アンテナ 解 析 ソフト (アンテナ シミュレータ[Antenna Simulator]) MMANAを 気 楽 に 活 用 しよう -とっかかり 編 - KANHAM2012 説 明 :JA3APU 直 原 1
目 次 1.アンテナ 解 析 ソフト MMANA とは 2.MMANAのインストール 3. 主 なウインドウの 概 要 4.とにかくやって 見 よう アンテナ 定 義 の 方 法 と 計 算 (1)40mバンド ワイヤーDP (2)40mバンド ワイヤー 逆 V-DP ワイヤー 編 集 を 使 って 角 度 を 変 える (3)40mバンド ワイヤー 折 り 曲 げDP (4)40mバンド 垂 直 アンテナ 5. 定 義 済 みデータの 利 用 方 法 (1)80mバンド 短 縮 ワイヤーDP (2)80m/40m マルチバンドワイヤーDP 6. 用 語 の 説 明 (モーメント 法 PULSE(パルス) SEG(セグメント)) 7. 八 木 アンテナの 実 例 (1)20m 2エレ 20m 3エレ (2)20m HB9CV, 6m 7エレ 8.アンテナ 調 整 時 の 注 意 点 9. 他 の 解 析 ソフトの 紹 介 MMANA-GAL EZNEC+V5.0 2
MMANA(Makoto Mori ANAlyzer)は 米 国 政 府 研 究 機 関 で 開 発 された MININEC Ver3 を 元 に JE3HHT 森 誠 氏 が 作 成 したモーメント 法 によるアンテナ 解 析 ソフトです 計 算 エン ジンはBASICのソースファイルがPDSとして 公 開 されておりそれをC++(Borland C++Builder)に 移 植 されたものです (MMANA V1.77 Helpより) 現 状 では 以 下 の 機 能 を 備 えています (MMANA V1.77 Helpより) アンテナ 定 義 のエディタ アンテナ 形 状 表 示 セグメント 分 割 電 流 分 布 表 示 水 平 パターン 垂 直 パターン 表 示 と 印 刷 複 数 の 結 果 の 比 較 エレメント 編 集 ワイヤ 編 集 異 径 パイプの 組 み 合 わせ 設 定 最 適 化 (jx, SWR, Gain, F/B, Elev, 電 流 ) 最 適 化 結 果 一 覧 表 示 と 手 動 修 正 周 波 数 特 性 の 表 示 と 印 刷 各 種 データファイルの 作 成 1.アンテナ 解 析 ソフト MMANA とは モーメント 法 :アンテナ 上 の 電 流 分 布 (sinθ)をコン ピュータで 高 速 に 計 算 するため 矩 形 波 形 (パルス)で 近 似 して 計 算 する 手 法 ( 詳 細 後 述 ) MINNEC:NEC(ネック)とは,Numerical Electromagnetics Code の 略 で,Ver3は1986 年 米 国 Lawrence Livermore 国 立 研 究 所 などが 共 同 で 開 発 したソフトです.MININECはそのミニ 版 というわけで す( 小 暮 裕 明 著 書 パソコンによるアンテナ 設 計 より) PDS(Public Domain Software): 主 にネットワークで 流 通 するソフトウェアで 使 われる 著 作 者 により その 著 作 権 が 放 棄 されているがゆえに 利 用 者 は 著 作 権 による 制 限 なしにソフトウェアを 利 用 することがで きる ソースコードの 入 手 が 可 能 な 場 合 は それを 元 に 改 変 した 上 で 改 変 後 のものを 頒 布 することも 可 能 3 である (Wikipedia より)
2.MMANAのインストール http://www33.ocn.ne.jp/~je3hht/mmana/index.html 1 MMANA で 検 索 Windows7 32Bit 版 Starter 動 作 2ダウンロード インストール 後 のフォルダ 4
3. 主 なウインドウの 概 要 起 動 後 の 初 期 画 面 アンテナ 形 状 を 図 示 アンテナの 形 状 寸 法 を 定 義 計 算 を 実 行 結 果 表 示 垂 直 水 平 特 性 を 図 示 5
(1)40mバンド ワイヤーDP 1アンテナ 設 計 条 件 を 定 義 する アンテナの 名 前 ( 任 意 のメモ) アンテナの 周 波 数 Wireの 半 径 Y1 21m( 約 λ/2) 給 電 点 の 設 定 (Wire No.1のCenter) Y2 6
(1)40mバンド ワイヤーDP 2アンテナ 定 義 を 図 で 確 認 する 7
(1)40mバンド ワイヤーDP 3 計 算 して 解 析 値 を 得 る 計 算 する 周 波 数 ( 任 意 の 値 ) 定 義 大 地 の 半 径 定 義 大 地 の 高 さ 大 地 の 条 件 : 現 実 の 設 置 条 件 に 近 い 計 算 周 波 数 給 電 点 イン ピーダンス 50Ωに 対 する SWR DP 比 利 得 Front/Back 比 自 由 空 間 に 於 ける 等 方 向 性 (Isotropic)アンテナを 基 準 と した 利 得 ( 自 由 空 間 でのDP は2.15dBi) 最 大 垂 直 放 射 角 8
(1)40mバンド ワイヤーDP 4パターン( 放 射 特 性 ) 等 を 確 認 する 電 流 値 X 軸 Y 軸 最 大 放 射 角 9
(1)40mバンド ワイヤーDP 5 周 波 数 特 性 を 確 認 する-その1 共 振 点 SWR 特 性 利 得 F/B 比 10
(1)40mバンド ワイヤーDP 5 周 波 数 特 性 を 確 認 する-その2 帯 域 幅 11
(1)40mバンド ワイヤーDP 6 最 適 化 の 方 法 おおよその 長 さを 設 定 計 算 結 果 は 共 振 点 が ずれている 最 適 化 の 設 定 最 適 化 されたエレメント 長 最 適 化 の 結 果 12
(1)40mバンド ワイヤーDP 7 地 上 高 を 変 えてみる 地 上 高 を 変 えながら 計 算 結 果 を 確 認 する インピーダンスの 変 化 ( 共 振 点 が 変 化 する) 垂 直 放 射 角 の 変 化 ( 地 上 高 低 いと 国 内 向 け 高 いとDX 向 け) 13
(2)40mバンド ワイヤー 逆 V-DP 1 形 状 を 決 め 座 標 を 求 めます cos30 =0.87 Y=0, Z=0 Y 軸 30 sin60 =0.5 エレメント 長 =1 Z 軸 Y=0.87, Z=-0.5 Y=-0.87, Z=-0.5 実 際 のエレメント 長 (10.5m)に 換 算 Y1 Z1 Y2 Z2 Wire No.1 0 0 10.5 0.87=9.135 10.5 (-0.5)=-5.25 Wire No.2 0 0 10.5 (-0.879)=-9.135 10.5 (-0.5)=-5.25 14
(2)40mバンド ワイヤー 逆 V-DP 2 定 義 をする W3の 長 さだけ 補 正 W3:0.1m W3C 給 電 するための 短 いエレメントを 追 加 します W1,2:10.5m エレメント 長 が 約 105mを 確 認 15
(2)40mバンド ワイヤー 逆 V-DP 3 計 算 し 最 適 化 する No.1: 地 上 高 20m 計 算 結 果 No.2: 地 上 高 20m 最 適 化 (アンテナ 定 義 確 認 ) No.3: 地 上 高 10m 計 算 結 果 No.4: 地 上 高 10m 最 適 化 (アンテナ 定 義 確 認 ) 16
(2)40mバンド ワイヤー 逆 V-DP 4ワイヤー 編 集 を 使 って 角 度 を 変 える-その1 1 編 集 ワイヤー 編 集 を 選 択 2Y-Z( 正 面 からの 眺 め)を 選 択 3 編 集 画 面 17
(2)40mバンド ワイヤー 逆 V-DP 4ワイヤー 編 集 を 使 って 角 度 を 変 える-その2 90 度 長 さを 確 認 4ワイヤーの 先 をマウスでドラッグする 18
(2)40mバンド ワイヤー 逆 V-DP 4ワイヤー 編 集 を 使 って 角 度 を 変 える-その3 5アンテナ 定 義 にもどり 6 結 果 を 確 認 する 90 度 120 度 7 最 適 化 をしてファイルを 保 存 19
(2)40mバンド ワイヤー 折 り 曲 げDP 1アンテナ 定 義 おおよその 長 さを 設 定 形 状 確 認 20
(2)40mバンド ワイヤー 折 り 曲 げDP 2 計 算 し 最 適 化 する No.1: 地 上 高 20m 計 算 結 果 No.2: 地 上 高 20m 最 適 化 (アンテナ 定 義 確 認 ) No.3: 地 上 高 10m 計 算 結 果 No.4: 地 上 高 10m 最 適 化 (アンテナ 定 義 確 認 ) 21
(3)40mバンド 垂 直 アンテナ 1 接 地 型 アンテナ 定 義 約 λ/4 長 を 設 定 します 給 電 点 の 設 定 (Wire No.1のBase) 22
(3)40mバンド 垂 直 アンテナ 2 接 地 型 アンテナ 計 算 結 果 利 得 は 大 地 の 状 態 (メディ アの 設 定 )で 大 きく 変 わり ます 23
(3)40mバンド 垂 直 アンテナ 3 接 地 型 アンテナ 最 適 化 最 適 化 結 果 24
(3)40mバンド 垂 直 アンテナ 4LCマッチングの 定 数 を 求 める 表 示 オプションを 選 択 Lの 巻 数 を 求 める j 40mバンド 垂 直 アンテナ 給 電 点 R=36.7Ω jx=0.6ωと 給 電 ケーブル50ΩとのLCマッチング 定 数 を 求 める Zin ZL 25
(4)40mバンド 垂 直 アンテナ 1カウンターポイズ 式 定 義 垂 直 エレメントは 最 後 に 定 義 します 26
(4)40mバンド 垂 直 アンテナ 2カウンターポイズ 式 計 算 結 果 カウンターポイズを 張 った 方 向 に 指 向 性 が 出 ます 27
5. 定 義 済 みデータの 利 用 方 法 (1)80mバンド 短 縮 DP-その1 1ファイル メニューから DP160LD.MAA を 開 きます 2Name Freqを 変 更 します 3エレメント 両 端 を1/2 波 長 より 5mずつ 短 縮 します 4Rは 直 径 1.6mmのIV 線 を 使 用 するこ とにし Segを20とします 5ローディングコイルを 挿 入 する 位 置 をエレメントの 中 央 に 来 るよ う 設 定 します 6 種 類 欄 を 左 クリックしてLCとします 7ひとまず20μH Qを100とします 28
5. 定 義 済 みデータの 利 用 方 法 (1)80mバンド 短 縮 DP-その2 8 形 状 を 表 示 します 9 分 割 の 表 示 にチェックを 入 れ エ レメント 片 側 中 央 のセグメントにコ イルが 挿 入 されていることを 確 認 し ます( 印 ) 10 計 算 結 果 は jxが 容 量 性 で 共 振 点 は 目 的 周 波 数 より 高 い 29
5. 定 義 済 みデータの 利 用 方 法 (1)80mバンド 短 縮 DP-その3 11 周 波 数 特 性 で 共 振 点 を 表 示 します 13 定 義 画 面 に 戻 ってLを 少 し 増 やします 12jXが0となっている 周 波 数 は 3.60MHzとなっています 14 再 度 計 算 して 共 振 点 を 求 めます 16SWRを 表 示 します 15 共 振 点 は3.517MHzとなりま した 30
5. 定 義 済 みデータの 利 用 方 法 (1)80mバンド 短 縮 DP-その4 18 最 後 にデータを 保 存 して 終 了 17コイルの 巻 数 等 を 求 めます 31
5. 定 義 済 みデータの 利 用 方 法 (2)80/40mバンド マルチバンドDP-その1 1ファイルメニューから MULTDPL.MAA を 開 きます 2160mを 削 除 します 3WireNo.4,5を 削 除 します (データセルを 選 択 して 右 クリック この 行 を 削 除 ) 5LCの 値 はオプションの 共 振 か ら 求 めます 4 同 様 w5b,w6bを 削 除 します 32
5. 定 義 済 みデータの 利 用 方 法 (2)80/40mバンド マルチバンドDP-その2 6 周 波 数 地 上 高 を 変 えて 共 振 点 が 帯 域 内 にあること を 確 認 します 調 整 は 定 義 画 面 でエレメント 長 を 少 しずつ 変 えて 試 行 錯 誤 します 33
6. 用 語 の 説 明 (モーメント 法 PULSE(パルス) SEG(セグメント)) Segの 分 割 方 法 初 期 値 のままで 支 障 は 無 い ( 詳 細 はAppend.txt 参 照 ) モーメント 法 アンテナ エレメントをセグメントと いう 単 位 で 分 割 し それぞれのセグメン トの 電 流 値 をパルス( 矩 形 波 )で 近 似 し て 計 算 する(CPU 等 の 負 荷 軽 減 ) PULSE イメージ 図 1/2λ DP 電 流 分 布 の 近 似 1 2 3 10 Seg(セグメント) Segの 設 定 方 法 0: 自 動 設 定 ( 均 等 割 ) -1: 自 動 設 定 (テーパリング: エレメント 両 端 で 細 分 割 ) #: 指 定 数 値 で 手 動 分 割 ( 6~20 ) w#c:エレメントの 中 央 に 給 電 w#b:エレメントの 基 部 に 給 電 w#e:エレメントの 終 端 部 に 給 電 w#b2:エレメント 基 部 から2 番 目 のセグメントに 給 電 (#:ワイヤーNo. ) ローディング コイルやトラップ 回 路 挿 入 点 の 指 定 ( 給 電 点 と 同 じ 方 法 ) 34
6. 用 語 の 説 明 (モーメント 法 PULSE(パルス) SEG(セグメント)) テーパリングの 例 ( 垂 直 アンテナの 場 合 計 算 精 度 が 向 上 する) 35
(1)20m 2エレ 20m 3エレ 7. 八 木 アンテナの 実 例 定 義 ファイル 2EL20.MAA 定 義 ファイル 3EL20.MAA Rのマイナス 設 定 は 異 径 パイプの 組 み 合 わせ (APPEND.TXT 参 照 ) 編 集 エレメント 編 集 画 面 で 右 クリック すると ワイヤ 組 み 合 わせデータ 画 面 がポップアップします 36
(2)20m HB9CV, 6m 7エレ 7. 八 木 アンテナの 実 例 位 相 給 電 の 設 定 37
8.アンテナ 調 整 時 の 注 意 点 正 しい 給 電 点 の 共 振 点 測 定 方 法 長 さ=( 波 長 /2 ケーブル 短 縮 率 ) 整 数 倍 アンテナ 測 定 点 給 電 ケーブル 40mバンド( 共 振 周 波 数 7.05MHz) λ/2 波 長 DP 5D-2V 同 軸 ケーブル 給 電 の 例 アンテナ 長 さ=(42.55/2 0.67)=14.25m 測 定 点 給 電 点 と 同 じ インピーダン スを 示 す 給 電 点 SWR=1.5 Z=55-j21 長 さ=10m 測 定 点 SWR=1.5 Z=65+j18 アンテナ 測 定 点 共 振 点 は 高 い のに 低 く 見 え る 給 電 点 SWR=1.5 Z=55-j21 長 さ=20m 測 定 点 SWR=1.5 Z=33-j2 あたかも 共 振 アンテナ 測 定 点 しているよう に 見 える 給 電 点 SWR=1.0 Z=50+j0 長 さ= 任 意 長 測 定 点 SWR=1.0 Z=50+j0 アンテナ 測 定 点 給 電 点 が 整 合 している 場 合 38
MMANA-GAL Basic(フリー) 9. 他 の 解 析 ソフトウェアの 紹 介 アンテナ 定 義 ファイルが 豊 富 (MMANAと 同 じ 形 式 ) EZNEC+v5( 有 料 ) より 高 度 の 解 析 が 可 能 39
参 考 資 料 : MMANAソフトウェアマニュアル MMANAソフトウェアマニュアル 補 足 大 庭 信 之 著 アンテナ 解 析 ソフト MMANA CQ 出 版 社 木 暮 裕 明 編 著 パソコンによるアンテナ 設 計 CQ 出 版 社 KANHAM2012 講 演 資 料 2012/7/14 作 成 :JA3APU 直 原 興 三 企 画 :KANHAM2012 実 行 委 員 会 40