全 日 空 システム-1978 年 日 経 コンピュータ 2005 年 1 月 10 日 新 年 号 特 集 伝 説 のプロジェクト 三 つのうちの 一 つとして 挙 げられたのを 機 に 振 り 返 る 日 本 ユニバック 全 日 空 プロジェクト 発 足 1975 年 4 月 カットオーバ 1978 年 11 月 目 次 :はじめに システム 構 築 の 前 提 問 題 対 処 振 り 返 って 添 付 : 図 表 2005 年 6 月 22 日 岡 田 猛 弘 1
はじめに 初 期 の OLTP(OnLine Transaction Processing) 発 展 の 跡 =エアライン 座 席 予 約 システム - 席 数 管 理 システム 1953 年 アメリカン 航 空 :Magnetic Reservisor System 専 用 コンピュータ 1,000 席 ( 汎 用 コンピュータ 1957 年 ノースウエスト 航 空 UNIVAC File Computer 8,000 席 ) ( 日 本 1964 年 国 鉄 :MARS-Magnetic electronic Automatic Reservation System JAL/ANA) -PNR(Passenger Name Record) 座 席 予 約 システム 1963 年 アメリカン 航 空 :Sabre-Semi-Automatic Business Related Environment 汎 用 コンピュータ/ 専 用 OS: 歴 史 的 難 プロジェクトの 一 つ 全 日 空 以 前 の UNIVAC 1100 シリーズによるシステムは EXEC 8 をベースとする 専 用 OS 現 在 でも 主 要 エアラインの PNR 座 席 予 約 システムは IBM か Unisys のメインフレームのみ 2
システム 構 築 の 前 提 - 客 先 と 日 本 ユニバックの 共 同 開 発 プロジェクトとする -PNR(Passenger Name Record) 座 席 予 約 /メッセージ 交 換 ユニバックエアラインパッケージ USAS を 使 用 する 日 本 ユニバックが 米 国 UNIVAC エアラインオペレーションスと 共 同 で 開 発 提 供 する - 空 港 系 システム: 気 象 情 報 /フライトプラン/ 運 行 情 報 現 行 日 立 のシステムをベースに 客 先 が 再 開 発 する -バッチ 客 先 が 再 開 発 する - 開 発 運 用 などソフトウェア 環 境 と 支 援 ソフトウェア UNIVAC 1100 シリーズ コンピュータをベースに 日 本 ユニバックが 開 発 提 供 する 3
問 題 1 システム 構 築 上 の 問 題 1.1 技 術 的 なもの - 高 速 大 量 トランザクション 処 理 - 業 務 アプリケーションが 複 雑 Ex. TP モニター OS PNR は 旅 程 管 理 ダイナミックスケジュールチェンジ 修 復 機 能 -リカバリ 1.2 設 計 と 構 築 手 順 にかかわるもの - 運 用 と 構 築 が 一 体 となる 大 規 模 システムのため 全 体 を 見 通 した 設 計 と 構 築 手 順 また それを 実 現 しうる 技 術 者 集 団 が 必 要 4
2 懸 念 2.1 UNIVAC -OS の 見 通 しがない EXEC 8(=1100 Executive)vs. RTOS(Real Time Operating System) -USAS は 優 れたものであるが USAS*RES USAS*MSG USAS*SYS とも 開 発 途 上 である - 米 国 UNIVAC エアラインオペレーションスに 大 規 模 システム 構 築 を 請 け 負 う 能 力 はない 2.2 その 他 -1100 シリーズ 標 準 OS でのシステム 実 現 について 世 界 のエアライン 業 界 の 関 心 と 疑 念 -ANA での 受 注 キャンセルの 危 険 - 大 規 模 複 雑 なシステムでハードウェア/ソフトウェアの 能 力 を 限 界 まで 利 用 することによる 危 険 参 考 1976 年 1 月 時 点 での 予 定 1977 年 6 月 カットオーバ 5
対 処 1 技 術 的 なもの- 高 速 大 量 トランザクション 処 理 と PNR 座 席 予 約 の 特 性 手 段 : パスレングスを 短 くする 同 時 並 行 処 理 できるトランザクションの 数 を 増 やす=トランザクション 処 理 プログラムの 数 大 容 量 記 憶 装 置 へのアクセス 回 数 を 減 らす 修 復 機 能 (リカバリ) 解 決 : HVTIP の 開 発 計 測 と 計 算 と 試 行 錯 誤 6
1.1 HVTIP High Volume Transaction Interface Package=JET:Japan Enhanced TIP - 入 出 力 は 低 レベルのハンドラを 使 用 し チェックもできるだけはぶく(パスレングス) -データファイルは 単 純 な 構 造 のものだけにし 管 理 情 報 を 主 記 憶 装 置 常 駐 とする(パスレングス) ダイレクトアクセスファイル フリースペースファイル(Ex. PNR の 構 造 ) 可 変 長 レコードをダイナミックに 獲 得 解 放 することができる -トランザクション 処 理 のためのユーザプログラムは 一 つのロードモジュールで 分 割 することが できる( 同 時 並 行 処 理 できるトランザクション 数 ) - 修 復 ビフォアルックス/アフタルックス クイックリカバリ/ロングリカバリ - 環 境 のことなる 業 務 アプリケーションの 共 存 : 複 数 の 業 務 アプリケーション またはことなる 工 程 7
1.2 その 他 1.2.1 USAS -ファイルインテグリティ( 修 復 ) 1.2.2 計 測 計 算 試 行 錯 誤 の 繰 り 返 し - 開 発 者 の 自 覚 (パスレングス アクセス 回 数 同 時 並 行 処 理 できるトランザクション 数 ) - 主 記 憶 装 置 の 利 用 のしかた(パスレングス アクセス 回 数 同 時 並 行 処 理 できるトランザクション 数 ) Ex. 常 駐 非 常 駐 -トランザクションの 分 割 統 合 (パスレングス 同 時 並 行 処 理 できるトランザクション 数 ) -ファイルの 統 合 ( 修 復 機 能 ) - 計 測 ツールの 多 用 HIP SIP トランザクションログ/トレーサ ファイル 入 出 力 / 使 用 状 況 トレーサ ワーキングエリア 容 量 トレーサ 他 8
2 設 計 と 構 築 手 順 にかかわるもの 前 提 ( 再 掲 ): PNR(Passenger Name Record) 座 席 予 約 /メッセージ 交 換 は USAS 空 港 系 システム: 気 象 情 報 /フライトプラン/ 運 行 情 報 は 日 立 でのものを 再 開 発 開 発 運 用 などシステム 環 境 は UNIVAC 1100 シリーズ コンピュータがベース 全 体 の 設 計 での 考 慮 - 全 体 のシステム 構 造 をトップダウン 設 計 の 観 点 から 無 理 のない きれいな 構 造 にする -もっとも 貴 重 な 資 源 をできるだけ 有 効 に 活 用 する Ex. ソフトウェア 環 境 の 整 備 支 援 ソフトウェア 整 備 に 力 を 入 れる - 運 用 時 のシステム 構 造 を 考 えながら コード 作 成 以 降 開 発 途 上 の 製 品 の 工 程 間 移 動 をできるだけ シームレスにする 9
手 段 : 構 成 管 理 と 工 程 に 合 わせたシステム 生 成 -システム 生 成 は すべてシステム 生 成 グループで 実 施 する - 開 発 者 用 一 過 性 の 版 は 各 自 いつでも 自 由 に 作 ってデバッグできる 環 境 を 作 る( 開 発 方 式 ) - 全 員 対 象 の 版 は 開 発 者 のデバッグ 済 コ-ドから 適 切 と 判 断 されたものを 集 めて 生 成 する 2.1 開 発 者 用 一 過 性 の 版 -あらかじめ 登 録 したプログラムについては 一 定 の 書 式 でコードを 投 入 すれば 開 発 者 個 人 用 の 一 過 性 の 版 ができ これを 使 用 してデバッグする 開 発 方 式 2.2 全 員 対 象 の 版 - 開 発 者 全 員 対 象 の 版 は 2 週 間 に 一 度 をめどに 新 しい 版 を 生 成 する( 開 発 方 式 用 ) - 開 発 者 がソースコードを 変 更 することなく テスト 運 用 など 工 程 に 合 わせた 版 を 生 成 する Ex, 開 発 方 式 テスト 方 式 運 用 (HVTIP:ことなる 環 境 の 共 存 ) 10
振 り 返 って - 全 体 の 設 計 構 想 にもとづく 構 成 管 理 と 工 程 に 合 わせたシステム 生 成 などの 支 援 ソフトウェアやソフ トウェア 環 境 は USAS*AEI として USAS 全 体 のバックボーンになっているし HVTIP はそのベース である -USAS*RES は ANA 国 内 便 のほか イベリア フィン スカンジナビア キャセイと 業 界 再 編 の 影 響 で 残 り 少 なくなったが USAS そのものは Cargo が 市 場 の 約 30%を 占 めるなど 今 後 も 生 き 続 ける 設 計 開 始 時 点 から 30 年 以 上 もコードを 加 え 続 けて 当 初 の 美 しさは 失 われているに 違 いないが USAS ある 限 り USAS*AIE も HVTIP も なお 生 き 続 ける -USAS がオープンシステム 化 されても ここに 挙 げた 二 つの 技 術 の 根 幹 は 変 わることはない 以 上 11
補 足 Real Time System:Command and Control( 指 示 統 制 システム) OLTP(オンライントランザクション 処 理 ) Message Switching(メッセージ 交 換 ) Real Time OS( 組 み 込 みシステム 用 OS) OLTP:ネットワークに 接 続 された 複 数 の 端 末 がホストコンピュータ(もしくはサーバ)に 処 理 要 求 をお こない ホストコンピュータがその 要 求 にもとづいてデータの 参 照 追 加 更 新 削 除 などの 処 理 をして その 結 果 を 即 座 に 端 末 に 送 り 返 す 処 理 方 式 複 数 のデータベースアクセスをともなうことが 多 く 途 中 で 処 理 が 中 断 されてしまうとデータの 整 合 性 が 取 れなくなるため 高 い 信 頼 性 が 要 求 される 12
TP モニター:トランザクション 処 理 の 監 視 / 制 御 をするミドルウェア - 遠 隔 地 にある 端 末 とデータをやり 取 りする 通 信 機 能 - 複 数 の 端 末 から 入 力 されたトランザクションの 待 ち 行 列 を 作 る 機 能 -トランザクション 処 理 に 必 要 なユーザープログラムを 呼 び 出 す 機 能 -トランザクション 処 理 中 に 障 害 が 発 生 した 場 合 処 理 以 前 の 状 態 にデータを 戻 す 機 能 Ex. TUXEDO TIP CICS 13