曲 率 計 算 を 行 います 入 力 ラスタは(5)aで 作 成 したラスタファイル 出 力 ラスタは 任 意 に Z の 倍 率 は1に 指 定 します 作 成 された 曲 率 レイヤは レイヤプロパティ - シンボル で 凹 地 を 紺 色 凸 地 に 彩 色 します

(6) 立 体 図 の 作 成 下 位 から 順 に (ア) 標 高 レイヤ( 低 い: 黒 高 い: 白 透 過 率 0%) (イ) 曲 率 レイヤ( 凹 : 紺 凸 : 白 透 過 率 50%) (ウ) 傾 斜 レイヤ( 緩 : 白 急 : 茶 透 過 率 50%)を 重 ねて 立 体 図 を 作 成 します 立 体 図 では 標 高 の 低 い 場 所 と 凹 地 形 の 場 所 が 暗 く 彩 色 され 急 傾 斜 地 が 濃 い 茶 色 で 彩 色 されているため 目 の 錯 覚 により 立 体 的 に 見 える 図 となります (イ) 曲 率 レイヤ (ウ) 傾 斜 レイヤ (ア) 標 高 レイヤ 低 い: 黒 高 い: 白 透 過 率 0% 凹 : 紺 凸 : 白 透 過 率 50% 重 ね 合 わせ 緩 : 白 急 : 茶 透 過 率 50% 立 体 図

(7) 曲 率 図 の 作 成 上 で 使 用 した 曲 率 レイヤと 傾 斜 レイヤを 複 製 し (a) 曲 率 レイヤ( 凹 : 青 凸 : 赤 透 過 率 0%) (b) 傾 斜 レイヤ( 緩 : 白 急 : 黒 透 過 率 50%)とな るように 彩 色 を 変 えて 重 ね 合 わせます 曲 率 図 では 地 形 の 凹 凸 を 青 赤 で 彩 色 しているため 谷 や 尾 根 などの 地 形 を 判 読 しやすい 図 となりますが 立 体 感 に は 欠 けます 凹 : 青 凸 : 赤 透 過 率 0% 緩 : 白 急 : 黒 透 過 率 50% 重 ね 合 わせ 曲 率 図

(8) 等 高 線 の 作 成 ( SA - サーフェス - コンター ) 標 高 値 のラスタデータから 等 高 線 を 作 成 する 10m 間 隔 ( 細 線 )と 100m 間 隔 ( 太 線 )の2 種 類 を 作 成 します

(9) 微 地 形 図 の 完 成 下 位 から 順 に (i) 立 体 図 ( 透 過 率 0%) (ii) 曲 率 図 ( 透 過 率 50%) (iii) 等 高 線 ( 透 過 率 0%)となるように 重 ねて 微 地 形 図 の 完 成 です 立 体 図 と 曲 率 図 を 重 ねたことにより 立 体 的 に 見 えて かつ 地 形 を 判 読 しやすい 図 となり ます (iii) 等 高 線 (i) 立 体 図 (ii) 曲 率 図 透 過 率 0% 透 過 率 50% 透 過 率 0% 重 ね 合 わせ 微 地 形 図 ( 完 成 )

3.おわりに 開 発 した 微 地 形 図 を 用 いると 従 来 使 用 していた 地 形 図 や 航 空 写 真 からは 判 読 が 難 しかった 様 々な 地 形 の 判 読 を 容 易 に 行 うことが 可 能 になり 崩 壊 危 険 地 予 測 の 精 度 向 上 が 期 待 できます また 既 設 の 治 山 施 設 の 位 置 や 従 来 の 地 形 図 には 正 確 に 記 載 されていない 低 規 格 路 網 の 線 形 を 把 握 することができるため 森 林 整 備 における 伐 倒 木 の 搬 出 作 業 計 画 や 路 網 配 置 計 画 における 活 用 も 期 待 で きます その 他 森 林 整 備 における 様 々な 用 途 でご 活 用 ください