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表現が説得力へとリンクしない随想書評目次現代詩風鈴擬態エ セイ若松丈太郎 詩集名前の付いた詩集控訴却下で有罪判決2

3 エ セイ

て来た 次第に庭石は浮き立ち始めた 上がりサツキはおもい通り抜けた だ ならない んでから先の曲が たところを梃子にすると 案外容易に根 子ごと持ちそれならば庭石たちの表情が整然とするまで サツキを取り除かなくてはさらに庭木に剪定を加えると 石たちは表情を増し 色合いと形が伴 やがて庭石の空間を脅かしていた余分なサツキが日に日に取り去られ 早速物置から背丈ほどもある鉄棒を持 て来て それを根 子に押し込昨年枝を打 たが い そおもい切 て抜き取 てしまわなくては駄目全体 狭い庭なのに植え過ぎなのだ 庭石たちの間まを無理矢理に奪 ているようなサツキがとにかく目立つ おそらく不調和で鬱陶しいのが理由だ れてない だ そのせいか気ばかりが焦る ちが どうかすると益々卑屈にさせた 釈然としないまま庭を眺めていると 自由奔放に枝葉を広げたサツキたいまだに書きためた作品たちをなだめられないのが正直なところなのしかし日を置いて再び出来映を見ると 少しも自分の意向にそうてはく強く作品たちへの説得を試みる 原因は作品が一つに納まらないからなのだ しかしそれから大分歳月が経つが一向に計画ははかどらなか た 書きためた詩を一つにまとめて詩集にしてみようとおもい立 た を探りながら 取 替え引 替えおもい立つままに再三再四に渡り 粘り拡散して逃げ出してしまう そこを一つ一つ話し掛けるようにして 理由まるで生きてでもいるように拘束されるのを嫌が て たちまちの内に4 名前の付いた詩集

らない そのいましめでもある だ 葉が四枚とも日本刀のきた うとしている まで逆らわずに引き立つままに出生を大事に 大事にしてやらなければなせるには出せる しかし余り欲張り過ぎると ポキリい てしまう あくてい た それを少しづつ少しづつ今か今かと待ち侘びていたのだ 黄色い灯りをパチリときめかせた だ その中からロングスカ トの形を向けて ラ パみたいにせり出した花弁には 昨日から降り続いた春雨の跳ね上げた砂粒の汚れが付いたままて先が半透明な薄い皮に包まれた茎がせり上が てくる それが花芽なのまるで自らが身の置場所を決めて行こうとするはずだ さ そく切花に 生花の形にみあうようにすればそれなりな美しさが出ある朝のこと すると早くから渇いている砂粒は なんの躊躇もなしにパラパラと落ち少しづつ少しづつ輝くお星さまのえりくびの花弁のかたちにな た白いやがて二枚づつ二対のペ パ ナイフの葉の間からは すでに庭に花がほころびはじめる季節を迎えている 紛れもなく自分自身と向き合うために 朝の庭先を眺めてはしきりにそんなことを感じた 詩集の方も果たしてまとまるのは間近だろう 脛はばき金がねのような白根によ て束ねられている 脛はばき金がねを押し広げれないおもいを秘めて 一切の邪念を追いや て 森羅万象の響きを聞こ庭全体が間まを置いた石と緑と土色と程好い調和をかもし出した 詩をまとめる事と庭の剪定はどこかで連繋されるような気がした 細長いペ パ ナイフのような芽とおもいきや それは葉なのだ その梅が咲き椿が咲いている下で草をむし ている辺りに水仙が芽を出していまだ誰もが書き得ないところの座に就き 何としても書かずには居らたがいなバランスに身を置こうとして 一字一句をせめぎ合いながら 5

6 現代詩

なんですか 人を裁くとは一体しかも殺された人は生き返らない あ てはならない してはならない 偶々不幸にも いかなる理由さえ上々酌量の余地がない 犯行は自分勝手で残虐非道きわまりない ないがしろにはしないでいただきたいのです 許されがたき犯行に及んでしま たのです 反省もしております しかし済んでしま た事です 亡くな た人は生き返りませんです 良し悪しすらが判然としなか たのです ですが求刑に対しては控訴するつもりです すべては狂気に憑かれての沙汰だ たのです 被害者には大変申訳ないことをいたしましたです 原告側には情というものが足りないようにおもえるからです いかなる尺度の求刑か検察側の真意が疑われてならないのです 7 控訴却下で有罪の判決

毒蛇のまなこかも知れない夢はさらにあふれかえ たちまたを夢が夢だ夢は夢でもはなたれるふたたび闇は夢の夢はあたらしいとびまわるひかりになり夢とひきかえにまるで夢のように8 擬態とりもどせるかもしれない夢で

夢できえた夢をうち夢の夢と夢さえたがいにてらしあううばわれたたわむるもそれはあまりにもなか たなら安心だが夢がなさすぎるはなしだし9

秋の宵をつつんで裏を表と風鈴短冊のかなしげに実にさびしげにひるがえしてはくる たようにくるくるくるくるくるくるくるくる小さな半鐘の舌がうた ている10

11 書評

一九七八年十一月二日/チ ルノブイリ事故の八年まえ/福島県第一原子ば若松さん家の原町も 待をものの見事に裏切り続けて来た訳なのだ 住民はや てはいけない その唯一信頼していたはずの東電は 住民の期不安と常に隣り合わせの生活 しかしそれと同時に 原発なしでは地元のうなところだ 目に見えない それに聞こえない故にどうしても拭えないなる過疎地帯 米軍基地移転問題を抱える普天間基地周辺の住民と同じよ福島県浜通り地域は 太平洋に沿 て阿武隈山地からの沖積平野が北へ連で 時間軸をも遡上させる 眼下は確かに福島県双葉郡浪江町 北上すれい が そ も言 ては居られないのだ 落下は高度と反比例する倍率こと着陸なんか放 て置いてだ 無重力な天国から下界を楽しんでいた来た この感覚は非常に懐かしくもあり はばかりたくもある い そのみんなが安全にそしてしあわせになれるはずの地上には問題が山積だ 度37 度25 25 北緯37 度若松丈太郎 詩集25 分の風とカナリアロ パはポルトガル スペイン そしてアジア大陸へ や と 北緯で覗いたタマネギの薄皮の細胞膜のような人家境界線が眼下に確認されて着陸への体勢を徐々に備え始める だんだんと下界が迫る まるで顕微鏡さあ いよいよ上空での減速体勢 大気圏を突き抜けて滑空しながら スシ トルなみな世界一周の旅は やがて福島県の浜通り ふるさとへまりだ ぼやぼやしている内に置いて行かれそう 東回りで九十分 スペ分は能登半島先端 に辿り着く いよいよこれからが本詩集 旅の始山脈 を超え リ チモンドの上空 を通過し 大西洋を横断して ヨ いなみの操縦眩暈すら伴いながら いざ東へ東へ ひと 飛び ロ キ シ ミレ シ ンソフトを スペ スシ トルの搭乗員よろしく 宇宙酔分線に沿うて 地球の自転方向にいざ出発だ グ グル ア スのサ 偏西風にまかせて アメリカのシリコン バレ から 北緯の熱く重たいノスタルジアに貫かれた若松さん的 風土圏が見えて来た 37 12

必見 弦書房/二〇〇〇円+税 みなみ風吹く日 から抜粋する 他も可也リアルで読み応え有り 購読に事故の隠蔽をようやく/認める状態が七時間三十分もつづく/東京電力は二十九年を経た二〇〇七年三月13 力発電所三号炉圧力容器の水圧試験中に制御棒五本脱落/日本最初の臨界

14 随想

を習得出来るのか か える影響は大きい ある 成し得ない現実があるのだ では パソコンヘルプはいかにすれば言語性ンヘルプがごときものとはいえ そこには相克せねば言葉で説明など到底は パソコンヘルプはそれへの対策を何か考え出せているのか 鱗が認められる はたしてパソコンを言語は説明仕切れているのだろうる一方で 短所も少なくはないIT環境の整備はまだまだ未開拓である ンを使 て原稿を書こうが書かまいが パソコンの波及が世の中の人へ与答えはいいや である そのような形跡は認められない なまじパソコ答えはいいや である 説明が成されているとは余りにも言い難い でパソコンヘルプにはまずも て言語の使い方を履き違えて用いている片特に意識面に与えるのは計り知れない 便利な長所を持ち合わせてもいパソコンへの依存度はこれからさらに高ま て行くだろう 実際パソコいやしまいかと お し られる方もおられまし う るのだ だから助言 助けの意味 ヘルプと言うのである めの手段であるのをおもい知らされたことはないはずです 乖離が存在しているのはなぜなのだろう 取り上げたいのはまさにそこでしかれど箇条書された順番に従 て操作を進める上で 現実との大きなある パソコンの画面でそのマニ アルを閲覧しながらパソコンを操作すちなみにパソコンのヘルプとはパソコンを操作するためのマニ アルでや現代詩をパソコンのヘルプ概念に照らし合わせるのはどうも的が外れてしかし当人の理解能力の問題や さらに表現と記述との相違や ましてはお分かりになるとおもいます あれほど言語の役割が 意思を伝えるた身近な例としてパソコンのヘルプの苛々を経験された方ならば その心境意思伝達の役目をはたさない記述ほど苛立たしいおもいはありません 15 表現が説得力へとリンクしない

らが置いていかれてしまうと言 た焦燥感すら感じられる る要因だ だ た そうにはなか たのだ だが まるで見て見ぬ素振だ そんなのに関わり合 ていたならば こち論の展開にしろ なんにしろも と噛み砕いたものの言いようがあるはずのを この時ほどおもい知 たことはなか た か て 訳の分からないパソコン用語を平気で多用し 電話応対されたのだ 病に伏すパソコンを横目に 救いを求めて藁をも掴みたい付添者へ向ろまでこぎつけたことがあ た こんな運がいい出来事は二度と来てくれまごころが少しでもあれば表現手段をおもいつくはずだ 説明にしろ理これはすべて言語の認識を反映し また実社会への言葉意識に反映させ表現力とは多少な親切心 まごころがなければ生まれ得るものではないしかしや とおめどうりがかな たパソコン救急病棟の先生はというとそれでも偶然に電話が繋がり や とのことで念願の診断を受けるとこいくら安売りだ たパソコンだとは言え 顧客をまるでパソコンの物のそもそもパソコンメ カ は土 日曜日が休みにな ている 平日受付電話での要望を三十分 一時間と待たせた挙句には 初めから電話の掛ように小ばかにしたそれ以下の扱いだ まりのない対応だ どに親切味が感じられない 返品したければすればいいと言 た傲慢きわトラブルをサポ トしてもらおうにも無理な時間帯だ あきれてしまうほは九時から十七時までの一般サラリ マン並みだから 電話でパソコンのてくると言 た具合だ は パソコンヘルプの言語性気質を如実に物語る 確な説明能力の言語性をいまだ持ち得てはいない け直しを要求させ さもなくば対象外な機種を理由にして 遠慮なく断 まるで嘲笑うようなアフタ ケアの至らなさ それに縦割りの融通のなさましてやパソコンがトラブルを起こしてしま た時の藁をも掴むおもを16 IT文化の水先案内であるべきマニ フ ストが基本操作の説明すら的

いう身の丈の程に酷似してはいまいか を嚙締める ルプに求めるのは困難だ なぜなら数式だからだ のを この時ほどおもい知 たことはなか た しかしそれをパソコンヘ無用な長物にな て消えて行くだろう 当たり前にな て行く 中高年の人間の生身さはパソコンのシステムには向き合うのと同等になる いつしか違和感すらが違和感ではなくな て しかない 悔しければ誰よりも堪能なパソコン操者にならなければと意地せない顧客は願い下げなのである IT文化のそこが実体なのだと諦めるへの熱意を逆撫でる あらかじめ決められた指示通りのサポ トで用の成まるで散文を雑に書けばそれがそのまま現代詩として行分けすればまかパソコンヘルプの説得力の至らなさ故に起こる問題は 書き手の自由と表現力とは多少な親切心 まごころがなければ生まれ得るものではない次第に人間の感性もパソコンに同化されて行く 人間同士がパソコンとそこに見えてくるいかんともしがたい冷ややかなこころ持ちがパソコン用心を払わなければならない現状なのか を極力避けたいのが本心にあるようなのだ レ トパ カ ド社とさほど変わりない体質だ れど気がおさまらない これも世の波と諦めなければならないのか はいまい それさえもおもい込みだとしか言いようがないほど 顧客には結果が最悪になろうが 一緒に夢中でアドバイスしてくれた者を恨む者と サポ トしたことで最悪の場合 顧客のパソコンが壊れてしまう責任ちの当たり障りのない電話対応は 極めて自己防衛的である 問い詰める説得力のない 人間味のないパソコンヘルプ それにまつわる就業者た トへ接続させる業務を請負 ているプロバイダ ニフテ も製造元ヒわるものも伝わらないのだ こんな失礼なことはないだろう インタ ネるオタク性言語で説明なさるとはま たくどういう心理なのだ だから伝パソコン操作の素人に向けて 言語の集約性をさらに内輪へだけ通用すを使う者なんかいなくなるからな その時をおもいしれ こころで罵倒す17 俺は生身な人間だ パソコンみたいに扱うな 今に見ていろ パソコン

国人を介さなければならなくな ていると言うことなのだ があるからなのだ ているわけだ れないような複雑な交信を往復させなければ労働コストに見合わない理由況が伝えられている 手順に不服があるわけではないが 通常だと考えら工場は日本にあるのだ と言うことは顧客のフリ ダイアルは中国へ繋が中国にいる中国人女性が日本人顧客の応対をしているのだ しかし修理 流暢な日本語に騙されてたまるか 人で十分なわけだ まことに理に適 ている の取捨選択に変換されている だからパソコン機能を超えない応対は外国つ明瞭な 式記号である 訴え 要請する感情的話し手は 式記号へつまり日本にいる日本人の顧客が日本に工場を持つパソコン支社への修つまり日本人が日本人へ用を足そうとするのには 一旦は中国にいる中だから折り返し中国人女性受付から日本の修理工場へ顧客のクレ ム状りは物足りない だろう 異国の言語のハンデ からではない 何かだ ある どこかしら間が抜けている どこかを勘違いしていやしまいか せば直るが デ タ はすべて消えてしまう り通るような自由と身の丈の程とは大変似ていやしないか 憤りや救いを的確な要点で把握するのには余分な感情を排除させた簡単か理解するには狭くて決ま た認識回路だ 電話線を通して聞こえる顧客のそれはそうであろう 母国語ほどの語彙を持たない外国人が 日本語を そうなのだ その何か それにしてもなんか変だ なんだか変と言うよそんな風に感じてしまうのは 外国人だからなのか いやそうではない流暢な日本語で応対をする受付担当だが パソコン製造元の修理係りは以前に パソコンが壊れたことがあ た パソコンは壊れても修理に出パソコンが与える弊害の領域は孤独感 疎外感の増加へも大きな影響がどのようなテンプレ トを持とうが それも本人の自由なのか それは18

書きためた原稿 毎日のように推敲を更新させた原稿のデ タ の方は それもさ き聞いた さ き聞いたろうに 部品交換をしなければならないような製品を販売しておきながら 今までソコンの製造元でし う 製造元である立場で半年も経たない内に内蔵のないだろう 何回聞いても腹が立 てくるセリフだこと あなたたちはパ 流暢に軽く冗談言わないでくれよお嬢さん それでいい訳なぞどこにもす その手筈で進めても よろしい ですか くなります それ よろしいですか よろしければ係りの者が車で伺いま つきましては お客様の今までのデ タ は リカバリ されて全部な数を掛けますが 内臓部品のお取替えをいたします とう御座います どうも内蔵のデスクが故障しているようですので お手 では 今から言うことに従 て操作願いますでし うか はい ありが ハイありがとう御座います 今回はどういたしましたですか 一回言えば分かるだろうに 何回言わせるんだよ をお し て頂けますか 咎めることなぞもう出来ない もいをひたすら懐かしむ それだけしか許されないのだ まるでパソコンの音声みたいだ 君らはみんなパソコンか 話ナンバ とお名前をフルネ ムでお し て頂けますか 三回目の電話を掛けてみる 何回電話しようが電話代は無料だ ハイ結構です ありがとう御座います 次に お客様のシリアルナンバ 担当を受け持ちますリイと申します 失礼ですが はじめにお客様の電只々 最早どこかに消えてしま たらしい 言葉はまごころだと言うお外国人の受け答えの至らなさを嘆いても最早はじまらないし ましてやるとはどう言うことだ らなくなる 日本人顧客はそうい た扱いをされる現状なのだ れない それにしてもだ 末端先の顧客への応対に外国人を起用させていまるでパソコンがはじき出しそうな考えだ しかし従わないでは叶えら19 理要請を わざわざ中国へフリ ダイアルさせることから始めなければな

自分だけが奈落の底に落ちていく う 認識の差がある コン販売の陥穽だ からは一切なか たのだ 差が出来ていたのだ パソコンの波及がもたらした弊害に違いない うした心境を理解しては頂けなか た そこには言葉のハンデ とは違にして返すのが筋ではないのか しかしそれは通らない訳だ これがパソかかるのだろうけど パソコンの本体は勿論なこと 中身の記録も元通り たのだ 当然そうした復旧への助言や紹介のアドバイスすらメ カ 側音を立てて崩れているけれどもまわりはなんともない 普段のままだ その一点張りだ た 意図も簡単に中国人女性の受付にNOを宣告されて成す術をなくした 実にあ さりしたものだ 相手の痛みを分かろうとしない 同じ人間同志なのに まるで人類らしからぬ違い 認識にこれほどの格目が点に成るほど大変なことにな てしま た 中国人女性受付にはそ製品の保障期間中の故障はメ カ の過失だ 勿論だから無料で直しにだから復旧サ ビスを専門にしている企業があることなぞ知る由もなか ご迷惑おかけ致しております 当社では復旧へのサ ビスは行 ておりません りでし う 随分に無責任ですね どうしますか て 修理に出せばデ タ を消すんでし う あいにくデ タ の復旧は私どもの会社では受付けてはおりません それが否ならパソコンは直せないと言うんじ まるで踏んだり蹴 た では どういたしますか ハイ お客様のお し られるとおりです よりは それが先決でし う デ タ の復旧がですよ いでし う 中身のデ タ を元通りに返しなさい パソコン本体の修理どう直してくれるんですか 部品を新しく調達すれば済むという話ではな 受付けていない て 軽く言いますけど 納得出来ません そんなこと 20

うほどにおもいしらされるのだ だ 性が現実を不便にしている こうしたパラド クスをパソコンでは嫌と言散が閉塞的な言語域を生成させる 排他的な言語性を要塞にしてだ 多様リンクしないものとの関係には常に不信感が付きまとう 閉塞感にさいなまれるのはいつの世でも同じ様に存在していたはずなのコン操作の熟練者たちのアイデンテテ に席巻された しかしそのようなな言語性を強く現しているばかりか 人格をも形成させる あろうが いずれにしても孤立者の性格 これはパソコンヘルプの閉鎖的自分で納得がいかないのは受け付けない それが正しかろうが 間違いで多勢に無勢な開放を押し付けられれば案外拘束されるのと変わらない 多様性は連帯関係を自由に拡散させる 払拭されない不信感と自由な拡確かに情報を調べる上での検索は便利であるパソコン しかし使う者へしごく便利な時代の幕開けを象徴したはずのIT文化は いつしかパソパ ソナルコンピ タ 略してパソコンとはよく言 たものである ンを操作する者が知らないうちに犯されている弊害だ 明けようがどうにもならないのは知れている そうした心理状態はパソコる 誰にも打ち明けられないし 打ち明けたくはない閉鎖性 しいて打ちネ トで横の繋がりを持ちながらも 孤立な面も同時に持ち合わせていがこうなんだ 知れない孤独 これを一体何に喩えようか 寄りによ てなんで自分だけ今朝も平常だ た 世の中にあ て自分だけが落ちて行く 孤独 言いしかし自分にそれほどのしたたかさはない 立ち上が て行 たのだから素晴らしい 家が焼け落ちていく光景と 明日をも知れない現状を経験し 裸一貫から灰と化した経験の文化人は少なくないはずだ か たものではないはず 戦時下の空襲でかけがえのないのを一瞬にしても また初めからやり直して遂に完成させた 災難は彼女ばかりにふりか与謝野晶子は火の不始末で源氏物語の現代語訳原稿を消失してしま て 焼けちま たよ 着の身着のまま命からがら逃げ出すのが精一杯だ た 21

た た 表現を成就することなのだ な時から語 て聞かせた そうしてほとんどが裸一貫から身を起こしていと 自分たちが歩んできた生きざまを子供たちに語 て聞かせた世代だ かりこころのリレ を示してこなか たのではあるまいか と それからまどい 暗澹と閉塞する雲行き そればかりである うならば 生まれてやまないのは自由過ぎるが故の張りを失 たこころそのしたたかな人生は どれもこれも長編小説を語 て聞かせられるほ空襲 引き揚げ 物資がない 腹ペコの経験を次を担う子供たちに小さたとえばわたしたちの父親の世代と母親の世代は 戦前 戦時下 戦後後輩たちを見ているとそんな気にさせられるのだ もしかするとわたしたち五〇代後半の世代 ていうのは年下の世代にし自立なき自由には表現など生まれない 生まれるはずもない しいて言つまり自由とは 表現の自由とは 自由にまどわせられないでおのれの性である どう捉えているか 言語性はそれで決まるのだ しかれど現代詩の書き手にはそこをどのように捉えているのか 自由をる 書き手は読み手へ悟性を秘めて語るものなのだ それが現代詩の言語らかだ ちへのさりげないまごころである パソコンヘルプと現代詩とを悟性的言語性に置いて見ればその違いは明ことで何とか教えさとそうとする試み 本当の力ある者からの悩める人たれである 教えさとす上で相克しなければならない難解晦渋を たとえる現代詩に貼り巡る喩 喩とはたとえること 教えさとすことにおけるそク性である の認識つまり書き癖にある 一体 現代詩の言語性とは何か それをパソコン用語で言うならばリン読み手への比喩は 悟性への書き手からの期待するメ セ ジ性にあ22 パソコンと現代詩との共通的言語性の中に見えてくるのは書き手の言語

いく だ 下で大きくな た わせること と言う意味 権力に対するそれである オタク世代への吸引力に強く関わり合うからなのだ 戦後生まれ世代はどのようにして自分たちの位置を見出してい たのか だ 過去の封印を解いてもいまさらそれがなんになろうとでもいう様にちや子供たちに語 て聞かそうとはせずに そのままにして置きたい方どに感銘的な素晴らしい自分史だ た つまり戦後処理を曖昧にしたまま世代は内向へとみずからを前進させて迎合すなわち自分の考えを曲げてでも 他人の気に入るように調子を合すなわちどの様にして折り合いが成されたのか それは後の戦後二世のいわば恵まれているのを当たり前に歩んできた自分たちをあまり後輩たところでわれわれ五十代後半世代は 戦前生まれを親に持つその子供た戦前生まれの世代たちが歴然とした地位に位置づけられていた現状に 23 ちである いわゆる戦争の暗さを知らない 戦後復興の恵まれた経済成長