消化性潰瘍(扉ページ)

Similar documents
indd

スライド 1

したことによると考えられています 4. ピロリ菌の検査法ピロリ菌の検査法にはいくつかの種類があり 内視鏡を使うものとそうでないものに大きく分けられます 前者は 内視鏡を使って胃の組織を採取し それを材料にしてピロリ菌の有無を調べます 胃粘膜組織を顕微鏡で見てピロリ菌を探す方法 ( 鏡検法 ) 先に述

消化器病市民向け

消化器病市民向け

Drug Infomation

Microsoft PowerPoint - __________________________ ppt

第三問 : 次の基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( 入してください ) 内に記 1( ) 胃液は胃酸 ( 塩酸 ) を含んでいるため 強い酸性を示す 2( ) ペプシンは胃粘膜を保護する働きがあるペプシンは攻撃因子の一つです 3( ) 十二指腸は胃の上にある長さ 25c

< F2D C D838A8BDB92CA926D2E6A7464>

<4D F736F F D208FC189BB8AED93E089C85F B CF8AB E646F63>

Ⅴ 古陶器にみる装飾技法

洗浄 消毒 スコープおよび周辺機器の洗浄 消毒は 消化器内視鏡ガイドライン ( 日本消化器内視鏡 学会 ) に準じて行うこと 5) 判定 部位 所見の部位を記載する 食道 ( 上部 中部 下部 食道胃粘膜接合部 ) 胃 ( 穹窿部 噴門部 体上部 体中部 体下部 胃角部 前庭部 ) ( 大弯 小弯

4 月 20 日 2 胃癌の内視鏡診断と治療 GIO: 胃癌の内視鏡診断と内視鏡治療について理解する SBO: 1. 胃癌の肉眼的分類を列記できる 2. 胃癌の内視鏡的診断を説明できる 3. 内視鏡治療の適応基準とその根拠を理解する 4. 内視鏡治療の方法 合併症を理解する 4 月 27 日 1 胃

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

Microsoft Word - 13関塚_胃潰瘍.doc

untitled

tomo_sp1

2. (297) 91 (365) (366) (371) (673) (938) (64) 85 (91) (631) (561) (302) (616) 63 (906) 68 (338) (714) (747) (169) (718) 62 (1,063) 67 (714) (169) (90

2. (1,009) 45 (368) (226) (133) (54) (260) 25 (446) 30 (774) (156) (805) (244) (652) 22 (128) (652) (157) (597) (805) (446) 30 (774) 35 (238) (581) (1

胃 ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を受けられる患者さんへ

学校保健304号

学校保健特別増刊号

学校保健290号

Japanese Y Y


D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

Taro-01 胃がん内視鏡検診手引き

ブラッシュアップ急性腹症 第2版

日本人間ドック学会-所見:上部消化管内視鏡

スライド 1

pdf0_1ページ目

PowerPoint プレゼンテーション

相続支払い対策ポイント

150423HC相続資産圧縮対策のポイント

ハピタス のコピー.pages

Copyright 2008 All Rights Reserved 2

平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 ,034 平成 28 年度 -

BMP7MS08_693.pdf

外来在宅化学療法の実際

Microsoft PowerPoint - 消火器講義.ppt [互換モード]



pdf0_1ページ目

pdf0_1ページ目

pdf0_1ページ目

学位論文の要旨 Impact of endoscopic duodenitis on functional dyspepsia: quantitative analysis of duodenal endoscopic images and medical multimodal data minin

pdf0_1ページ目

初心者にもできるアメブロカスタマイズ新2016.pages

- 2 Copyright (C) All Rights Reserved.

Microsoft Word - 届出基準

Vol 夏号 最先端の腹腔鏡下手術を本格導入 東海中央病院では 平成25年1月から 胃癌 大腸癌に対する腹腔鏡下手術を本格導入しており 術後の合併症もなく 早期の退院が可能となっています 4月からは 内視鏡外科技術認定資格を有する 日比健志消化器外科部長が赴任し 通常の腹腔 鏡下手術に

小児の腹部エコー -消化管エコーの時代へ-

32 子宮頸癌 子宮体癌 卵巣癌での進行期分類の相違点 進行期分類の相違点 結果 考察 1 子宮頚癌ではリンパ節転移の有無を病期判定に用いない 子宮頚癌では0 期とⅠa 期では上皮内に癌がとどまっているため リンパ節転移は一般に起こらないが それ以上進行するとリンパ節転移が出現する しかし 治療方法

するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

Copyright All Rights Reserved. -2 -!

p 13

Microsoft Word - 最終版 バックせどりismマニュアル .docx

Microsoft Word - todaypdf doc

PowerPoint プレゼンテーション

拡大内視鏡とはレンズのズーム機能を用いて消化管粘膜を拡大して観察し 粘膜内の血管や腺管構造の詳細な構造の情報から通常内視鏡よりさらに正確な診断を得る検査法です ここでは胃の拡大内視鏡診断について述べますが ピロリ菌による炎症の有無 癌か胃炎かの鑑別などを行うことができます 1. ピロリ菌未感染の正常

Microsoft Word _ソリリス点滴静注300mg 同意説明文書 aHUS-ICF-1712.docx

Transcription:

患者さんと家族のための 消化性潰瘍 ガイドブック 編集 日本消化器病学会 Copyright C THE JAPANESE SOCIETY OF GASTROENTEROLOGY. d

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

20 21 22 23 24 25 26 27

1 消化性潰瘍の理解のために 2 消化性潰瘍の原因は 日本での消化性潰瘍の原因は ピロリ菌によるものが大部分で その次に多いの が NSAIDs によるものです よくある質問 8 よくある質問 11 参照 潰瘍が とけつ あると そこから出血して 血を吐いたり 吐血 真黒な便 タール便 が出たりす しゅっけつせいかいよう ることがあります 出血性潰瘍 また 胃や十二指腸の壁に穴があいて 穿孔 ふくまくえん せんこうせいふくまくえん 食物などが外に漏れ出して腹膜炎 穿孔性腹膜炎 をおこして手術が必要になること もあります よくある質問 27 参照 ピロリ菌が発見されるまでは 酸や消化酵素による消化作用 自己消化 によって 潰瘍がおきると考えられていたため 今でも胃や十二指腸にできる潰瘍をまとめて 消化性潰瘍 とよびます 胃癌などの悪性の病気でも 組織の一部に潰瘍ができる がんせいかいよう ことがあります この場合の潰瘍 癌性潰瘍 は 一般的には消化性潰瘍とはよびま せん 消化性潰瘍と癌性潰瘍は 内視鏡検査だけでは区別がつきにくいことがある ので 潰瘍の周囲の粘膜から組織の一部を採取 生検 して 悪性の潰瘍かどうかを きちんと鑑別することが重要です よくある質問 10 参照 びらんと潰瘍 粘膜上皮 粘膜筋板 粘膜下層 固有筋層 漿膜 びらん 潰瘍 胃潰瘍の内視鏡写真 図 消化性潰瘍の模式図と内視鏡写真 3 Copyright C THE JAPANESE SOCIETY OF GASTROENTEROLOGY. d

1 消化性潰瘍の理解のために おうと 然 上腹部痛 嘔吐などの症状で発症し 早期に内視鏡検査をおこなうと胃や十二 指腸の粘膜に多発のびらん 発赤 出血 多発する浅い潰瘍が観察されます 身体 的ストレスあるいは肉体的ストレス NSAIDs などの薬剤 ピロリ菌の急性感染 食物などがこの疾患の原因となります この発生機序も胃粘膜の血流低下によるも のと考えられています いずれにしても 喫煙と過度のストレスは避けるべきです 急性胃粘膜病変 AGML の内視鏡写真 図 たばこやストレスが潰瘍の原因になる 11 Copyright C THE JAPANESE SOCIETY OF GASTROENTEROLOGY. d

Copyright(C)THE JAPANESE SOCIETY OF GASTROENTEROLOGY. ALL right reserve